手倉森監督、八咫烏に誓う世界へリベンジ

2014.07.22 09:00 Tue
W杯ブラジル大会が幕を閉じ、16年リオデジャネイロ五輪へ動きだした。U-21(21歳以下)日本代表の手倉森誠監督(46)が、21日までに和歌山・那智勝浦町の熊野那智大社を参拝した。「リオ世代で世界へリベンジ」を掲げ、前回ロンドン大会の4位以上=メダル獲得を必勝祈願した。日本代表のエンブレムにもなっている八咫烏(やたがらす)を祭る神社で、2年後へのスタートを切った。

神頼み、ではなく決意表明が目的だった。帰京後、取材に応じた手倉森監督によると、熊野那智大社を参拝したのは今月14日。W杯決勝のドイツ-アルゼンチン戦を視察先の大阪でテレビ観戦し「興奮して寝られなくなり、そのままレンタカーに乗った」。あえて、奈良の秘境天川村など舗装されていない道を通った。これから歩む険しい道のりを感じながら、片道5時間かけてたどり着いた。

那智大社など「熊野三山」の守り神「八咫烏」と、日本サッカー協会のシンボルが同じ3本足のカラスという縁で、W杯初出場の98年から日本協会の参拝が始まった。ただ、いずれも訪れたのは関係者で「代表監督が直接来られた例はありません」(熊野三山協議会)。手倉森監督は「W杯が終わる日はリオへの戦いが始まる日。実際に足を運ぶことで、その1歩を踏み出したかった」と1人旅の理由を説明した。
那智の滝を背に467の石段を上がり、神前で「日本サッカーを世界の強豪国に」と誓った。W杯で韓国-ベルギー戦など3試合を見て思ったことだ。「世界基準が分かった。アジア勢は理想を追い、現実を突きつけられた。ほかの国も特有性を出す大会になるかと思ったら、どこも勝利優先。前回優勝のスペインを追うのではなく倒そうとしていた。その姿勢がアジアと世界の差になった」。

そして「リオ世代が今回の日本の結果を挽回しなければ。2年後の五輪までに今回の差を詰めないと、4年後のロシアW杯でまた苦しむ。世界相手に苦戦することを前提としたチーム作りが必要」と実感した。同時に、これまでU-21代表に伝えてきた「全員守備、全員攻撃」が世界の流れになった。「目指す方向は間違っていなかった」と確信した。
今後は8月に福岡で合宿し、9月の仁川アジア大会(韓国)で連覇を狙う。「まずはアジアでも現実的な戦いをして勝つ。理想を語るのはその先」と結果を優先する。「W杯の悔しさを受け止め、日本の現在地を理解させることからブレずにやっていく」。八咫烏が羽ばたいた場所から、地に足つけてリオを目指していく。【取材・構成=木下淳】

◆熊野と八咫烏(やたがらす) 熊野三山では熊野権現の使いとして、3本の足を持つ黒い鳥「八咫烏」をあがめてきた。神武東征で、神武天皇を熊野から大和へ導き、勝利の象徴とされ、3本の足は「天地人」を表す。日本サッカー協会(JFA)のシンボルに八咫烏が採用されたのは、日本初のサッカー書「アッソシェーションフットボール」を出版した中村覚之助氏が現在の那智勝浦町出身だったことに起因する。中村氏の後輩で、後のJFA創設に尽力した内野台嶺氏が、中村氏に敬意を表して1931年(昭6)にデザインを発案、採用した説が有力視されている。

提供:日刊スポーツ

キリンチャレンジカップの関連記事

キックオフ直後から、気合という燃料を積んでいることは明らかだった。このチャンスを、モノにしてやるんだ。攻守両面でのアグレッシブなプレーから、この試合に懸ける思いは全身から溢れ出ていた。タフに右サイドを守りながら、同学年のMF久保建英と一緒に決定機も演出した。サイドバックを本職とする選手が生み出すハーモニーが顔を覗かせて 2025.11.20 21:00 Thu
ガーナ代表戦、ボリビア代表戦と続いた11月シリーズを、日本代表は2試合連続の無失点で締めくくった。その中心にいたのが、フィールドプレーヤーで唯一2試合フル出場を果たした33歳――谷口彰悟だ。2024年11月にアキレス腱を断裂。大怪我から戻ってきた男は、再び日本代表の最終ラインで存在感を放っている。2026年北中米ワール 2025.11.19 01:35 Wed
ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求めら 2025.11.19 00:45 Wed
ガーナ戦で先制点を挙げた南野拓実。練習からギラつく20歳前後の若手たちに囲まれながら、30歳になった自分の立ち位置を静かに受け止めている。日本代表に呼ばれて10年。かつて自分も“勢いだけの若者”だった時代がある。その記憶を抱えながら、今はキャプテンマークを巻き、彼らの背中を押す側へ――。森保ジャパンが世代交代を迎える渦 2025.11.18 16:45 Tue
ガーナ戦のピッチに立った鹿島アントラーズの守護神・早川友基。正GK鈴木彩艶の負傷、第2GK大迫敬介の不在の中で巡ってきたチャンスを、無失点という最高の形で終えた。だが、試合後のミックスゾーンに現れた早川の表情に、満足の色はなかった。代表2戦目にして、“守るだけ”のGKでは終わらない次のステージを見据えていた。 ■ 2025.11.18 15:30 Tue

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly