メッシが3戦4発、3連勝のアルゼンチンが首位通過《ブラジル・ワールドカップ》

▽ブラジル・ワールドカップのグループF最終節、ナイジェリア代表vsアルゼンチン代表が25日にポルト・アレグレのエスタディオ・ベイラ・リオで行われ、アルゼンチンが3-2で勝利した。この結果、すでにグループステージ突破を決めていたアルゼンチンの首位通過が決定。一方のナイジェリアは、他会場でイラン代表が敗れたため、2位でのグループステージ突破となった。

▽2連勝で決勝トーナメント進出を決めたアルゼンチンと、グループ突破に王手をかけるナイジェリアの一戦。両者ともに前回のメンバーから変更なく、1位と2位による直接対決に臨んだ。

▽天候、気温、湿度ともに良好のなかで迎えたキックオフ。互いに攻勢に出たため前半の立ち上がりから目まぐるしく攻守が入れ替わる展開となる。そんな中で迎えた3分、メッシのゴールが生まれる。マスチェラーノの絶妙なスルーパスからボックス左に侵入したディ・マリアのシュートの跳ね返りをメッシが押し込み、アルゼンチンが先制した。

▽立ち上がりに失点を喫したナイジェリアだが、その直後に転じたカウンターからすぐさま同点に追いつく。4分、オナジのパスを受けたムサがドリブルでボックス左に侵攻し、対峙したサバレタを中に交わして右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅を揺らした。

▽1-1で迎えた前半の半ばも、攻守の入れ替わりの激しい攻防戦が続く。25分にディ・マリアがボックス手前からシュートを放てば、対するナイジェリアも27分にオデムウィンギーのミドルシュートで応戦。互いに縦に早い仕掛けから積極果敢にシュートを放ち、相手ゴールを脅かした。

▽攻撃的な姿勢が戦況に反映された試合は、前半の終盤を迎えても変わらない。しかし、そんななかで迎えた38分、アルゼンチンがアクシデントに見舞われる。足を痛めたアグエロがベンチに下がり、ラベッシとの交代を強いられた。

▽思わぬアクシデントに見舞われたアルゼンチンだったが、前半終了間際にはセットプレーからゴールを奪いきる。ボックス手前右寄りの位置からメッシが直接FKでゴールを狙うと枠の右上を捉え、GKエニュアマの牙城を崩しきった。

▽メッシの2ゴールの活躍で1点をリードして迎えた後半、アルゼンチンのペースで進むかに思われたが、立ち上がりにナイジェリアが再び同点に追いつく。49分、ボックス手前でエメニケのポストプレーを受けたムサがそのままスピードに乗ってボックス中央に侵入し、シュートをネットに突き刺した。

▽後半の立ち上がりに追いつかれたアルゼンチンだったが、わずか1分後にすぐさま勝ち越しに成功する。左から蹴ったラベッシのCKがニアで競り合ったガライの頭上を越えると、中央でフリーとなっていたロホが右ヒザで押し込んだ。

▽再び勝ち越したアルゼンチンは、さらに攻勢を強めてナイジェリアを引き離しにかかる。59分に追加点のチャンスを作り出すと、左からロホが入れたクロスボールにメッシがボックス中央で合わせる。しかし、これは枠の左に外れてしまい、ゴールチャンスを逃した。

▽その後も攻撃の手を緩めないアルゼンチンだったが、サベーラ監督はハットトリックへの期待が高まるメッシに代えて、リカルド・アルバレスを投入。エースがピッチを後にしたことで攻撃のペースダウンが懸念されたが、ラベッシを中心とした攻撃陣が相手ゴールを強襲する。

▽しかし、自力で突破するためには勝ち点1が必要なナイジェリアも反撃。この試合2ゴールのムサが自身のハットトリックに迫る場面をいくつも迎えたものの、サバレタの寄せに遭うなどゴールを奪えない。さらに42分にはボックス右に侵攻したアンブローズがゴールを狙うが、右足で放ったシュートは惜しくもゴール右サイドネットを揺らすにとどまった。

▽終了間際まで両者の攻防が続いた試合はそのまま終了。ナイジェリアに競り勝ったアルゼンチンがグループステージを3連勝で飾り、首位で決勝トーナメント進出を決めた。一方、敗れたナイジェリアは、同時キックオフの他会場で、突破を狙うライバルのイラン代表がボスニア・ヘルツェゴビナ代表に敗戦したため、2位でグループステージを通過した。