プレビュー:一縷の望み《日本vsコロンビア》

▽ブラジル･ワールドカップのグループC最終節が24日に行われ、日本代表はコロンビア代表とクイアバのアレーナ・パンタナールで対峙する。2試合を終えて勝ち点1の日本に対して、2連勝で勝ち点6のコロンビアは、すでに決勝トーナメントへの進出が確定。今回の一戦で引き分け以上の結果を残すと、グループの首位も確定する。一方の日本は、このコロンビア戦で勝ち点3を獲得することがグループステージ突破へ向けた最低条件。それでも他力本願だが、一縷の望みがある限り、やるべきことは1つしかない。

◆勇気とバランス
▽日本はギリシャとの一戦を引き分けで終えたため、1分け1敗の勝ち点1で3位につけている。2位のコートジボワールとは勝ち点2差であり、グループステージ突破のためにはコロンビアに勝利するしかない。そのためには得点を奪う必要があり、高い位置からのプレッシングとボールポゼッションが鍵となる。また、その2つの要素は、コロンビアの持ち味である前線のタレントを生かしたカウンターを封じる意味でも重要な役割を果たすだろう。良くも悪くもお互いの特徴が噛み合う一戦となるだけに、ザック・ジャパンのテーマである「勇気とバランス」が問われる試合になりそうだ。

◆コロンビアの葛藤!?
▽一方、すでにグループステージの突破を決めているコロンビアは、決勝トーナメントを見据えて控え組を起用する可能性が高い。また、このままグループCを首位で通過した場合、現時点ではウルグアイかイタリアと対戦する可能性が高く、グループCを2位で通過した場合には、コスタリカとの対戦が濃厚となる。そのため、コロンビアにとってグループCを首位で通過するメリットはあまりなく、日本戦にとってはくみし易い状況だと言えなくもない。ただ、試合会場のクイアバはコロンビアの国境に近い位置にあるため、多くのサポーターがアレーナ・パンタナールに詰め掛け、その声援でチームを後押しする可能性もある。

◆目指すは初白星
▽日本とコロンビアの対戦は、過去に2度。初対戦は2003年の6月22日に行われたコンフェデレーションズカップのグループリーグで、当時のジーコジャパンは0-1で敗れている。また、2度目は2007年の6月5日、キリンカップで対戦し、結果はゴールレスドロー。通算成績は、日本の1分け1敗となっている。

◆日本代表◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
GK:川島
DF:内田、吉田、今野、長友
MF:山口、遠藤、岡崎、本田、香川
FW:大迫
負傷者:なし
出場停止者:なし
▽コートジボワール戦とギリシャ戦に出場した主力を先発メンバーに予想したが、過去2試合と同様に高温多湿な環境であるため、柿谷、清武、青山など、よりフレッシュな選手を起用する可能性も十分に考えられる。

◆コロンビア代表◆
【4-4-2】
▽予想スタメン
GK:モンドラゴン
DF:アリアス、C・バルデス、カルボネロ、バランタ
MF:キンテーロ、メヒア、グアリン、イバルボ
FW:J・マルティネス、ラモス
負傷者:なし
出場停止者:なし
▽試合が行われるクイアバは高温多湿な地域であることに加え、すでにグループステージの突破も確定している。ここは決勝トーナメント1回戦を見据えて主力を温存する可能性が高い。また、控えメンバーにセンターフォワードタイプが多いため、これまでの[4-2-3-1]ではなく、[4-4-2]を用いると予想した。

★注目選手
◆MF 本田圭佑(日本)
▽やはり、最後はこの男に頼るしかない。日本にとっては勝利がグループステージ突破の絶対条件であり、そのためには得点が必要となる。これまでも、ここぞという場面では得点を挙げ、チームに歓喜の瞬間をもたらしてきた。ギリシャ戦では長友に次ぐ走行距離を記録するなど、ボールを引き出すために動き回り、ゲームを作ることに力を費やす部分もあった。しかし、今回の一戦では積極果敢に得点を奪いにかかるはずだ。ボックス周辺で見せる本田の一挙手一投足に注目したい。

◆MFフアン・キンテーロ(コロンビア)
▽各メディアではバルデラマ2世の呼び声高いMFハメス･ロドリゲスが大きな注目を集めているが、同選手と同じレフティであり、同じ2列目を主戦場とするキンテーロにも注意する必要がある。足下の技術が非常に高く、キープ力も抜群、左足から繰り出されるキックの精度も高水準で、コロンビアの鋭利なカウンターをけん引する存在であることは間違いない。21歳とは思えないほどの完成度を誇っており、日本の守備陣は最大限の注意を払う必要があるだろう。