大久保サプライズ融合「全然やれるわ」

2014.05.28 09:00 Wed
<国際親善試合:日本1-0キプロス>◇27日◇埼玉
サプライズ選出されたFW大久保嘉人(31=川崎F)が、日本に強烈なカンフル剤を注入した。1-0の後半13分、大声援を浴びながら1トップとしてピッチに登場。12年2月24日のアイスランド戦以来823日ぶりの代表戦で、出場4分後にミドルシュートを放つなど存在感を示した。32分間の復帰戦を終えると「自信が増した。全然やれる」と手応え発言を連発した。

大久保だ。サイドラインに立つ切り札を見つけた5万8564人から、歓声が高まっていく。後半13分。FW柿谷に代わって823日ぶりの代表ピッチに立つと、ごう音のような男性の声と女性の金切り声が、客席から13番に降り注いだ。

サプライズ男の面目躍如だった。「何も聞こえなかったね」。感慨も吹き飛ぶ期待の登場から、すぐチームに血を通わせた。体が重いとはいえ、FIFAランク130位を相手に停滞していた攻撃を活性化。遠慮もない。登場から4分後、中央でパスを受けると、迷いなく右足を振り抜いた。「外から見ててバイタルが空いてたから」。DFに当たってクロスバーを越えたがCKを獲得。日本にないミドルレンジの武器で、格の違う存在感を漂わせた。
1トップだった。2日前の指宿合宿ではトップ下だったが、昨季J1得点王に輝いた川崎Fと同じ位置に投入された。「マジか、ここで来るか」と思ったが「普段の俺でいいんだ」と意気に感じた。トップ下の本田と南アフリカ大会以来4年ぶりの共演。ぶっつけ本番の融合でもW杯16強戦士は息が合った。33分、大久保の浮き球パスをMF山口が頭で落とし、中央に走り込んだ本田がシュート。36分には3対3の状況から左サイドを破り、本田にパスを出させた。FW香川の左クロスに飛び込むなど次々とゴールを脅かし続けた。

08年11月13日のシリア戦以来2021日ぶりの代表戦ゴールはお預けとなったが、試合後、本人は前向きな言葉を次々と口にした。
大久保 本当に楽しかった。自信が増した。俺、初めてだけど全然やれるわ。

言葉通り、強烈な個性で「劇薬」になった。試合中も試合後も、もの申した。本田に「圭佑が持ったら俺は中央に行くぞ」と宣言したり、ボランチに「奪ったら下げるな。俺に縦パスを出せば何とかしてやる」と要求したり、柿谷に「考えすぎだ。無心でシュートを打て」と説教したり…。存在感でチームを動かした。

サプライズ選出から2週間。代表の公式スーツ製作が追いつかず、間に合うのはW杯後の帰国時だ。ジャージー姿でも、力強く言った。「4年前より俺はやれる。はっきり分かった。圭佑とも真司とももっと良くなる」。結果を出し、笑顔でスーツを着て帰国する日まで、大久保が連係を高める作業は続く。【木下淳】

提供:日刊スポーツ

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