ウッチー弾!間に合った世界一キーマン

2014.05.28 09:00 Wed
<国際親善試合:日本1-0キプロス>◇27日◇埼玉
ウッチーが戻ってきた! W杯日本代表の国内最後となるキプロス戦で、DF内田篤人(26=シャルケ)が決勝点を決め、右太もも裏のけがから完全復活をアピールした。昨年11月16日のオランダ戦以来、192日ぶりに代表戦で先発。前半43分に、岡田監督時代のW杯南ア大会アジア3次予選バーレーン戦(08年6月22日、埼玉)以来、2165日ぶりの代表2点目、ザックジャパンでは初ゴールを挙げた。この試合唯一のゴールで1-0と勝利。チームは明日29日、直前合宿地の米国へ旅立つ。

大外から気配を消した内田が、スルスルと進入した。前半43分。ゴール目の前での混戦に、突然現れた。香川が粘ってコントロールする間、右サイドからカットイン。こぼれ球の右足シュートが1度は阻まれるも、自ら押し込み先制点が生まれた。するとピッチ内の選手と喜びを分かち合う前に、日本ベンチへ駆け寄った。リハビリを支えた前田トレーナーと抱き合い、感謝の気持ちを伝えるところが、内田らしい。そしてゴールという形で、完全復活を証明した。

「トレーナーの前田さんと早川さん、池田ドクター。3人だけじゃないけど、あの3人の存在は大きい。けがをして、ほぼ毎日連絡をとっていた。足をケアして、強くしてくれて、ドイツまで来てくれた。実はゴールを狙っていた。(感謝を伝えるのに)一番分かりやすいのがゴールなんで。それもあって真っ先にベンチに行きました。選手はピッチに立っているけど、けがもあるし、トレーナーの人たちの助けがあってこそ。スポットライトを浴びてもいいと思った」
2165日ぶりの代表ゴールに、感謝の気持ちを凝縮させた。実戦は2月9日ハノーバー戦で負傷して以来だった。右太もも裏の肉離れに加えて腱(けん)の損傷。ドイツでは「手術が必要」と断言されていただけに、負傷から5日後にオペ覚悟で緊急帰国した。W杯も諦めかけていたが、鹿島時代の主治医に保存療法で「間に合う」と言われ、実際にW杯初戦2週間前に間に合わせた。

ボールを触れなくてもやれることはある。「デブにするんじゃなくて太くなった」と筋肉は1キロもスケールアップ。この日も当たり負けすることなく、カウンターを未然に防いだ。国内のリハビリ施設では、けがに苦しむアスリートに出会った。右足甲疲労骨折を抱える12年ロンドン五輪の新体操代表「フェアリージャパン」のサイード横田らの姿に、「けがと向き合うことを学びました」。最後は代表ユニホームをプレゼント。4年前は縁がなかったW杯直前、けがをきっかけに成長した姿を見せた。
再発の不安にはもう腹をくくり、開き直っている。「ブラジルへ行ってけがして消えるよりも、早めに消えた方がいいでしょ。また治してくれるんで。思い切ってプレーすることが大事だと思う」。支えてくれる人たちがいるからサッカーができる。治してくれる信頼感があるから、思いっきり走れる。ハーフタイムに退くまで出場した45分間に、内田の思いと、復活へのドラマが詰まっていた。【栗田成芳】

▼日本代表Aマッチのブランクゴール DF内田の国際Aマッチの得点は通算2点目で、20歳だった08年6月22日のバーレーン戦以来6年ぶり。日数にして2165日。日本代表のAマッチ最長ブランクゴール記録は、奥寺康彦の4043日(76~87年)。2位が藤田俊哉の3217日(95~04年)、3位が稲本潤一の2357日(03~09年)で、今回の内田は歴代4位の長期間ブランク得点となった。

提供:日刊スポーツ

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