大久保サプライズ選出 車中で「吠えた」

2014.05.13 08:00 Tue
大久保の願いがかなった!! 亡き父の思いが届いた!! 日本サッカー協会は12日、都内でW杯ブラジル大会(6月12日開幕)に臨む日本代表メンバー23選手を発表し、FW大久保嘉人(31=川崎F)がサプライズ選出された。ザック体制では1度しか招集されていなかったが、昨季J1で得点王に輝くなどの好調ぶりが奇跡の逆転選出につながった。昨年他界した父克博さん(享年61)の命日に、最高の吉報となった。

運命の瞬間は、チームの仲間と迎えた。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に備えて韓国入りするため、大久保は羽田空港に向かうバスの中だった。午後2時に発表会見の中継が始まると、ちょうど空港の敷地内に入ったバスが停車。選手全員とテレビのザッケローニ監督を見つめた。

アオヤマ、ヤマグチ、オオクボ…。16人目に自分の名前が呼ばれた瞬間、車中に割れんばかりの叫び声がとどろいた。
「サプライズなら最後かと思ったけど、呼ばれるのが早かったね。みんながほえたので、一緒にほえました。正直、選ばれるとは思ってなかった。バスの中でみんながあおってきて、これで名前がなかったらどんな反応するか考えていた」

詰め掛けた100人以上の報道陣の前で、歓喜の瞬間を淡々と振り返った。
ザックジャパンでは12年2月のアイスランド戦に出場しただけ。この2年間は1度も招集されなかったため、2年3カ月ぶりの吉報に本人もビックリ。「得点を取り続ければ、振り向いてもらえる」と信じ、ゴールを積み重ねた。10日の鹿島戦で2得点し、今季8得点は日本人トップ。自らの力で奇跡を起こした。

10年南アフリカ大会に続く自身2度目のW杯を、本田や香川らと戦う。言いたいことは誰にでも遠慮なく言う大久保は、久々の代表でも、そのスタイルを変えるつもりはない。

「今の代表には最後のフィニッシュで怖さがない。ゴール前のドキドキ感がない。自分が入って、ワクワクさせるようなプレーをしたい。言う時は言いますよ。そういう人は今の代表にいっぱいいると思う。悪いところがあれば、みんなで話し合って乗り切ることが大事だから」

自分がレギュラーを奪う意気込みと、31歳のベテランとしてチームをまとめる責任感をのぞかせた。

この日は父克博さんの一周忌だった。くしくも息を引き取った時間は、川崎Fの背番号13と同じ午後1時(13時)33分。父の旅立ちにさらなる成長を誓った日からちょうど1年、昼すぎの時間帯に起きた奇跡…。前日、地元福岡で墓参りした大久保は「(父は)絶対に喜んでると思う。嘉人、良かったなあと言うんじゃないかな」と笑顔を見せた。

W杯メンバーでの2年3カ月ぶりの代表復帰は、最長ブランク。開幕まで1カ月を切った。準備期間は限られている。「みんなとはあまり一緒にやってないけど、自分は経験も自信もある。代表に選ばれなかった人のためにも、活躍する責任がある」。サムライブルーの大久保が、熱き魂で再び走りだした。【由本裕貴】

提供:日刊スポーツ

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