豊田が柿谷代役で…W杯メンバー滑り込む

2014.03.05 08:20 Wed
日本代表FW豊田陽平(28=鳥栖)が、人生を変えた国立でW杯メンバーに滑り込む。合宿初日に1トップを争う柿谷曜一朗(24=C大阪)が参加辞退した。豊田は追加招集され、最終アピールのチャンスが舞い込んだ。ブレークした08年北京五輪前の08年3月にも国立で得点し代表入りを果たした。小腸破裂など苦難の末に五輪切符をつかんだ地で、再現を狙う。

西日が落ちた国立で、豊田はシュートの感触を確かめていた。左足で強烈なカーブをかけ、GK川島の脇を射抜くと両手を上げてガッツポーズ。星稜高1年後輩のMF本田ら居残り組から歓声も上がった。その本田と雑談した後、取材エリアに現れると「まあ調子はボチボチです」。言葉は控えめながら、表情に好調さがにじみ出た。

今度も「国立」からはい上がる。北京五輪を目指したU-23代表時代の08年3月、アンゴラA代表との強化試合で豊田は7カ月ぶりに招集された。同じ国立。当時は当落線上の一選手だったが、MF長友の右クロスを蹴り込み先制弾。反町監督の評価を急騰させた。
7月の壮行試合アルゼンチン戦でも最後まで出番を守り、直後の本大会ナイジェリア戦で日本唯一のゴールを決めた。昨年8月のJリーグ東京戦でも2得点。代表2戦1発、Jリーグ1戦1発の聖地に「やりやすい場所」と好印象がある。

ドラマチックな男だ。北京五輪前の07年に、試合中の接触で小腸破裂に見舞われた。切開した腹部をホチキスでふさぎ、鼻、腹部、股間に管を通して入院生活を送った。当たり所が悪ければ「サッカーどころか寝たきり」とまで言われた。
復帰後の08年4月には右脚腓骨(ひこつ)を骨折。全治3カ月の長期離脱で「五輪絶望」とされた中、メンバー争いの最後方から滑り込んだ。ニュージーランド戦はW杯メンバー発表前最後の代表戦。最初は選外も、柿谷のまさかの発熱で追加招集された。「7カ月ぶり」は北京前と同じだ。

1トップ争いは柿谷、大迫が先頭を走るが、北京五輪前、それまでのエースだった平山を押しのけた。「試合に出たら結果を求めたい。高さ、スピード、強い姿勢という自分らしさを見せたい」。FWで最もサイズが大きい185センチ、79キロで50メートル走は5秒台。ただ、A代表では3戦無得点。結果が欲しい豊田に待望の1発が生まれた時、ザッケローニ監督は頭を抱えることになる。【木下淳】

提供:日刊スポーツ

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