手倉森日本に難敵「イラクの香川」合流か

2014.01.20 09:00 Mon
【マスカット(オマーン)19日=木下淳】U-22(22歳以下)アジア選手権で8強入りしたU-21日本代表が、4強をかけて20日の準々決勝でイラクと対戦する。12年のU-19選手権では同じ準々決勝で敗れ、U-20W杯出場を阻まれた難敵。さらに、危険な情報も入った。「イラクの香川」と呼ばれる17歳の天才MFフマン・タリクが緊急合流したらしい-。確認すべくイラクの練習場へ走った。

日が落ちたマスカット市内のグラウンド。薄暗いピッチで、イラク代表は黙々と練習していた。まず外観を写真に収め、ピッチに近づく。3人のスタッフが3方向から寄ってきた。レンズを向けると「ノーピクチャー!」。両手を振りながら走ってくる。激しいけんまくに、切れたシャッターは3回。うち2回は手振れでピントが甘かった。

「日本人はダメだ」「カメラをバッグにしまえ」。わずか数分でつまみ出された。とっさにカードは入れ替えたが「消せ」とは言われなかった。背中に添えられた手は柔らかいが、笑っていない。敷地の外に出される前、何とか横目でMFフマンの背番号「11」を見た。ただ、本人以外が着ている可能性がある。遠目では確証が得られなかった。
選手の数は目測で22人。登録の23人より1人少ない。2日前に直撃したシャキル監督(51)の「(MF)モハナドは負傷で離脱した」の説明が本当であれば人数は合っているが…。疑問を解消できないまま、タクシーでイラク代表スタッフの視界から消えるまで、冷たいお見送りを受けた。

左サイドが主戦場の攻撃的MFフマンは「イラクの香川」の異名を取る。12年に史上最年少16歳でA代表入りし、既に国際Aマッチ15試合3得点。171センチで足元の技術にすぐれ「攻撃を絹のように滑らかにする」とされる天才だが、1次リーグ3戦は何らかの事情でベンチ入りしなかった。
厳戒態勢と日本戦までの状況が、神秘さを引き立てる。周辺情報ではフマンは代表チームに合流したとみられ、日本も「秘密兵器がいるらしい」と極秘情報をキャッチしていた。AFC(アジアサッカー連盟)にも「17日にマスカット入りし、チームに合流予定」と情報が入った。一方、イラクのメディアは「みんな素晴らしい選手」としか言わない。国を挙げて隠しているようだった。

両国の監督が「事実上の決勝」と口をそろえる大一番で、ベールに包まれた少年は姿を見せるのか。肝心の出場登録はされている。日本は万全を期すため、出場の可能性を消さずにイラク戦の準備を進めている。

提供:日刊スポーツ

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