ザッケローニ監督「相手に不足はない」
2013.11.07 18:30 Thu
▽JFA(日本サッカー協会)は7日、今月中旬にベルギーで行われる国際親善試合に向けた招集メンバーを発表した。代表メンバー発表記者会見に出席したアルベルト・ザッケローニ監督は「対戦相手がFIFAランク5位のベルギーと8位のオランダということで相手に不足はない」と述べ、欧州の強豪国との対戦に向けての意気込み語った。メンバー発表後に行われたザッケローニ監督のコメントは以下の通り。
◆アルベルト・ザッケローニ監督
「10月の2試合に関しては有効に利用できなかった。一般的にはフレンドリーマッチと呼ばれているが、私はテストマッチだと考えている。様々な国に対してどういった部分が通用して、どういった部分が足りないのかといったことを知るための試合、それがテストマッチだ」
「10月の2試合は攻撃の部分に少し不満が残った。守備はまずまずだったと思う。相手にそれほどチャンスを作らせなかったが、攻撃時にインテンシティやプレーの精度が足りなかった」
「国際経験を積むために2度の欧州遠征を企画し、残り2試合となったが、対戦相手がFIFAランク5位のベルギーと8位のオランダということで相手に不足はない。先の欧州予選でもトップ3に入るような成績を残している2チームだ。勝ち点を見ても、オランダより多くの勝ち点を獲得しているのはドイツだけであり、オランダ以上の得点数を記録したチームはない。そういったチームを相手にどこまできるのかは楽しみだ」
「オランダは細かいパスをつないでくるチームであり、ベルギーはフィジカルの強さを生かしたサッカーをしてくるチームだと思っている。今回の2試合に関しても勇気を持って団結力のあるチームをぶつけていきたい」
「ワールドカップまで残された時間が少なくなってきた。残りの試合はシングルマッチしかない。テストマッチを戦う中でどういった課題が見つかり、それをどう修正していくのか。テストマッチでは自分たちの戦いをして主導権を握ることが大事だ。自分たちの試合をすることで何が足りなくて何が必要なのかがわかる。そこで自信を失うのでなく、自分たちの力を冷静にテストしたい」
「チームとしての理想的なバランスを追求するために持てる力を発揮しなければいけない。10月の欧州遠征前までは攻撃が良くて守備が良くないという状況だったが、10月の2試合で状況が逆転した。そういった部分を修正していきたい。求めているのは、守備をしっかりとしながら攻撃に移るというバランスや、攻撃をしながらしっかりとリスクマネジメントをとるというバランスだ」
――10月の遠征では選手間で話し合い、攻撃のバリエーションを増やそうとしていたようだが、その状況をどう考えているのか
「今の時代、相手に研究されていることを考え、バリエーションを増やして的を絞らせないようにする必要もある。その中で、どこで数的優位を作り、プレーのリズムを変え、どこでスピードを変えるのかといったことを考えなければいけない。私自身もバリエーションというものを常に追い求めているし、招集した選手たちの特長や能力に合ったバリエーションも考えなければいけない。その中でなくてはならないのが、相手のDFラインをできるだけ広げてスペースを作り、ゴールに迫るということだ」
「当然、選手たちが話し合う中で問題を解決していくのも良いことだと思っているし、そのアイディアを監督のところに持ってくるのもいいと思う。しかし、最終的にメンバーを決めるのは監督の仕事だ。対戦相手を研究してメンバーを決め、方向性を決める。最終的にはそれに従ってもらう」
――年内で新戦力の選考を終えるつもりか
「ワールドカップに連れて行くメンバーは決めていない。年が明けてJリーグが始まり、心身共にコンディションの良い選手がワールドカップに行くべきだと思う。この3年間、私は多くの選手を呼んできた。おそらく3月になっても新しくメンバーに入る選手がいるだろう」
「Jと欧州をしっかりとモニタリングして選手の状態をチェックしている。これまで呼ばれていない選手も呼ばれる可能性があり、興味を持っている選手も実際にいる。招集メンバーの決定は簡単な作業ではない。候補メンバーが多いポジションもある」
「思い返せば就任当初よりもメンバー選考の幅は広がっている。それは非常にポジティブなことであり、それだけワールドカップに行きたい選手が多いということだ」
――結果よりも内容という話に聞こえるが、選手の中には結果が欲しいと話している選手もいる。そのギャップをどのように埋めていくつもりか
「結果が自信をもたらすことは理解しているが、良い内容が自信をもたらす場合もある。悪い内容で結果を残すこともあるが、長い目で見ると良い内容のチームの方が継続して結果を残していけると思っている。当然、今回の遠征でも内容を重視したい。90分間を通してインテンシティを保てるチームを作れれば、結果はついてくるはずだ」
「サッカーやスポーツだけなく、そのほかの分野でも仕事を終えたあとに分析を行う必要がある。1つは結果論で、もう1つが原因論。個人的には後者を大事にしている。勝っているときは全てが上手くいっていて、負けているときは全てがダメだというのは簡単。結果論に左右されるのではなく、その原因を探っていくのが監督の仕事だ。例えば、10月の試合は守備が良くて攻撃の部分でインテンシティやスピードが足りなかった。ベラルーシ戦は唯一のピンチがゴールに繋がってしまった」
――得点を奪えていない柿谷とボランチの構成について
「柿谷については、このチームに慣れる必要がある。代表では時間が限られているので、ボランチを含めた他の選手たちとの連携を深めていくしかない。それ相応の時間が必要になってくる。彼は日本人らしくない選手だ。日本にはポゼッションや周囲とのコンビネーションで崩すという文化があるが、柿谷は一発で裏に抜けていくという特長を持っている。その特長に関しては周囲も理解しなければいけない」
――高橋と大迫が復帰した理由について
「ローテーションをしたということ。彼らは9月と10月に素晴らしいプレーを見せていた。前回は他の選手を見たいということでローテーションしただけ。2人とも所属クラブで良いプレーを見せていたので再び手元で見てみたいと思った。今後もローテーションは行っていくだろう。最終的なメンバーは5月までわからない。誰一人として忘れている選手はいない。他のスタッフと手分けして試合を見ており、すべての選手に門戸は開かれている」
――10月の欧州遠征後に行われた選手のミーティングで話し合われた内容と監督の考えに差異はあるのか
「(選手と監督の)方向性に差異はないと思っている。10月の遠征では攻撃のリズムやインテンシティが欠けていた。勝てなかったのは方向性の違いではなく、狙いを実行できなかったからだ。選手たちが話し合って自分たちの意見を持ってくることは良いことだと思う。そして、それを整理して解決策を導き出すのも監督の仕事だ。各選手にはクラブでの成功体験というものがある。しかし、それをチームメートもチームの構成も違う代表に当てはめてもうまくいくとは限らない。その部分を上手く整理していきたい」
――結果を残せていない現状でも内容を求めるのか
「今の時点では結果よりも内容が大事だと思っている。結果を求められた大会はこれまでに4つあった。それは、アジアカップであり、ワールドカップ予選の突破であり、コンフェデレーションズカップであり、東アジアカップだ。その中の3つでは結果を残した。唯一結果を残せなかったのがコンフェデレーションズカップだ。今の目的はワールドカップに向けて最良の準備をすることであり、直近の数試合で結果を追い求めるつもりはない」
――前回とメンバーに大きな変更はないが、対戦相手のレベルは高くなる。戦い方を変化させる考えはあるのか。また、何か試したいことはあるのか
「我々は常に自分たちのアイデンティティを大事にしなければいけない。当然、対戦相手の特長に合わせて微調整する部分はあるが、基本的なアイデンティティやベースに変わりはない。日本の特長を具体的に挙げるとすれば、それは技術力やスピードといった部分であり、そういった特長を生かしたサッカーをやっていきたい」
――2試合とも同じ形で臨むのか、それとも状況に応じて変化を加える考えはあるのか
「10月の試合では、2つの異なるチームに対してベースを崩さずにどこまでできるかを見ようと考えていた。11月の試合に関しては新しいメンバーを積極的に使っていきたいと思っている」
◆アルベルト・ザッケローニ監督
「10月の2試合に関しては有効に利用できなかった。一般的にはフレンドリーマッチと呼ばれているが、私はテストマッチだと考えている。様々な国に対してどういった部分が通用して、どういった部分が足りないのかといったことを知るための試合、それがテストマッチだ」
「10月の2試合は攻撃の部分に少し不満が残った。守備はまずまずだったと思う。相手にそれほどチャンスを作らせなかったが、攻撃時にインテンシティやプレーの精度が足りなかった」
「国際経験を積むために2度の欧州遠征を企画し、残り2試合となったが、対戦相手がFIFAランク5位のベルギーと8位のオランダということで相手に不足はない。先の欧州予選でもトップ3に入るような成績を残している2チームだ。勝ち点を見ても、オランダより多くの勝ち点を獲得しているのはドイツだけであり、オランダ以上の得点数を記録したチームはない。そういったチームを相手にどこまできるのかは楽しみだ」
「オランダは細かいパスをつないでくるチームであり、ベルギーはフィジカルの強さを生かしたサッカーをしてくるチームだと思っている。今回の2試合に関しても勇気を持って団結力のあるチームをぶつけていきたい」
「ワールドカップまで残された時間が少なくなってきた。残りの試合はシングルマッチしかない。テストマッチを戦う中でどういった課題が見つかり、それをどう修正していくのか。テストマッチでは自分たちの戦いをして主導権を握ることが大事だ。自分たちの試合をすることで何が足りなくて何が必要なのかがわかる。そこで自信を失うのでなく、自分たちの力を冷静にテストしたい」
「チームとしての理想的なバランスを追求するために持てる力を発揮しなければいけない。10月の欧州遠征前までは攻撃が良くて守備が良くないという状況だったが、10月の2試合で状況が逆転した。そういった部分を修正していきたい。求めているのは、守備をしっかりとしながら攻撃に移るというバランスや、攻撃をしながらしっかりとリスクマネジメントをとるというバランスだ」
――10月の遠征では選手間で話し合い、攻撃のバリエーションを増やそうとしていたようだが、その状況をどう考えているのか
「今の時代、相手に研究されていることを考え、バリエーションを増やして的を絞らせないようにする必要もある。その中で、どこで数的優位を作り、プレーのリズムを変え、どこでスピードを変えるのかといったことを考えなければいけない。私自身もバリエーションというものを常に追い求めているし、招集した選手たちの特長や能力に合ったバリエーションも考えなければいけない。その中でなくてはならないのが、相手のDFラインをできるだけ広げてスペースを作り、ゴールに迫るということだ」
「当然、選手たちが話し合う中で問題を解決していくのも良いことだと思っているし、そのアイディアを監督のところに持ってくるのもいいと思う。しかし、最終的にメンバーを決めるのは監督の仕事だ。対戦相手を研究してメンバーを決め、方向性を決める。最終的にはそれに従ってもらう」
――年内で新戦力の選考を終えるつもりか
「ワールドカップに連れて行くメンバーは決めていない。年が明けてJリーグが始まり、心身共にコンディションの良い選手がワールドカップに行くべきだと思う。この3年間、私は多くの選手を呼んできた。おそらく3月になっても新しくメンバーに入る選手がいるだろう」
「Jと欧州をしっかりとモニタリングして選手の状態をチェックしている。これまで呼ばれていない選手も呼ばれる可能性があり、興味を持っている選手も実際にいる。招集メンバーの決定は簡単な作業ではない。候補メンバーが多いポジションもある」
「思い返せば就任当初よりもメンバー選考の幅は広がっている。それは非常にポジティブなことであり、それだけワールドカップに行きたい選手が多いということだ」
――結果よりも内容という話に聞こえるが、選手の中には結果が欲しいと話している選手もいる。そのギャップをどのように埋めていくつもりか
「結果が自信をもたらすことは理解しているが、良い内容が自信をもたらす場合もある。悪い内容で結果を残すこともあるが、長い目で見ると良い内容のチームの方が継続して結果を残していけると思っている。当然、今回の遠征でも内容を重視したい。90分間を通してインテンシティを保てるチームを作れれば、結果はついてくるはずだ」
「サッカーやスポーツだけなく、そのほかの分野でも仕事を終えたあとに分析を行う必要がある。1つは結果論で、もう1つが原因論。個人的には後者を大事にしている。勝っているときは全てが上手くいっていて、負けているときは全てがダメだというのは簡単。結果論に左右されるのではなく、その原因を探っていくのが監督の仕事だ。例えば、10月の試合は守備が良くて攻撃の部分でインテンシティやスピードが足りなかった。ベラルーシ戦は唯一のピンチがゴールに繋がってしまった」
――得点を奪えていない柿谷とボランチの構成について
「柿谷については、このチームに慣れる必要がある。代表では時間が限られているので、ボランチを含めた他の選手たちとの連携を深めていくしかない。それ相応の時間が必要になってくる。彼は日本人らしくない選手だ。日本にはポゼッションや周囲とのコンビネーションで崩すという文化があるが、柿谷は一発で裏に抜けていくという特長を持っている。その特長に関しては周囲も理解しなければいけない」
――高橋と大迫が復帰した理由について
「ローテーションをしたということ。彼らは9月と10月に素晴らしいプレーを見せていた。前回は他の選手を見たいということでローテーションしただけ。2人とも所属クラブで良いプレーを見せていたので再び手元で見てみたいと思った。今後もローテーションは行っていくだろう。最終的なメンバーは5月までわからない。誰一人として忘れている選手はいない。他のスタッフと手分けして試合を見ており、すべての選手に門戸は開かれている」
――10月の欧州遠征後に行われた選手のミーティングで話し合われた内容と監督の考えに差異はあるのか
「(選手と監督の)方向性に差異はないと思っている。10月の遠征では攻撃のリズムやインテンシティが欠けていた。勝てなかったのは方向性の違いではなく、狙いを実行できなかったからだ。選手たちが話し合って自分たちの意見を持ってくることは良いことだと思う。そして、それを整理して解決策を導き出すのも監督の仕事だ。各選手にはクラブでの成功体験というものがある。しかし、それをチームメートもチームの構成も違う代表に当てはめてもうまくいくとは限らない。その部分を上手く整理していきたい」
――結果を残せていない現状でも内容を求めるのか
「今の時点では結果よりも内容が大事だと思っている。結果を求められた大会はこれまでに4つあった。それは、アジアカップであり、ワールドカップ予選の突破であり、コンフェデレーションズカップであり、東アジアカップだ。その中の3つでは結果を残した。唯一結果を残せなかったのがコンフェデレーションズカップだ。今の目的はワールドカップに向けて最良の準備をすることであり、直近の数試合で結果を追い求めるつもりはない」
――前回とメンバーに大きな変更はないが、対戦相手のレベルは高くなる。戦い方を変化させる考えはあるのか。また、何か試したいことはあるのか
「我々は常に自分たちのアイデンティティを大事にしなければいけない。当然、対戦相手の特長に合わせて微調整する部分はあるが、基本的なアイデンティティやベースに変わりはない。日本の特長を具体的に挙げるとすれば、それは技術力やスピードといった部分であり、そういった特長を生かしたサッカーをやっていきたい」
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まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に敗れたロベルト・ファルカン氏、97年のアウェー中央アジア2連戦で更迭された加茂周氏、07年に病に倒れたイヴィチャ・オシム氏、15年に契約解除されたハビエル・アギーレ氏、そして18年に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の5人しかいない。 そうした過去30年の歴史のなかで、初めて『続投』が決定的となったのが森保監督である。目標としていた「ベスト8」には届かなかったものの、大国ドイツとスペインに逆転勝ちを収めたことが高く評価されたことは言うまでもない。 そこで過去の歴代監督の任期を振り返ると、上には上がいるもので、長沼健氏(元JFA会長)は1962年から69年までの7年間と、さらに72年から76年までの4年間、トータル11年間も日本代表の監督を務めた。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、おそらく2度と破られることのない記録と言っていいだろう。 長沼氏が“長期政権"を担うことになったのには理由がある。64年に東京五輪があったからだ。このため62年に33歳の若さで監督に抜擢された。そして東京五輪ではグループリーグでアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進出。準々決勝で銀メダルに輝いたチェコスロバキアに0-4で敗れたが、ベスト8進出で日本に“第1次サッカーブーム"を巻き起こした。 さらに4年後のメキシコ五輪では、アジア勢初となる銅メダル獲得の快挙を達成。その再現を半世紀後の21年東京五輪で森保監督は期待されたが、残念ながらメダルにはあと一歩届かなかった。 長沼氏は69年のメキシコW杯アジア1次予選で、韓国とオーストラリアの後塵を拝したことで監督の座をコーチだった岡野俊一郎氏(元JFA会長)に譲る。しかし岡野氏が71年のミュンヘン五輪予選で韓国とマレーシアに負けたことで、日本サッカーの復権は再び長沼氏に託されることになった。 ところが73年の西ドイツW杯アジア予選はイスラエル(当時はアジアに所属し、中東勢が対戦を拒否したため予選は東アジアに組み込まれた)とマレーシアに敗れ、76年のモントリオール五輪アジア予選も韓国とイスラエルに敗れて監督から退くことになった。 当時の日本サッカーは、「W杯予選は負けても当たり前」であり、五輪予選で敗退するたびに監督は交代していた。Jリーグ開幕以前では、92年のバルセロナ五輪アジア最終予選で敗れた横山謙三総監督、88年ソウル五輪アジア最終予選で中国に逆転負けを喫した石井義信氏(故人)、80年モスクワ五輪アジア予選で韓国とマレーシアに及ばなかった下村幸男氏らである。 しかし96年のアトランタ五輪に28年ぶりに出場して以来、五輪出場は7大会連続して出場。その間には12年ロンドン五輪と21年東京五輪ではメダルまであと一歩に迫った。もう五輪は出場するのは当たり前で、次の24年パリ五輪は「メダル獲得」がノルマになるだろう。 同じようにW杯も98年以降7大会連続して出場中で、さらに2026年のアメリカ・カナダ・メキシコ大会は出場国が48に増えるため、出場権を失うことはまず考えられない。森保監督にとっては「ベスト8」への再チャレンジになるが、その前に横内昭展ヘッドコーチは磐田の監督に、上野優作コーチはFC岐阜の監督に転身するなどスタッフの陣容は一新せざるを得ない。 果たして新たなスタッフの顔ぶれはどうなるのか。そこに外国人コーチが入るのかどうかなどは楽しみなところ。 そして森保監督は、23年こそ秋まで親善試合しかない“静かな"一年になるものの、21年東京五輪は「金メダル」を目標に掲げながらも4位に終わり、カタールW杯も「ベスト8」が目標だったがラウンド16で敗退した。このため、まだ先の話ではあるが、24年のアジアカップでは『優勝』がW杯まで続投するためのノルマにすべきではないだろうか。 2022.12.26 22:00 Mon3
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レアルMF中井卓大らU-19日本代表メンバーが発表! 松木玖生や中野伸哉、福井太智らはW杯に臨む日本代表のトレーニングに参加
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