なでしこ「女王」称号捨て中国戦勝利へ

2013.07.20 08:00 Sat
【ソウル(韓国)19日=千葉修宏】今日20日に東アジア杯初戦・中国戦を迎えるなでしこジャパンが「女王」の称号をかなぐり捨てて勝利を目指す。佐々木則夫監督(55)と主将のMF宮間あや(28=岡山湯郷)が、ソウルW杯スタジアムでの前日会見に出席した。ともにチャレンジという言葉を使い、初心に帰ってプレーする心意気を示した。

11年ドイツW杯を制し、昨年のロンドン五輪では銀メダル。今大会も当然のごとく3連覇を期待されるなでしこジャパンが「女王」の呼び名を封印する。宮間は「たとえ男子大学生が相手でも、簡単に失点したり、得点が取れないようじゃ女王じゃない。もう少し勝ち続けてからそう呼んでもらえるものだと思う」。あと2~3度のW杯優勝が必要か? との問いには「そう思います」とうなずいた。

若手中心で臨んだとはいえ3月のアルガルベ杯(ポルトガル)は5位。親善試合もここ3戦で2分け1敗と結果が出ない。世界一の中心にいたMF澤穂希(INAC神戸)をケガで欠き、「上から目線」で試合に臨むことは許されない。澤の代わりに守備的MFを任される宮間は現在、持ち前のパスサッカーと、新たに取り組むタテへの速い攻めのバランスを取るため、試行錯誤を続けている。
この日の公式練習後、自分のプレーがチームに与える影響について、宮間は「まだ自分のプレーができていないから分かりません」と即答した。その上で「細かい部分ですけど、自分は本当にいろいろな課題に取り組んでいる。ステップアップしていると感じられるように、チャレンジを繰り返していきたい」と言った。

佐々木監督も「みんなでいろいろ試しながらチャレンジする。優勝なんて簡単なもんじゃない」とハッパを掛ける。今日20日の中国戦には起爆剤として、最年少20歳のFW岩渕をスタメン起用するプランも用意している。「女王」の名前にあぐらをかいている余裕はない。「どんな形でも優勝したい」という宮間を中心に、なでしこジャパンが一からの再出発で、最強の座を取り戻す。【千葉修宏】
提供:日刊スポーツ

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