佐々木則夫監督「チャンピオンとして3連覇を」

2013.07.10 15:53 Wed
▽JFA(日本サッカー協会)は10日、今月20日に韓国で開催される東アジアカップ2013に臨むなでしこJAPANのメンバー23名を発表した。なでしこJAPANを率いる佐々木則夫監督のコメントは以下の通り。

◆佐々木則夫監督
――澤選手が外れたことについて
「澤選手は鳥栖で離脱した後、クラブのトレーナーと話し合い、今大会を目標としてコンディションを合わせてきた。本人も東アジアカップに対して、強い思いを持って、トレーナーと頑張ってきたようだ。しかし昨日の時点で、チームに合流し、トレーニングを行うことは大変厳しいという報告を受けている。これが世界大会であれば、代表に合流し、試合に出場できる状況までコンディションを調整すれば良いという話ではあるが、今回は故障を再発させるリスクを考えて、今回の招集を見送ることにした。ただ、9月に行われる大会を新たに目標とするという話を聞いている」

――初招集の北原選手について
「北原選手は身長が高く、学生時代はボランチをやっていた。新潟では数年間、センターバックとしての役割を与えられている。そのため対人能力が上がっただけではなく、ボランチ出身ということでパスフィードにも精度の高さがあり、とても評価している。だから今回チャンスを与えてみたいと思った」
――親善試合で欧州のチームと対戦した。今回、対戦するアジアのチームについて、戦い方で気をつけるべき点は
「ニュージーランドをはじめ、イングランド、ドイツと戦ってきた。できたこと、できなかったことがあり、課題を見つけることができたと思う。今回の東アジアカップで、我々はチャンピオンとして臨むことになる。そのため、課題だけではなく勝負にもこだわっていく必要がある。対して、東アジアで対戦する各国は、我々を倒すことを意識してくると思う。そういった緊張感のあるなかで、自分たちのやろうとするサッカーを勝負強くできるのかが重要になってくるだろう。また、試合の時間帯も夕方ということで、熱く湿度の高いなかでの試合が行われる。厳しい戦いになると思うが、チャンピオンとして3連覇を狙っていく姿勢を見せたい」

――欧州予選を終えて、見えてきた課題とは
「欧米にしても、韓国、中国にしても、ボールを回す質が上がってきている。そういったなかで、我々の良い局面でのボールの奪い方ができるかが重要だ。これまでと同じクオリティの連動性ではボールを奪えなくなってきていると思う。なので、そういった質を上げていけるかが課題となる。また、これまでポゼッションサッカーを見せてきたが、もっと早いショートカウンターを繰り出すために、もっと連動して、前に行く意識とプレー精度を上げていく必要があると思う。ボールを動かすサッカーに対して、相手の国々は連動、連係して非常に効果的な守備を行うようになった。不用意なボール回しをやっていると、奪われる回数が増えてしまう。だから、そういった部分を意識して東アジアに臨みたい」
――招集した選手の平均身長が高くなったのはなぜか
「選手たちの高さを意識してきたわけではない。しかし、セットプレーに関して、キッカーの宮間や、中島、上尾野辺といった選手は非常に精度の高いボールを蹴ることができる。そういうことを意識していたために、招集メンバーを選ぶ際、頭のなかで勝手にピックアップされたのだと思う。このメンバーで行くと、だれがレギュラーかが分からないが、2つのチームを形成することができると思う。メンバーを2つに分けて遜色がないものなら、最終戦(韓国戦)は中1日しかないために、ターンオーバーを行いたい。最終戦のことを考えて、ポジションに2選手ずつを配することを考えた結果、こういったメンバーになった」

――チャレンジ(2部リーグ)から大野選手を選出したことについて
「狭山は経験のある選手がいるので、大野選手が入る前から注目してきました。チャレンジリーグだが、狭山のレベルは非常に高いものだと思います」

――今大会で若手の選手に求めることは何か
「今回はヤングなでしこから選抜した選手はいないが、なでしこリーグで活躍している選手は今回登録したつもりだ。ヤングなでしこの選手たちにとって、9月に大会があるので、そちらでチャンスを与えるつもりでいる。今現在、東アジアカップに勝負する意識で考えた場合、(ヤングなでしこの選手を)選抜することができなかったのは残念だが、9月のエントリーには何人か入ってくるだろう」

――欧州遠征で、熊谷選手をボランチで起用したが、新たなコンバートを考えているのか
「FWの選手を両サイドで起用したり、サイドハーフの選手をトップとして起用することは想定内です。熊谷選手はボランチとして起用する可能性はあるが、新たにコンバートするつもりはない」

――東アジアで対戦する各国代表の印象
「第1戦の中国は、監督が代わり、非常にモダンなサッカーをするようになった。特に前線からハイプレスをかけて、連動してボールを奪うという面では質を上げてきている。相手が前から来れば、我々が主体となって、縦パスを含めたボール回しで、自分たちのリズムを刻んでいく必要があると思う。(中国は)アルガルベ杯でも対戦し、クオリティを確認している。そのイメージを持って臨みたい。第2戦の北朝鮮は、組織の勝負強さや球際の強さに加え、ヨーロッパ並みの機動力を持っている。受身にならずに、臨んでいきたい。北朝鮮戦は中4日で迎えるので、良い準備をして臨むことができると思う。最終戦の韓国戦は中1日で、最終順位が決まる重要な一戦になるだろう。選手たちのコンディションを見て、ターンオーバーするかどうかを決める。また、韓国は監督が代わり、サッカーのリズムが変わったので慎重に臨みたい」

――これまでの4-4-2から変更するチャレンジを行う予定はあるのか
「流れのなかで相手の状況を見ながら変動していくつもりだと選手たちには常に伝えている。4-4-2から4-2-3-1にも、4-3-3にもなると。ただ、ベースは4-4-2になると思う」

――澤選手には9月の大会に臨んで欲しいと言われましたが、選手と直接話し合ったのか
「スタッフと話したなかで、気持ちを確認した。非常に意識が高いと聞いている」

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