なでしこ思い出の地で完敗…/親善試合

2013.07.01 08:00 Mon
<国際親善試合:日本2-4ドイツ>◇29日(日本時間30日)◇ミュンヘン

欧州遠征中のなでしこジャパン(FIFAランク3位)がドイツ(同2位)に完敗した。11年W杯で世界一になった思い出の地で、当時と同じメンバーを中心に戦ったが、世代交代を推し進めるドイツに歯が立たず。これで20日のニュージーランド戦から親善試合3試合で2分け1敗となった。

現実を思い知らされた。11年W杯を制したドイツで、なでしこに世界最強の面影はなかった。前半17分に豪快なミドルシュートを決められると、後半も立ち上がりにPKを献上。大野、大儀見と高い個人能力でそのつど追いついたが、終盤の2失点で試合は決まった。世界一メンバーの熊谷は「今の(日本の)実力をドイツが教えてくれた」と悔しさをかみしめた。
体をぶつけるプレーや、縦に素早くボールを入れるプレーに対応できず、守備は後手に回り続けた。現在、諸外国がなでしこの戦術を研究。飛躍的に進歩を遂げた。佐々木則夫監督(55)は「ドイツは非常に質が高くなった。ボールをしっかりと左右に動かし、単調ではなかった」と実感を口にした。

日本と対照的に、ドイツは着実に世代交代を進めている。先制のミドルシュートを決めた右サイドバックのマイアー、攻撃の核マロジャンは昨年のU-20W杯に出場した若手のホープ。25歳の大儀見は「ドイツは世代交代ができているし、育成の部分でしっかりしている。日本もそういった部分を考えていかなくちゃいけない」と指摘した。
この日のアリアンツ・アリーナには欧州での女子の国際親善試合で最多となる4万6000人以上の観客が集まった。だが試合内容は、一方的になってしまった。日本にも、今回のなでしこには選出されていないFW田中美南(日テレ)MF田中陽子(INAC神戸)ら、イキの良い若手が多数いる。現状維持か、リスクを冒して若手を起用、成長させるか。判断を迫られる一戦にもなった。

佐々木監督は言う。「技術、体調、身体能力のすべてにおいて、我々が勝っているところはなかった。2-4という結果をしっかり受け止めて、次の世界大会までにもう1ランク上にいきたい」。イングランド、ドイツと対戦した欧州遠征は、1分け1敗。今日1日に帰国し、東アジア杯で3連覇に挑戦する。

提供:日刊スポーツ

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