S・ラモス「チップキックは即興じゃない」

2012.06.29 23:36 Fri
スペイン代表DFセルヒオ・ラモスが、EURO2012準決勝ポルトガル戦で決めたチップキックについて語った。

ポルトガルとのPK戦。S・ラモスは元チェコスロバキア代表のアントニーン・パネンカ氏を彷彿とさせるチップキックで、ポルトガル代表GKルイ・パトリシオが守るゴールを破った。

滞在中のホテルでスペイン『マルカ』のインタビューに応じたレアル・マドリーDFは、話題となったプレーを次のように振り返っている。

「(チップキックは)テレビで何度か繰り返して見たけど、ほかの試合と同じような感じだ見ただけだ。試合が終わればリラックスしながらプレーを振り返るけど、その場面も当然出てくるからね。重要なのは、チームが勝利を祝えたことだ」

「チップキックは即興じゃない。常に頭の中にあり、練習でも挑戦していたんだ。最後の練習ではポルトガルメディアのカメラがあったから、しなかったけどね。(ビセンテ・)デル・ボスケも知っていたことだ」

チップキックを蹴ることに、迷いはなかったのだろうか。

「ルイ・パトリシオが(MFシャビ・)アロンソのPKを止めた時には、彼がゴール中央にとどまる可能性があると思った。でも(MFアンドレス・)イニエスタ、(DFジェラール・)ピケのシュートの時には素早く横に飛んでいたから、中央で立ち続けることはないと確信した」

「サッカーも人生も決断が必要なものだし、リスクを冒さなくてはね」

チャンピオンズリーグ準決勝バイエルン・ミュンヘン戦でのPK戦では、PKを外したS・ラモス。その失敗が頭をよぎることはなかったようだ。

「EUROが始まる前にも言っていたことだ。再びPKを蹴ることになっても、何も問題はないとね。外からはいろいろなことが言われていたけど、サッカーはそういうものなんだ。マドリーでは偉大なキッカーがいるから蹴らないが、自分のキャリアの中では何度もキッカーを務めてきたんだ」

『マルカ』は一方で、S・ラモスとレストランで偶然出くわした際に敢行したインタビュー記事も掲載。そのインタビューでS・ラモスは、チップキックを蹴ることにプレッシャーを感じていたことを、素直に告白している。

「ジョークで蹴ったわけじゃない。自分自身への信頼を試すチップキックだったんだ。もし失敗していたら、メトロでスペインに戻らなければならなかっただろうね。皆から批判を受け、大きな騒動になったと思う」

「なぜかは分からないが、自分と気が合わない人間がスペインにいることは知っている。そんな人たちにとっては、批判の対象となるプレーだっただろう。でも、僕はPKを決められると確信していた」

同インタビューでは、ポルトガル戦でMFナニと衝突したことも明かしている。

「ナニとはハーフタイムにやり合った。(DFジョルディ・)アルバを挑発していたから、『黙れよ。そのキャリアで何も獲得していないくせに』って言ったんだ。彼はうぬぼれが強い選手だ。クリス(FWクリスティアーノ・ロナウド)なら、すべての行動がサッカーに関連しているけど、ナニは違った」

「彼には、アルゼンチン人のテニス選手デルポルトがスペイン人選手に向けた言葉を伝えたよ。『ジョルディにちょっかいを出し続けるなら、そのケツをぶち壊すぞ』ってね」
提供:goal.com

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