どんどん夏休みに入っていく…/原ゆみこのマドリッド
2020.08.08 21:30 Sat
「あっという間に消えてしまった」そんな風に私が嘆いていたのは土曜日、先月下旬に今季のリーガが終わった後も活動を続けていたマドリッドのチームがとうとう、アトレティコだけになってしまったのに気づいた時のことでした。いやあ、この猛暑にもめげず、毎日、マハダオンダ(マドリッド近郊)で練習というのはかなり、選手たちも大変なんじゃないかと思うんですけどね。何せ、リーガのチームのほとんどはもうバケーション中、あまつさえ、来週水曜にはグラナダが、木曜にはバジャドリーがもう来季のプレシーズン練習を始めるというこの時期、1年経ってもまだ今季が終わってないのも気の毒なんですが、彼らには来週木曜にCL準々決勝ライプツイヒ戦という大きな目標が。
ええ、いよいよ月曜夜にはCLのファイナルエイトが行われるリスボンに向けて出発、火曜からはベンフィカの練習施設でトレーニング、水曜にはエスタディオ・ダ・ルスで前日練習、そして木曜のライプツイヒ戦という段取りができているようですけどね。いくら新型コロナウィルス流行による大会中断のせいで、3勝すれば悲願のCL初優勝が叶うとて、「Tenemos un equipo muy difícil/テネモス・ウン・エキポ・ムイ・デフィシル(手ごわいチームが相手だ)。突破してもまた強いチームと当たるし、決勝でも別のもっと厄介なチームと対戦する」という、2014年にはまさに同じダ・ルスでお隣さんとのCL決勝に先発しながら、8分もプレーしないうちにケガを再発。交代を余儀なくされた上、チームもセルヒオ・ラモスの93分弾で追いつかれ、延長戦で負けるという苦い思い出のあるジエゴ・コスタの弁にも納得できますからね。
あまり先走って期待しない方がいいんですが、今季、アトレティコのファンからベスト選手に選ばれたGKオブラクも「Vamos con mucha ilusión a Lisboa y ojalá cumplamos el objetivo que temenos/バモス・コン・ムーチャ・イルシオン・ア・リスボア・イ・オハラ・クンプラモス・エル・オブヘティボ・ケ・テネモス(ボクらは沢山の夢を抱いてリスボンに行く。目標が達成できますように)」と言っていましたしね。まだ、リーガ最終戦で負傷したトマスとparon(パロン/リーガの中断期間)中にヒザの靭帯から補助具を抜く手術をしたベルサイコはチーム練習に戻っていませんが、23日の決勝まで、アトレティコがマドリッドのサッカーファンを楽しませてくれると嬉しいですよね。
ちなみにそれは来週の話なんですが、今はマドリッド勢の悲しい今季最終戦をお伝えしていくことにすると。まずは弟分のヘタフェが水曜にEL16強対決インテル戦に挑んだんですが、これはオープン放送のGolTVで生中継と、リーガのインターネット配信契約が終わり、CL・ELのため、35ユーロ(約4500円)を出して再加入するべきか、悩んでいた私にとっては朗報だったんですが、まさか開始1時間前から、自宅近辺がエリア停電に襲われるとは!
キックオフ時刻が近づいてきても家の前の道路では信号機が消えたまま、警官が交通整理をしている有様だったため、慌てて道路を数本隔てたバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んだところ、お店の人はヘタフェの試合があることすら知らないって…まあ、所詮はマドリッドの衛星都市のチームですから、市内ではそんな程度の扱いをされるのはよくあることです。
ちなみに試合の方は、ボルダラス監督が定番の2トップを諦め、ティモルで中盤を厚くしたヘタフェの猛攻で始まり、前半2分が過ぎる前に早くもマタとマクシモビッチに絶好シュートチャンスが。でもねえ、前者は枠を外してしまい、後者はGKハンダノビッチに弾かれているのを見るにつけ、リーガ再開後に1勝しかできなかったツキのなさがこの日も続いていることを再確認。すると、18分、ククレジャからフリーでパスを受けたマタがエリア内シュートを敵DFに当ててしまった後、インテルがセリエA2位の実力を発揮したんですよ。ええ、ダンブロージオのロングパスを受けたルカクにエチェイタがまったく歯が立たず、先制ゴールを決められてしまったから、さあ大変!
といってもまだ1点差ですから、後半24分にはマタとニヨンをホルヘ・モリーナとジェイソンに代え、ヘタフェは決して勝負を諦めてなかったんですが、まさか30分に手にした最大のチャンスが悪夢に転じることになろうとは。ええ、モリーナとハイボールを争ったゴディンのハンドがVAR(ビデオ審判)により、ペナルティと認められた時には私も手を叩いて喜んだんですが、そのモリーナのPKが外れてしまっては万事休す。実は同じような光景はリーガの最終節、レバンテ戦でもあって、この時は2度程、VARによるオフサイドやファールでヘタフェのゴールが認められなかった後、ようやく先制できるかと思われたPKでそれまで25回、連続して成功させてきたマタがポストに当ててしまうという不運に見舞われることに。
この日はもうマタはピッチにいなかったため、モリーナが蹴ったんですが、彼もかれこれ3年近く失敗していなかったにも関わらず、逆転勝利に繋がったかもしれない同点ゴールを決められないとなると、もう呪われているとしか言えないかと。おかげでチーム全員が気落ちしてしまったか、38分にはジェネがゴール前でクリアしたボールが途中出場のエリクセンの前に転がり、2点目を入れたインテルに止めを刺されてしまったんですが、スコアレスドローのレバンテ戦では来季のEL出場権を逃し、今季のELでもインテルに2-0で負けて敗退。どちらもチームの柱であるベテランFWのPK失敗が元凶になったのではちょっと、やりきれないものがありますよね。
いえまあ、「両チームの差は大きい。Solo lo que vale Lukaku es casi más que todo el Getafe/ソロ・ロ・ケ・バレ・ルカク・エス・カシー・マス・ケ・トードー・エル・ヘタフェ(ルカクの値段だけで、ヘタフェ全員をほぼ上回る)」とボルダラス監督が嘆くのもわかるんですけどね。加えて、冬の市場でカブレラがエスパニョールに移籍、6月末にも4人の選手が契約終了でいなくなるという戦力減に襲われていた彼らでしたが、兄貴分チームの選手たちのように皆が庭付き豪邸に住んでいないせいか、コロナによる中断期間を上手く乗り越えられなかったのは本当に残念だったかと。
それこそ「En 20 días se nos ha ido la temporada/エン・ベインテ・ディアス・セ・ノス・ア・イドー・ラ・テンポラーダ(20日間でシーズンを取り逃がしてしまった)」とアンヘル・トーレス会長が言っていた通りなんですが、大丈夫。9月半ばにもう来季が始まりますから、今は選手たちもゆっくり休養を取りつつ、翌日、ローマにレギロンとエン・ネシリのゴールで2-0と快勝した、前人未踏のEL3連覇、通算5勝の最多記録を持つセビージャにこの大会の戦い方を学んだらいいかと。ただ、あちらも来週火曜の準々決勝ウォルバーハンプトンン戦の後には、おそらくコンペハーゲンには負けないだろうマンチェスター・ユナイテッドと当たりますからね。決勝の相手もインテルとかになると、結構厳しいものがあるかもしれませんが、この短期決戦、とにかく勢いに乗った者勝ちになりそうです。
え、それでとうとう、金曜には延期されていた2部最終節のフエンラブラダvsデポルティーボ戦も実施されたんだろうって?その通りで、これでマドリッド勢が1部昇格プレーオフに参加できるようになるのかと、私も喜んでいたんですが、まさかすでに2部B降格が決まっているデポルが、勝っても残留には足りないにも関わらず、名門の意地を見せてくるとは!それもフエンラが前半11分にパチェ・シスのゴールで先制しながら、いやあ、やはり最盛期には28人ものコロナ感染者を出したサンドバル監督のチームが態勢を立て直すのは2週間、ビーチでバケーションをしていたデポルの選手たちより、難しかったんでしょうね。
結局、フエンラはトップチームの選手を規定ギリギリの7人しか招集することができず、マドリッドの地域リーグでプレーするカンテラーノを入れても、控えのフィールドプレーヤーが2人しかいない状態で遠征。前回の感染者長期隔離のせいか、当日移動の後、試合までラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)のホテルで休養することも許されなかったのも影響したんでしょうかね。39分にGKが弾いたボールがボービュに当たって同点ゴールになったのはともかく、ロスタイム終盤には怪しいハンドによるペナルティを取られてしまう始末。最後は故郷のグアドループ(カリブ海にあるフランス領)から、遥々6000キロを戻って来た、トップチーム所属17人のうちの1人、ボービュがPKでdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成し、まさかの逆転負けを喰らったため、彼らはプレーオフ出場に必要な勝ち点1を獲れなかったんですよ。
いやもう、スペイン最多のコロナ感染者量産チームと化してもフエンラはプレーオフで戦う気持ちを失くしてなかったとはいえ、やっぱり選手たちの体調は心配ですからね。実際、来週からのサラゴサとの準決勝、そして決勝と、2試合制の2ラウンドを戦い抜く力はもう残っていなかったでしょうし、とにかく彼らは2部で戦うのも今季が初めてとなれば、ここはもう2週間以上、バケーションを先延ばしにして練習を続けていたエルチェに快く、出場権を譲ってあげたと考えればいいのでは?
あとはデポルやヌマンシアが関係各所に訴えている、フエンラの衛生規則違反による強制降格が認められないことを祈るばかりですが、実はこの試合が終わる頃、マドリッドの兄貴分もエティハド・スタジアムで苦戦中。うーん、私もバル観戦はやっぱり不安だったため、レアル・マドリーの逆転勝ち抜けで元が取れることを信じて、ネット中継を申し込んだんですけどね。まさか、開始早々から、GKクルトワがミリトン、バランとエリア内でパス交換を続け、後者がガブリエウ・ジェズスにボールを奪われた挙句にスターリングに先制点を奪われているって、何ですかあ、その変なサッカーは?
いや、まさかマドリーがあそこまで、まるでセティエン監督のチームのようにボールを後ろから繋ぐことに固執するとは驚きですが、よりによって、セルヒオ・ラモスが出場停止の日を選んでやらなくても良かったかと。ただ、28分には予想外の先発抜擢されたロドリゴのクロスをベンゼマがヘッドで叩き込み、1stレグで1-2と負けていた彼らが逆転勝ち抜けするのに必要なゴールはあと2本に戻ったんですが、後半、ロドリゴがアセンシオに代わった後、再びバランがやらかしてしまうとはこの世も末。今度は自陣エリア近くのボールを頭でバックパスしたところ、クルトワに届く前にガブリエウ・ジェズスが追いついて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいんでしょう。
おまけにその日はジダン監督の反応も遅く、満を持して先発復帰しながら、精彩のなかったアザールも含め、モドリッチ、カルバハルを下げ、フレッシュな選手を投入したのも38分になってからでしたし、その人選もヨビッチ、ルーカス・バスケス、バルベルデと少々、首を傾げるもの。ビニシウスなど、アップもせずにスタンドに座っていた上、イスコにも出番がなく、いえ、ベイルは「個人的に話をして、sólo te puedo decir que ha preferido no jugar/ソロ・テ・プエド・デシール・ケ・ア・プレフェリードー・ノー・フガール(言えるのは、彼はプレーしないことを好んだ)」とジダン監督が前日会見で言っていたように、マドリッドでお留守番だったんですけどね。
マンチェスター・シティ戦当日午前中には市内のゴルフ場で目撃されたりもしていたんですが、やはりチーム2番目の得点源かつ、マドリーの伝統である根性のremontada(レモンターダ/逆転勝利)を体現するラモスがピッチにいないのでは、残り時間で奇跡が起きなかったのも仕方ないかと。いやあ、そのまま2-1で負け、初のCL決勝トーナメント敗退を経験することになったジダン監督も「El 95% de lo hecho en la temporada ha sido excelente/エル・ノベンタイシンコ・ポル・シエントー・デ・ロ・エッチョー・エン・ラ・テンポラーダ・ア・シードー・エクセレテンテ(今季の95%は素晴らしかった)」と言っていたように、リーガ優勝までは文句のない試合が出来ていた彼らなんですけどね。
これで2年連続、CL16強対決敗退となったマドリーのシーズンも終わり、リスボンでのファイナルエイトの楽しみが減ってしまったのは私もショックなんですが…てことはアトレティコのCL優勝を阻む者はもう誰もいない?ええ、マンチェスター・シティのグアルディオラ監督も「マドリーを破るのは記憶に残るが、ahí está el Atlético que eliminó al mejor equipo del mundo, el Liverpool/アイー・エスタ・エル・アトレティコ・ケ・エリミノ・アル・メホール・エキポ・デル・ムンド、エル・リバプール(世界一のチーム、リバプールを倒したアトレティコがそこにいる)」と言っていましたしね。
とりあえず、土曜にはバルサがナポリを3-1で下し、総合スコア4-2で準々決勝に進んだため、ユベントスを破ったオリンピック・リヨンと次に対戦するマンチェスター・シティが、バルサがバイエルンを破れば、準決勝で当たり、グアルディオラ監督の古巣対決が実現するのも見物ですし、意外と今季のCL残りにも捨てたもんじゃない?唯一の懸念は、どうにも遅くまで大会に残ったチームのバケーション期間が短くなりそうなことと、アトレティコが優勝しても市内パレードはできそうにないことぐらいですかね。
ええ、いよいよ月曜夜にはCLのファイナルエイトが行われるリスボンに向けて出発、火曜からはベンフィカの練習施設でトレーニング、水曜にはエスタディオ・ダ・ルスで前日練習、そして木曜のライプツイヒ戦という段取りができているようですけどね。いくら新型コロナウィルス流行による大会中断のせいで、3勝すれば悲願のCL初優勝が叶うとて、「Tenemos un equipo muy difícil/テネモス・ウン・エキポ・ムイ・デフィシル(手ごわいチームが相手だ)。突破してもまた強いチームと当たるし、決勝でも別のもっと厄介なチームと対戦する」という、2014年にはまさに同じダ・ルスでお隣さんとのCL決勝に先発しながら、8分もプレーしないうちにケガを再発。交代を余儀なくされた上、チームもセルヒオ・ラモスの93分弾で追いつかれ、延長戦で負けるという苦い思い出のあるジエゴ・コスタの弁にも納得できますからね。
あまり先走って期待しない方がいいんですが、今季、アトレティコのファンからベスト選手に選ばれたGKオブラクも「Vamos con mucha ilusión a Lisboa y ojalá cumplamos el objetivo que temenos/バモス・コン・ムーチャ・イルシオン・ア・リスボア・イ・オハラ・クンプラモス・エル・オブヘティボ・ケ・テネモス(ボクらは沢山の夢を抱いてリスボンに行く。目標が達成できますように)」と言っていましたしね。まだ、リーガ最終戦で負傷したトマスとparon(パロン/リーガの中断期間)中にヒザの靭帯から補助具を抜く手術をしたベルサイコはチーム練習に戻っていませんが、23日の決勝まで、アトレティコがマドリッドのサッカーファンを楽しませてくれると嬉しいですよね。
キックオフ時刻が近づいてきても家の前の道路では信号機が消えたまま、警官が交通整理をしている有様だったため、慌てて道路を数本隔てたバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んだところ、お店の人はヘタフェの試合があることすら知らないって…まあ、所詮はマドリッドの衛星都市のチームですから、市内ではそんな程度の扱いをされるのはよくあることです。
それでも何とか、TVのチャンネルを合わせてもらったんですが、さすが4カ月半以上もバルで試合を見ていなかったため、私もちょっと最初は緊張。今はどこも感染予防のため、各テーブルの間隔を広げているんですけど、お客さんたちは飲食するため、マスクを外していますからね。隣の席の人が延々と携帯で喋っていたりすると、何だか怖いんですが、双子の赤ちゃん連れ夫婦などもいて、最近はスペインでも再び感染者数がうなぎ昇りというのに、気にしない人はもう全然、気にしてない?
ちなみに試合の方は、ボルダラス監督が定番の2トップを諦め、ティモルで中盤を厚くしたヘタフェの猛攻で始まり、前半2分が過ぎる前に早くもマタとマクシモビッチに絶好シュートチャンスが。でもねえ、前者は枠を外してしまい、後者はGKハンダノビッチに弾かれているのを見るにつけ、リーガ再開後に1勝しかできなかったツキのなさがこの日も続いていることを再確認。すると、18分、ククレジャからフリーでパスを受けたマタがエリア内シュートを敵DFに当ててしまった後、インテルがセリエA2位の実力を発揮したんですよ。ええ、ダンブロージオのロングパスを受けたルカクにエチェイタがまったく歯が立たず、先制ゴールを決められてしまったから、さあ大変!
といってもまだ1点差ですから、後半24分にはマタとニヨンをホルヘ・モリーナとジェイソンに代え、ヘタフェは決して勝負を諦めてなかったんですが、まさか30分に手にした最大のチャンスが悪夢に転じることになろうとは。ええ、モリーナとハイボールを争ったゴディンのハンドがVAR(ビデオ審判)により、ペナルティと認められた時には私も手を叩いて喜んだんですが、そのモリーナのPKが外れてしまっては万事休す。実は同じような光景はリーガの最終節、レバンテ戦でもあって、この時は2度程、VARによるオフサイドやファールでヘタフェのゴールが認められなかった後、ようやく先制できるかと思われたPKでそれまで25回、連続して成功させてきたマタがポストに当ててしまうという不運に見舞われることに。
この日はもうマタはピッチにいなかったため、モリーナが蹴ったんですが、彼もかれこれ3年近く失敗していなかったにも関わらず、逆転勝利に繋がったかもしれない同点ゴールを決められないとなると、もう呪われているとしか言えないかと。おかげでチーム全員が気落ちしてしまったか、38分にはジェネがゴール前でクリアしたボールが途中出場のエリクセンの前に転がり、2点目を入れたインテルに止めを刺されてしまったんですが、スコアレスドローのレバンテ戦では来季のEL出場権を逃し、今季のELでもインテルに2-0で負けて敗退。どちらもチームの柱であるベテランFWのPK失敗が元凶になったのではちょっと、やりきれないものがありますよね。
いえまあ、「両チームの差は大きい。Solo lo que vale Lukaku es casi más que todo el Getafe/ソロ・ロ・ケ・バレ・ルカク・エス・カシー・マス・ケ・トードー・エル・ヘタフェ(ルカクの値段だけで、ヘタフェ全員をほぼ上回る)」とボルダラス監督が嘆くのもわかるんですけどね。加えて、冬の市場でカブレラがエスパニョールに移籍、6月末にも4人の選手が契約終了でいなくなるという戦力減に襲われていた彼らでしたが、兄貴分チームの選手たちのように皆が庭付き豪邸に住んでいないせいか、コロナによる中断期間を上手く乗り越えられなかったのは本当に残念だったかと。
それこそ「En 20 días se nos ha ido la temporada/エン・ベインテ・ディアス・セ・ノス・ア・イドー・ラ・テンポラーダ(20日間でシーズンを取り逃がしてしまった)」とアンヘル・トーレス会長が言っていた通りなんですが、大丈夫。9月半ばにもう来季が始まりますから、今は選手たちもゆっくり休養を取りつつ、翌日、ローマにレギロンとエン・ネシリのゴールで2-0と快勝した、前人未踏のEL3連覇、通算5勝の最多記録を持つセビージャにこの大会の戦い方を学んだらいいかと。ただ、あちらも来週火曜の準々決勝ウォルバーハンプトンン戦の後には、おそらくコンペハーゲンには負けないだろうマンチェスター・ユナイテッドと当たりますからね。決勝の相手もインテルとかになると、結構厳しいものがあるかもしれませんが、この短期決戦、とにかく勢いに乗った者勝ちになりそうです。
え、それでとうとう、金曜には延期されていた2部最終節のフエンラブラダvsデポルティーボ戦も実施されたんだろうって?その通りで、これでマドリッド勢が1部昇格プレーオフに参加できるようになるのかと、私も喜んでいたんですが、まさかすでに2部B降格が決まっているデポルが、勝っても残留には足りないにも関わらず、名門の意地を見せてくるとは!それもフエンラが前半11分にパチェ・シスのゴールで先制しながら、いやあ、やはり最盛期には28人ものコロナ感染者を出したサンドバル監督のチームが態勢を立て直すのは2週間、ビーチでバケーションをしていたデポルの選手たちより、難しかったんでしょうね。
結局、フエンラはトップチームの選手を規定ギリギリの7人しか招集することができず、マドリッドの地域リーグでプレーするカンテラーノを入れても、控えのフィールドプレーヤーが2人しかいない状態で遠征。前回の感染者長期隔離のせいか、当日移動の後、試合までラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)のホテルで休養することも許されなかったのも影響したんでしょうかね。39分にGKが弾いたボールがボービュに当たって同点ゴールになったのはともかく、ロスタイム終盤には怪しいハンドによるペナルティを取られてしまう始末。最後は故郷のグアドループ(カリブ海にあるフランス領)から、遥々6000キロを戻って来た、トップチーム所属17人のうちの1人、ボービュがPKでdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成し、まさかの逆転負けを喰らったため、彼らはプレーオフ出場に必要な勝ち点1を獲れなかったんですよ。
いやもう、スペイン最多のコロナ感染者量産チームと化してもフエンラはプレーオフで戦う気持ちを失くしてなかったとはいえ、やっぱり選手たちの体調は心配ですからね。実際、来週からのサラゴサとの準決勝、そして決勝と、2試合制の2ラウンドを戦い抜く力はもう残っていなかったでしょうし、とにかく彼らは2部で戦うのも今季が初めてとなれば、ここはもう2週間以上、バケーションを先延ばしにして練習を続けていたエルチェに快く、出場権を譲ってあげたと考えればいいのでは?
あとはデポルやヌマンシアが関係各所に訴えている、フエンラの衛生規則違反による強制降格が認められないことを祈るばかりですが、実はこの試合が終わる頃、マドリッドの兄貴分もエティハド・スタジアムで苦戦中。うーん、私もバル観戦はやっぱり不安だったため、レアル・マドリーの逆転勝ち抜けで元が取れることを信じて、ネット中継を申し込んだんですけどね。まさか、開始早々から、GKクルトワがミリトン、バランとエリア内でパス交換を続け、後者がガブリエウ・ジェズスにボールを奪われた挙句にスターリングに先制点を奪われているって、何ですかあ、その変なサッカーは?
いや、まさかマドリーがあそこまで、まるでセティエン監督のチームのようにボールを後ろから繋ぐことに固執するとは驚きですが、よりによって、セルヒオ・ラモスが出場停止の日を選んでやらなくても良かったかと。ただ、28分には予想外の先発抜擢されたロドリゴのクロスをベンゼマがヘッドで叩き込み、1stレグで1-2と負けていた彼らが逆転勝ち抜けするのに必要なゴールはあと2本に戻ったんですが、後半、ロドリゴがアセンシオに代わった後、再びバランがやらかしてしまうとはこの世も末。今度は自陣エリア近くのボールを頭でバックパスしたところ、クルトワに届く前にガブリエウ・ジェズスが追いついて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいんでしょう。
おまけにその日はジダン監督の反応も遅く、満を持して先発復帰しながら、精彩のなかったアザールも含め、モドリッチ、カルバハルを下げ、フレッシュな選手を投入したのも38分になってからでしたし、その人選もヨビッチ、ルーカス・バスケス、バルベルデと少々、首を傾げるもの。ビニシウスなど、アップもせずにスタンドに座っていた上、イスコにも出番がなく、いえ、ベイルは「個人的に話をして、sólo te puedo decir que ha preferido no jugar/ソロ・テ・プエド・デシール・ケ・ア・プレフェリードー・ノー・フガール(言えるのは、彼はプレーしないことを好んだ)」とジダン監督が前日会見で言っていたように、マドリッドでお留守番だったんですけどね。
マンチェスター・シティ戦当日午前中には市内のゴルフ場で目撃されたりもしていたんですが、やはりチーム2番目の得点源かつ、マドリーの伝統である根性のremontada(レモンターダ/逆転勝利)を体現するラモスがピッチにいないのでは、残り時間で奇跡が起きなかったのも仕方ないかと。いやあ、そのまま2-1で負け、初のCL決勝トーナメント敗退を経験することになったジダン監督も「El 95% de lo hecho en la temporada ha sido excelente/エル・ノベンタイシンコ・ポル・シエントー・デ・ロ・エッチョー・エン・ラ・テンポラーダ・ア・シードー・エクセレテンテ(今季の95%は素晴らしかった)」と言っていたように、リーガ優勝までは文句のない試合が出来ていた彼らなんですけどね。
これで2年連続、CL16強対決敗退となったマドリーのシーズンも終わり、リスボンでのファイナルエイトの楽しみが減ってしまったのは私もショックなんですが…てことはアトレティコのCL優勝を阻む者はもう誰もいない?ええ、マンチェスター・シティのグアルディオラ監督も「マドリーを破るのは記憶に残るが、ahí está el Atlético que eliminó al mejor equipo del mundo, el Liverpool/アイー・エスタ・エル・アトレティコ・ケ・エリミノ・アル・メホール・エキポ・デル・ムンド、エル・リバプール(世界一のチーム、リバプールを倒したアトレティコがそこにいる)」と言っていましたしね。
とりあえず、土曜にはバルサがナポリを3-1で下し、総合スコア4-2で準々決勝に進んだため、ユベントスを破ったオリンピック・リヨンと次に対戦するマンチェスター・シティが、バルサがバイエルンを破れば、準決勝で当たり、グアルディオラ監督の古巣対決が実現するのも見物ですし、意外と今季のCL残りにも捨てたもんじゃない?唯一の懸念は、どうにも遅くまで大会に残ったチームのバケーション期間が短くなりそうなことと、アトレティコが優勝しても市内パレードはできそうにないことぐらいですかね。
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レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed4
2001年から続いたレアル・マドリーの“ジダン王朝”、三男テオがカスティージャ退団でとうとう終焉へ
レアル・マドリーから“ジダン”がいなくなる見通しに。スペイン『Relevo』が伝える。 2001年7月9日、レアル・マドリーで前年から第一次政権を発足させたフロレンティーノ・ペレス会長が、21世紀到来を控えてスタートした“銀河系軍団”構築の第2弾として、ユベントスから2000年のFIFA世界最優秀選手賞、ジネディーヌ・ジダン氏を当時史上最高額の9000万ユーロで獲得。全世界が仰天した。 その後、ジダン氏は2006年の現役引退までマドリーでプレーし、引退後は2度にわたって監督を歴任。その間の功績等は説明不要だろう。 一方、ジダン氏には4人の息子が。長男エンツォ・ジダン(1995年生まれ)、次男ルカ・ジダン(98年生まれ)、三男テオ・ジダン(02年生まれ)、四男エリアス・ジダン(05年生まれ)。エンツォとルカは父の現役時代からマドリー下部組織に所属し、テオとエリアスも兄2人を追うようにマドリーの一員となった。 現在もマドリーに残るはリザーブチーム「カスティージャ」でプレーする三男テオのみだが、一家の父が2001年7月にマドリー入りして以来、エル・ブランコには絶えず、”ジダン”が所属しているのだ。 しかし、2024年夏をもって、四半世紀近く続いてきた「マドリーにジダンあり」が終わる見通しに。テオの契約が6月末までとなっており、本人に延長の意志なし。トップチーム昇格を待たずして、キャリアで初めてマドリーを離れる決断を25日に下したとのことだ。 22歳テオは、父の盟友ラウール・ゴンサレスが率いるカスティージャで主力選手。今季のスペイン3部でセントラルハーフとして優れたパフォーマンスを披露し、他クラブのトップチームに羽ばたく目処が立ったとみられている。 なお、マドリートップチーム通算“1試合1得点”という29歳の長男エンツォは、現役引退を宣言せずとも現在サッカーから離れ、不動産業に従事。1月にマドリーからレアル・ベティスへ移籍した18歳の四男エリアスは、来季のトップチーム昇格が決定し、U-19フランス代表でも主力級という194cmの左利きセンターバックだ。 2024.05.27 15:00 Mon5
