【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.10“32年ぶりのCL制覇”カペッロ監督の礎/レアル・マドリー[1997-98]

2019.04.08 12:00 Mon
Getty Images
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。

日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
vol.10

1997-98シーズン/レアル・マドリー
〜32年ぶりのCL制覇〜


(C)CWS Brians,LTD.

監督:ユップ・ハインケス(53)
獲得タイトル:CL
攻撃力9:★★★★★★★★★☆
守備力7:★★★★★★★☆☆☆
タレント9:★★★★★★★★★☆
連係8:★★★★★★★★☆☆
選手層9:★★★★★★★★★☆


32年ぶりのCL制覇

1990年代前半にミランに黄金時代を築き上げたカペッロ監督を1996-97シーズンに招聘したマドリー。このシーズンの開幕前にミカエル・ラウドルップやルイス・エンリケ、サモラーノら主力を放出した一方で、ミヤトビッチやシュケル、ロベルト・カルロス、セードルフ、イルクナーを獲得するなどチーム改革を断行した。

カペッロ監督によって勝利への執着心を植え付けられたチームは、このシーズンのリーガを制覇し、前シーズンにリーガ初優勝を成し遂げたアトレティコ・マドリーからタイトルを奪還する。カペッロ監督はわずか1年で再びミランへと去ったが、イタリア人指揮官が礎を築いたチームは続く1997-98シーズンにヨーロッパを制覇する。
ビルバオなどで実績を残したハインケス監督を招聘して迎えた1997-98シーズン。リーガで4位に終わったマドリーだが、CLでは前シーズンの覇者であるドルトムントを破って決勝に進出する。決勝の相手は3シーズン連続でファイナリストとなったユベントス。このイタリアの雄との決戦で、マドリーはミヤトビッチの決勝ゴールで1-0の勝利を収め、32年ぶりとなるCLのタイトルを手にした。

攻撃センス溢れる

カペッロ監督が礎を築いたチームは勝負強さを備え、その上で攻撃センス溢れる選手を数多く擁す好チームだった。このチームをまとめ上げたのが、強烈なキャプテンシーを持つサンチスと、戦術眼に優れるイエロのセンターバックコンビだった。
最後尾では、カニサレスとイルクナーが正守護神のポジションを争った。左サイドバックのロベルト・カルロスは持ち前の攻撃性能を遺憾なく発揮。積極的に攻撃へ参加し、多くの得点に絡んだ。一方、右サイドバックのパヌッチは一対一の守備に優れ、逆サイドとのバランスを取った。

中盤では、卓越したテクニックを有するレフティーのレドンドがゲームメイクを担い、運動量豊富なカランブーやハイメが攻守に奔走。シュート、パス、ドリブルにおいて非凡さを持つセードルフは、攻撃の核となった。弱冠20歳のラウールは積極的にビルドアップに参加。要所でディフェンスライン裏へ抜け出す動きを見せ、天性の決定力でゴールを奪った。

前線にはミヤトビッチ、モリエンテス、シュケルというエース級のストライカーを3人揃えた。特に、ミヤトビッチはゴールへの嗅覚に優れ、CL決勝など大事な場面でゴールを奪った。

ピックアップ・プレイヤー

MFフェルナンド・レドンド(28)

エレガントさと激しさを併せ持ったレジスタの先駆者。白い巨人で一時代を築いたレドンドは、得意の左足を駆使して、中盤の底からゲームをコントロールした。その卓越したテクニックで観客を魅了し、マドリーの中盤で絶大なる存在感を放った。

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