JFAが暴徒化した浦和サポーターへの処分を発表、17名が国内試合の無期限入場禁止…田嶋会長「痛恨の極み」「断じて許されぬ危険行為」
2023.08.31 18:40 Thu
日本サッカー協会(JFA)は31日、臨時理事会を開催。8月2日に行われた第103回天皇杯ラウンド16の名古屋グランパスvs浦和レッズで発生した件についての処分を発表した。
事件は試合後に浦和サポーターの一部がピッチに侵入するなどの違反行為を実施。浦和の会見では「暴力行為はなかった」とされていたが、JFAの調査の結果、暴力行為や破壊行為が確認され、25名程度が関わっているとされていた。
31日の臨時理事会では、あらためて事象を確認。「フィールドへの侵入行為」、「暴力行為」、「迷惑危険行為」、「破壊行為」、「横断幕に係る問題行為」の5つの禁止行為があったという。
処分対象者は浦和サポーター18名。17名は日本国内で行われる全ての試合の無期限の入場禁止。1名は5試合の入場禁止となり、この1名の入場禁止試合はJFAが指定するという。
なお、今回までの調査により把握できた事象に関しての処分であり、新たに確認された場合は別途処分が下される可能性もあるとのこと。また、クラブやその他団体から別の処分も追加される可能性はあるという。
JFAの田嶋幸三会長は、今回の件を受けて声明を発表。「断じて許されぬ危険行為」とした。
「日本サッカー協会(JFA)は本日(8月31日)、臨時理事会を開催し、8月2日に天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会のラウンド16(4回戦)の名古屋グランパス対浦和レッズ戦(CSアセット港サッカー場)の後に発生した浦和の一部サポーターによる違反行為について審議し、17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止とする決定を下しました」
「17人に対する無期限の入場禁止は、浦和の試合だけでなく日本国内で行われる全ての試合(JFA主催試合に加え、Jリーグや各連盟などが主催する試合を含む)を対象としたもので、極めて厳しい決定です」
「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです」
「そういう素晴らしい存在であるにもかかわらず、一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです。今回の違反行為は、安全で安心してサッカーを楽しめる環境を広げていこうというサッカー界全体の取り組みを著しく阻害するものです」
「私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません。しかも、夏休みということもあって多くの子どもたちが来場している中で彼らに恐怖感や不安を与えてしまったことや、日本は女性や子ども、高齢者も安全に快適にサッカー観戦ができると世界的にも評価されているにもかかわらずこのような事案が発生したことは、痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」
また、今後も安全で安心して楽しめる環境づくりをしていくとし、スタジアムの安全確保を改めて真剣に考えて、防止策を講じていくという。
「現在、世界のサッカーでもアクセシビリティ対応が積極的に図られています。国際サッカー連盟(FIFA)は、FIFAワールドカップカタール2022において全64試合でアクセシビリティ対応の観戦シートを提供。また、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)に加盟する各国連盟/協会、クラブチームを対象に「アクセス・フォー・オール(スタジアムのガイドライン)」を推進しています」
「スタジアムは若い人ばかりではありません。初めて来られる人もいるでしょう。障がい者の方や高齢者、子どもも観戦しており、万が一、彼らに危害が及んだ場合、大きな事故になりかねません。さらに言えば、今回のケースは負傷者や死者を出すような重大な事故を引き起こす危険性も孕んでいました」
「全ての試合――特にプロスポーツの興行においては、円滑で安全な運営がなされ、観戦者が安心してサッカーを楽しむことができるだけでなく、選手や審判員、チームスタッフ、警備員、関係者らがそれぞれ与えられた仕事を全うできる環境が確保されて初めて成立します。その中でサポーターは、試合や観客を盛り上げ、選手に大きなパワーを与えてくれる重要な存在であり、ひいては、サッカーの社会的価値やスポーツビジネスの発展といった観点からも欠くことができない存在です」
「人と人をつなぎ、多くの人々と感動や歓喜、時に悔しさなどを共有できるのがスポーツです。また、インテグリティ(誠実、健全性、高潔さ)が保たれ、誰もが安心して安全に楽しむ環境があってこそスポーツは発展していきます。一部の人たちの身勝手な考えや一時的な感情に任せた危険行為によってそれを楽しむ人の生命や心身の安全が脅かされたり、スポーツ/サッカーの価値がおとしめられたりするようなことがあっては断じてならないのです」
「今後、このようなことが二度と起こらないよう、JFAとしてもJリーグやWEリーグをはじめとする各リーグや連盟、47都道府県サッカー協会などと連携して再発防止策を講ずるとともに、リスペクトの推進や暴力・暴言根絶の啓発活動など積極的な情報発信を行ってまいります。そして、技術委員会、審判委員会、リスペクト・フェアプレー委員会、ウェルフェアオフィサーらと試合運営管理規定など各種規則の見直しを図る一方、運営・警備体制を強化します」
「また、違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」
「JFAはいかなる場合でも暴力や暴言、差別などを容認せず、全ての観戦者が安全に安心してサッカーを楽しめる健全なサッカー環境を広げていきます。本気で変えるには一人一人が当事者意識を持つことが重要です。このサッカー界の考えや取り組みが、いずれは日本のスポーツ界や国際社会にも良い影響を与えるものになるよう、サッカーファミリーの皆さんと共に考え、日本サッカーを統括する団体としての使命感と責任を持って取り組んでいく覚悟です」
事件は試合後に浦和サポーターの一部がピッチに侵入するなどの違反行為を実施。浦和の会見では「暴力行為はなかった」とされていたが、JFAの調査の結果、暴力行為や破壊行為が確認され、25名程度が関わっているとされていた。
31日の臨時理事会では、あらためて事象を確認。「フィールドへの侵入行為」、「暴力行為」、「迷惑危険行為」、「破壊行為」、「横断幕に係る問題行為」の5つの禁止行為があったという。
なお、今回までの調査により把握できた事象に関しての処分であり、新たに確認された場合は別途処分が下される可能性もあるとのこと。また、クラブやその他団体から別の処分も追加される可能性はあるという。
加えて、浦和のクラブに対する懲罰は別途決定。今回の処分対象者に関しては、国際サッカー連盟(FIFA)、アジアサッカー連盟(AFC)にも報告されるという。
JFAの田嶋幸三会長は、今回の件を受けて声明を発表。「断じて許されぬ危険行為」とした。
「日本サッカー協会(JFA)は本日(8月31日)、臨時理事会を開催し、8月2日に天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会のラウンド16(4回戦)の名古屋グランパス対浦和レッズ戦(CSアセット港サッカー場)の後に発生した浦和の一部サポーターによる違反行為について審議し、17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止とする決定を下しました」
「17人に対する無期限の入場禁止は、浦和の試合だけでなく日本国内で行われる全ての試合(JFA主催試合に加え、Jリーグや各連盟などが主催する試合を含む)を対象としたもので、極めて厳しい決定です」
「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです」
「そういう素晴らしい存在であるにもかかわらず、一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです。今回の違反行為は、安全で安心してサッカーを楽しめる環境を広げていこうというサッカー界全体の取り組みを著しく阻害するものです」
「私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません。しかも、夏休みということもあって多くの子どもたちが来場している中で彼らに恐怖感や不安を与えてしまったことや、日本は女性や子ども、高齢者も安全に快適にサッカー観戦ができると世界的にも評価されているにもかかわらずこのような事案が発生したことは、痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」
また、今後も安全で安心して楽しめる環境づくりをしていくとし、スタジアムの安全確保を改めて真剣に考えて、防止策を講じていくという。
「現在、世界のサッカーでもアクセシビリティ対応が積極的に図られています。国際サッカー連盟(FIFA)は、FIFAワールドカップカタール2022において全64試合でアクセシビリティ対応の観戦シートを提供。また、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)に加盟する各国連盟/協会、クラブチームを対象に「アクセス・フォー・オール(スタジアムのガイドライン)」を推進しています」
「スタジアムは若い人ばかりではありません。初めて来られる人もいるでしょう。障がい者の方や高齢者、子どもも観戦しており、万が一、彼らに危害が及んだ場合、大きな事故になりかねません。さらに言えば、今回のケースは負傷者や死者を出すような重大な事故を引き起こす危険性も孕んでいました」
「全ての試合――特にプロスポーツの興行においては、円滑で安全な運営がなされ、観戦者が安心してサッカーを楽しむことができるだけでなく、選手や審判員、チームスタッフ、警備員、関係者らがそれぞれ与えられた仕事を全うできる環境が確保されて初めて成立します。その中でサポーターは、試合や観客を盛り上げ、選手に大きなパワーを与えてくれる重要な存在であり、ひいては、サッカーの社会的価値やスポーツビジネスの発展といった観点からも欠くことができない存在です」
「人と人をつなぎ、多くの人々と感動や歓喜、時に悔しさなどを共有できるのがスポーツです。また、インテグリティ(誠実、健全性、高潔さ)が保たれ、誰もが安心して安全に楽しむ環境があってこそスポーツは発展していきます。一部の人たちの身勝手な考えや一時的な感情に任せた危険行為によってそれを楽しむ人の生命や心身の安全が脅かされたり、スポーツ/サッカーの価値がおとしめられたりするようなことがあっては断じてならないのです」
「今後、このようなことが二度と起こらないよう、JFAとしてもJリーグやWEリーグをはじめとする各リーグや連盟、47都道府県サッカー協会などと連携して再発防止策を講ずるとともに、リスペクトの推進や暴力・暴言根絶の啓発活動など積極的な情報発信を行ってまいります。そして、技術委員会、審判委員会、リスペクト・フェアプレー委員会、ウェルフェアオフィサーらと試合運営管理規定など各種規則の見直しを図る一方、運営・警備体制を強化します」
「また、違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」
「JFAはいかなる場合でも暴力や暴言、差別などを容認せず、全ての観戦者が安全に安心してサッカーを楽しめる健全なサッカー環境を広げていきます。本気で変えるには一人一人が当事者意識を持つことが重要です。このサッカー界の考えや取り組みが、いずれは日本のスポーツ界や国際社会にも良い影響を与えるものになるよう、サッカーファミリーの皆さんと共に考え、日本サッカーを統括する団体としての使命感と責任を持って取り組んでいく覚悟です」
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3日、明治安田J1リーグ第14節の浦和レッズvs東京ヴェルディが埼玉スタジアム2002で行われ、ホームの浦和が2-0で勝利した。 4位の浦和は前節、サンフレッチェ広島を1-0で破って4連勝を達成。川崎フロンターレのACLE参戦に伴い第13節が後ろ倒し開催となる影響で中7日と休養十分で臨んだ今節は2016年以来のリーグ5連勝を目指した。広島戦からはベンチ外となったサミュエル・グスタフソンに代えて松本泰志を起用した以外、同じスタメンを採用した。 一方、13位の東京Vは前節、ファジアーノ岡山とのアウェイゲームを1-0で勝利。2試合連続ウノゼロで今季初の連勝を飾った。中3日のアウェイ連戦で3連勝を目指した一戦では前節と全く同じスタメンを採用した。 立ち上がりから主導権争いが繰り広げられたなか、ホームの浦和がファーストチャンスをいきなりゴールに結びつけた。 開始6分、自陣左サイドでボールを受けたマテウス・サヴィオからの縦パスを左に流れた松尾佑介がDF綱島悠斗よりも先にキープ。緩急を付けたドリブルで内側に切り込むと、ペナルティアーク左から狙いすました右足のコントロールシュートをゴール右隅に突き刺した。 4試合ぶりの失点を喫した東京V。今季の先制した試合で圧倒的な強さを見せる相手に対して早い時間帯のゴールを目指す。球際では五分の勝負を見せたが、マイボール時に相手の圧力を受けて自陣での細かいミスが散見。不用意なロストからホームチームが得意とするカウンターに晒される。 押し込まながらも2失点目は許さないアウェイチームは、徐々にボールを動かしながら前進。森田晃樹のミドルシュート、左CKから綱島のヘディングシュートとフィニッシュの場面を作り出す。 一方、要所を締める守備でリードを維持する浦和もこの時間帯に続けてゴールへ迫る。28分、ボックス手前右でサヴィオから足元にパスを受けた渡邊凌磨の左足シュートはGKマテウスの好守に遭う。このプレーで得た左CKの二次攻撃ではボックス右でこぼれに反応した松尾がシュートもDF谷口栄斗の見事なゴールカバーに阻まれる。 だが、3つ目の決定機で仕留める。31分、右CKの流れからペナルティアーク付近でこぼれ球に反応した渡邊が右足を振り抜くと、低い弾道の鋭いシュートがDF宮原和也の股間を抜けてコースが変わってゴール右隅に突き刺さった。 良い時間帯に2点目を挙げた浦和はよりゲームコントロール優先の戦い方にシフト。引き続き前からボールを奪いに行く東京Vをいなしながら、要所でスイッチを入れる攻撃で圧倒していく。これに対して、アウェイチームは前半終盤のスプリントの際に千田海人がハムストリングを負傷。そのままピッチを後にしたなか、交代機会を考慮した城福浩監督は残り数分を10人で戦う決断を下した。 迎えた後半、東京Vは千田と山見大登に代えて翁長聖、齋藤功佑を同時投入。これで宮原を下げた3バックの配置を大きく変更し、翁長と齋藤は右のウイングバックとシャドーに配置された。 立ち上がりはその齋藤が攻守でスイッチを入れるプレーをみせ、アウェイチームが相手陣内でのプレータイムを増やしていく。だが、得点力不足のチームは最後の局面で精度を欠いてフィニッシュには持ち込めず。57分には自陣でのプレス回避から新井悠太が得意のカットインから右足ミドルシュートを枠に飛ばすが、GK西川周作の好守に遭う。 以降は浦和も得意のロングカウンターを繰り出し、相手の攻勢にけん制をかける形で試合は膠着。2点リードの浦和は今後のスケジュールも睨んでか、マテウス・サヴィオ、松尾を下げて関根貴大、髙橋利樹を同時投入。対する東京Vも新井、木村、福田湧矢に代えて松橋優安、染野唯月、川﨑修平とフレッシュな選手をピッチに送り出す。 そんななか、73分には勝敗を左右する事象が発生。松本の背後を狙ったフィードに反応した髙橋がDF谷口に後ろから手をかけられて倒されると、決定機阻止で東京Vの背番号3にレッドカードが掲示された。 これで2点リードに数的優位まで手にした浦和は直後に金子拓郎、渡邊を下げて原口元気、中島翔哉を同時投入。すると、中島はファーストプレーとなったボックス手前右のFKの場面で鋭いシュートを枠の左隅に飛ばしたが、これは惜しくもポストを叩いた。 その後は完全にゲームクローズに向かった浦和に対して、10人の東京Vが意地の攻勢を仕掛けていく。だが、平川の直接FKやボックス内での松橋らのシュートは浦和守備陣の好守やブロックにことごとく阻まれ、一矢報いることはかなわず。 この結果、5万2429人の大観衆を集めたホームゲームで快勝の浦和が2016年以来となるリーグ5連勝を達成。敗れた東京Vは連勝ストップとともに4試合ぶりの敗戦となった 浦和レッズ 2-0 東京ヴェルディ 【浦和】 松尾佑介(前6) 渡邊凌磨(前31) <span class="paragraph-title">【動画】浦和を5連勝に導いた松尾佑介のゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">今日も飛び出したゴラッソ<br><br>3バックの脇でパスを受けた<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E4%BD%91%E4%BB%8B?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#松尾佑介</a> がキレッキレの<br>カットインからシュート!<br><br>松尾の今シーズン3点目で<br>浦和はリーグ5連勝へ<br><br>明治安田J1第14節<br>浦和×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%9C?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jみようぜ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%B5%A6%E5%92%8C%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#浦和東京V</a> <a href="https://t.co/wJNNJifnEa">pic.twitter.com/wJNNJifnEa</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1918551619811131802?ref_src=twsrc%5Etfw">May 3, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.05.03 17:06 Sat4
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【明治安田J1リーグ第15節】 2025年5月6日(火) 14:00キックオフ 浦和レッズ(2位/25pt) vs ガンバ大阪(10位/20pt) [埼玉スタジアム2002] <h3>◆いざ6連勝へ【浦和レッズ】</h3> 2016年以来の5連勝を収め、一気に2位まで浮上した浦和。消化試合に差がある状況とはいえ、開幕当初の最悪な空気は完全に晴れたと言って良いだろう。 4戦勝利なしからスタートし、順位以上に重い空気だった浦和だが、この5連勝ではわずか2失点。無駄な失点がなくなり、攻撃陣がしっかりと要所でネットを揺らし、バランスが保てている印象だ。 特にスタメンをいじり固定してから連勝スタート。1トップ松尾佑介を起用した戦術から上手くゴールを奪え、その結果中盤も強度が戻り、バランスを見失わずに後ろの安定感が増している。 ホーム5連戦線も残り1つ。しっかりと勝利で終え、自信も手にしたい。 ★予想スタメン[4-2-3-1] GK:西川周作 DF:石原広教、ダニーロ・ボザ、マリウス・ホイブラーテン、長沼洋一 MF:松本泰志、安居海渡 MF:金子拓郎、渡邊凌磨、マテウス・サヴィオ FW:松尾佑介 監督:マチェイ・スコルジャ <h3>◆完勝で連勝、浦和も破りたい【ガンバ大阪】</h3> 息を吹き返しつつあるG大阪は、見事にホームで連勝。前節は湘南ベルマーレを迎え、今季最多となる4ゴールを奪っての快勝となった。 助っ人FWデニス・ヒュメットが2試合連続ゴールを奪うと、宇佐美貴史も復調傾向に。そして前節の勝利の立役者である岸本武流のゴール前での嗅覚は見事といえた。 チームとしての狙いどころがハッキリし、対角のボールで崩していく形を見せたが、過密日程の中でターンオーバーも考えられる状況。一筋縄ではいかない浦和を下せれば、一気に勢いに乗ることができるだろう。 ダニエル・ポヤトス監督がどういった人選を見せるのか。ベンチワークも含め、大事な一戦となる。 ★予想スタメン[4-2-3-1] GK:一森純 DF:半田陸、中谷進之介、福岡将太、黒川圭介 MF:満田誠、鈴木徳真 MF:山下諒也、宇佐美貴史、食野亮太郎 FW:デニス・ヒュメット 監督:ダニエル・ポヤトス 2025.05.06 09:45 Tue5