アウェー・シリア戦の報道から感じた新聞各紙の違い/六川亨の日本サッカー見聞録
2023.11.25 18:30 Sat
21日のシリア戦はトップ下に起用された久保建英のミドルで先制すると、CFの上田綺世が2ゴールを奪うなどアウェーにもかかわらず5-0と圧勝した。残念ながらテレビ中継はなかったが、今回の日本側の代理店やテレビ局の決断は正しい判断だったことは先週のコラムでも書いた通り。
今回は2次予選だし、相手はシリア、さらに夜中の時間帯とあって試合の“商品価値"はかならダウンした。それを知らずに放映権を1億円までつり上げた相手側代理店の判断ミスであり、“欲をかいた"ことで“泣きをみる"ことになった。自業自得と言ってもいいだろう。
そして現地からの報道である。自宅近くのコンビニに朝イチで買いに行ったところ、一面で扱っていたのはスポーツ報知だけで、スポニチや日刊の一面はやはりプロ野球だった。
知り合いの新聞記者からは、「速報版を販売できるエリアは都内なら環状七号線以内に限られる」とは以前に聞いていた。自宅は残念ながら環七よりも環八のさらに外側だけに、コンビニに他のスポーツ紙の速報版は届かなかったのかもしれない。むしろ報知新聞の販路の広さに驚かされた。
報知は、紙面的には一面だけで、久保の先制点の写真を使いながら、11版も版を重ねていた(二面と三面も11版なので、どれを一面に持って来るか最後まで悩んだかもしれない)。さすがに国内での試合のように、中面まで詳しく報じることは無理だったのだろう。「速報では一面が一番融通が利く」とも聞いていたので、そのメリットを生かしたというわけだ。
そして23日はスポニチと毎日新聞を宅配しているのでスポーツ面を開いたところ、スポニチは図解や写真でゴールシーンを詳細に解説しつつ、やはり1日遅れのためニュースとして鮮度が落ちるせいか、ゴールを決めた選手にフォーカスした“個人もの"で試合を振り返っていた。
そして毎日新聞である。記事も写真も共同通信からの配信を使用。思わず「そうだよな!」と納得した。共同通信や時事通信はマスコミ各社に速報のニュースを配信するのが仕事である。それを使わない手はないことを、ここ十数年近く失念していた。
コロナ禍でカタールW杯のアジア予選、アウェーの試合を取材しなかったせいもあるかもしれない。これまで東南アジアや中東での試合では、W杯予選でも日本国内での試合のような記録用紙が配布されることはない。そこで共同通信と時事通信の特派員は、ゴールが決まるたびに何分だったか互いに確認。さらにアシストはつくのかどうかもその場で話し合って決めていた。対戦相手の協会から正式な記録が出ない以上、両社の配信する記事が日本国内では正確な記録として残るからだ。
それこそ80年代は、アジアでの取材になるとシュートはもちろんゴールキック、CK、FKの本数までノートにつけていた。
毎日新聞としても、アジア2次予選のまだ2試合目で、中東のサウジアラビアまで経費を使って記者とカメラマンを派遣する必要性を感じなかったのだろう。そこら当たりがスポーツに割ける紙面に限りのある一般紙とスポーツ紙の違いでもある。
森保一監督は久保や伊東純也、遠藤航、冨安健洋ら主力選手をミャンマー戦では温存し、シリア戦でスタメン起用して5-0の大勝を収めた。この2試合の背景には、体調を崩してイングランドに戻った三笘薫をはじめ、ケガや体調不良で代表を辞退した選手も多かった。
2次予選はそんなにシャカリキになる必要はない――そう思っているのはメディアも同様だったことが判明したシリア戦ではないだろうか。(ただし来年3月のアウェー北朝鮮戦は別の意味で注目度が高まるはずだ)。このぶんだと6月6日のアウェー・ミャンマー戦もテレビ中継があるのかどうかわからないが、その頃にはもう日本の最終予選進出が確定しているかもしれない。
カタールW杯で世界を驚かせた森保ジャパンは、その後も三笘や久保の成長、伊東純也も好調を維持してさらにグレードアップ。それを実証したアウェーのシリア戦でもあった。日本がアジア2次予選から出場することの是非を問う意見が多くなったのも当然だろう。これはこれで、難しい問題である。
今回は2次予選だし、相手はシリア、さらに夜中の時間帯とあって試合の“商品価値"はかならダウンした。それを知らずに放映権を1億円までつり上げた相手側代理店の判断ミスであり、“欲をかいた"ことで“泣きをみる"ことになった。自業自得と言ってもいいだろう。
そして現地からの報道である。自宅近くのコンビニに朝イチで買いに行ったところ、一面で扱っていたのはスポーツ報知だけで、スポニチや日刊の一面はやはりプロ野球だった。
報知は、紙面的には一面だけで、久保の先制点の写真を使いながら、11版も版を重ねていた(二面と三面も11版なので、どれを一面に持って来るか最後まで悩んだかもしれない)。さすがに国内での試合のように、中面まで詳しく報じることは無理だったのだろう。「速報では一面が一番融通が利く」とも聞いていたので、そのメリットを生かしたというわけだ。
書き出しも特派の記者が現地の気温や湿度を紹介しつつ、蒸し暑さと警備の厳重さを描写。こうした書き方、現地の臨場感を読者に伝えようとする原稿は、80年代の日本代表のアウェー戦、テレビ中継などない時代の定番でもあった。
そして23日はスポニチと毎日新聞を宅配しているのでスポーツ面を開いたところ、スポニチは図解や写真でゴールシーンを詳細に解説しつつ、やはり1日遅れのためニュースとして鮮度が落ちるせいか、ゴールを決めた選手にフォーカスした“個人もの"で試合を振り返っていた。
そして毎日新聞である。記事も写真も共同通信からの配信を使用。思わず「そうだよな!」と納得した。共同通信や時事通信はマスコミ各社に速報のニュースを配信するのが仕事である。それを使わない手はないことを、ここ十数年近く失念していた。
コロナ禍でカタールW杯のアジア予選、アウェーの試合を取材しなかったせいもあるかもしれない。これまで東南アジアや中東での試合では、W杯予選でも日本国内での試合のような記録用紙が配布されることはない。そこで共同通信と時事通信の特派員は、ゴールが決まるたびに何分だったか互いに確認。さらにアシストはつくのかどうかもその場で話し合って決めていた。対戦相手の協会から正式な記録が出ない以上、両社の配信する記事が日本国内では正確な記録として残るからだ。
それこそ80年代は、アジアでの取材になるとシュートはもちろんゴールキック、CK、FKの本数までノートにつけていた。
毎日新聞としても、アジア2次予選のまだ2試合目で、中東のサウジアラビアまで経費を使って記者とカメラマンを派遣する必要性を感じなかったのだろう。そこら当たりがスポーツに割ける紙面に限りのある一般紙とスポーツ紙の違いでもある。
森保一監督は久保や伊東純也、遠藤航、冨安健洋ら主力選手をミャンマー戦では温存し、シリア戦でスタメン起用して5-0の大勝を収めた。この2試合の背景には、体調を崩してイングランドに戻った三笘薫をはじめ、ケガや体調不良で代表を辞退した選手も多かった。
2次予選はそんなにシャカリキになる必要はない――そう思っているのはメディアも同様だったことが判明したシリア戦ではないだろうか。(ただし来年3月のアウェー北朝鮮戦は別の意味で注目度が高まるはずだ)。このぶんだと6月6日のアウェー・ミャンマー戦もテレビ中継があるのかどうかわからないが、その頃にはもう日本の最終予選進出が確定しているかもしれない。
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森保監督続投で歴代最長監督はというと…/六川亨の日本サッカーの歩み
まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に敗れたロベルト・ファルカン氏、97年のアウェー中央アジア2連戦で更迭された加茂周氏、07年に病に倒れたイヴィチャ・オシム氏、15年に契約解除されたハビエル・アギーレ氏、そして18年に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の5人しかいない。 そうした過去30年の歴史のなかで、初めて『続投』が決定的となったのが森保監督である。目標としていた「ベスト8」には届かなかったものの、大国ドイツとスペインに逆転勝ちを収めたことが高く評価されたことは言うまでもない。 そこで過去の歴代監督の任期を振り返ると、上には上がいるもので、長沼健氏(元JFA会長)は1962年から69年までの7年間と、さらに72年から76年までの4年間、トータル11年間も日本代表の監督を務めた。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、おそらく2度と破られることのない記録と言っていいだろう。 長沼氏が“長期政権"を担うことになったのには理由がある。64年に東京五輪があったからだ。このため62年に33歳の若さで監督に抜擢された。そして東京五輪ではグループリーグでアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進出。準々決勝で銀メダルに輝いたチェコスロバキアに0-4で敗れたが、ベスト8進出で日本に“第1次サッカーブーム"を巻き起こした。 さらに4年後のメキシコ五輪では、アジア勢初となる銅メダル獲得の快挙を達成。その再現を半世紀後の21年東京五輪で森保監督は期待されたが、残念ながらメダルにはあと一歩届かなかった。 長沼氏は69年のメキシコW杯アジア1次予選で、韓国とオーストラリアの後塵を拝したことで監督の座をコーチだった岡野俊一郎氏(元JFA会長)に譲る。しかし岡野氏が71年のミュンヘン五輪予選で韓国とマレーシアに負けたことで、日本サッカーの復権は再び長沼氏に託されることになった。 ところが73年の西ドイツW杯アジア予選はイスラエル(当時はアジアに所属し、中東勢が対戦を拒否したため予選は東アジアに組み込まれた)とマレーシアに敗れ、76年のモントリオール五輪アジア予選も韓国とイスラエルに敗れて監督から退くことになった。 当時の日本サッカーは、「W杯予選は負けても当たり前」であり、五輪予選で敗退するたびに監督は交代していた。Jリーグ開幕以前では、92年のバルセロナ五輪アジア最終予選で敗れた横山謙三総監督、88年ソウル五輪アジア最終予選で中国に逆転負けを喫した石井義信氏(故人)、80年モスクワ五輪アジア予選で韓国とマレーシアに及ばなかった下村幸男氏らである。 しかし96年のアトランタ五輪に28年ぶりに出場して以来、五輪出場は7大会連続して出場。その間には12年ロンドン五輪と21年東京五輪ではメダルまであと一歩に迫った。もう五輪は出場するのは当たり前で、次の24年パリ五輪は「メダル獲得」がノルマになるだろう。 同じようにW杯も98年以降7大会連続して出場中で、さらに2026年のアメリカ・カナダ・メキシコ大会は出場国が48に増えるため、出場権を失うことはまず考えられない。森保監督にとっては「ベスト8」への再チャレンジになるが、その前に横内昭展ヘッドコーチは磐田の監督に、上野優作コーチはFC岐阜の監督に転身するなどスタッフの陣容は一新せざるを得ない。 果たして新たなスタッフの顔ぶれはどうなるのか。そこに外国人コーチが入るのかどうかなどは楽しみなところ。 そして森保監督は、23年こそ秋まで親善試合しかない“静かな"一年になるものの、21年東京五輪は「金メダル」を目標に掲げながらも4位に終わり、カタールW杯も「ベスト8」が目標だったがラウンド16で敗退した。このため、まだ先の話ではあるが、24年のアジアカップでは『優勝』がW杯まで続投するためのノルマにすべきではないだろうか。 2022.12.26 22:00 Mon4
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世界中でも話題となり、本田圭佑からもツッコミを受けた日本代表のサポーターが意外な人物と繋がっていたようだ。 1日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループスE最終戦で日本はスペイン代表と対戦。劇的な逆転勝利を収め、グループ首位でベスト16入りを決めていた。 ドイツ代表戦に続いてのアップセットは世界中を驚かせた他、逆転ゴールに繋がった三笘薫の折り返しのシーンがラインを割っていたかどうかが大きな議論を呼ぶことに。国際サッカー連盟(FIFA)が公式見解を示すほどにまで発展していた。 今大会では日本人サポーターが世界中でバズることが多く、ドイツ戦前にFIFAの公式映像に映ったことで、世界中で美女サポーターだと大騒ぎになったSHONOさん、ドイツ戦で「私のボスへ。2週間の休暇を取らせてくれてありがとうございます!」と紙に書いた上、上司から返事をもらった男性サポーターなどがいた。 そんな中、スペイン戦でも1人のサポーターが注目の的に。田中碧の決勝ゴールが決まった後、すでに涙した姿が映し出された男性サポーターが大きな話題に。「ABEMA」で解説していた本田には、「まだ泣くの早いって」とツッコまれてしまったサポーターだが、実は元Jリーガーの親友だったという。 その選手とは、サガン鳥栖やベガルタ仙台、ガイナーレ鳥取、横浜FC、奈良クラブ、栃木シティFCでプレーし、今シーズンは松本山雅FCでGKコーチを務めていたシュナイダー潤之介氏だ。 シュナイダー潤之介氏は、自身のツイッターを更新。「親友が世界的にバズってて最高」とし、その男性サポーターがカメラに抜かれた写真を投稿していた。 ゴミ拾いも含め、何かと注目を集める日本代表関係者。意外な繋がりは他にもまだまだあるのかもしれない。 <span class="paragraph-title">【写真】本田圭佑に「泣くの早い」とツッコまれたサポーターの男性は世界でも話題に</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">親友が世界的にバズってて最高 <a href="https://t.co/QlCar4pxMY">pic.twitter.com/QlCar4pxMY</a></p>— シュナイダー潤之介 (@j_schneider29) <a href="https://twitter.com/j_schneider29/status/1598648612720111616?ref_src=twsrc%5Etfw">December 2, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/Clo2ePCPNB8/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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