バイエルンサポーターが相手オーナーを侮辱…試合は一時中断も、団結した両選手たちの対応が美しかった

2020.03.01 08:00 Sun
Getty Images
2月29日に行われたブンデスリーガ第24節のホッフェンハイムvsバイエルンで試合が一時中断する事態が起こっていた。その原因は一部のバイエルンサポーターだった。バイエルンが前半だけで4点のリードを得る一方的な展開となった一戦。後半にも72分にMFレオン・ゴレツカがダメ押しの6点目を決めて楽勝ムードが漂っていた中、試合は77分に一時中断してしまう。

原因はバイエルンの一部サポーターが掲げたバナーだった。そこにはホッフェンハイムの筆頭株主であるディートマー・ホップ氏に対して“売春婦の息子”を意味するスラングが書かれており、それが発端でスタジアムでは騒動が巻き起こっていた。
不愉快極まりない状況だが、バイエルンの選手やハサン・サリハミジッチSDらスタッフはバナーを下ろすようサポーターに懇願。MFヨシュア・キミッヒやDFダビド・アラバ、MFチアゴ・アルカンタラらが、観客席まで説得しに行ったという。

その後、試合は再開したが、両チームの選手は抗議の意味を込めてピッチ上でパスを回し合い、およそ10分の残り時間を消費した。試合後にはピッチ上でバイエルンのカール=ハインツ・ルンメニゲCEOとホップ氏が握手を交わし、両者の関係が円満であり互いにサポートを続けていくことを強調している。
会見でルンメニゲCEOは「深く恥じている」とコメント。「私は謝ることしかできなかった」と遺憾にたえない思いを口にしている。

ホップ氏はフォーブス誌にも掲載されているドイツ屈指の資産を持つ実業家。ホッフェンハイムとの関係は元を辿れば少年時代まで遡り、クラブの下部組織に在籍していた同氏は、プロには進まず実業家として巨万の富を築くと、1990年代から同クラブに資金提供するようになった。

現在では筆頭株主となったホップ氏の尽力もあり、当時5部リーグに所属していたチームは2008-09シーズンに念願の1部昇格を果たす。また、2009年には現在のホームスタジアムであるライン・ネッカー・アレーナを建設するなど、偉大な人物としてファンやサポーターから愛されている。

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