本当の「地域に根ざしたスポーツクラブ」へ 塩釜から日本サッカー改造を目指し続ける81歳・小幡忠義の想い【#あれから私は】

2021.03.11 21:00 Thu
◆「地域に根ざす」
東北、宮城のサッカー界で知られた存在になっただけでなく、厚い人望や行動力、リーダーシップにより周囲の人に支えられている小幡氏の信念には「地域に根ざす」が存在している。

時は遡り1993年、小幡氏は教え子でもあり、ブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)の初代監督である鈴木武一氏らとともにドイツへと赴く。そこで小幡氏は「素晴らしいスポーツ環境」を目の当たりにし、「人間が変わった」と語るほど大きな影響を受けたという。

「どんな場所でもサッカーコート2面あって、テニスコートあってプールがあってさ。グラウンドの脇にはクラブハウスがあってシャワールームがあって、ミーティングルームがある」

「日本は土のグラウンド1つだけでさ、シャワーどころか泥だらけのまま帰るんだもの」

ドイツと日本はともに第二次世界大戦の敗戦国であるものの、その後のスポーツへの考え方、そしてそこから作られた環境のあまりの違いに愕然としたと当時を振り返る。

「『なんでこんなに作ったの』と聞いたとき、『小幡良く聞けよ。日本とドイツは同じ敗戦国だ。「健全なる精神は健全なる体に宿る」。もっといい考えを生み出すために、健康な体を作ろう。そして将来高齢化社会が来る。そこで医療費に金かけないためにということで、そのスポーツ施策をやった』とね。それ聞いたときに驚きしかなかったよ」

ドイツで大きな感銘を受けた小幡氏は帰国後、スポーツ文化施設の拡充に尽力。国、ひいては地域に根ざしたクラブを目標とするようになり、宮城県を中心にいくつものグラウンドの造設に携わった。多くのJリーガーを輩出してもなお、塩釜FCのスローガンは「地域に根ざしたスポーツクラブ」のままだ。



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