16年ぶりJ1での東京ダービーは劇的ドロー…10人FC東京が遠藤渓太の劇的2発で意地見せる【明治安田J1第8節】
2024.04.13 18:07 Sat
途中出場から2ゴールの遠藤渓太。
明治安田J1リーグ第8節の東京ヴェルディvsFC東京が13日に味の素スタジアムで行われ、2-2のドローに終わった。
昨年に行われた天皇杯のダービーでの因縁を経て、16年ぶりにJ1の舞台で実現した緑と青赤の首都決戦。荘厳のコレオグラフィーと両サポーターが作り出す熱狂的な空気の中でスタートした大一番は、東京Vが開始2分に齋藤のカットインからの左足シュートでファーストシュートを記録した。
以降は互いに長いボールを要所で使いながらリスクを回避しながら、自分たちの形からゴールを目指していく。11分には相手ボックス付近で森田晃樹のミスパスをカットした仲川輝人のラストパスからゴール前の小柏に決定機もDFのブロックに遭う。さらに、15分にもルーズボールを制した流れから仲川が枠を捉えたミドルシュート。FC東京が続けて良い形でフィニッシュに持ち込む。
この先制点で勢いづくホームチームは課題の追加点まで奪い切る。33分、左サイドを起点とした攻撃は一度撥ね返されるが、右サイドの高目でエンリケ・トレヴィザンの縦パスを狙っていた宮原和也がインターセプト。高精度のクロスを入れると、これをボックス中央の染野が圧巻の右足ダイレクトボレーでゴール右隅に突き刺した。
畳みかける攻めで一気に流れを引き寄せた東京Vだが、直後に谷口栄斗が負傷して山越康平のスクランブル投入を余儀なくされる。だが、ディフェンスリーダーの離脱にも慌てることなく冷静に進める。
一方、2点ビハインドのFC東京は41分、俵積田晃太の馬力のある左サイドでの突破からゴールライン際からの絶妙なクロスに内へ絞った小柏がワンタッチで合わすが、この決定的なシュートは枠の左に。すると、直後の43分はに見木へのアフターのファウルで安斎に2枚目のイエローカードが出されて退場。数的不利まで背負う苦境に立たされた。
東京Vの2点リードで折り返した試合は後半も互いに選手交代なしでスタート。早い時間帯にゴールがほしいFC東京が攻守にリスクを負って前に出ていくが、冷静に対応するホームチームを前に決定機まで持ち込めない。
60分を過ぎて両ベンチが動く。FC東京は俵積田、小柏を下げて寺山翼、遠藤渓太を同時投入。対する東京Vは木村勇大、齋藤を下げて翁長聖、山見大登を投入。両サイドに翁長、山見、セカンドトップに見木を移した。
すると、この交代によって試合が動く。68分、FC東京が白井康介の自陣右サイドでのインターセプトから一気にサイドを駆け上がってボックス付近まで運んで絶妙なグラウンダーのクロスを供給。これを中央の寺山がスルー。ファーに走り込んだ遠藤が右足ダイレクトで左隅に流し込んだ。
これで俄然アウェイチームが息を吹き返すと、ここからダービーらしい緊迫感のある空気に。勢い乗って追いつきたい青赤は73分、バングーナガンデ佳史扶を下げて16年前のダービーを唯一知る長友佑都を送り出した。
後半終盤にかけては数的不利を感じさせない粘りを見せるFC東京が猛攻を仕掛けていく。その中で好位置で得たFKを“ピンチキッカー”の形で投入された原川力が直接右足で狙うも、これは枠を外れた。
4分が追加された後半アディショナルタイムも意地と意地がぶつかり合う白熱の攻防が繰り広げられると、FC東京が土壇場で底力を発揮した。
94分、パワープレーの流れからペナルティアーク付近でクリアボールを回収した遠藤がペナルティアーク付近から左足を振り抜くと、ゴール左下隅に鋭いシュートが突き刺さった。
そして、試合はこのまま2-2でタイムアップを迎え、16年ぶりに実現したJ1での東京ダービーは数的不利を撥ね返して2点差を追いついた青赤の粘りで劇的なドロー決着となった。
東京ヴェルディ 2-2 FC東京
【東京V】
見木友哉(前28)
染野唯月(前33)
【FC東京】
遠藤渓太(後23)
遠藤渓太(後45+4)
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現在、16位の東京Vは前節の柏レイソル戦を1-1のドロー。4戦無敗継続も今季ホーム初白星と初の連勝を逃した。16年ぶりJ1での東京ダービーではU-23日本代表招集中の山田楓喜に代えて齋藤功佑を右サイドで起用した。一方、7位のFC東京は前節の鹿島アントラーズ戦に2-0の快勝。今季初の連勝を飾った。U-23日本代表招集中の荒木遼太郎、松木玖生、野澤 大志ブランドンを欠く中、前節からは先発2人を変更。野澤と松木に代えてGK波多野豪、小柏剛が起用された。以降は互いに長いボールを要所で使いながらリスクを回避しながら、自分たちの形からゴールを目指していく。11分には相手ボックス付近で森田晃樹のミスパスをカットした仲川輝人のラストパスからゴール前の小柏に決定機もDFのブロックに遭う。さらに、15分にもルーズボールを制した流れから仲川が枠を捉えたミドルシュート。FC東京が続けて良い形でフィニッシュに持ち込む。
相手の時間帯を凌いだ東京Vは徐々にボールの主導権を握って相手陣内でのプレー時間を増やすと、その流れで先制点を奪い切った。26分、中盤でのリスタートから染野唯月が左サイドのスペースに抜け出してキープ。アンダーラップでサポートに入った見木友哉がボックス内で安斎颯馬に足をかけられてPKを獲得。これを見木自らゴール右隅に蹴り込み、緑の新10番が加入後初となる値千金のJ1初ゴールを挙げた。
この先制点で勢いづくホームチームは課題の追加点まで奪い切る。33分、左サイドを起点とした攻撃は一度撥ね返されるが、右サイドの高目でエンリケ・トレヴィザンの縦パスを狙っていた宮原和也がインターセプト。高精度のクロスを入れると、これをボックス中央の染野が圧巻の右足ダイレクトボレーでゴール右隅に突き刺した。
畳みかける攻めで一気に流れを引き寄せた東京Vだが、直後に谷口栄斗が負傷して山越康平のスクランブル投入を余儀なくされる。だが、ディフェンスリーダーの離脱にも慌てることなく冷静に進める。
一方、2点ビハインドのFC東京は41分、俵積田晃太の馬力のある左サイドでの突破からゴールライン際からの絶妙なクロスに内へ絞った小柏がワンタッチで合わすが、この決定的なシュートは枠の左に。すると、直後の43分はに見木へのアフターのファウルで安斎に2枚目のイエローカードが出されて退場。数的不利まで背負う苦境に立たされた。
東京Vの2点リードで折り返した試合は後半も互いに選手交代なしでスタート。早い時間帯にゴールがほしいFC東京が攻守にリスクを負って前に出ていくが、冷静に対応するホームチームを前に決定機まで持ち込めない。
60分を過ぎて両ベンチが動く。FC東京は俵積田、小柏を下げて寺山翼、遠藤渓太を同時投入。対する東京Vは木村勇大、齋藤を下げて翁長聖、山見大登を投入。両サイドに翁長、山見、セカンドトップに見木を移した。
すると、この交代によって試合が動く。68分、FC東京が白井康介の自陣右サイドでのインターセプトから一気にサイドを駆け上がってボックス付近まで運んで絶妙なグラウンダーのクロスを供給。これを中央の寺山がスルー。ファーに走り込んだ遠藤が右足ダイレクトで左隅に流し込んだ。
これで俄然アウェイチームが息を吹き返すと、ここからダービーらしい緊迫感のある空気に。勢い乗って追いつきたい青赤は73分、バングーナガンデ佳史扶を下げて16年前のダービーを唯一知る長友佑都を送り出した。
後半終盤にかけては数的不利を感じさせない粘りを見せるFC東京が猛攻を仕掛けていく。その中で好位置で得たFKを“ピンチキッカー”の形で投入された原川力が直接右足で狙うも、これは枠を外れた。
4分が追加された後半アディショナルタイムも意地と意地がぶつかり合う白熱の攻防が繰り広げられると、FC東京が土壇場で底力を発揮した。
94分、パワープレーの流れからペナルティアーク付近でクリアボールを回収した遠藤がペナルティアーク付近から左足を振り抜くと、ゴール左下隅に鋭いシュートが突き刺さった。
そして、試合はこのまま2-2でタイムアップを迎え、16年ぶりに実現したJ1での東京ダービーは数的不利を撥ね返して2点差を追いついた青赤の粘りで劇的なドロー決着となった。
東京ヴェルディ 2-2 FC東京
【東京V】
見木友哉(前28)
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【FC東京】
遠藤渓太(後23)
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プレーできる喜びと共に初の連勝に導く仕事を目指す! 東京VのMF福田湧矢「しっかり勝って波に乗っていけたら」
東京ヴェルディは29日、JFE晴れの国スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第13節でファジアーノ岡山と対戦する。ここにきて状態を上げてきているMF福田湧矢が今季初の連勝目指す一戦への意気込みを語った。 東京Vは前節、セレッソ大阪とのホームゲームで1-0の勝利。リーグ4戦ぶりの得点とともに6戦ぶりの白星を挙げて13位に浮上した。 そして、団子状態が続く中で今節は今季初の連勝を懸け、昇格組ながらトップハーフの8位に位置する岡山とのアウェイゲームに臨む。 直近のリーグ戦4試合連続スタメンに加え、16日のルヴァンカップのブラウブリッツ秋田戦では逆転勝利に導く加入後初ゴールを挙げるなど、ここにきて存在感を増す福田。 C大阪戦では[3-4-2-1]の右シャドーでプレーし、幾度か訪れた決定機こそ仕留め切れなかったが、“ボールを奪いに行く”というリアリティのある果敢なプレッシング、走力を活かした献身的なプレスバックで、FW木村勇大、FW山見大登のトリデンテでタフな守備のタスクを完遂。攻撃でもウイングバックのMF翁長聖との連携でチャンスシーンにも絡んだ。 個人としてはチーム全体の課題でもある最後の質の改善が必要だと振り返りながらも、粘り強く戦った末の勝ち点3を評価している。 「セレッソも巧かったですし、なかなか入りのところで自分たちでペースを握れなかったなか、ああやって点を取れて勝てたのは大きいと思います。個人的には点を取れるシーンが何シーンかあったので、そういうところをもっと決めていければ、チームが楽に勝てるのかなと思います」 「(個人として)シュート自体は打てていますし、あとはそれを枠に入れるというところだけだと思うので、次は点を取ります」 ガンバ大阪時代から複数回繰り返してきた脳震とうの問題に関する不安は完全に拭い去ることはできないが、ここ数試合では球際の強度、運動量に加え、ドリブルの切れも増しており、コンディションが上がってきた。 普段のトレーニングでは試合翌日のリカバリーのジョギングの際にも、一人だけ楽しそうにボールを蹴る姿が印象的な生粋の“サッカー小僧”は、「去年の今頃はまだ松葉杖とかで本当に苦しい状態だったので、そう考えるといまは本当に幸せです。徐々にコンディションも上がってきていると思うので、ここからさらに頑張っていきたいです」と、、長く苦しいリハビリに励んでいた昨年の同時期を振り返りつつ、サッカーができる喜びを享受している。 次節対戦する岡山に関しては福田自身がJ2でプレー経験がないこともあり、「江坂(任)選手もルカオ選手もいますし、すごく強い印象はあります」と、初昇格で躍動の序盤戦を過ごす相手に対する漠然としたイメージを語った。 一方、対戦相手を率いる木山隆之監督は2021年9月から12月まで短期間ながらG大阪でコーチを務めており、福田は「熱い人でしたし、サッカーをちゃんと理解して教えてくれる方。数カ月でしたけど木山さんからはサッカーの話を聞いたりしていました」と、その印象を語った。 さらに、「一度呼び出されたことがあって、『お前は能力があるから、ちゃんと監督の言うことを聞いてプレーしろ。そしたら試合に出られるようになる』とアドバイスも受けました。それでやりだしたことでスタメンを掴んでということもあったので、感謝しています」 と、岡山指揮官とのエピソードも明かし、今回の対戦では成長した姿を見せたいと意気込む。 同じ布陣、志向するスタイルにおいて共通点も少なくない難敵との対戦では、やはり個人としてもチームとしても“戦う”というベースの部分が勝敗のカギを握ることになる。 福田も「マンツーマンというか、一対一の局面が多いと思うので、そこでどう剥がせるか。本当に細かい部分の勝負になると思うので、球際のところで一個一個の勝負や競り合いもそうですし、セカンドボールを拾う。たぶんそういうところの勝負になる。勝てればどんどん上に行けると思うので、ここはしっかり勝って波に乗っていけたらなと思います」と、強い覚悟とともに初の連勝を誓った。 2025.04.28 17:00 Mon3
ヴェルディらしさ全開で手にした6戦ぶり白星…屈辱乗り越えた背番号11も指揮官の起用に応える奮闘
ヴェルディらしさ全開のパフォーマンスで接戦を制し待望のリーグ6戦ぶりの白星を挙げた。 東京ヴェルディは25日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第12節でセレッソ大阪と対戦し、1-0で勝利した。 前節の川崎フロンターレ戦では前々節のヴィッセル神戸戦で出た“戦う”部分をしっかりと示すプレーをみせ、敵地でリーグ最多得点を挙げる上位チームの攻撃を完封。一方で、シュート3本に終わるなど、大胆さやアタッキングサードでの質を欠いて3試合連続無得点。手応えも課題も感じるゴールレスドローに終わった。 その川崎F戦から主に攻撃面の課題にフォーカスして臨んだC大阪戦。立ち上がりは強度とパスワークで上回る相手の勢いを受け、FWチアゴ・アンドラーデにあわやという場面も作られる難しい入りに。 それでも、前半半ばを過ぎて徐々に自分たちのリズムを掴むと、33分にはMF福田湧矢との連携で右サイドの深い位置を取ったMF翁長聖の浮き球のクロスを、ファーに走り込んだMF新井悠太がハーフバウンドの難しいボールを右足ダイレクトシュートで合わせ、プロ初ゴールとなるJ1初ゴールでチームにリーグ4戦ぶりのゴールをもたらした。 1点リードで折り返した後半は立ち上がりに相手GKを潰してのショートカウンターなどで2点目に迫ったが、このチャンスで仕留め切れず。以降は守勢の展開のなかで20分近くを残して交代枠をすべて使って逃げ切り態勢に。FW北野颯太やMF阪田澪哉らに再三の決定的なシュートを打たれたが、守護神マテウスの再三のビッグセーブとピッチ上の11人の献身によってウノゼロで勝ち点3を掴み取った。 引き続き最後の質に課題は残しながらも、シュート意識やゴールへ向かう矢印の大きさを含め攻撃面の意識の変化は顕著だった。 また、昨季好調時に比べてスタメンから交代選手の完璧なバトンリレーには至らずも、指揮官が今季は出し切ってバトンを渡す試合がほぼないと指摘していたなか、この試合ではアクシデンタルな形で早めの交代となったMF齋藤功佑を除き前線を中心にスタメンの選手が持てるものを出し切って仲間に引き継ぐ、際の部分で泥臭く戦うという部分でヴェルディらしさ全開の一戦となった。 同試合後、城福浩監督は追加点を奪い切れなかった課題を口にしながらも、チーム全体で想定していたゲーム展開のなかで、各自がやるべき仕事をこなし狙い通りの形で奪った久々の得点を含め手応えを得た一戦だったと振り返った。 「最初の15分ぐらいはおそらく圧力をかけられるだろうと、ボールを握られる可能性もあると、これは選手とも共有をしていました。インテンシティの高い時間帯のセレッソというのは、圧力のかけ方も収める技術も含めて非常に高いレベルを示していた。できることならば相手陣でやる時間をもう少し増やしたかったですけど、途中から自分たちの時間になることも含めて想定内でした」 「押されているときに失点しなかったというのは非常に大きかった。自分たちの時間がある程度できたなかで、我々が突き詰めている攻撃のやり方で点を取れたということは、非常に大きかった。できることならば、後半の決定的なシーンで2点目を取れれば、もう少し落ち着いた展開になったと思います。非常に個のレベルの高いセレッソさん相手に終盤まで1点リードで最後に何が起こるかわからないような状況になったというのは、自分たちがそうしてしまったこと。反省点としたらいくつかありますけれども、よく最後まで選手が体を張ってゴールを防いでくれたというふうに思います」 また、試合前の時点で注目を集めたのは、川崎F戦で途中出場選手として求めたチームプレーヤーとしてのハードワークを怠り、インアウトという厳しい決断を下したFW山見大登のスタメン起用だった。試合2日後の公開練習では目の色を変えて一つひとつのメニューに懸命に取り組む姿が印象的だったが、日々各選手の機微を見逃さないように意識する指揮官はそのポジティブな変化をやはり見逃さなかった。 山見のスタメン起用の決断に至った流れについて問われた城福監督は、「この前のインアウトだから彼が出たわけではない」と明言。もちろんリバウンドメンタリティに期待した部分はあったものの、常々自身の目で公平に見極めるという部分で背番号11がスタメンに相応しいパフォーマンスを見せていたと説明した。 「彼にとってインアウトというのは本当に屈辱的なことですし、それは彼だけじゃなくて選手にとっては公衆の面前で本当に屈辱を味わうようなことなんだと思います。その視点で見れば、とてもじゃないけど、その決断はなかなかできない。しかも彼はインアウトが初めてではないので」 「ただ、何故に彼にそれをやるかといえば、やはり彼に期待しているからです。いろんなやり方があるかと思いますけれども、期待を寄せる選手の方法論はいろいろあれど、言うべきときや、やるべきときにはしっかりとそれを伝えること。本人がそれをどう受け取って、リバウンドメンタリティをどう示すかと。そこがまた次の伸びしろに、積み重なった土台になっていくというふうに思っています」 「次の日の練習がものすごく大事だというのは、彼にも伝えていましたし、彼は本当に悔しい思いのなかでそれを実行してくれた。この前のインアウトだから彼が出たのではなくて、オフ明けのトレーニングを見たら、誰しも彼が先発と言ってもおかしくないというふうに感じたと思いますしそれこそが大事」 「人間の成長なんていうのは、三歩進んで二歩下がるものなので、願わくば下がってほしくはないですけれども、彼はまたひとつベースが上がってくれたとしたら、このチームにとって非常に大きな戦力になるんじゃないかなというふうに思います」 その指揮官の期待通り、この試合の山見は決定機になりそうな場面でやや力む場面が目立って決定的な仕事には至らなかった一方、70分過ぎにFW染野唯月と交代でピッチを後にするまでチームプレーヤーとして奮闘。 前線からのアグレッシブなプレスや味方を助けるプレスバック、「誰のボールでもないときにアクションを起こす」という課題の部分でも常にアラートにプレー。守備時には新井やMF食野壮磨ら周囲の選手への声掛けも怠らず、ピッチを去る際には体力面も頭の消耗も相当に見えたが、周囲に促されて向かった前節とは異なり、やり切った様子でコーチングエリアの指揮官のもとを訪れてハイタッチをかわし、城福監督もその献身を労った。 決勝点を決めた新井とともに再三のビッグセーブで勝利の立役者となったのは守護神マテウス。 指揮官は会見で「マテウスのビッグセーブが多いというのを我々は望んではいない」と、守護神の仕事が多い展開を歓迎すべきではないとしながらも、「シュートを打つ体勢に入る相手選手のスピードと角度と、自分が出ていく間合いというのはマテウスが持っている真骨頂」。「シュートストップだけではなくて、ゴールから飛び出してアングルを狭くする。あるいはシュートを体に当てるという感覚は、本当に高いレベル。彼の判断力というのは非常に頼もしいものがあります」と、その献身を称えた。 常々、チームに対して多くを要求するブラジル人GKは今季に入って攻撃陣を叱咤激励し続けてきたなか、今回の試合ではチームが奪った虎の子の1点を見事に守り抜くさすがの活躍を披露した。 「チャンスを作った機会というのが多々あったなかで、決め切ることができなかったというところは、もう一度振り返らないといけないですし、このレベルを続けているようだと、J1では勝ち切れない試合というのは増えてくる」と、引き続き攻撃陣の奮起を促す。 その一方で、「11人がしっかり走り切って、ディフェンスのところでも貢献した結果、こういう1-0というゲームで終われた。シュート数のところでいえば、川崎戦と比べれば増えましたし、もちろん1点目のユウタ(新井悠太)のゴールもそうですけど、いいクロスからの得点だったと思うので、そういった部分はポジティブに捉えていい」と、チームのポジティブな部分にも言及。前向きな形で改善に取り組んでいく。 ここ数試合では勝てそうな内容の試合で引き分けに終わるケースが少なくなかったなか、勝ち切った点は今後に向けた好材料だ。 マテウスも「今日の勝利はここからよくなっていく一歩だと思うので、この勝利を意味があるものにするには、ここから勝ち続けないといけない。そういった意味でも次の試合だったり、この先の試合というのは大事になってくるのかなと思います」と、苦しみながらも手にした6試合ぶりの勝ち点3を浮上のきっかけにしたいと語った。 2025.04.26 13:20 Sat4
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