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ユース教授こと安藤隆人が、2025年のインターハイで才能の原石を発見。GK・DF・MF・FWの4ポジションから1人ずつを紹介する。第3回は準優勝で今大会を終えた、昌平高校のMF長璃喜だ。
(第3回/全4回)
ボールを持つと、空気感が違う。ドリブラーは高校年代でも数多くいるが、昌平高校MF長璃喜の繰り出すドリブル
2025.08.07 19:00 Thu
日本サッカー協会(JFA)は24日、日本高校サッカー選抜候補の選考合宿に臨むメンバーを発表した。
第103回全国高校サッカー選手権大会は、前橋育英高校と流通経済大柏高校の決勝となり、PK戦の末に前橋育英が2度目の優勝を果たして幕を閉じた。
2025シーズンのJリーグ開幕を告げる2月8日(土)の「FUJI F
2025.01.24 15:55 Fri
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日本サッカー協会(JFA)は24日、日本高校サッカー選抜候補の選考合宿に臨むメンバーを発表した。
第103回全国高校サッカー選手権大会は、前橋育英高校と流通経済大柏高校の決勝となり、PK戦の末に前橋育英が2度目の優勝を果たして幕を閉じた。
2025シーズンのJリーグ開幕を告げる2月8日(土)の「FUJI FILM SUPER CUP」の前には、「NEXT GENERATION MATCH」が開催。6年ぶりとなるU-18Jリーグ選抜と日本高校サッカー選抜のカードで行われる。
そのメンバーの選考にあたる合宿には、選手権で優勝した前橋育英からGK藤原優希、MF黒沢佑晟、FW佐藤耕太、FWオノノジュ慶吏の4名が選出。準優勝の流通経済大柏からはGK加藤慶太、DF奈須琉世、DF佐藤夢真、MF柚木創、FW粕谷悠、FW山野春太の6名が選出された。
その他、選手権には出場できなかった市立船橋高校のDF岡部タリクカナイ颯斗や昌平高校のDF上原悠都、MF大谷湊斗、神村学園高のMF鈴木悠仁らも選ばれている。
合宿は25日から28日にかけて実施。駒澤大学、東京国際大学、U-17日本高校選抜候補とのトレーニングマッチも予定されている。
<h3>◆日本高校サッカー選抜候補メンバー</h3>
GK
藤原優希(前橋育英高校/3年)
藤間広希(矢板中央高校/3年)
加藤慶太(流通経済大柏高校/3年)
ギマラエス・ニコラス(市立船橋高校/3年)
DF
上原悠都(昌平高校/3年)
奈須琉世(流通経済大柏高校/3年)
佐藤夢真(流通経済大柏高校/3年)
岡部タリクカナイ颯斗(市立船橋高校/3年)
森奏(堀越高校/3年)
布施克真(日大藤沢高校/3年)
鵜澤浬(静岡学園高校/3年)
山禄涼平(東福岡高校/3年)
田中佑磨(佐賀東高校/3年)
五嶋夏生(大津高校/3年)
新垣陽盛(神村学園高等部/3年)
MF
大内完介(尚志高校/3年)
黒沢佑晟(前橋育英高校/3年)
大谷湊斗(昌平高校/3年)
柚木創(流通経済大柏高校/3年)
砂押大翔(帝京高校/3年)
原星也(静岡学園高校/3年)
福本一太(阪南大高校/3年)
神渡寿一(東福岡高校/3年)
畑拓海(大津高校/3年)
鈴木悠仁(神村学園高等部/3年)
FW
佐藤耕太(前橋育英高校/3年)
オノノジュ慶吏(前橋育英高校/3年)
粕谷悠(流通経済大柏高校/3年)
山野春太(流通経済大柏高校/3年)
森田晃(帝京高校/3年)
加藤隆成(帝京大可児高校/3年)
山下景司(大津高校/3年)
大石脩斗(鹿児島城西高校/2年)
2025.01.24 15:55 Fri
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ユース教授こと安藤隆人が、2025年のインターハイで才能の原石を発見。GK・DF・MF・FWの4ポジションから1人ずつを紹介する。第3回は準優勝で今大会を終えた、昌平高校のMF長璃喜だ。
(第3回/全4回)
ボールを持つと、空気感が違う。ドリブラーは高校年代でも数多くいるが、昌平高校MF長璃喜の繰り出すドリブルは、他とは一線を画すものがある。
ひらりひらりとテクニックで相手をかわしていく選手、スピードでぶっちぎっていく選手。そして、この2つを持ち合わせている選手と、いろいろなタイプが存在するが、彼はどれにも属さない。
エンジン音が聞こえるような初速の加速力を見せると、低重心のままボールを一気に運んで行く。DFがコースを阻んできても、細かいボールタッチとボディフェイントでかわして、さらに加速していく。
一度スピードを止められても、そこから高速シザーズを仕掛けて再び加速してかわしに行ったり、周り預けてからそのまま前に加速して行ったりと、ストップ&ダッシュの質とプレーの連続性を持つ。
そのドリブルは、膝とボールの距離が近い。股関節が柔らかく、スプリント中の足の回転が非常に速い。常に足にボールが触れているために、相手DFの出方をギリギリまで見て、逆を取ったり、シンプルにスピードで抜いたりできるからこそ、相手DFは無闇に飛び込めない。
まさに地を這うような弾丸ドリブラーは、1年生の時から全国の舞台で圧巻のプレーを見せてきた。
1年時の高校選手権では3試合連続で途中出場からゴールを決め、ベスト8進出の立役者となった。2024年は初昇格を果たしたプレミアリーグEASTでも6ゴールをマーク。そして、初の全国王者に輝いた2024年度のインターハイ決勝・神村学園戦では、ハーフウェーライン付近でボールを受けると、高速ドリブルで一気にゴール前まで運んで行き、強烈な右足シュートを叩き込むなど、2ゴールの活躍を見せた。
その一方で苦悩の連続でもあった。1年時の活躍もあり、周りから対策され、複数マークにつかれることが増えた。長の加速力を考えて、飛び込むのではなくファーストディフェンダーもセカンドディフェンダーも一定の間合いを開けてブロックを敷いてくる相手もいた。
「警戒される中で何ができるか。苦しい時に何ができるか。オフ・ザ・ボールの動きで相手を惑わすなど、やれることをもっと広げていきたいと思っています」と口にするように、相手の守り方に対して、シンプルにポゼッションに切り替えて飛び込んでくるタイミングを待ったり、運ぶドリブルを仕掛けて食いつかせてからパスと突破のドリブルを組み合わせて自分の得意とする形に持ち込んだり、自分の武器をどう活かすのかを工夫をした。
だが、夏の王者として臨んだ選手権埼玉県予選準々決勝で聖望学園にまさかの敗戦。そして、今回のインターハイでは準々決勝で準優勝した大津に0ー5と大敗を喫した。
「何をしても防がれるし、何をしても奪われるし、初めての経験でした。選手権予選でも感じましたが、もっとチームが苦しい時に点を取ったり、個で打開する力をもっと身につけたりしないといけないと痛感しました」
ドリブラーゆえに、飛び抜けた個性を持っているがゆえに、ぶち当たる徹底した対策。これまで多くのドリブラーが、その壁に挑んできた。堂安律、三笘薫、伊東純也はそれを創意工夫を繰り返し、不動の信念を持って打ち破って来た者だ。
この壁を打ち破れずに停滞する者も少なくない中で、ブレイクスルーした者はただのサッカー選手ではなく、スペシャルな才能を持った逸材に磨き上げられていく。
ブレイクスルーできる1人になれるのか。それは時が経たないとわからないが、長は間違いなく『候補生』ではある。
「突破のドリブルだけではなく、ボールを中盤や中、外で受けて、周りの選手が前に行きやすい、思い切って飛び出せるようなドリブルをしたい。突破のドリブル、運ぶドリブル、繋げるドリブル、周りを生かすドリブル。バリエーションを持って、どんな時も常に次にシナリオを描きながらプレーできるようになりたいですし、最後は決め切るドリブルができる選手になりたいと思います」
次々と襲いかかる壁に葛藤しながらも、怯むことなく突き進んだ先にはなりたい自分が存在する。そのことを誰よりも本人が理解しているからこそ、未来を切り開く術として閃光のようなドリブルをひたすら磨き続けていく。
2025.08.07 19:00 Thu