マドリッドではもうCLを見られない…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.19 23:30 Sat
「もしや移籍しない方が良かったのかも」そんな風に私が複雑な気持ちになっていたのは金曜日、エムバペがここ9年間、CL優勝を目指しながら、その夢を叶えられていないという記事をマルカ(スポーツ紙)で読んだ時のことでした。いやあ、昨季までいたPSGではまさしく、レアル・マドリーに敗退したことも2回あり、一番トロフィーに近づいたのは2020年、決勝でバイエルンに敗れた時だったそうなんですけどね。その間、マドリーは4回も優勝しており、それこそ6度のタイトル獲得を誇るモドリッチ、カルバハルを始め、2022年と昨季の2回組もビニシウスやロドリゴ、クルトワらと多数。当人も彼らと一緒にプレーできる今季こそと期待をしていたはずですが、準々決勝で呆気なく敗退とは見込み違いも甚だしい?
更に悲劇だったのが、対照的に古巣のPSGはアストン・ビラを総合スコア4-5で破り、皮肉にもアーセナルとの準決勝に進出。ええ、このラウンドに勝てば、あとはバルサvsインテル戦の勝者とのアリアンツ・アレナでの決勝を残すのみですからね。うっかりルイス・エンリケ監督のチームが優勝した日には、エムバペも何のためにマドリーに移ったのかと自問自答することになりかねませんが、その一方で彼がいなくなって、PSGがより強くなったという声が巷にあるのも事実。逆にマドリーはCLと相性が悪い選手を獲ってしまったのだったら、目も当てられないことになりますが、まあ、それはそれ。
とりあえず、水曜のCL準々決勝アーセナル戦2ndレグがどんな試合だったか、お話ししていくことにすると、先週、エミレーツ・スタジアムでの1stレグで3-0と完敗した直後から始まった根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)作戦は今回も成功。少なくともマドリーファンに対してはなんですが、だってえ、キックオフ2時間前にはチームバスをお出迎えするため、雨が降っている中、サンティアゴ・ベルナベウの外側東南部の通りが何万もの群衆で身動きが取れない状態になっていたんですよ。
いや、私は行っていないんですが、ここずっと、メトロのサンティアゴ・ベルナベウ駅は工事中で、改札が1つしかないのもあり、普通の試合でも地上に出るのに人が詰まることが多くてねえ。そこにあのお出迎え帰りのファン集団が入ってきたら、恐ろしい混雑になるだろうと、乗車中に流れたアナウンスに従って、1つ手前のヌエボス・ミニステリオスから歩くことに。それもまた、駅に向かう人々の流れに逆らって進まざるを得ず、なかなか大変だったんですが、そんな苦労もスタジアムに入るまでですって。
ええ、屋根を閉じたベルナベウ内部は雨も風も入らず、快適だからですが、恒例の大幕とモザイクがfondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側スタンド)を飾り、確実にいつもより大きいボリュームでクラブ歌の合唱があった後、ピッチに立った選手たちが主役になってくれなくてはねえ。いやまあ、キックオフから点を取る気満々で攻めていったマドリーは早くも3分、ビニシウスのクロスをエムバペが胸で押し込んでゴールを入れたんですが、火を見るよりも明らかなオフサイドだったため、スコアに挙がらず。どうも気力の方ばかりが空回りしているような傾向が見受けられたんですが、すると10分過ぎ、いきなりVAR(ビデオ審判)注進を受けた主審がモニターに走り、アーセナルにPKを与えたから、ビックリしたの何のって。
でもねえ、このVARお節介はこれだけでなく、23分にはライスがエムバペをエリア内で倒したとして、主審がペナルティを宣告。これにはスタンドも待望の1点目が入ると大喜びだったんですが、いつになってもVAR通信が終わらず、長々3分も待たせた後、モニターチェックに行くって一体、何?挙句の果てにペナルティは取り消されてしまい、アンチェロッティ監督を「Para cambiar la dinámica necesitábamos algo positivo/パラ・カンビアル・ラ・ディナミカ・ネセシタバモス・アルゴ・ポシティボ(流れを変えるためには何かポジティブなことが必要だった)」と嘆かすことに。
結局、前半は敵エリアに近づいても、シュートが撃てないマドリーは0-0で折り返したんですが、ええ、根性のレモンターダは試合の終盤に発動することが多いですからね。その時は私も含め、まだファンたちも期待を持っていたと思いますが、後半16分、アンチェロッティ監督はルーカス・バスケス、アラバ、ロドリゴから、セバージョス、エンドリック、フラン・ガルシアへの早めの3人一斉交代実施。その後すぐの20分にはまさか、メリーノのスルーパスがサカに渡り、クルトワの上を超すvaselina(バセリーナ/ループシュート)でゴールを奪われてしまうとは!
え、それでもマドリーはサリバからエリア前でボールを奪ったビニシウスが決めて、即座に同点にしたんだろうって?まあ、そうなんですが、それでも総合スコアは1-4で、あと3点取らないと延長戦にも入れないのは変わりませんからね。おまけに28分、アセンシオに代わり、モドリッチが入る直前、ライスからボールを奪おうとしてファールを取られた際、着地に失敗。足首を捻ってしまったエムバペが続行不能になってしまうって、こんな間の悪いことがあっていい?
それでもブライムを入れて、得点を目指したマドリーだったんですが、とにかく「Metimos muchos centros pero este año no tenemos un Joselu, un delantero nato ahí arriba/メティモス・ムーチョス・セントロス・ペロ・エステ・アーニョ・ノー・テネモス・ウン・ホセル、ウン・デランテーロ・ナトー・アイー・アリバ(ウチは沢山クロスを入れたけど、今季は前線に生粋のFW、ホセルみたいな選手がいない)」(クルトワ)彼らですからね。ほとんどシュートには繋がらず、相手のGKダビド・ラジャのグローブもキレイなまま、最後はロスタイム3分にはアーセナルのカウンターが炸裂。マルティネッリに止めの2点目を入れられて、総合スコア1-5で敗退してしまいましたっけ。
いやあ、今季のマドリーのCLは決勝トーナメント16強対決プレーオフでのマンチェスター・シティ戦こそ、総合スコア6-3と強さを見せたものの、大体がして、リーグフェーズで3敗もして、直接進出のトップ8入りできない辺りから、ケチはついていたんですけどね。16強対決のアトレティコ戦も総合スコア2-2でPK戦までもつれ込み、お隣さんの不幸体質によるフリアン・アルバレスの両足で蹴ったPK無効判定のおかげで勝ち上がったという経緯も。とりわけ最近はリーガでもホームでバレンシアに負けたり、下位のアラベスに0-1の辛勝だったりと、チームの落ち込みぶりが心配されていたんですが、何より自分たちの大会と自負するCLで、16年のぶりの準決勝進出となるアーセナルに手も足も出なかったのは痛かったかと。
おかげで試合後の記者会見など、ほとんどアンチェロティ監督の先行きの質問ばかりになってしまい、当人も「No sé qué va a ser de mi futuro y no quiero saberlo.../ノー・セ・ケ・バ・ア・セル・デ・ミ・フトゥロ・イ・ノー・キエロ・サベールロ(自分の将来に何が起きるかは知らないし、知りたくもない)」と言うしかなかったんですが、まだいいんですよ、マドリーは。何故なら、彼らにはコパ・デル・レイ決勝も来週土曜に控えていますし、リーガも首位とは勝ち点4差。決して今季のビッグタイトル獲得の可能性がゼロになってしまった訳じゃないからですが、問題なのは相手がどちらもバルサであることでしょうか。
ええ、コパ決勝の後、5月11日にはリーガのクラシコ(伝統の一戦)もあるんですが、今季のシーズン前半戦は0-4、1月のスペイン・スーパーカップ決勝でも2-5と、彼らはバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)負けしていますからね。ただ相手は1日早く、ドルトムントに3-1で負けたものの、1stレグでの4-0勝利のおかげで、CL準決勝進出が決定。リーガでの対戦の時にはインテルとの死闘を終えて疲弊している相手に、週1試合で体力十分で挑めるというアドバンテンージがありますが、こればっかりはねえ。
ちなみにそこに行きつくまで負けられないマドリーの今週末のリーガは、日曜午後9時(日本時間翌午前4時)に再び、ベルナベウ開催となるアスレティック戦。バルベルデ監督のチームも木曜にEL準々決勝レンジャース戦2ndレグをプレーして、疲れてはいるものの、今季の決勝会場でもあるサン・マメスで2-0と勝って準決勝進出が決まり、マンチェスター・ユナイテッド戦を前に士気が上がっていますからね。コパ決勝までにネンザは治るものの、どちらにしろ、出場停止でエムバペが出られないマドリーだけに、ブラジル人FWコンビやベリンガム、ブライムが早く気持ちを切り替えて、ゴールを挙げてくれるといいんですが。
そして他のマドリッド勢の週末の試合もお伝えしていくと、この32節は土曜に3チームが集中していて、まず午後2時試合でラージョがバレンシアとエスタディオ・バジェカスで対戦。勝ち点を残留目安の40にした後、ここ2試合、エスパニョールとアスレティックに連敗して、ちょっと停滞している彼らなんですが、今週のヨーロッパの大会の準々決勝でバルサ、アスレティック、そしてベティスもヤギエロニア(ポーランド)を退け、コンフェレンスリーグ準決勝に進出したため、来季のスペインのCL出場枠が5チームに拡大したのは朗報だったかと。
おかげで8位のチームがコンフェレンスリーグに行けることになり、それって、現在、同勝ち点で並ぶ7、8位のセルタ、マジョルカと3差で10位のラージョにもまだまだチャンスはあるのでは?いえまあ、マドリー戦を含め、ここ3連勝で残留争いからかなり距離を置いたバレンシアは決して侮れないんですけどね。水曜にはイニゴ・ペレス監督の契約1年延長も発表されましたし、そのお祝いも兼ねて、白星を掴めたらいいかと。
続いて午後6時半からは前節、バルサにサエンスのオウンゴールで0-1と負け、お隣さんのヘタフェがラス・パルマスに負けたせいもあって、19位に落ちてしまったレガネスがアウェイでマジョルカに挑むことに。何せ、ボルハ・ヒメネス監督のチームはここ5試合で勝ち点1しか取れていませんからね。いよいよあと7試合となり、2部最速Uターンを避けるための正念場がやって来た感がありますが、今回、心配なのは累積警告となったラバが出場停止なこと。ファン・クルスも痛むところがあって、せいぜい20~30分ぐらいしかプレーできないようですが、そんなの、エースのムリキ、浅野拓磨選手、モルラネス、ロベルト・ナバーロが負傷で不在のアラサーテ監督のチームの比じゃない?
まあ、それでもレガネスは17位のアラベスと勝ち点2差しかありませんし、土曜の午後9時には兄貴分がラス・パルマスと対戦。ささやかな援護射撃をしてくれるはずですが、すでにミッドウィークフリー2週間目に突入したアトレティコは結構、ヒマを持て余しているようでねえ。月曜にバジャドリーに勝った後、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でセッションを再開したのは水曜で、しかもその後、週2試合時代は時間がなくてできなかった、バーベキュー決起ランチ会もあったのだとか。
え、4月の頭に全ての大会で優勝可能性を失ったアトレティコが今更、何を決起しているのかって?いやあ、それがリーガ首位のバルサとは勝ち点7差あるんですが、彼らは残り7試合に全勝して、勝ち点3差のお隣さん共々、上位2チームが躓くのを祈ることにしたそうで、嬉しいことにこのカナリア諸島遠征には負傷で欠けていたデ・パウル、リノも回復して参加。更に5試合の出場停止処分がやっと明けたコレアも加わって、全員で前日移動したんですが、折りしも世間はセマナ・サンタ(イースター週間)とあって、あまり浮かれ過ぎずにプレーできるといいのですが。
そして先駆けて、金曜試合でエスパニョールとのアウェイゲームに臨んだヘタフェは、いやあ、こちらも勝ち点40まであと1つに迫っているんですけどね。アトレティコと引き分けた後、ラージョ、セルタに連勝していたエスパニョールの勢いに押され、前半39分にはクンブラのゴールで先制されてしまうことに。同点を目指した後半も14分にウチェがレッドカードをもらってしまったのが災いし、そのまま1-0で負けてしまったんですが、まあドンマイ。来週水曜はコリセウムで兄弟分ダービー、マドリー戦もありますしね。ラージョの1つ下の11位につける彼らにもまだヨーロッパの大会出場圏を目指すことはできるんでが、まずは残留確定を果たしてほしいものです。
更に悲劇だったのが、対照的に古巣のPSGはアストン・ビラを総合スコア4-5で破り、皮肉にもアーセナルとの準決勝に進出。ええ、このラウンドに勝てば、あとはバルサvsインテル戦の勝者とのアリアンツ・アレナでの決勝を残すのみですからね。うっかりルイス・エンリケ監督のチームが優勝した日には、エムバペも何のためにマドリーに移ったのかと自問自答することになりかねませんが、その一方で彼がいなくなって、PSGがより強くなったという声が巷にあるのも事実。逆にマドリーはCLと相性が悪い選手を獲ってしまったのだったら、目も当てられないことになりますが、まあ、それはそれ。
とりあえず、水曜のCL準々決勝アーセナル戦2ndレグがどんな試合だったか、お話ししていくことにすると、先週、エミレーツ・スタジアムでの1stレグで3-0と完敗した直後から始まった根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)作戦は今回も成功。少なくともマドリーファンに対してはなんですが、だってえ、キックオフ2時間前にはチームバスをお出迎えするため、雨が降っている中、サンティアゴ・ベルナベウの外側東南部の通りが何万もの群衆で身動きが取れない状態になっていたんですよ。
ええ、屋根を閉じたベルナベウ内部は雨も風も入らず、快適だからですが、恒例の大幕とモザイクがfondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側スタンド)を飾り、確実にいつもより大きいボリュームでクラブ歌の合唱があった後、ピッチに立った選手たちが主役になってくれなくてはねえ。いやまあ、キックオフから点を取る気満々で攻めていったマドリーは早くも3分、ビニシウスのクロスをエムバペが胸で押し込んでゴールを入れたんですが、火を見るよりも明らかなオフサイドだったため、スコアに挙がらず。どうも気力の方ばかりが空回りしているような傾向が見受けられたんですが、すると10分過ぎ、いきなりVAR(ビデオ審判)注進を受けた主審がモニターに走り、アーセナルにPKを与えたから、ビックリしたの何のって。
いやあ、その原因は数分前にあったCKの時に、いえ、デクラン・ライスの蹴ったボールはGKクルトワがキャッチして、即座にカウンター攻撃が始まっていたんですけどね。その時、エリア内でミケル・メリーノをマークしていたアセンシオが相手を引き倒したのがVAR審判の目に留まり、ペナルティにされてしまったんですが、この時はクルトワが発奮。サカが蹴ったPKを倒れながら手で弾き、「cuando te pitan un penalti en contra, si la paras sigues creyendo/クアンドー・テ・ピタン・ウン・ペナルティ・エン・コントラ、シー・ラ・パラス・シゲス・クレジェンドー(ペナルティを取られた時、もしそれを止めれば、信じ続けることができる)」(クルトワ)と、4点差になるのを避けられたのは助かったかと。
でもねえ、このVARお節介はこれだけでなく、23分にはライスがエムバペをエリア内で倒したとして、主審がペナルティを宣告。これにはスタンドも待望の1点目が入ると大喜びだったんですが、いつになってもVAR通信が終わらず、長々3分も待たせた後、モニターチェックに行くって一体、何?挙句の果てにペナルティは取り消されてしまい、アンチェロッティ監督を「Para cambiar la dinámica necesitábamos algo positivo/パラ・カンビアル・ラ・ディナミカ・ネセシタバモス・アルゴ・ポシティボ(流れを変えるためには何かポジティブなことが必要だった)」と嘆かすことに。
結局、前半は敵エリアに近づいても、シュートが撃てないマドリーは0-0で折り返したんですが、ええ、根性のレモンターダは試合の終盤に発動することが多いですからね。その時は私も含め、まだファンたちも期待を持っていたと思いますが、後半16分、アンチェロッティ監督はルーカス・バスケス、アラバ、ロドリゴから、セバージョス、エンドリック、フラン・ガルシアへの早めの3人一斉交代実施。その後すぐの20分にはまさか、メリーノのスルーパスがサカに渡り、クルトワの上を超すvaselina(バセリーナ/ループシュート)でゴールを奪われてしまうとは!
え、それでもマドリーはサリバからエリア前でボールを奪ったビニシウスが決めて、即座に同点にしたんだろうって?まあ、そうなんですが、それでも総合スコアは1-4で、あと3点取らないと延長戦にも入れないのは変わりませんからね。おまけに28分、アセンシオに代わり、モドリッチが入る直前、ライスからボールを奪おうとしてファールを取られた際、着地に失敗。足首を捻ってしまったエムバペが続行不能になってしまうって、こんな間の悪いことがあっていい?
それでもブライムを入れて、得点を目指したマドリーだったんですが、とにかく「Metimos muchos centros pero este año no tenemos un Joselu, un delantero nato ahí arriba/メティモス・ムーチョス・セントロス・ペロ・エステ・アーニョ・ノー・テネモス・ウン・ホセル、ウン・デランテーロ・ナトー・アイー・アリバ(ウチは沢山クロスを入れたけど、今季は前線に生粋のFW、ホセルみたいな選手がいない)」(クルトワ)彼らですからね。ほとんどシュートには繋がらず、相手のGKダビド・ラジャのグローブもキレイなまま、最後はロスタイム3分にはアーセナルのカウンターが炸裂。マルティネッリに止めの2点目を入れられて、総合スコア1-5で敗退してしまいましたっけ。
いやあ、今季のマドリーのCLは決勝トーナメント16強対決プレーオフでのマンチェスター・シティ戦こそ、総合スコア6-3と強さを見せたものの、大体がして、リーグフェーズで3敗もして、直接進出のトップ8入りできない辺りから、ケチはついていたんですけどね。16強対決のアトレティコ戦も総合スコア2-2でPK戦までもつれ込み、お隣さんの不幸体質によるフリアン・アルバレスの両足で蹴ったPK無効判定のおかげで勝ち上がったという経緯も。とりわけ最近はリーガでもホームでバレンシアに負けたり、下位のアラベスに0-1の辛勝だったりと、チームの落ち込みぶりが心配されていたんですが、何より自分たちの大会と自負するCLで、16年のぶりの準決勝進出となるアーセナルに手も足も出なかったのは痛かったかと。
おかげで試合後の記者会見など、ほとんどアンチェロティ監督の先行きの質問ばかりになってしまい、当人も「No sé qué va a ser de mi futuro y no quiero saberlo.../ノー・セ・ケ・バ・ア・セル・デ・ミ・フトゥロ・イ・ノー・キエロ・サベールロ(自分の将来に何が起きるかは知らないし、知りたくもない)」と言うしかなかったんですが、まだいいんですよ、マドリーは。何故なら、彼らにはコパ・デル・レイ決勝も来週土曜に控えていますし、リーガも首位とは勝ち点4差。決して今季のビッグタイトル獲得の可能性がゼロになってしまった訳じゃないからですが、問題なのは相手がどちらもバルサであることでしょうか。
ええ、コパ決勝の後、5月11日にはリーガのクラシコ(伝統の一戦)もあるんですが、今季のシーズン前半戦は0-4、1月のスペイン・スーパーカップ決勝でも2-5と、彼らはバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)負けしていますからね。ただ相手は1日早く、ドルトムントに3-1で負けたものの、1stレグでの4-0勝利のおかげで、CL準決勝進出が決定。リーガでの対戦の時にはインテルとの死闘を終えて疲弊している相手に、週1試合で体力十分で挑めるというアドバンテンージがありますが、こればっかりはねえ。
ちなみにそこに行きつくまで負けられないマドリーの今週末のリーガは、日曜午後9時(日本時間翌午前4時)に再び、ベルナベウ開催となるアスレティック戦。バルベルデ監督のチームも木曜にEL準々決勝レンジャース戦2ndレグをプレーして、疲れてはいるものの、今季の決勝会場でもあるサン・マメスで2-0と勝って準決勝進出が決まり、マンチェスター・ユナイテッド戦を前に士気が上がっていますからね。コパ決勝までにネンザは治るものの、どちらにしろ、出場停止でエムバペが出られないマドリーだけに、ブラジル人FWコンビやベリンガム、ブライムが早く気持ちを切り替えて、ゴールを挙げてくれるといいんですが。
そして他のマドリッド勢の週末の試合もお伝えしていくと、この32節は土曜に3チームが集中していて、まず午後2時試合でラージョがバレンシアとエスタディオ・バジェカスで対戦。勝ち点を残留目安の40にした後、ここ2試合、エスパニョールとアスレティックに連敗して、ちょっと停滞している彼らなんですが、今週のヨーロッパの大会の準々決勝でバルサ、アスレティック、そしてベティスもヤギエロニア(ポーランド)を退け、コンフェレンスリーグ準決勝に進出したため、来季のスペインのCL出場枠が5チームに拡大したのは朗報だったかと。
おかげで8位のチームがコンフェレンスリーグに行けることになり、それって、現在、同勝ち点で並ぶ7、8位のセルタ、マジョルカと3差で10位のラージョにもまだまだチャンスはあるのでは?いえまあ、マドリー戦を含め、ここ3連勝で残留争いからかなり距離を置いたバレンシアは決して侮れないんですけどね。水曜にはイニゴ・ペレス監督の契約1年延長も発表されましたし、そのお祝いも兼ねて、白星を掴めたらいいかと。
続いて午後6時半からは前節、バルサにサエンスのオウンゴールで0-1と負け、お隣さんのヘタフェがラス・パルマスに負けたせいもあって、19位に落ちてしまったレガネスがアウェイでマジョルカに挑むことに。何せ、ボルハ・ヒメネス監督のチームはここ5試合で勝ち点1しか取れていませんからね。いよいよあと7試合となり、2部最速Uターンを避けるための正念場がやって来た感がありますが、今回、心配なのは累積警告となったラバが出場停止なこと。ファン・クルスも痛むところがあって、せいぜい20~30分ぐらいしかプレーできないようですが、そんなの、エースのムリキ、浅野拓磨選手、モルラネス、ロベルト・ナバーロが負傷で不在のアラサーテ監督のチームの比じゃない?
まあ、それでもレガネスは17位のアラベスと勝ち点2差しかありませんし、土曜の午後9時には兄貴分がラス・パルマスと対戦。ささやかな援護射撃をしてくれるはずですが、すでにミッドウィークフリー2週間目に突入したアトレティコは結構、ヒマを持て余しているようでねえ。月曜にバジャドリーに勝った後、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でセッションを再開したのは水曜で、しかもその後、週2試合時代は時間がなくてできなかった、バーベキュー決起ランチ会もあったのだとか。
え、4月の頭に全ての大会で優勝可能性を失ったアトレティコが今更、何を決起しているのかって?いやあ、それがリーガ首位のバルサとは勝ち点7差あるんですが、彼らは残り7試合に全勝して、勝ち点3差のお隣さん共々、上位2チームが躓くのを祈ることにしたそうで、嬉しいことにこのカナリア諸島遠征には負傷で欠けていたデ・パウル、リノも回復して参加。更に5試合の出場停止処分がやっと明けたコレアも加わって、全員で前日移動したんですが、折りしも世間はセマナ・サンタ(イースター週間)とあって、あまり浮かれ過ぎずにプレーできるといいのですが。
そして先駆けて、金曜試合でエスパニョールとのアウェイゲームに臨んだヘタフェは、いやあ、こちらも勝ち点40まであと1つに迫っているんですけどね。アトレティコと引き分けた後、ラージョ、セルタに連勝していたエスパニョールの勢いに押され、前半39分にはクンブラのゴールで先制されてしまうことに。同点を目指した後半も14分にウチェがレッドカードをもらってしまったのが災いし、そのまま1-0で負けてしまったんですが、まあドンマイ。来週水曜はコリセウムで兄弟分ダービー、マドリー戦もありますしね。ラージョの1つ下の11位につける彼らにもまだヨーロッパの大会出場圏を目指すことはできるんでが、まずは残留確定を果たしてほしいものです。
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ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig's head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed3
カシージャスの心臓発作後に最初に連絡を入れたのはモウリーニョ! 「最初に心配してくれた人」
かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
