10人では仕方ない面もあるけど…/原ゆみこのマドリッド

2025.02.18 20:00 Tue
©Real Madrid
「やっぱり弟分を当てにしてるようじゃ、ダメよね」そんな風に私が肩を落としていたのは月曜日、24節が終わってみれば、マドリッドの兄貴分たちが揃ってバルサに抜かれてしまった時のことでした。いやあ、ここ数試合、レアル・マドリーもアトレティコも白星がなく、その間、着々と距離を詰めていたバルサが首位に勝ち点2差、2位とも1差に迫っていたことは皆、わかっていたはずなんですけどね。それでも先週末の試合でしっかり勝っていれば、問題はなかったものの、まさか、偶然にもどちらも退場者を出したのが響き、取りこぼすとはまったくツイていないじゃないですか。

まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢のリーガ戦を見ていくことにすると、金曜には一足早く弟分のヘタフェがモンテリビでジローナ戦をプレー。それがボルダラス監督のチームのエンジンがかかったのも早く、前半3分には自陣エリア内でクレイチのボールをファン・イグレシアスが奪い、そこからウチェが先制点を挙げてくれたんですよ。ただし、残念ながら、このリードは後半9分、CKからヤンヘル・エレーラにヘッドを決められてチャラになってしまうことに。

でも大丈夫。最近のヘタフェが違うのはまだ、先発復帰こそしていないものの、コンスタントにボルハ・マジョラルが後半のピッチに現れるようになったことで、この日も16分にカルロス・ペレスと一緒に途中出場。何と、その1分後には勝ち越しゴールを挙げてくれたから、ビックリしたの何のって。そう、ファン・イグレシアスのシュートがGKガッサニガに弾かれたところに駆けつけ、ボールを押し込んだんですが、こういうゴール嗅覚が効くところがまさに本職FWの証。その後は28分にヤンヘルがレッドカードをもらって退場したこともあり、そのまま1-2で勝つことができたんですが、いやホント、これでアウェイ4連勝達成とはそろそろ、1部残留以上の夢を見てもバチは当たらない?
いえまあ、これでヘタフェは降格圏との差が勝ち点7になったとはいえ、順位はまだ13位ですし、ボルダラス監督も「No hay un solo jugador que no piense en otra cosa que no esté pensando en la permanencia/ノー・アイ・ウン・ソロ・フガドール・ケ・ノー・ピエンサ・エン・オトラ・コーサ・ケ・ノー・エステ・ペンサンドー・エン・ラ・ペルマネンシア(残留達成のことを考えていない選手は1人もいない)」と浮かれ気分を戒めているんですけどね。課題はここ6試合無敗ながら、2試合連続引分けと滞っているホームゲームなんですが、今週末日曜のベティス戦はいいチャンスになるかもしれません。

というのも相手は木曜にコンフェレンスリーグ16強対決プレーオフのヘント戦2ndレグがあるからで、ただ、アウェイでの1stレグでは0-3の快勝をしているため、それ程、疲れないかもしれないんですけどね。ただ、あまりにヘタフェばかりが調子良くいくと、最近、ガチの残留争いの泥沼にはまってしまった感のあるお隣さん、レガネスのファンが更に嫉妬してしまうかもしれない?
そう、翌土曜の午後2時に前節、まさにヘタフェに敗れていたアラベスをブタルケに迎えたのがボルハ・ヒメネス監督のチームだったんですが、こちらは恐ろしい乱戦になってしまってねえ。その原因にはVAR(ビデオ審判)の過剰介入もあったんですが、早くも前半6分にはレガネスがCKを蹴った時にエリア内でナスタシッチがディアラに叩かれて倒れていたことがVAR注進により発覚。PKをラバが決め、レガネスがリードしたものの、25分にはキケ・ガルシアのゴールで同点に。それがまた、37分にはゴール前に突っ込んだディエゴ・ガルシアがGKシベラに蹴られていたことがわかり、再びラバがPKを成功させたんですが、おかげで前半のロスタイムが10分にもなっているとは、これ如何に。

後半も後半で、今度はVARではなく、主審がシセのハンドでアラベスにPKを与え、3分にはもうジョルダンに2-2にされてしまってねえ。その彼が23分にもまた、ヘタフェから冬の市場でレンタルで行ったばかりのアレニャの蹴ったFKをエリア前から撃ち込んで、golazo(ゴラソ/スーパーゴール)で逆転されているんですから、たまったもんじゃありませんって。いえまあ、幸い途中出場のムニルが44分にロジェのクロスをヘッドでゴールにして、レガネスは3-3の同点に追いついたんですけどね。そのムニルが自軍のFKを待っている際にモウリーニョにパンチを入れていたことがまた、VARでバレて、当人はレッドカードで退場とはもう世も末かと。

それでも一応、勝ち点1は死守できたものの、ええ、ボルハ・ヒメネス監督も「Lo de hoy y el tiempo de revisar las jugadas en el VAR ha rozado el esperpento/ロ・デ・オイ・イ・エル・ティエンポ・デ・レビサル・ラス・フガダス・エン・エル・バル・ア・ロサードー・エル・エスペルペント(今日の出来事とVARチェックにかかった時間はグロテスクに近かった)」と言っていたんですけどね。いくら最近、リーガの審判制度界隈がざわついているとはいえ、こう何度もモニターチェックで中断されるのは却って逆効果。観客も退屈してしまいますし、選手たちもプレーのリズムが乱されるんじゃないかと思いますが、さて。先週同様、降格圏との差が勝ち点1に留まったレガネスは、今週末は日曜、やはり木曜にヨーロッパリーグ16強対決プレーオフのミッティラン戦2ndレグをプレーするレアル・ソシエダとサン・セバスティアンで顔を合わせることになっています。

そして土曜はその後、セルカニアス(国鉄近郊路線)とメトロを乗り継いで、メトロポリターノへ向かった私だったんですが、まさにその移動時間中、レアル・マドリーがエル・サダルでオサスナ戦をプレーしていてねえ。まだブタルケを出る前だった前半15分には、バルベルデのラストパスをエムバペがゴール前から決めて、アンチェロッティ監督のチームが先制したのは知っていたんですが、サラケマダ駅で電車を待っている時でしたでしょうか。39分、ベリンガムがレッドカードで一発退場させられてしまったのは。

その時点ではまだ詳細がはっきりせず、メトロに乗っている間にオサスナが後半13分、モンカジョラのシュートをGKクルトワが弾いた後、こぼれ球を撃ったブドミルをカマビンガが踏んでいたことが、これまたVAR注進の対象に。モニターチェックをした主審にペナルティを宣告され、ブドミルのゴールで1-1になった後はスコアも動いていなかったんですけどね。丁度、メトロポリターノに入る直前で試合が引き分けのまま終了となったため、これはもしや、アトレティコの首位奪還確定ではないかとウキウキしていたところ…。

いやあ、もしやバリオスもそうだったんでしょうか。これまで1度もメトロポリターノで勝ったことのなかったセルタを迎えての一戦、開始5分にコントロールミスしたボールをドゥランに取られ、奪い返そうとタックルをかけたのが最悪な結果に。そう、一旦はイエローカードが出たものの、VARに呼ばれた主審がモニターで、バリオスがスパイクを立てて相手のふくらはぎを蹴っていたことを確認。カードの色が変わり、アトレティコは以降、ほぼ90分丸々を10人で戦わないといけなくなったから、さあ大変!

そのせいでサムエル・リノをコケに代え、以降は失点を防ぐ戦いをすることになったシメオネ監督のチームだったんですが、折りしもその頃から、ベリンガム退場の経緯が明らかになってきたらしくてねえ。私が聞いていたオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)など、アトレティコ戦の中継そっちのけで、主審は試合記録に「選手が自分に”Fuck you”と言った」と書いたものの、ベリンガムが言ったのは「Fuck off」。その違いは何かと延々と議論を続けているんですから、とても正気の沙汰とは思えませんって。

いえまあ、アンチェロッティ監督も記者会見で、「Ahí se ha equivocado porque la traducción en español es ‘no me jodas’, no ha sido algo ofensivo/アイー・セ・ア・エキボカードー・ポルケ・ラ・トラドクシオン・エン・エスパニョール・エス・ノー・メ・ホダス、ノー・ア・シードー・アルゴ・オフェンシーボ(そこに間違いがあって、スペイン語訳は『ほっとけ』で、侮蔑的なものではない)」と解説していたんですけどね。その辺の差が主審にはわからなかったか、単なる思い込みの聞き違いか、どっちにしろ、こういった類の品のないスラングがない日本語ネイティブである私には、だからどうよとしか。

まあ、それ以外にもオサスナ戦ではカテナやファン・クルスのエリア内でのハンドが見逃されたり、ビニシウスが倒されながら、ペナルティを取ってもらえなかったりと、ジャッジに対する不満があったようなんですけどね。それでも、たとえ1人少なくなったとはいえ、マドリー自慢のゴール力が発揮できていれば、あっさり勝てていたはずですが、まあこればっかりはねえ。

まだベリンガムに何試合の出場停止が課されるのか、もしくはレッドカード取り消し要請が成功するのかなどはわからないんですが、彼らの場合、水曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはサンティアゴ・ベルナベウでのCL16強対決プレーオフのマンチェスター・シティ戦2ndレグが到来。マドリー優勢の意見が多く、リュディガーとアラバも復帰予定とはいえ、1stレグは2-3の僅差でしたし、リーガの審判問題ばかりに頭を煩わせてはいられないのは辛いところかと。

そして1月のCLリーグフェーズ7節レバークーゼンに続く、バリオスの早期退場後、ミッドウィークフリーで体力があり余っていたのも幸いしたか、ハーフタイムに0-0でたどり着いたアトレティコの方はというと。すでに前半のうちから、イエローカードをもらったドミンゲスをミンゲサに代え、後に退場者を出してイーブンとなったレバークーゼンの二の舞を防ぐと共に、CB3人制も2人に変更。後半頭からはボルハ・イグレシアスとイケル・ロサノを投入したセルタは更には17分、ようやく負傷が治ったエースのイアゴ・アスパスも入れてきたんですが、まさかわざわざ、アトレティコの方から先制点を献上してしまうとはやってくれるじゃないですか!

そう、21分にル・ノルマンがエリア内でボルハ・イグレシアスの足を踏んでしまい、ペナルティを取られてしまったんですが、おかげでアスパスにメトロポリターノ初ゴールをPKでプレゼントしてしまうんですから、まったく人がいい。こうなると、それまで交代をガランからレイニウドだけに留めていたシメオネ監督も動かざるを得ず、いよいよ33分には得意の3人一斉交代を実施。グリーズマン、デ・パウル、ジュリアーノをセルロート、コレア、ギャラガーにしたところ、いえ、残念ながら、コレアのシュートはGKグァイタにセーブされてしまったんですけどね。

36分、もう1人の土壇場男、セルロートがヒメネスからロングボールを受け、うーん、多分、邪魔をしようとしたCBスターフェルトも長身のスウェーデン人で、ノルウェー人大型FWと争っても倒れることがなかったのが良かったんでしょうかね。ファールを取られることなく、そのシュートがゴール右隅に決まり、10分以上残して、1-1になったとなれば、場内のファンが昨今、お隣さんばりのremontada(レモンターダ/逆転劇)体質となったアトレティコが、あと1点を入れるのを期待してもまったく不思議はない?

といってもこの日はレバークーゼン戦と違い、アトレティコは最後まで1人少ないままでしたからね。結局、勝利のゴールは生まれず、そのまま1-1で終わったんですが、試合後のシメオネ監督はチームを「Los futbolistas se convirtieron en gladiadores/ロス・フットボリスタス・セ・コンビルティエロン・エン・グラディアドーレス(選手たちは剣闘士になった)」と絶賛。実際、人数的不利であれだけ守備に時間を割かれていなければ、難なくセルタには勝てていたような気が私もしたんですが、まあ、どちらにしろ、リーガは長丁場ですからね。

今週もミッドウィークは高みの見学であるアトレティコとあって、ヘトヘトになった選手たちが回復する時間も十分ありますし、土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)にバレンシアをメスタジャに訪ねる試合でまた、リーガ首位奪回にトライしてもらえばいいだけなんですが、実を言うと、月曜試合でバルサに挑むラージョもこのところ、クラブ史上最長となる9試合無敗中。12月にはレガネスがモンジュイックで0-1と勝った先例もあったため、望みをかけていたのは決して私だけではなかったはずですが…。

でもダメでした。ええ、このところ、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)基調に戻った相手を前半28分、CKの時にパテ・シスがイニゴ・マルティネスを倒して献上したPKをレバンドフスキに決められただけで、1-0で負けただけなのは立派と言ってもいいんですけどね。43分にデ・フルートスが決めたゴールはエヌテカのオフサイドで認められず、更にGKシュチェスニーにparadon(パラドン/スーパーセーブ)も数回強いたものの、やはりカメージョの負傷でFW不足に陥っていたのが仇になったか、最後までその1点を返せなかったんですよ。

おかげで久々に黒星の苦い味を思い出すことになったラージョですが、彼ら自身は6位の座から降りることなく、土曜のホームゲーム、ビジャレアル戦で挽回すればいいだけですからね。それどころか、GKバタジャの八面六臂の働きで追加点を許さず、最後はバルサが時間稼ぎするまで追い詰めたイニゴ・ペレス監督のチームの気迫を称えるべきなんですが…リーガの上位争いは当分、狭い勝ち点差の間でのしのぎ合いが続くかもしれませんね。

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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル②~モウリーニョ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ジョゼ・モウリーニョ体制/2010-13</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190309_23_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>モウリーニョ監督は、マドリーを指揮する前年、当時率いていたインテルでイタリア史上初となるチャンピオンズリーグ(CL)、セリエA、コッパ・イタリアの三冠を達成。ポルトやチェルシーでの功績と合わせ、世界最高指揮官の1人として満を持して“新銀河系軍団”を率いることとなった。 前年には、ペレス会長がトップに返り咲き、マヌエル・ペジェグリーニ前監督の下でFWクリスティアーノ・ロナウドら大型補強を敢行していたマドリー。しかし、CLでは6シーズン連続のベスト16敗退、リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイでの優勝にも届かず。モウリーニョ監督には、初年度に何らかのタイトルを獲得した上で、クラブを世界最高峰に復権させる仕事が求められていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-2-3-1]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190309_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>モウリーニョ監督は、FWクリスティアーノ・ロナウドやMFシャビ・アロンソら前年度に加入した選手を最大限生かせるよう、MFメスト・エジルやMFサミ・ケディラらを初年度に獲得。一方でFWラウールやMFグティら年齢を重ねていたスター選手たちを容赦なく切り捨てた。また、後に欠かせない選手となるMFルカ・モドリッチ、DFラファエル・ヴァランもモウリーニョ政権時に獲得している。 最前線のチョイスではFWベンゼマとFWイグアインに競争を強いていたが、その他はあまり変化させず。ベンゼマが落とし、エジルが前を向き、前線のC・ロナウドが電光石火のシュートを見舞う形は、“世界最高のカウンター”と評された。また、カバーリング範囲の広いDFペペと、インターセプトに優れるDFセルヒオ・ラモスの相性はすこぶる良く、指揮官の重視する守備戦術の根幹を担った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point!~レヴァンドフスキの悪夢~</span> “スペシャル・ワン”という代名詞を引っ提げてやってきたモウリーニョ監督は、初年度からコパ・デル・レイ決勝で宿敵バルセロナを撃破し、3年ぶりの主要タイトルをもたらした。そして、2年目にはリーガ史上最多勝ち点100、得点121でリーガを制覇。ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で史上最強とも呼ばれていたバルセロナと激しく火花を散らし、対等に渡り合った。 また、初年度からCLでも7シーズンぶりにベスト16を突破。3年連続でベスト4で終わってしまったものの、確実にクラブを前進させていた。しかし、指揮3年目にはロッカールーム内から不穏な空気が漏れ伝えられ、特にクラブのリビング・レジェンドでもあるGKカシージャスとの軋轢はモウリーニョ監督へのバッシングに繋がった。 そして、その2012-13シーズン、CL準決勝1stレグ・ドルトムント戦でFWロベルト・レヴァンドフスキに4得点を奪われて1-4と大敗。既にリーガではバルセロナの優勝が確実視されており、批判は加速することとなった。 結局、10度目の欧州制覇“デシマ”を達成できなかったモウリーニョ監督は、2013年5月に追われるようにして契約解除に同意している。<hr>▽ジョゼ・モウリーニョ 【在任期間】 3シーズン(2010-13) 【戦績】 [2010-11] 公式戦59試合44勝9分け6敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点92) コパ・デル・レイ:優勝 [2011-12] 公式戦58試合45勝7分け6敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:優勝(勝ち点100) コパ・デル・レイ:ベスト8 [2012-13] 公式戦61試合38勝12分け12敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点85) コパ・デル・レイ:準優勝 [合計] 公式戦178試合127勝28分け23敗 【主な獲得選手】 MFアンヘル・ディ・マリア、MFメスト・エジル、MFサミ・ケディラ、MFルカ・モドリッチ、MFカゼミロ、DFラファエル・ヴァラン 【主な放出選手】 FWラウール、MFラファエル・ファン・デル・ファールト、MFグティ、MFフェルナンド・ガゴ、MFエステバン・グラネロ、MFラサナ・ディアッラ 2019.03.10 18:00 Sun
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コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語

バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun

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