コパが熱くなってきた…/原ゆみこのマドリッド

2025.01.08 20:00 Wed
©Real Madrid
「これはいよいよ、マドリッドでも試合が見られそう」そんな風に私がワクワクしていたのは火曜日、まだ夜には最後のカード、エルデンセvsバレンシア戦があるものの、コパ・デル・レイ32強対決でマドリッドの1部5チームが全員突破となった翌朝のことでした。いやあ、この大会、以前はホーム・アウェイの2試合制だったため、正月早々、スタジアム観戦となるのも珍しくはなかったんですけどね。それが2019-20シーズンに準決勝以外、一発勝負形式になってから、リーガ1部チームはその1試合を下位カテゴリーチームのホームでプレーすることになり、準々決勝ぐらいまで、ずっとTVで見ているばかりに。

実際、その段階でうっかり敗退してしまうような、そそっかしいマドリー勢がいるのも例年のお約束だったんですけどね。それが何故か、今季は全チームが水曜の16強対決抽選に挑めるという嬉しい展開となったため、そう、この32強対決では来週のスペイン・スーパーカップのサウジアラビア遠征に浮かれていたマジョルカ、年末までずっとクラブのレジェンド、ヘスス・ナバスの引退行事ばかりにかまけていたセビージャ、今はコパどころではないリーガ最下位バジャドリー、そしてラス・パルマスが敗退して、1部勢は11チームにまで減少。

残るは2部2チーム、RFEF1部(実質3部)1チーム、同2部1チームとなったため、下位カテゴリーとマッチングしない1部同士の対戦が、火曜の試合結果にもよるとはいえ、3ないし4カードできるんですよ。相手が同格なら、試合会場は抽選で引かれた順番で決定となれば、マドリッド開催も十分あり得ますし、それどころか、本家ダービーはもとより、兄弟分、弟分ダービーもあるかもしれないって、いきなりコパのボルテージ、高くなっていない?
まあ、そんなことはともかく、先週金曜から始まったマドリッド勢のコパの試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。先陣を切ったのは弟分のヘタフェとラージョで、どちらも2部チームとの対戦だったんですが、ヒヤリとさせられたのはボルダラス監督のチームの方。そう、グラナダ相手にもリーガでのゴール日照りを引きづって、ほぼレギュラーを並べたにも関わらず、前後半をスコアレスドローで終了し、更にはバイスマンに2度もゴールを決められ、オフサイドで命拾いしている始末だったからですが、同時に新年早々の朗報もあったんです!

というのも満を持して後半40分、昨季のヒザの半月板損傷がようやく治り、3カ月ぶりの出場を果たしたエースのボルハ・マジョラルが延長戦前半3分、ベルトゥの折り返しから、決勝ゴールを決めてくれたためで、彼らはそのまま0-1で勝利。ただ、これで全てが解決と信じるのは時期尚早で、何せ、9月に最初の復帰試合となったレガネス戦でもPKでゴールを挙げた当人はその後すぐ、再手術となって、今までピッチに戻れませんでしたからね。
まさかの不幸を望む訳ではありませんが、これでクラブのフロントも冬の移籍市場で出費を抑えられたと喜ぶのではなく、ゴールの当てにできるFW探しをしっかり続けてもらいたいものですが、さて。どちらにしろ、今週日曜のリーガ戦、降格圏との勝ち点1差を広げるべく必勝が求められるラス・パルマス戦には間に合わないとは思いますが、コパとの週3試合日程が始まる前に誰か助っ人が来てくれるといいですよね。

そして同日同時刻、同じく2部のラシン・フェロルと対戦したラージョはしっかり快勝していて、前半8分のエスピーノのエリア外シュートによる先制点を皮切りに、32分にはデ・フルートスが個人技で2点目をゲット。後半14分にもエスピーノとエ・フルートスのコンビで3点目を奪い、昨季までラージョにいたベベのバーに当たるシュートなどはあったものの、ロスタイムに1点返されただけの1-3でラウンド突破を決めたんですが、こちらの注目はベンチ外だったハメス・ロドリゲスだったんですよ。

そう、年末数試合も大した理由付けもなく招集されていなかった彼ですが、どうやらいよいよ契約解消が秒読み状態になっているようで、まあ、イニゴ・ペレス監督の全員が走るサッカーに適応できないのでは仕方ないんですけどね。それでは、せっかくのクラブ創立100周年の華になるはずだったはずの有名選手の獲得が水の泡になってしまう?ラージョの場合、順位的には降格圏と勝ち点7差の12位と問題はないため、来週の金曜には巡ってくるエスタディオ・バジェカスでの年明け最初のリーガ、セルタ戦でもいいところを見せて、スタンドのファンを盛り下げないようにしてほしいものです。

そして翌土曜にコパに挑んだのが昨年末を破竹の12連勝で終えたアトレティコで、RFEF1部のマルベージャとの一戦はマラガ(2部)のロサレダを満員にして開催。コパでは1回戦のビック(地方リーグ/実質6部)戦でも、2回戦のカセレーニョ(RFEF2部/実質5部)戦でも、後半35分過ぎの遅出スタートだった彼らだったため、この日もそうかと思いきや、やはりバケーション明けは選手たちもフレッシュなんですかね。前半16分にはジュリアーノのシュートが敵GKに弾かれたボールをグリーズマンがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、早々に先制することに。

ただ、その後は追加点がなく、いえ、後半にはハンドで認められなかったデ・パウルのゴールや敵GKのparadon(パラドン/スーパーセーブ)、ギャラガーのポスト直撃シュートなどはあったんですけどね。珍しく途中出場のセルロートやコレアの追い撃ちもなく、相手もGKムッサを脅かすことができなかったため、そのまま0-1で終わったんですが、この先はリーガ、コパ、CLリーガフェーズと連戦が続くだけにムダ撃ちはせず、ゴールは取っておくのが正解?

おかげで13連勝となったアトレティコは今週末日曜、クリスマス休暇中に設置されたスケートリンクが撤去されたメトロポリターノで開催されるオサスナ戦で、クラブ最長記録の14連勝を狙える立場になったんですけどね。実は昨年をリーガ首位で終えた彼らにはその以外にも新たな目標が生まれていて、それは年明け3日の順延分バレンシア戦での勝利により、勝ち点2差で追い越されてしまったお隣さんの上に再び立つこと。

ここまでの連勝で、CLのPSG戦、セビージャ戦やバルサ戦でも土壇場のremontada(レモンターダ/逆転劇)という底力を見せて勝ってきたアトレティコを思うと、それ程、高いハードルではなさそうに見えますし、その試合にはバルサ戦で負傷したヒメネスも戻る予定。それ以外のケガ人もレマルしかいないという好条件も揃ってはいるとはいえ…今季の残りも彼らがファンを失望させないチームでいてくれることを今は願うばかりかと。

そして日曜には第3の弟分レガネスも2部のカルタヘナにセルヒオ・ゴンサレスに当たって軌道が変わるシュートで先制されたものの、前半28分にはラバのクロスから紆余曲折あって、最後はムニルが同点ゴールをゲット。後半6分にはラバ自身が決めて、1-2で勝ち抜けを決めたんですが、ええ、2回戦でエステポナ(RFEF2部)相手にPK戦までもつれていた彼らですからね。それより上のカテゴリーの相手にあっさり勝てたのは、この先3試合も出場停止でオスカル・エルナンデスを欠くボルハ・ヒメネス監督にとっても週末土曜のリーガ、残留争いの直接ライバル、エスパニョールとの試合に向けて、大きな励みになったのではないでしょうか。

え、それで一番気になるレアル・マドリーのコパはどうだったのかって?いやあ、先程もちょっと触れた通り、休養十分で年明け最初の試合がコパだったマドリッド勢他4チームとは違い、彼らは金曜にバレンシア戦がありましたからね。しかもその試合、年内最終戦後に解任されたバラハ監督の後任、コルベラン監督の初陣だったということもあり、低空飛行を続けていた相手がメスタジャで発奮。前半27分にはハビ・ゲラのシュートをGKクルトワが弾きながら、ウーゴ・ドゥーロに先制点を奪われしまったため、新年早々から、レモンターダを強いられることに。

しかも前半はよくある気の乗らない状態にあったマドリーだったため、前半は1-0のまま終了。後半序盤もせっかくエムバペがタレガにエリア内で倒されてPKをもらいながら、ベリンガムがポストに当ててしまったり、エムバペのゴールがお馴染みのオフサイドで認められなかったり、何と34分には最悪の事態が到来したから、さあ大変!ええ、ママルダシビリの負傷欠場で先発したGKディミトリエフスキにバケーション中にイメチェンしたドレッドヘアを引っ張れたビニシウスが相手の首を両手でコヅいてしまい、レッドカードで退場って一体、どうなっている?

でもねえ、残り10分ちょっとでもマドリーが決して侮れないのはリーガの常識なんですよ。1人減ったせいで尚更、ANDに刻まれたレモンターダ根性に火が点いた彼らは40分、ベリンガムのアシストでモドリッチがマドリー史上最年長記録となるゴールを挙げて同点にすると、ロスタイム5分にもベリンガムがPK失敗のリベンジに成功。ギジャモンが自陣エリア前でミスッたパスを奪い、勝ち越し点を入れたとなれば、まさに経験者は語るですって。

そう、「Ganamos un partido que a final de temporada te puede llevar a ganar títulos/ガナモス・ウン・パルティードー・ケ・ア・フィナル・デ・テンポラーダ・プエデ・ジェバール・ア・ガナール・ティトゥロス(ボクらはシーズン末にタイトルを獲得に繋がる試合に勝った)」というモドリッチの言葉にはそれこそ、実感が詰まっているんですが、その逆もまた真理。「No podemos mostrar estas dos caras/ノー・ポデモス・モストラール・エスタス・ドス・カラス(ウチはこんな2つの顔を晒す訳にはいかない)。前半は最悪で、後半は凄まじくいいというようなね」(アンチェロッティ監督)というのも今季は使い古されたコメントで、加えて、ビニシウスなど、昨年末、最後から2番目のラージョ戦で退場した後、セビージャ戦は出場停止。戻って来て早々、また退場ですからね。

一応、クラブは競技委員会にカード取り消しを訴えてはいるものの、下手すると4試合の出場停止処分が課される恐れもなきにしろあらずとなれば、その辺は当人も重々、反省してもらいたいところかと。ただ、その一方で月曜のデポルティボ・ミネイラ(RFEF2部)戦はまったく違った展開となり、来週木曜にはスペイン・スーパーカップ準決勝マジョルカ戦があるため、アンチェロッティ監督はしっかりローテーションして、クルトワ、リュディガーはお留守番。アセンシオに加え、ロレンソ・アグアドとディエゴ・アグアドの3人のカンテラーノ(RMカスティージャの選手)を守備陣に先発させながら、まったく後顧の憂いのないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見せてくれることに。

始まりは前半5分でブライムのクロスを敵DFがヘッドクリアしたボールをバルベルデが撃ち込んで先制点を挙げたかと思えば、13分にもフラン・ガルシアのクロスをカマビンガがヘッドで2点目に。28分にもギュレルがエリア内からのシュートで3点目を入れたところでほぼ、勝負はついたんですが、この日のマドリーは後半も力を緩めません。モドリッチが最年長得点記録のハードルを更に挙げる4点目を決めた後には、うーん、アンチェロッティ監督も奇しくも日曜のレガネス戦から連日興行となった会場のカルタノバを満員にしたファンに応えたかったんでしょうか。

いえ、必要もないのにエムバペ、ビニシウスを投入したのは次戦まで、あまり間が空くのはリズムが狂うという配慮だったかもしれませんけどね。とはいえ、マドリー最後のゴールを決めたのはプレー時間を増やそうと虎視眈々と狙っている19才のギュレルで、43分、再びエリア内からのシュートがネットに突き刺さることに。この日、何度もあったチャンスに敵GKに止められてばかりいた、1つ下のエンドリックとの差別化を図っていましたが、おかげでスコアも0-5まで拡大。カテゴリー差を考えれば、当然の結果とも言えますが、これって同じRFEF2部のポンテベドラにマジョルガが3-0で負けたのとはまさに真逆だった?

それだけに木曜午後8時(日本時間翌午前4時)からのスペイン・スーパーカップ準決勝もマドリーの心配をする必要はあまりない気がしますが、こればっかりはねえ。ちなみにもう1つの準決勝、アスレティックvsバルサ戦は水曜開催で、決勝は日曜になるため、中日が少ないアンチェロッティ監督のチームはやや不利になるんですが、大体がして、1月の彼らは勝てば勝つ程、試合が増えて、最多9試合という年明けから大車輪状態に。それこそ強者故の悩みと言うしかありませんが、1月の補強もあるのかないのか、未だに定かではありませんし、せめてアラバぐらいは早く戻って来てくれたら、助かりますよね。

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レアルDFが結婚式! 相手はモデルで双子のウエディング・プランナー、チームメイトも参列し祝福

レアル・マドリーのスペイン代表MFダニエル・カルバハル(30)が、モデルのダフネ・カニサレスさん(32)と結婚した。 マドリーの育成組織出身の30歳は、2012-13シーズンにレバークーゼンでのプレーを経て、翌年以降はマドリーを支え続けてきた。今季は2シーズンぶり35回目のラ・リーガ制覇や14回目のチャンピオンズリーグ(CL)優勝にも貢献している。 クラブの歴史をまた1つ積み上げたカルバハルは、24日、モデルのダフネ・カニサレスさん(32)と結婚。招かれた約250人の前で愛を誓い合った。式にはチームメイトや関係者などが招かれ、ゲストの中にはベルギー代表GKティボー・クルトワ夫妻の姿もあった。 2人には1歳半になる息子のマルティンくんがいる。スペイン『HOLA』によれば、カニサレスさんは元客室乗務員のオランダ系のスペイン人モデルで、現在は結婚式や社交イベントの企画をする会社のオーナーだ。 また自身もウエディング・プランナーであり、2人の式は彼女が出かけたとのことだ。カニサレスさんには双子の姉妹メラニーさんがおり、アラベスでプレーするFWホセルと結婚している。 <span class="paragraph-title">【写真】純白のドレスに身を包んだカニサレスさん</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CfMkTe5jb0U/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/CeLZxGtjGhI/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">Daphne Cañizares.(@daphnecanizares)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2022.06.26 21:30 Sun
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ノルウェー代表で定位置と背番号を譲った後輩…セルロートが5歳年下ハーランドをラ・リーガに勧誘?「適応間違いなし」

ビジャレアルのノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロートが、マンチェスター・シティの同代表FWアーリング・ハーランドについて語った。 今季ラ・リーガ14得点、公式戦17得点のセルロート。過去2年のレアル・ソシエダ時代を上回るペースでネットを揺らす195cmストライカーだ。 当然、この活躍からノルウェーを代表するセンターフォワードなのは確か。しかし、ノルウェー代表には当代屈指のゴールマシーン・ハーランドがおり、A代表通算53試合18得点セルロートは左右どちらかのウイングが“守備位置”となる。 このように、ハーランドがいることで、ノルウェー代表だと本職ではないポジションを任されるセルロート。それでもスペイン『Relevo』のインタビューでは、ハーランドとの良い関係性を語る。 「アーリングとはとても仲が良いよ。もう5年くらいノルウェー代表で一緒だしね。彼は天性のリーダー的な部分を持つんだ。どちらかと言えば、陰から人知れずチームを支えるタイプかな。全てを口に出して引っ張るのではなく、黙々と率先して行動することができる」 数年前には、当時20歳そこそこで台頭してきたハーランドに、ノルウェー代表で背番号「9」を譲ったセルロート。 「彼はあの時すでにフットボーラーとして“ブランド”が出来上がっていたからね。NIKEとの繋がりも考えればピッタリだろう(笑) 彼のほうから『9が欲しい』って来たから、僕は11にしたんだ」 その一方、ハーランドは昨季があまりに強烈だったためか、最近は得点ペースの鈍化が指摘される。この件についてセルロートは、同じFWとして少しばかり不快感を抱いている様子だ。 「彼が自らの個人賞をチームの戦績より優先させているとでも? 僕の知る彼はそうじゃないし、もしそうだとしても口には出さない」 また、将来のレアル・マドリー行きが噂され続けていることについては歓迎。スペインサッカーへの適応も問題ないだろうとした。 「イングランドもドイツもスペインもそんなに異なるサッカーじゃない。リーグの特色をつけたがる人々が私見を言っているに過ぎないんだ。アーリングも間違いなくスペインにフィットする。選手からチームへ、チームから選手へ、お互いに適応の努力をすれば、適応できないなんてあり得ない」 2024.04.19 16:20 Fri

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