Jリーグ30周年アウォーズのベストゴールは?/六川亨の日本サッカー見聞録

2023.04.21 13:00 Fri
©超ワールドサッカー
早いか遅いかは個人の感じ方の違いだが、93年にスタートしたJリーグ(当時)は今年で30周年を迎える。確か10年前も、20周年記念としてファン・サポーターからのベストイレブンやベストマッチなどの投票が行われた。しかしながら記念行事としては大東和美チェアマンが主催したJリーグ関係者やスポンサーなどを招待したパーティーだったため、個人的にはほとんど印象に残っていない。それに比べると30周年の今年は、早くからファン・サポーターによるベストイレブンやベストゴールなどの投票を呼びかける告知や、5月12日から始まるJリーグの記念試合など“ファンのため”のイベントが多い。ここらあたりも、前任者の村井満チェアマンから野々村芳和チェアマンと「ファン・サポーター目線」のリーダーがJリーグを牽引しているからだろう。

そんな30周年記念の「ベストアウォーズ」の締め切りは21日の18時までだった。MVPは1名、ベストイレブンは11名、ベストマッチは1試合、ベストゴールは6部門に分かれ、「ボレー/オーバーヘッド部門」、「テクニカル部門(トラップ、ドリブル、ループ等)」、「ミドル/ロングシュート部門」、「フリーキック部門」、「ヘディングシュート部門」、「その他部門(パスワーク等)」から1ゴールずつ、ベストシーンも1シーンが表彰されることになっている。
そこで僭越だが、個人的にベスト11とベストゴールのボレー部門を推薦したい。まずベストゴールのボレー部門だが、97年の第1ステージ開幕戦、G大阪のパトリック・エムボマは平塚(現湘南)戦でリフティングからGKの頭上を抜く強烈な左足ボレーシュートを叩き込んだ。「浪速の黒豹」というあだ名通り、Jリーグでの活躍をステップにカリアリ、パルマなどで活躍。2000年シドニー五輪ではOA枠で出場して金メダルを獲得している。

しかしながら、個人的にはエムボマのボレーは次点にしたい。というのも、やはり95年の第2ステージ、鹿島対横浜F(フリューゲルス)戦でレオナルドが決めたリフティングからマーカーを翻弄して決めたハーフボレーの印象が強いからだ。ペナルティーエリア内で、リフティングで相手を次々とかわして決めたゴールは、10年前の20周年記念でのファン投票でも「ベストゴール」に選出されている。
当時、まだ現役だった都並敏史氏(現ブリオベッカ浦安監督)は後年、「たぶん中学生が相手なら、僕もリフティングで抜いて(レオナルドのように)ゴールを決められたかもしれません。当時のレオナルドにとって、Jリーガーは中学生を相手にプレーしていたのと同じかもしれませんね」と述懐していた。

Jリーグの黎明期は、多くの実績ある選手が来日してリーグの価値を高めてくれた。現在は逆に多くの代表選手が海外へと流出し、Jリーグはレベル的にも人気の面でも停滞気味だ。Jリーグの賞金やDAZNの分配金を含めても、J1トップクラブの選手補強にサプライズはないのが現状でもある。

Jリーグの30年を振り返ると、改めて寂しさが募ってしまったのは残念でならないが、次回はベスト11をお届けしたい。

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