2度のリード守れなかったチェルシーの公式戦連勝が「3」でストップ…エバートンの伏兵シムズに土壇場被弾《プレミアリーグ》

2023.03.19 04:35 Sun
twitterfacebookhatenalinegplus
photo
Getty Images
プレミアリーグ第28節、チェルシーvsエバートンが18日にスタンフォード・ブリッジで行われ、2-2のドローに終わった。

公式戦3連勝中と復調気配漂う10位のチェルシーは、熾烈な残留争いに身を置く15位のエバートンと対戦。逆転でのトップ4フィニッシュへこれ以上の取りこぼしが許されないポッターのチームは、3-1で勝利した前節のレスター戦から先発3人を変更。ククレジャとロフタス=チーク、ムドリクに代えてバディアシル、リース・ジェームズ、プリシッチを起用。さらに、カンテが昨年8月以来のベンチ入りを果たした。

立ち上がりからハヴァーツ、フェリックスを中心に流動的な前線が効果的にボールを引き出し、相手を押し込むホームのチェルシー。中央を締める相手に対して、サイドからのクロスやセットプレーでチャンスを窺う。
流れの中でなかなか決定機まで持ち込めないものの、20分にはハヴァーツのミドルシュートで最初の枠内シュートを記録。以降はフェリックスがアタッキングサードで違いを生み、幾つか良い場面を作り出す。32分にはそのフェリックスがボックス内でDFの股間を抜くシュートを放つが、これはGKピックフォードの正面を突く。

前半半ばから終盤にかけては、エバートンが狙いとするグレイやマクニールのスピードを生かしたカウンターで引っくり返すシーンを増やしてイーブンの展開に持ち込む。これを集中した守備で撥ね返したチェルシーだが、肝心の攻撃では攻めあぐねる形で前半を終えることになった。

迎えた後半も先制点を目指して勢いを持った入りを見せたチェルシー。波状攻撃からチルウェルが上げた左クロスをハヴァーツが頭で合わせていきなり決定機を作ると、その勢いのままゴールをこじ開ける。

53分、エンソ・フェルナンデスからの斜めのフィードに反応した左サイドのチルウェルが左足ダイレクトで折り返す。これはDFのクリアに遭うが、こぼれを回収したフェリックスがボックス左からDFの股間を抜く技ありの左足シュートをゴール右隅へ突き刺した。

前節の不出来を払しょくするポルトガル代表FWの加入後2点目でリードを手にしたブルーズは、徐々に攻勢を強めたアウェイチームの出方を受けて早めの交代策。62分、プリシッチを下げてギャラガーを投入した。

これで守備のテコ入れと共にゲームをコントロールしたいチェルシーだったが、後半に入って際どいシーンを作られていたセットプレーに屈する。

69分、エバートンは右CKの場面でファーのタルコウスキが競り勝って折り返したボールをゴール前のドゥクレが頭で合わせる。これをハヴァーツが懸命にかき出したものの、すでにゴールラインを割っていたとの判定で同点ゴールが認められた。

これで再びゴールが必要となったチェルシーだったが、相手守備の隙を突いて絶好機を創出。76分、フェリックスとのワンツーでボックス右に侵入したリース・ジェームズがゴッドフリー、タルコウスキと交錯してPKを獲得。これをキッカーのハヴァーツが冷静に右隅へ突き刺し、3試合連続ゴールとした。

その後、チェルシーはコバチッチやフェリックス、足が攣っていたフォファナを下げてロフタス=チーク、チュクエメカ、チャロバーと若手イングランド人プレーヤーを投入し、逃げ切り態勢に入った。

だが、諦めないエバートンが土壇場で底力を見せた。89分、ドゥクレのショートスルーパスに反応した途中出場のシムズがDFクリバリを振り切ってボックス左に侵入すると、絶妙な右足のシュートをファーポストに流し込み、値千金のトップチーム初ゴールとした。

2度のリードを守れなかったホームチームは、その後のアディショナルタイムで決死の猛攻に打って出たが、連続で得たセットプレーも相手の身体を張った守備に阻まれて万事休す。この結果、エバートンの粘りに屈したチェルシーは公式戦連勝が「3」でストップした。


関連ニュース
thumb

ユナイテッドがネイマール争奪戦で優位に? 本人は前向きか

マンチェスター・ユナイテッドがパリ・サンジェルマン(PSG)のブラジル代表FWネイマール(31)の獲得レースで優位に立っているかもしれない。フランス『フットメルカート』が報じている。 2017年夏から6シーズンに渡ってPSGでプレーしているネイマール。今季は2月に行われたリーグ・アン第24節リール戦で足首を負傷し、3月に手術を決行し、リハビリ中となっている。 PSGとネイマールの契約は2027年6月までとなっているが、こういったケガの多さやネイマールの振る舞いをPSGは評価していないため、放出を検討しているという。 つい最近では、PSGがリーグ2連覇を決めた第37節のストラスブール戦にネイマールが帯同していなかったことが話題となった。優勝の喜びをチームメイトと分かち合うことなく、F1世界選手権のモナコグランプリを観戦していたことが問題視されている。 そんなネイマールに対し、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシー、ニューカッスルが関心を寄せているという。ユナイテッドはすでにネイマールの代理人にアプローチをかけているとのこと。 そして、ユナイテッドのオーナー交代劇もネイマールの去就に関係してくるようだ。現在カタール人のシェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・サーニ氏が有力なユナイテッドの新オーナー候補とみなされている状況で、ネイマールはカタールやカタールの企業と深い関わりがある。そのため、シェイク・ジャシム氏がユナイテッドの新オーナーとなった暁には、ネイマールの獲得を推し進める可能性がある。 また、ネイマールにはサウジアラビアのクラブからもアプローチがあったようだが、ネイマールはこれを拒否したという。オールド・トラッフォードでプレーすることに心を惹かれているため、ユナイテッド移籍かPSG残留を有力な選択肢として考えているようだ。 いずれにせよ、まだヨーロッパに留まることを望んでいるというネイマール。プレミアリーグに挑戦する未来もあるのか。 2023.05.31 16:31 Wed
twitterfacebook
thumb

チェルシー、ザカリア返却へ…新指揮官ポチェッティーノの構想外

チェルシーはスイス代表MFデニス・ザカリア(26)を返却するようだ。 昨夏と今冬の超大型補強に2度の監督交代も振るわず、プレミアリーグでは移行後のクラブワーストとなる44ポイントの12位フィニッシュに終わったチェルシー。来季に向けてはマウリシオ・ポチェッティーノ氏の監督就任が決まったが、膨れ上がったスカッドの整理が次なる課題として残る。 そこでまず注目どころなのがレンタルプレーヤーの動向だ。その1人のザカリアだが、欧州の移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、ポチェッティーノ新監督の構想に入っておらず、チェルシーは買い取りオプションの行使を見送るという。 ザカリアは昨夏に買取オプション付きの1年ローンでチェルシー入りしたが、ケガもあり、公式戦を通じても11試合の出場のみに(1ゴール)。今後はひとまず保有元のユベントスに戻り、それから選択肢を見極めていく模様だ。 2023.05.31 13:15 Wed
twitterfacebook
thumb

8歳からチェルシーで過ごすDFスターリングがレンジャーズに完全移籍「オファーは必要だと信じているもの全てだった」

レンジャーズは30日、チェルシーの元U-20イングランド代表DFドゥジョン・スターリング(23)を完全移籍で獲得することを発表した。 契約期間は国際移籍証明書が発行されてからとなるが、7月1日からの4年間。事前の発表となり、新シーズンに向けた2人目の補強となった。 チェルシーのアカデミー育ちのスターリングは、コヴェントリー・シティやウィガン、ブラックプールへとレンタル移籍を経験。U-21チームに所属しながら、今シーズンはストーク・シティへとレンタル移籍していた。 右サイドバックを主戦場に左右のサイドバックでプレーが可能なスターリングは、今シーズンのチャンピオンシップ(イングランド2部)で26試合、FAカップで2試合に出場していた。 8歳から過ごすチェルシーでは、2017年9月のEFLカップでファーストチームデビュー。2試合プレーしたことがある。 スターリングはレンジャーズ移籍を受けてコメントしている。 「このようなビッグクラブに来ることができて本当に興奮している。多くの歴史があり、サポーターはとても情熱的で、とても興奮している」 「自分の将来についてこれほど早く決断できるとは思っていなかったが、監督はすぐに僕のところに来て、僕へのオファーは必要だと信じているもの全てだった」 「僕たちは波長が合っていた。彼は僕を信じていますし、僕も彼がやろうとしていることを信じているので、ここに来るのは簡単だった」 2023.05.31 09:55 Wed
twitterfacebook
thumb

散々なシーズンを過ごしたチェルシー、ポッター前監督は過剰な補強を幹部に警告「1億2100万ユーロは高過ぎ」

シーズン当初の予想とは大きく異なり、散々なシーズンを過ごすこととなってしまったチェルシー。補強の面でも問題があった事が明るみになった。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響を受け、ロマン・アブラモビッチ氏がオーナーを退任。クラブを売却すると、MLBのロサンゼルス・ドジャースの共同オーナーであり、NBAのロサンゼルス・レイカーズ、WNBAのロサンゼルス・スパークスの株式も持つアメリカの資産家トッド・ベーリー氏がオーナーに就任した。 クラブ買収が進み、新シーズンを迎えた中、その資金をバックに大型補強。ただ、スポーツ・ディレクター(SD)が存在しなかった影響もあり、望んでいた補強がほとんどできず、代替え案の選手を獲得することに。するとトーマス・トゥヘル監督も望んだ戦力が揃わず、9月に電撃解任される。 その中で新たな指揮官となったのが、グレアム・ポッター監督だ。日本代表MF三笘薫も所属するブライトン&ホーヴ・アルビオンを指揮していた中、チェルシーが引き抜くことに。ただ、ポッター監督が就任してからも、チーム状態は大きくは改善されなかった。 カタール・ワールドカップ(W杯)を挟み、巻き返しを図りたいチェルシーは、1月の移籍市場で大金をはたくことに。夏と合わせて6億ポンド(約1042億円)以上の大金を投じて大量に選手を補強したが、フィットさせる時間がなく成績は下降線をたどり、ポッター監督までも解任。最後はレジェンドであるフランク・ランパード監督に託したが、全く改善は見られず、12位という無惨な成績に終わった。 新シーズンからは、トッテナムやパリ・サンジェルマン(PSG)を指揮したマウリシオ・ポチェッティーノ監督を招へいすることを発表。チームの立て直しに着手してもらうことになるが、イギリス『ガーディアン』によれば、補強を巡った問題があったという。 1月には7選手を完全移籍で獲得し、アトレティコ・マドリーからポルトガル代表FWジョアン・フェリックスをレンタルで迎えた。この間チームを去ったのはアーセナルへと移籍したイタリア代表MFジョルジーニョのみ。膨れ上がったスカッドは、混乱を巻き起こすこととなった。 特に問題だったのは、その補強方法。本来チームとして必要だった選手ではなく、ライバルを混乱させるための見せつけの補強だったという指摘がある。 『ガーディアン』によれば、ポッター監督も過剰な選手獲得についてオーナーのベーリー氏に警告していたとのこと。ベンフィカから獲得したアルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスに関しては、1億2100万ユーロ(約181億4000万円)の値段がついていたが、「高過ぎる」と申告していたとのこと。ただ、クラブ幹部はこれを無視し、獲得に動いた。 結果として獲得に成功。監督の警告を無視した上、エンソ・フェルナンデスをはじめ、7年や8年という長期契約を多くの選手と結び、コスト分散を図っていったが、これも今後は禁じられることとなった。 成績も残せず、選手は膨大な数が所属。ファイナンシャル・フェア・プレー(FFP)が理由ではないとされているが、来シーズンはヨーロッパで戦うこともないため、明らかな過剰戦力を削減する必要がある。 また、ベーリー氏も監督解任の決断を誤ったとも感じていると報じられており、ポッター監督に任せる時間が短すぎたと考えているとのこと。チームを作っていくためには時間が必要なのは周知の事実だが、結果として解任後も改善しなかったのであれば、継続した方が改善の可能性は高かったかもしれない。 2023.05.30 23:47 Tue
twitterfacebook
thumb

フェリックスのアトレティコ帰還が決定…セレソ会長「ポチェは彼をカウントしていない」

ポルトガル代表FWジョアン・フェリックス(23)のアトレティコ・マドリー帰還が決定した。スペイン『アス』が報じている。 ディエゴ・シメオネ監督との確執の影響もあり、今冬の移籍市場でチェルシーに今季終了までの有償レンタルで加入したフェリックス。 デビュー戦となったフルアム戦での一発退場による3試合の出場停止以降は、持ち味のテクニックと創造性で一時攻撃を牽引する活躍を見せたが、公式戦20試合出場で4ゴールと不振のチームの救世主とはなれず。 ただ、アトレティコに居場所がないこともあり、買い取りオプションが含まれていなかったものの、チェルシーへの完全移籍が既定路線と見られていたが、マドリードのクラブの強気な値段設定の影響もあって交渉は停滞していた。 さらに、29日に新指揮官就任が発表されたマウリシオ・ポチェッティーノ新監督が、自身の来シーズンの構想に同選手を含めていないことが判明し、フェリックスのチェルシー退団が決定したようだ。 アトレティコのエンリケ・セレソ会長は30日、マドリード・コンプルテンセ大学で行われたディスカッションイベントの場でフェリックスの去就に言及。チェルシーサイドからの断りによって同選手がひとまず復帰することを明かした。 「我々が知らされてからまだ24時間も経っていない。チェルシーのポチェ(ポチェッティーノ)はジョアン・フェリックスをカウントしていない。契約が終了したら彼はここに戻り、その後に何が起こるか見てみるつもりだ。明確な計画はないが、彼はアトレティコ・マドリーのプレーヤーだ」 セレソ会長の言葉通り、現時点でフェリックスの去就は不透明な状況となっており、アトレティコ残留を含め今夏改めて今後のプランを検討することになる。 2023.05.30 22:30 Tue
twitterfacebook
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly