Jリーグ、今シーズンからオフサイドの判定に3Dを導入/六川亨の日本サッカー見聞録

2023.01.27 21:50 Fri
©︎JFA/PR
Jリーグの2023シーズンのレフェリングのスタンダードを説明する、毎年恒例の『レフェリーブリーフィング』が1月27日に夢フィールドで開催された。

今シーズンのJ1リーグでの大きな変更点は、オフサイドラインの判定に3Dが採用されることだ。これまでは2台のビデオカメラによる2Dで確認してきた。16mのラインによる確認だったが、これだとセンターライン付近にラインを引くことができなかった。

しかし中央と両ゴール裏に3台のビデオカメラを追加して、計5台にすることでオフサイドかオンサイドか立体的に判断できるようになった。例えば守備側の最後尾の選手の腰かお尻にオフサイドラインを設定できる(これまでは足のケースが多かった)。画面では青いラインで表示される。
一方、攻撃側の選手は、足元はオンサイドでも肩や頭がオフサイドというケースもある。そこで肩や頭から垂直に線を下に伸ばし(画面では赤いライン)、青い線より赤い線が敵陣に入っていたらオフサイドということになる。選手のどの部位をオフサイドラインに設定するかはVARの主観によるが、判定が出るまでには2分前後の時間が必要になるだろう。

この3Dの導入は昨年末にスタートしたため、「開幕したら(VARは)緊張するだろう。世界の流れは2Dから3Dなので、Jリーグも今シーズンから取り入れる」(東城JFA審判マネジャーJリーグ担当統括)ことにした。
それ以外の大きな変更点としては、昨シーズン中にすでに変更となっていた『オフサイドの意図的なプレーとディフレクション』だ。

オフサイドポジションにいる選手に味方からパスが出たとしよう。これを守備側の選手がインターセプトもしくはクリアしようとしてできず(ディフレクション)、オフサイドポジションにいる選手に渡った場合、これまでは「オンサイド」とされてきた。

しかし、とっさのプレーなど意図的ではない、「時間的な余裕がないプレーだった」(田中主審)場合は「オフサイドになる」ことが確認された。守備側の選手に余裕があり、明らかなクリアミスから攻撃側の選手にパスが渡った場合はこれまで同様、オンサイドとなる。

それ以外では大きな変更点はなく、確認事項の報告となった。

まず選手の安全確保のためにも、頭部を負傷した場合は「すぐにプレーを停止する」こと。ゴール前の攻防などでは攻撃側の選手・ファンもアドバンテージを望むかもしれないが、すぐにプレーを止めて、しかるべき処置を取るよう通達される。

そして安全に配慮しない著しく不正なプレーはレッドカードになること。例えボールにタックルに行ったとしても、その前後に足裏で相手のくるぶしや脛などを蹴った場合もレッドカードになる。

同様に、『得点または決定的な得点機会の阻止』についても、ペナルティーエリア内ならPKになるが、ボールにチャレンジしてのファウルの場合はイエローカード、ボールにプレーする可能性のないファウルはレッドカードになることも確認された。

ハンドに関しても、肩より上に上げるなど「身体を不自然に大きくして当たった場合はハンド」に変わりはない。このジャッジについて出席したある若手レフェリーは、「年々、選手のシュートは速くなっているので、ゴール前では腕しか見ていません」と告白していた。

最後は監督や控え選手の『ベンチマナー』について、ピッチ内に入ったりせず「責任ある態度で行動すること」を各チームに求めるそうだ。

カタールW杯ではサッカー専用スタジアムだったため、控え選手がウォーミングアップする場所がベンチの隣だったりして、ゴールのたびに控え選手がピッチに乱入するシーンが見られた。しかしJリーグは基本的にベンチ裏にウォーミングアップ場が設けられているため、選手がピッチに入るケースは少ないだろう。このため監督やコーチに向けたメッセージと言えるかもしれない。

J1リーグの開幕は2月17日だが、まずは3Dのオフサイドラインの設定画面がスタジアム内のオーロラビジョンに映し出されるのかどうか。これは実物を見ていただくのが一番分かりやすいだろう。

J1の関連記事

横浜F・マリノスが、「ファン・サポーターの皆さまへ」として声明を発表した。 今シーズンはスティーブ・ホーランド監督の下でスタートした横浜FM。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)と並行して戦うシーズンとなった中、明治安田J1リーグでは開幕4試合勝利なしとつまづいたスタートとなった。 その後、初白 2025.05.17 22:45 Sat
明治安田J1リーグ第17節の浦和レッズvsFC東京が17日に埼玉スタジアム2002で行われ、3-2でホームの浦和が勝利した。 リーグ戦2試合未勝利となっている4位浦和(勝ち点26)は、ドローで終えた前節のアルビレックス新潟戦からスタメンを4人変更。金子拓郎や松本泰志、長沼洋一、GK牲川歩見に代えて大久保智明、サミ 2025.05.17 18:20 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の湘南ベルマーレvs横浜FCがレモンガススタジアム平塚で行われた。 連敗を「2」でストップさせた湘南と、ミッドウィークに連勝を逃した横浜FCの一戦。湘南は前節と同じ11名をピッチに送り込むことに。中2日での試合となった横浜FCは4名を変更し、伊藤槙人、駒井善成、室井彗佑、櫻川ソロ 2025.05.17 17:30 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の鹿島アントラーズvs清水エスパルスが県立カシマサッカースタジアムで行われた。 現在6連勝で首位を快走中の鹿島と、3試合勝利がない清水の対戦。鹿島は前節から3名を変更。荒木遼太郎、三竿健斗、レオ・セアラが外れ、ターレス・ブレーネル、知念慶、田川亨介が入った。 対する清水は2 2025.05.17 17:02 Sat
thumb 17日、明治安田J1リーグ第17節でアビスパ福岡と名古屋グランパスがベスト電器スタジアムで対戦した。 一時は首位に立つも6戦未勝利で12位まで転落した福岡。3連敗中と苦しい流れの中、前節からは4名を変更。永石拓海、橋本悠、見木友哉、シャハブ・ザヘディが外れ、村上昌謙、田代雅也、前嶋洋太、紺野和也が入った。 2025.05.17 16:35 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly