W杯のMVPミニヒストリーとOB会/六川亨の日本サッカー見聞録

2022.12.22 22:00 Thu
Getty Images
W杯出場5度(06年〜22年)はローター・マテウス(82年〜98年)らと並んで最多タイ、そして通算出場試合数はマテウス(ドイツ)を抜いて1位の26。10代、20代、30代の各年代でゴールを決めたのも史上初。そしてW杯通算得点は、1位のミロスラフ・クローゼ(ドイツ)の16点に3点及ばず13ゴールだが、それでもペレを抜いて4位タイ――これがカタールW杯でリオネル・メッシが達成した個人記録である。
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2位のロナウド(ブラジル/15点)、3位のゲルト・ミュラー(西ドイツ/14点)ら上位3人は純粋なストライカー(セントラルFW)のため、当然と言えば当然だし、むしろメッシの記録は際だっていると言っていい。今大会は1点及ばず“ゴールデン・ブーツ(得点王)"をキリアン・ムバッペ(フランス)に譲ったものの、7ゴールならその資格は十分にあった。
そして“ゴールデン・ボール(MVP)"を14年ブラジルW杯に続いて受賞したが、2度の受賞も史上初。そして35歳での受賞は、06年ドイツW杯のジネディーヌ・ジダン(フランス)の34歳を抜いて最年長記録を更新した。

まさにカタールW杯は「メッシの大会」だったと言っていい。
この“ゴールデン・ボール"だが、FIFA(国際サッカー連盟)が正式に制定したのは参加チームが24に拡大された1982年スペインW杯からだった。

当時もいまも、決勝戦を前に記者の投票によって決まるシステムは同じだ。このため決勝の試合内容や結果が反映されることはないため、必ずしも優勝チームから選出されるとは限らない。

近年の結果を見ても、前回ロシアW杯は準優勝に終わったクロアチアのモドリッチだったのは周知の通り。14年ブラジルW杯も準優勝だったメッシで、10年南アW杯は4位に躍進した古豪ウルグアイのディエゴ・フォルランだった。

06年ドイツW杯は決勝戦でPK戦により準優勝に終わったジダン(初優勝した98年自国開催のW杯でMVPを獲得していないのも驚きである)。02年日韓W杯も準優勝ドイツのGKオリバー・カーン(33歳)である。そして98年フランスW杯も準優勝のロナウド(ブラジル)だった。

逆に優勝チームから選出されたのが、初めて導入された82年スペインW杯のパオロ・ロッシ(イタリア)、86年メキシコW杯のディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)、94年アメリカW杯のロマーリオ(ブラジル)の3人だ。90年イタリアW杯は自国開催で3位に食い込み、得点王も獲得したサルバトーレ・スキラッチが受賞している。

ちなみにロッシも得点王とのダブルタイトルで、ロッシ、マラドーナ、スキラッチとも25歳と全盛時でのタイトル獲得だった。

話をカタールW杯に戻そう。今大会には世界各国から過去のW杯に出場した名選手がゲストとして招待された。VIP席にいる様子をテレビカメラが映したことで、往年の名選手の現在の姿を目撃したファンも多かったのではないだろうか。

古くは78年アルゼンチンW杯の得点王マリオ・ケンペスから、最多出場記録の保持者だったマテウス、フランスW杯MVPで、かなり恰幅の良くなったロナウドやロベルト・カルロス、ロナウジーニョ、ジダンに頭突きを見舞われたマルコ・マテラッツィもいたようだ。

残念ながら“キング"ペレは入院中のため、その姿を見ることはできなかった。そしてもう1人、「メッシと一緒にワールドカップをピッチで掲げられたら最高だな」と思わずにいられなかったのが、10年南アW杯では監督としてメッシを指導したマラドーナだった。

試合後の表彰式で、ワールドカップのトロフィーを表彰台まで運んだのは、かつて鳥栖フューチャーズ(現サガン鳥栖)や福岡ブルックス(現アビスパ福岡)で監督やコーチを務めたセルヒオ・バチスタだった。さすがに日本でもプレーした経験があるのでテレビの解説者は紹介していたが、一緒にトロフィーを運んだグレーのスーツ姿のGKネリー・プンピードについては一切紹介がないのは寂しかった。

2人とも86年メキシコW杯の優勝メンバーということで選ばれたと思われるが、もしもマラドーナが存命なら、間違いなく彼がトロフィーを運んだことだろう。

そしてローマ経由の特別機がブエノスアイレスの空港に着き、飛行機のドアが開いた瞬間にワールドカップのトロフィーを持って最初に現れるのもマラドーナとメッシの2人だったに違いない。

500万人とも言われる大群衆が集まったブエノスアイレスでの凱旋パレードや、共和国広場のオベリスク周辺の様子をテレビで見ながら、36年前を思い出して感傷に浸ってしまった。

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