Jリーグの「13人」で試合成立は見直しが必要か?/六川亨の日本サッカー見聞録

2022.08.04 21:10 Thu
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ここ1、2週間のこと。朝、パソコンを立ち上げてメールをチェックすると、必ずと言っていいほどJリーグの各クラブから「新型コロナウイルス感染症 陽性判定のお知らせ」というメールが届いている。ほぼ毎日の出来事だ。最近ではJリーグのクラブだけでなく、WEリーグのクラブからも届くようになった。

ところが4日は珍しくメールが届かないと安心していたら、14時過ぎにJFA(日本サッカー協会)から「FIFA U-20女子W杯コスタリカ2022に参加するU-20日本女子代表の選手1名およびスタッフ1名から新型コロナウイルス陽性反応が認められました」というメールが届いた。

さらに18時にはJ2のFC琉球からも「トップチーム選手2名 新型コロナウイルス感染症 陽性判定のお知らせ」とのメールだ。19時過ぎには京都サンガやJリーグからも陽性判定された選手や審判員がいたとの連絡があった。日本全国で感染が拡大しているのだから、Jリーガーを始めとする男女のサッカー選手・審判も例外ではないということだ。
そうした状況で、7月30日のJ1リーグ、浦和レッズ対川崎フロンターレ戦で、川崎Fは9人の陽性者がいたためスタメン11名+リザーブメンバー7人の計18人を揃えることはできなかった。何とかリザーブメンバーにGK3人を含む5人を揃え、試合開催にこぎ着けたものの1-3で敗れたのは周知の通り。

昨日3日のルヴァン杯の準々決勝第1戦のヴィッセル神戸対アビスパ福岡戦では、福岡が前日に選手、スタッフら9人が陽性判定を受け、リザーブメンバーはGK2人を含む4人で試合に臨んだ。それでも福岡は2点を先制する奮闘を見せ、敵地での第1戦を2-1でモノにした。
いずれもJリーグの規約で、GK1名を含む13人を揃えれば試合の開催は可能だったため、複数人のGKをリザーブメンバーに登録して試合を決行した。

ここで難しいのが、例えばサガン鳥栖対川崎F戦、川崎F対名古屋グランパス戦は中止(延期)になった。その理由は管轄の保健所が「3日間の活動停止」を命じたからだ(後に名古屋は保健所からの指示を誤認して中止を申し入れたため、Jリーグが経緯を調査中)。ところが川崎市の保健所は「活動停止」を命じなかったため、川崎Fは人数を揃えて浦和戦に臨むことになった。

JリーグとNPBによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」では、試合開催の可否やスタジアムの収容人数の何パーセントまで観客を入れられるかなど、コロナに関する最終判断は各自治体や保健所と相談して決めるように推奨している。専門家の判断を仰ぐのは当然だろう。

しかし現状ではバラつきがあるのも事実である。だからといって、首都圏のチーム――例えば川崎と、鳥栖のような地方のチーム――では医療体制の規模にも違いがあるため一律に判断することは難しい。このため「活動停止」の判断は、Jリーグではなく保健所に委ねざるを得ない。

そこでJリーグに提案したいのが、「13人で試合成立」というハードルの見直しである。新型コロナウイルスの影響で、「交代枠」が5人、交代回数はハーフタイムを除き3回まで増え、「飲水タイム」が設けられた。それは現在、世界的なルールになっている。

今年の日本は例年にない夏日の続く真夏を迎えている。そこで「13人」で試合を開催して、選手の安全面で問題はないのかどうか。

そしてもう1点、見直して欲しいのが、「各試合のエントリー基準は13名以上(エントリーの下限を13人としており、必ずGK1名を含むもの)。エントリーできない場合は中止となります。中止した場合はまず代替日を最優先で探す。しかし、それも取れない場合はみなし開催として、責のあるチームの0-3の敗戦」(黒田卓志フットボール本部長)というルールだ。

もしも新型コロナウイルスの影響で試合開催が不可能になり、中止試合が増えたとしよう。代替開催で消化できればいいが、それができないと0-3の敗戦になってしまう。それを避けるため、何が何でも13人を揃えて試合を開催しようとするチームが出てくるとも限らない。

昨シーズンに比べて今シーズンは新型コロナを取り巻く状況も変わってきた。第7波が訪れても、ワクチンが浸透したことなどで重症化するケースが減り、さらに経済活動を回すため、簡単に緊急事態宣言は発令されなくなった。そうした現状を踏まえて、柔軟にルールを運用して欲しい。

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