声出し応援は成功。そしてアジアカップの代替地は?/六川亨の日本サッカーの歩み

2022.06.21 21:00 Tue
Getty Images
Jリーグは6月21日に実行委員会後、ズームによる会見で先々週の声出し応援2試合の結果を発表した。11日の鹿島対福岡戦(カシマスタジアム)、12日の東京V対岩手戦(味の素スタジアム)のゴール裏下段を声出し応援エリアに指定。格子模様にサポーターを配置し、不織布マスクの着用で声出し応援を許可した。
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結果はというと、産総研の担当者が「あまりに良すぎる」と驚くほどで、「不織布マスクの着用で飛沫はほとんど見られなかった」そうだ。今後は7月に6試合、サポーターを市松模様に配しての声出し応援を実施する予定でいる。最終的には2019年以前のように100パーセントの観客で、マスクなしでの声出し応援が理想になるが、まだいつになるのかゴールは見えていない。
声出しエリアを設定すると入場者は50パーセントに制限されるため、入場料収入を上げたいクラブは“声出し応援”より100パーセントの入場者を優先したいというジレンマを抱えている。

それでも、例えば20日のNPB(日本野球機構)とJリーグによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」後のブリーフィングはドクターの報告後、記者から質問は1つも出ずにわずか18分で終了した。それだけコロナが沈静化傾向にある証拠と言っていいだろう。
さて今週はアジアカップに動きがありそうなので現状をおさらいしてみた。本来なら23年に中国各地で開催予定だったが、新型コロナの感染拡大で上海をロックダウンするなど危機的な状況にある。このため開催を返上したのが先月のことだった。

これを受けて日本を始めUAE、カタール、オーストラリアらが招致に手を上げた。さらに韓国も立候補し、サウジアラビアとインドも開催の意思を示しているそうだ。そして東アジアで開催なら6月が濃厚で、西アジアでの開催なら近年がそうであるように1月開催となる。

今から66年前に誕生した大会は、当初は4カ国でスタートした。日本は1992年に広島で開催し、決勝戦では高木琢也の決勝点でサウジアラビアを下して初優勝を飾った(監督はハンス・オフト)。その後もフィリップ・トルシエ監督で2000年のレバノン大会、ジーコ監督で2004年の中国大会、さらにアルベルト・ザッケローニ監督で2011年のカタール大会で優勝と、最多のタイトルを獲得している。

そんな歴史ある大会の開催地がどこになるのか。近年の歴史を振り返ると、前回2019年の開催国であるUAEと、前々回の2015年に開催したオーストラリアは、いくら何でも開催年が近すぎる。今年はW杯を開催するカタールも2011年に開催しているのだからこの3カ国は除外してもいいだろう。

その点、日本は1992年だから31年ぶり2度目の開催ということになる。W杯の開催から20年以上が経過し、スタジアムも老朽化している部分があるかもしれない。これを機に改修してはいかがだろうか。

ただし、日本に次ぐ3度の優勝を誇るサウジアラビアは一度もアジアカップを開催したことがない(インドも同じ)。さらに韓国も1960年の第2回大会を開催して以来63年も遠ざかっている(優勝も第1回大会と第2回大会の2回だけ。準優勝と3位は各4回)。

日本と同様にW杯を開催しているため韓国のスタジアムのキャパシティに問題はないはずだ。果たしてAFC(アジアサッカー連盟)がどんな結論を出すのか。「中国が開催権を返上したのだから、代替地は同じ東アジアで」という理屈がAFCに通用するのかどうか。JFA(日本サッカー協会)の交渉力も含めて要注目だ。


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