声を出せるエリアと出せないエリアの棲み分けが必要になるか/六川亨の日本サッカーの歩み

2022.04.18 19:30 Mon
©超ワールドサッカー
先週末にJリーグの試合が各地で行われ、まず16日の土曜日はJ2リーグでホームに千葉を迎えた大宮が河田篤秀の2ゴールで2-1と逃げ切りに成功。10試合目にして今シーズン初勝利を奪った。
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翌17日の日曜にはJ1リーグの湘南が、終了間際の後半45分に山本脩斗の決勝点でG大阪を下して初白星。開幕9試合目にして勝点3を獲得した。この結果、今シーズン未勝利なのはJ1リーグで最下位の神戸と、J3リーグ最下位のY.S.C.C横浜(1分け5敗)の2チームだけとなった。神戸はケガ人が続出したうえに、現在はACL(アジアチャンピオンズリーグ)を戦うためタイに遠征中だ。
そんな神戸にとって救いと言えるのが、上海海港がロックダウンの影響により出場を辞退したことだろう。この結果、グループJは神戸、傑志SC、チェンライ・ユナイテッドという今大会唯一の3チーム構成に変更された。

試合数が2試合減り、日程も多少は緩和された。ロティーナ監督にとってもチーム状況を把握する余裕が少しはでたのではないだろうか。
さて18日の月曜は定例の新型コロナウイルス対策連絡会議が開催された。一時期に比べて知見も高まったため記者からの質問も激減し、1時間ほどで会議は終了している。今回の会議で興味深かったテーマが「いつになったらマスクをしながら声を出して応援できるのか」ということだった。

座長の賀来満夫ドクター(東北医科薬科大学)は「応援のあり方をどうするかは大きな課題。世界では国によって状況が違う。少しずつ産総研(産業技術総合研究所)で実証実験を始めている」と報告しつつ、スタジアムには「神経質な人もいる。そうした人のためのゾーンも必要かもしれない」と社会情勢の変化についても触れた。

なるほどと思ったものだ。現状、マスクをしないで外出することはまずありえないだろう。マスクを忘れて自宅に戻った経験も複数回あるし、そのため靴箱の横にフックを貼ってマスクを掛けておくようにした。こうすれば、外出時に嫌でもマスクが目にはいるためつけ忘れることはない。

今冬、マイカーで灯油を買いに最寄りのガソリンスタンドへ行った時のこと。車中ではマスクを外していて、そのまま気付かず灯油をポリタンクに給油していたら、あとから買いに来た女性にあからさまに眉をしかめられた。最初は理由がわからなかったが、たぶんマスクをしていなかったからだろうと気付かされた。

かつて飛行機には喫煙席と禁煙席の2種類があった。新幹線にもあったし、飲み屋や喫茶店は基本的に喫煙オーケーだった。しかし時代は変わり、分煙スペースを設けているお店の方が少ないくらい禁煙は一般的になった。飛行機は全面禁煙になり、新幹線も喫煙車両は限られ、愛煙家は肩身の狭い思いをしていることだろう。

それと似たようなことが、賀来ドクターが指摘したようにスタジアム内でマスクをしつつ、声を出してもいいエリアと、出してはいけないエリアに分けられるかもしれない。マスクをしていても飛沫感染を恐れる人はいるだろう。そうしたファン・サポーターのためのエリアを確保する必要に迫られるかもしれない。

そしてそれは、飛行機や新幹線を始め、在来線でも時間帯によって「女性専用車両」があるように、マスクをしているなら声を出していいエリアと、出してはいけないエリアに分けられる可能性もある。お互いに不快な思いをしたり、諍いが起こらないようにしたりするには必要な処置といえるだろう。

マスクをせずに、普通に声を出せる日常が戻ることはあるのだろうか。


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