毎日12時間労働、3年休みなしも…カタールW杯の裏での移民労働者の実態が浮き彫りに

2022.04.07 17:45 Thu
Getty Images
グループステージの組み合わせも決定し、いよいよ11月に開幕を控えるカタール・ワールドカップ(W杯)だが、やはり労働の問題が浮き彫りになった。イギリス『BBC』が伝えた。

予てからカタールW杯に向けての移民労働者の問題が取り沙汰されている中、新たにレポートが発行。国際連合との協議資格をもつ非政府組織(NGO)の「アムネスティ」は、8つの民間警備会社から34人の従業員のレポートを受け取った。

そのレポートによると、移民労働者は休日なしで何カ月、または何年も労働させられているという事実があるとのことだ。
また、ほとんどの人が、雇用主はカタールの法律で義務付けられている毎週の休暇を尊重することを拒否。休みを取った場合は、労働者は恣意的な賃金控除で罰せられることになったという。

これらの労働者は、カタールW杯に向けたスタジアムの建設や、W杯に必要不可欠なインフラのプロジェクトを担当する民間企業に雇用されていたようだ。少なくともその企業は3社あるという。
国際サッカー連盟(FIFA)とワールドカップを担当するSC(Supreme Committee for Delivery&Legacy)が、この3社の内、2社と契約を更新しなかったが、「アムネスティ」はこの件についてコメントした。

「どちらの機関とも、この契約解除が責任を持って、透明性を持って、最後の手段として行われたかどうかを評価するのに、十分な詳細を提供しなかった」

「彼らは虐待をタイムリーに特定して対処しなかったことで、この失敗をさらに悪化させていた」

一方で、SCはこの件について声明を発表。問題について措置を取ったとした。

「残念ながら、2020年のクラブ・ワールドカップと2021年のアラブカップにおいて、3社が様々な分野でコンプライアンス違反を犯していることが発覚した」

「これらの違反は全く容認できず、労働省に報告する前に、請負業社を監視リスト、またはブラックリストに登録し、FIFAワールドカップを含む今後のプロジェクトに従事しないようにするなど、様々な措置を実施した」

また、FIFAも「ワールドカップの準備と実施に関与する企業による労働者の虐待を受け入れない」と声明を出し、「クラブ・ワールドカップとアラブカップでの調査の結果、必要な基準を満たしていない請負業者が特定され、その場で問題が解決された」とし、すでに問題は解決したとしている。

カタールでは週の労働時間は残業を含めて最大で60時間に制限されているとのこと。労働者は、毎週1日分の有給を取ることができる。

しかし、「アムネスティ」が話を聞いた34人の警備員のうち29人が、1日12時間を定期的に働いていると回答。28人は、休日を定期的に拒否されていると告白したという。中には数カ月休みがなかったと語るケニア人や、「3年間休みがなかった」と語るバングラデッシュ人もいたという。

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