コロナ蔓延のマドリーがカディスとゴールレス…シュート36本放つも堅守破れず公式戦連勝が「10」でストップ《ラ・リーガ》

2021.12.20 07:03 Mon
Getty Images
ラ・リーガ第18節、レアル・マドリーvsカディスが19日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、0-0のドローに終わった。

前節、昨季王者のアトレティコ・マドリーとのダービーに2-0で完勝し、公式戦10連勝を達成した首位のレアル・マドリー(勝ち点42)。ただ、今週に入ってモドリッチ、マルセロ、アセンシオ、ベイル、ロドリゴ、ルニンと合計6名の新型コロナウイルス感染者を出すクラスターが発生。降格圏の18位に沈むカディス(勝ち点13)を相手に更なる連勝を目指した一戦では、ピッチ上での好調とは裏腹に思わぬ形で窮地に晒されることになった。

アンチェロッティ監督はこの緊急事態を受け、ダービーから先発3人を変更。モドリッチ、アセンシオの代役にバルベルデ、アザールを起用したほか、筋肉系に問題を抱えるカルバハルに代えてルーカス・バスケスを起用。また、負傷明けのセバージョスや19歳MFピーター・ゴンサレスを初めてベンチに入れた。
アザール起用によって[4-4-2]への変更も予想されたマドリーだったが、ベルギー代表FWを右ウイングに配置する[4-3-3]の形でスタート。守備時に6バックに近い形で守るカディスの守備に対して、バスケスとメンディの両サイドバックが常に高い位置を取って幅を取りながら流動的な3トップを起点に揺さぶりをかけていく。

開始7分にベンゼマのスルーパスに抜け出したヴィニシウスがボックス内でGKと一対一のチャンスを迎えるが、ここはうまくシュートコースを消されてしまう。
以降は中央を徹底的に固める相手の守備を前に、なかなか中央でのコンビネーションやヴィニシウスやベンゼマの個人技で局面を打開できず。クロースやメンディが相手守備を引き出すために積極的に遠めの位置から足を振っていく。その流れの中で23分にはペナルティアーク付近のバルベルデが強烈なミドルシュートを枠の左へ飛ばすが、ここはGKレデスマのビッグセーブに阻まれる。

その後、徐々にカディスが狙うロングカウンターの形が出始めるが、ミリトンを中心とするマドリーの守備陣が決定機まで持ち込ませない。そして、前半半ばから終盤にかけては完全に我慢比べの様相を呈す。何とか前半の内にゴールをこじ開けたいホームチームだが、ヴィニシウスとベンゼマが徹底マークに遭った上、バスケスやバルベルデとの右サイドでの連携で局面打開が期待されたアザールがリズムに乗れず。攻撃が手詰まりした状況でハーフタイムを迎えることになった。

後半も試合展開に大きな変化はなし。引き続き相手を押し込み、“点と点”での崩しを試みるマドリーは56分、クロースの浮き球パスに反応したアザールがゴール前フリーでヘディングシュートを試みるが、これは当たりが薄くGKレデスマのセーブに遭う。

それでも、より中央に立ち位置を取ってボールに絡み始めたアザールを起点に良いコンビネーションプレーが生まれ始めると、ヴィニシウスが立て続けにボックス内で仕掛けてシュートまで持ち込むなど、前半にはあまり感じられなかったゴールの匂いをさせる。ただ、カディスも前半同様に最後の局面で高い集中力を見せ、水際でピンチを凌ぐ。

あと一押しでゴールをこじ開けられそうな状況の中、アンチェロッティ監督はバルベルデを下げて70分にヨビッチを投入。この交代で並びを[4-4-2]の形に変更した。攻撃的な布陣変更によって攻勢を強めるマドリーは、相手陣内でハーフコートゲームを展開。アザールとのパス交換でゴール前に抜け出したベンゼマのGKとの一対一や、再三のセットプレーから力業でゴールをこじ開けにかかるが、人海戦術で守るアウェイチームの堅守をあと一歩で破れない。

その後、試合終了間際にはバスケスの仕掛けからボックス手前右の好位置でFKを獲得。だが、キッカーのアラバのシュートは壁に阻まれ、こぼれ球に反応したクロースのシュートはGK正面を突いた。

そして、シュート36本枠内9本と試合を通して攻め立てながらもカディスの堅守を破れなかったマドリーは、思わぬ伏兵相手のゴールレスドローによって公式戦の連勝を「10」でストップされた。

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