【ラ・リーガ注目プレビュー】覇権争いを大きく左右する今季最初の首都決戦!
2021.12.12 12:00 Sun
ラ・リーガ第17節、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーによるマドリード・ダービーが、日本時間12日29:00にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフされる。覇権争いを大きく左右する今季最初の首都決戦だ。現在、2位以下に8ポイント差を付けて首位を快走するレアル・マドリー(勝ち点39)は前節、絶好調のFWヴィニシウスと負傷のFWベンゼマとの交代で入ったFWヨビッチの2ゴールによって難敵レアル・ソシエダを撃破。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)のグループ最終節ではインテルとの首位攻防戦をMFクロース、FWアセンシオのゴラッソ2発で勝ち切り、公式戦9連勝でのグループ首位通過を決めた。
そして、攻守にそつのないアンチェロッティ率いるエルブランコは、久々のサンティアゴ・ベルナベウでの有観客でのダービーでは、昨季プリメーラ王者を相手に10連勝を狙う。
一方、4位のアトレティコ(勝ち点29)は前節、昇格組マジョルカ相手のホームゲームでFWクーニャのゴールによって先制に成功したものの、相手のセットプレーで追いつかれると、後半アディショナルタイムには途中出場のMF久保建英に今季初ゴールを献上して痛恨の逆転負けとなった。
それでも、ポルト、ミランとの三つ巴の2位争いとなったCLでは難所ポルトガルの地で不屈の戦いを披露。終始守勢を強いられながらも、守護神オブラクの好守で流れを引き寄せると、後半にFWグリーズマンが3ゴールに絡む活躍をみせ、3-1の勝利。加えてリバプールのアシストもあり、最下位からの見事な逆転突破を決めた。敵地でのダービーに向けては攻守に盤石のレアル相手に苦戦必至も、久々に見せたシメオネのチームらしいエモーショナルな勝利が大きな後押しとなるはずだ。
◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽レアル・マドリー予想スタメン

GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、アラバ、メンディ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:MFセバージョス
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては前節のソシエダ戦でハムストリングを痛め負傷交代したエースFWベンゼマの出場が危ぶまれていたが、無事メンバー入りを果たしている。
スタメンに関しては前述の11人を予想したが、ヴィニシウスを除く3トップの人選に関しては変更の可能性がある。負傷明けのベンゼマがスタートから難しい場合はヨビッチが代役に入り、右ウイングに関してはロドリゴの起用も考えられる。
◆アトレティコ・マドリー◆
【3-5-2】
▽アトレティコ・マドリー予想スタメン

GK:オブラク
DF:フェリペ、コンドグビア、エルモソ
MF:マルコス・ジョレンテ、デ・パウル、コケ、レマル、カラスコ
FW:クーニャ、グリーズマン
負傷者:DFサビッチ、ホセ・ヒメネス、ヴルサリコ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはサビッチ、ホセ・ヒメネスに加え、直近のポルト戦で頬骨を骨折したヴルサリコが欠場となる。一方で、そのポルト戦で負傷交代したスアレスはトリッピアーらと共に全体練習に復帰しており、起用可能だ。
システムに関しては[3-5-2(3-4-2-1)]を継続する見込みだが、トリッピアー、ロージと本職のサイドバックを起用した[4-4-2]への変更もオプションとして想定される。
スタメンは採用する布陣によって若干のメンバー変更が考えられるが、前述の11人の起用を予想。グリーズマンの相棒に関しては好調のクーニャが有力だが、コンディションが問題なければ本来の主力のスアレス。アンヘル・コレアやフェリックスにもチャンスがありそうだ。
★注目選手
◆レアル・マドリー:MFトニ・クロース

レアルの注目プレーヤーはエルブランコが誇る精密MF。6年ぶりに復帰したアンチェロッティ監督の下、モドリッチと共に第一次政権と変わらずに中盤を取り仕切るクロース。世界屈指のキック精度、パスセンスを武器に、今季も絶妙なゲームメイク能力を発揮。さらに、今年7月のドイツ代表引退によってクラブの戦いに専念したことで、30歳を過ぎてよりダイナミックなプレーが増えている。
イタリア人指揮官は阿吽の呼吸を見せる“黄金の中盤”に対して、自由を与えていると公言しているが、今季に関してはカゼミロがよりどっしりと中盤の底に構えてバランスを取っている印象だ。また、ビルドアップの局面で抜群の働きを見せるアラバの加入によってクロースはピボーテよりもインテリオールの仕事に比重が傾いており、今季はより相手陣内の深い位置で崩しやフィニッシュの局面に絡んでいる。ラ・リーガでは1ゴールも、CLでは2ゴールを挙げており、2019–20シーズンに記録したレアルでのキャリアハイとなる6ゴールの更新が期待される。
今回のダービーでは相手のフィジカルな中盤に対して、相棒2人と優位性をもたらすと共に、後ろに重い5バックで徹底的にスペースを消してくる相手の守備バランスを崩すダイナミックなオフ・ザ・ボールの動き、直近のインテル戦でも披露した両足から繰り出される高精度のミドルシュートで、ゴールに絡む仕事を期待したい。
◆アトレティコ・マドリー:FWアントワーヌ・グリーズマン

アトレティコの注目プレーヤーはいよいよ本領発揮の元エース。今夏の移籍市場最終日にバルセロナから物議を醸す形で2年ぶりの古巣帰還を果たしたフランス代表FW。過去に一度クラブを裏切る形となったことで、大半のサポーターからの厳しい視線に晒された中、シーズン序盤はチームの新スタイルへの順応、新たなチームメイトとの連携構築に苦戦を強いられ、ほぼ“消えている”低調なパフォーマンスに終始した。
それでも、CL第2節のミラン戦での復帰後初ゴールをキッカケに周囲の信頼を掴み始めると、10月以降は公式戦6ゴール3アシストとかつての輝きを取り戻している。とりわけ、前々節のカディス戦、直近のCLポルト戦ではチームのほとんどの決定機に関与するなど、エースとしての存在感を示した。
復帰後初のダービーでは相棒スアレスが万全の状態ではないこともあり、エースとしての真価が試されるところだ。バルセロナ在籍時のレアル戦は4戦連続無得点に終わっていたが、2019年2月の直近のダービーでは1ゴールを挙げており、約3年ぶりとなる今回のダービーでも決定的な仕事を果たしたい。
そして、攻守にそつのないアンチェロッティ率いるエルブランコは、久々のサンティアゴ・ベルナベウでの有観客でのダービーでは、昨季プリメーラ王者を相手に10連勝を狙う。
それでも、ポルト、ミランとの三つ巴の2位争いとなったCLでは難所ポルトガルの地で不屈の戦いを披露。終始守勢を強いられながらも、守護神オブラクの好守で流れを引き寄せると、後半にFWグリーズマンが3ゴールに絡む活躍をみせ、3-1の勝利。加えてリバプールのアシストもあり、最下位からの見事な逆転突破を決めた。敵地でのダービーに向けては攻守に盤石のレアル相手に苦戦必至も、久々に見せたシメオネのチームらしいエモーショナルな勝利が大きな後押しとなるはずだ。
なお、ラ・リーガにおけるここ数年のダービーではレアルが直近4勝6分けの10戦無敗と圧倒的な戦績を収めている。ただ、アンチェロッティ監督とシメオネ監督の対戦成績は、アルゼンチン人指揮官が6勝4分け5敗とわずかながら優位に立っている。
◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽レアル・マドリー予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、アラバ、メンディ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:MFセバージョス
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては前節のソシエダ戦でハムストリングを痛め負傷交代したエースFWベンゼマの出場が危ぶまれていたが、無事メンバー入りを果たしている。
スタメンに関しては前述の11人を予想したが、ヴィニシウスを除く3トップの人選に関しては変更の可能性がある。負傷明けのベンゼマがスタートから難しい場合はヨビッチが代役に入り、右ウイングに関してはロドリゴの起用も考えられる。
◆アトレティコ・マドリー◆
【3-5-2】
▽アトレティコ・マドリー予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:オブラク
DF:フェリペ、コンドグビア、エルモソ
MF:マルコス・ジョレンテ、デ・パウル、コケ、レマル、カラスコ
FW:クーニャ、グリーズマン
負傷者:DFサビッチ、ホセ・ヒメネス、ヴルサリコ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはサビッチ、ホセ・ヒメネスに加え、直近のポルト戦で頬骨を骨折したヴルサリコが欠場となる。一方で、そのポルト戦で負傷交代したスアレスはトリッピアーらと共に全体練習に復帰しており、起用可能だ。
システムに関しては[3-5-2(3-4-2-1)]を継続する見込みだが、トリッピアー、ロージと本職のサイドバックを起用した[4-4-2]への変更もオプションとして想定される。
スタメンは採用する布陣によって若干のメンバー変更が考えられるが、前述の11人の起用を予想。グリーズマンの相棒に関しては好調のクーニャが有力だが、コンディションが問題なければ本来の主力のスアレス。アンヘル・コレアやフェリックスにもチャンスがありそうだ。
★注目選手
◆レアル・マドリー:MFトニ・クロース

Getty Images
レアルの注目プレーヤーはエルブランコが誇る精密MF。6年ぶりに復帰したアンチェロッティ監督の下、モドリッチと共に第一次政権と変わらずに中盤を取り仕切るクロース。世界屈指のキック精度、パスセンスを武器に、今季も絶妙なゲームメイク能力を発揮。さらに、今年7月のドイツ代表引退によってクラブの戦いに専念したことで、30歳を過ぎてよりダイナミックなプレーが増えている。
イタリア人指揮官は阿吽の呼吸を見せる“黄金の中盤”に対して、自由を与えていると公言しているが、今季に関してはカゼミロがよりどっしりと中盤の底に構えてバランスを取っている印象だ。また、ビルドアップの局面で抜群の働きを見せるアラバの加入によってクロースはピボーテよりもインテリオールの仕事に比重が傾いており、今季はより相手陣内の深い位置で崩しやフィニッシュの局面に絡んでいる。ラ・リーガでは1ゴールも、CLでは2ゴールを挙げており、2019–20シーズンに記録したレアルでのキャリアハイとなる6ゴールの更新が期待される。
今回のダービーでは相手のフィジカルな中盤に対して、相棒2人と優位性をもたらすと共に、後ろに重い5バックで徹底的にスペースを消してくる相手の守備バランスを崩すダイナミックなオフ・ザ・ボールの動き、直近のインテル戦でも披露した両足から繰り出される高精度のミドルシュートで、ゴールに絡む仕事を期待したい。
◆アトレティコ・マドリー:FWアントワーヌ・グリーズマン

Getty Images
アトレティコの注目プレーヤーはいよいよ本領発揮の元エース。今夏の移籍市場最終日にバルセロナから物議を醸す形で2年ぶりの古巣帰還を果たしたフランス代表FW。過去に一度クラブを裏切る形となったことで、大半のサポーターからの厳しい視線に晒された中、シーズン序盤はチームの新スタイルへの順応、新たなチームメイトとの連携構築に苦戦を強いられ、ほぼ“消えている”低調なパフォーマンスに終始した。
それでも、CL第2節のミラン戦での復帰後初ゴールをキッカケに周囲の信頼を掴み始めると、10月以降は公式戦6ゴール3アシストとかつての輝きを取り戻している。とりわけ、前々節のカディス戦、直近のCLポルト戦ではチームのほとんどの決定機に関与するなど、エースとしての存在感を示した。
復帰後初のダービーでは相棒スアレスが万全の状態ではないこともあり、エースとしての真価が試されるところだ。バルセロナ在籍時のレアル戦は4戦連続無得点に終わっていたが、2019年2月の直近のダービーでは1ゴールを挙げており、約3年ぶりとなる今回のダービーでも決定的な仕事を果たしたい。
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ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat3
「王者として重要な大会を戦わなければ」代表招集拒否のスペイン女子代表選手たちの声明、同意しなかったW杯優勝メンバーが理由を明かす「私は何よりもプレーしたい」
レアル・マドリーのスペイン女子代表FWアテネア・デル・カスティージョが、同意しなかった声明について自身の考えを明かした。 オーストラリ&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で見事に優勝したスペイン女子代表。しかし、メダルが授与されるセレモニーでスペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長がFWジェニファー・エルモソの唇にキス。これが大きな問題に発展した。 エルモソは望んでいないキスをされたとすると、世界中で批判がルビアレス会長に集中することに。しかし、ルビアレス会長は自身の行動を一度は謝罪するも、「合意の上だった」「辞任する気はない」と主張を繰り返すことに。ただ、国際サッカー連盟(FIFA)から懲戒処分を受けると、エルモソも正式に告訴。その結果、会長を辞任することとなった。 一方で、スペイン代表の選手たちや候補選手たちは連盟で改善がない限り代表招集に応じない意向を発表。RFEFはホルヘ・ビルダ監督も解任し、体制が変わったRFEFだったが、UEFA女子ネーションズリーグに向けたメンバーが発表される予定の15日に、39名の選手が更なる改善を要求し代表招集を拒否する声明を発表していた。 これにより、スペイン女子代表メンバー発表は延期されることとなった、女子W杯優勝メンバーのうち2人が声明にサインしていなかった。1人は、レアル・マドリーのMFクラウディア・ソルノサだったが、女子W杯をもって代表引退を決意したとのこと。もう1人が、カスティージョだった。 カスティージョは自身のX(旧ツイッター)を通じて、自身が声明に同意しなかった理由を説明。ルビアレス元会長の行為やRFEFの体制に対しての不満や訴えには同意しているものの、まずは代表選手としてプレーすることが大事だと考えていると明かした。 「ここ数時間の出来事を受け、私の意見と決断を下した全ての理由を述べたいと思う」 「今回発表された声明を掘り下げる前に、私の考えを明確にしておきたいと思う。仲間がすでに述べているように、ジェニ・エルモソに起こった全てのことを非難し、ルイス・ルビアレスの全く場違いで遺憾な行動を指摘することに、私は完全に同意する」 「このため、私は他の80人の選手たちと共に、この事件を非難する声明に署名し、ルイス・ルビアレスが引き続きその職に就くならば、代表チームに行かないと表明した」 「この声明とその後の出来事の後、誰もが知るように、ルイス・ルビアレスとホルヘ・ビルダはもはやRFEFにいない。ただ、ネーションズリーグの戦いが近いこと、そして私たちの要求の重要な部分が満たされていることを考慮すると、代表チームへの招集を断ることは考えていない。その主張を明確に示したいと思う」 「まず第一に、私たちはサッカー選手。ここ数週間に起こったことを考慮すると、それを思い出しておいて損はない。私たちはプロフェッショナルとして、その義務を果たさなければならない」 「第二に、私たちが要求する変化には名前と姓があり、それらを引き起こす、または少なくともそれを始めるのに最良の方法は内部からであると私は信じている」 「もちろん、それは必要だと思うけど、RFEFが全く不確実な状況にあることも承知しているし、現時点で指揮を執っている人たちを信頼したいと思っている。私たちは、そのために指定されたわけではないため、選手が私たちが求めているこれらの変更を行うことはできないことは明らかだ」 「また、オリンピック出場のチャンスを与えてくれる非常に重要な大会を戦わなければならないと思う。私たちは世界王者のチームであり、それを忘れてはいけない。選手たちは皆、スペインのスポーツ界で最も重要な偉業の1つを達成した後、酷い数週間を過ごした。私は特にサッカーに行きたい、サッカーを見たい、そして何よりもプレーしたいと思っている」 「要するに、私は自分が考えていること、やりたいことを表明し他のであり、それ以上でもそれ以下でもない。この状況を完全に終わらせて、サッカーのことだけを考え、プレーし、見て、楽しむことに戻りたいと思っている」 2023.09.16 19:30 Sat4
重傷を負ったレアルの17歳逸材CBが復帰間近、昨夏のツアー帯同に続くCWC参加なるか
レアル・マドリーU-19のU-17スペイン代表DFジョアン・マルティネスが、復帰へと近づいている。スペイン『マルカ』が報じた。 今シーズン開幕前のアメリカツアーでは、ブレイクを果たしたスペイン人DFラウール・アセンシオらとともにファーストチームに帯同したマルティネス。カルロ・アンチェロッティ監督も高く評価した17歳センターバックだが、ツアー終了後のトレーニングで左ヒザ前十字じん帯断裂の重傷を負っていた。 2024年8月の負傷からもうすぐ7カ月が経とうというなか、すでにボールを使ったピッチでのトレーニングを再開しているとのこと。リハビリは最終段階にあり、あと1カ月ほどでチームに復帰できる段階まで来ているという。 アルバロ・アルベロア監督率いるU-19チームでのシーズン中の復帰が期待される一方、ファーストチーム に帯同してのFIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)参加も視野に。出場することが目標ではなく、再びアンチェロッティ監督のもとでトレーニングし、その後のプレシーズンに備えたいという考えのようだ。 2025.02.26 18:58 Wed5