新宿や渋谷などにみる地域密着の将来性/六川亨の日本サッカー見聞録

2021.12.04 22:01 Sat
Getty Images
先週のコラムでは、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021決勝ラウンドの途中経過をお伝えした。その後の対戦でクリアソン新宿は2勝1分けの1位で、FC.ISE-SHIMAは1勝2分けの2位でJFLとの入替え戦に臨むことが決定した。
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クリアソン新宿の対戦相手はJFL最下位のFC刈谷に決定している。一方、FC.ISE-SHIMAの相手は東京武蔵野ユナイテッドFCかホンダロックSCのどちらかで、最終戦で前者が勝てば残留が決定。もしも引き分けて、後者が勝利なら勝点30で並ぶものの、得失点差で東京武蔵野ユナイテッドFCが4点リードしているが、意外と微妙な数字かもしれない。そのクリアソン新宿の中心選手である小林祐三(柏、横浜M、鳥栖で活躍)が、超ワールドサッカーで今シーズン限りの現役引退を表明したことを知った。
クリアソン新宿に移籍して1年。チームをJFL昇格まであと1歩、あと1試合まで導いての現役引退には正直びっくりした。決断に至った心境や経緯、これまでのサッカー人生、クリアソン新宿との出会いなどが詳細に語られているのでこちらを参照して欲しい。

そして渋谷区をホームにする渋谷シティFCは12月1日、元日本代表候補の阿部翔平(名古屋や甲府でプレー)が監督兼選手として来シーズンの指揮を執ることを発表した。2014年設立の東京シティF.C.が前身となるこのチームは、2019年にJリーグ参入を目指すことを発表。「渋谷シティFC」に名称を変更して臨んだ今シーズンは東京都リーグ1部で7勝3分け6敗の7位(18チーム中)でリーグ戦を終えた。
ちなみにJ1リーグに昇格するには、東京都1部リーグをクリアしたら関東リーグ2部(高橋陽一氏が代表を務める南葛SCなどが所属)、関東リーグ1部(クリアソン新宿などが所属)と昇格して、JFLとの入替え戦に勝利してやっとJFLに昇格できる。そしてJ3、J2とステップアップできて初めてJ1に昇格することになる。都リーグ1部所属なら、最低でも7年はかかる長い道のりだ。

それでも渋谷シティFCのパートナー・スポンサーは160社を超えたそうだ。クリアソン新宿にしてもパートナーだけで大小合わせて33社もある。そもそも「東京シティF.C.」ではFC東京や東京Vなどライバルが多いし、これは3チームに共通することだがホームタウンが漠然としすぎて(広すぎて)親近感がわかないファン・サポーターも多いのではないだろうか。

その点「新宿」や「渋谷」は限定することによって逆に“身近”に感じられる利点があるし、この2つの区には大小合わせて様々な企業が存在する。ビジネス的にも“おいしいホームタウン”と言っていいだろう。

WEリーグの誕生で味の素フィールド西が丘をホームにする日テレ・東京ヴェルディベレーザは、スタジアム所在地の北区と隣接する板橋区をホームタウンにするためポスターを掲出して宣伝したり、中学生以下の子供を無料招待したり、選手と女の子たちのふれあいイベントを積極的に開催したりしている。

これからの時代はメトロポリタンの東京ではなく、より限定された地域との密着が求められていく可能性が高い。

それは東京だけでなく、京都市や亀岡市など14市をホームタウンにする京都サンガF.C.より、京都市だけをホームタウンにするおこしやす京都(株主企業132社。関西リーグ1部)の方が、将来的には地域に密着するクラブになるかもしれない。


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