大混戦のJ2残留争い/六川亨の日本サッカーの歩み

2021.11.23 21:45 Tue
©︎J.LEAGUE
JリーグはJ1の優勝チームが決定し、J2では磐田が1シーズンでのJ1復帰を決めた。20日の第36節ではJ1からの降格3チームも決定。3チームが同日降格するのは史上初の出来事だそうだ。キャスティングボートを握っていたのは意外にも清水。彼らが広島に1-0と勝利したことで勝点を36に伸ばした。この結果、2試合を残して勝点27の横浜FCと仙台、同29の大分は連勝しても“勝点36”に届かずJ2降格が決定したわけだ。

3チームが低迷した原因は様々だろうが、新型コロナウイルスによる観客減から財政難に陥り、補強が上手く進まなかったり、新外国人選手の合流が遅れたりするなどのアクシデントもあったかもしれない。

それはどのチームも同じだが、王者の川崎Fは守田英正の移籍によりジョアン・シミッチを獲得しただけでなく、東京五輪後の三笘薫の移籍にはマルシーニョを補強するなどピンポイントで戦力の維持に努めたのはさすがと言える。
そしてJ1からの降格は残り1チームとなり、次節の27日には降格圏内の17位・徳島(勝点33)が15位の湘南(同36)と直接対決する。湘南は引き分け以上でJ1残留が決定する優位な立場だ。もしかしたら過去の“残留争いの経験”が生きたのか、直近5試合は2勝3分けで勝点9を稼いで降格圏から脱した。

27日には同じく残留争いを繰り広げている16位の清水(勝点36)はアウェーで浦和と対戦する。浦和にとってはホーム最終戦に加え、今シーズン限りでの引退を表明した阿部勇樹、来シーズンはチームを離れる槙野智章と宇賀神友弥のラストゲームでもある。モチベーションの高さはもちろんのこと、スタジアムのファン・サポーターも特別な思いでこの一戦を見守ることが予想されるだけに、清水にとっては厳しい試合になるだろう。
清水も徳島も敗戦なら残留争いは最終節にもつれる。徳島は広島戦、清水はC大阪戦で、得失点差も徳島は-20、清水も-19と拮抗。両チームともホーム最終戦だけに、意地と意地のぶつかり合いになるに違いない。

J2リーグに目を移すと、あと1勝で磐田の優勝が決まり、残る昇格枠の1つを勝点82の京都と同76の甲府が争っている。京都は次節の千葉戦にドロー以上で昇格の決まる優位な立場だ。一方、残留争いに目を向けると、こちらは残り2試合で14位の山口以下9チームに降格の可能性がある大混戦となっている。

第40節では21位・愛媛との直接対決を2-1で制した相模原(勝点34の20位)が降格圏を脱して18位(勝点37)に浮上したが、まだまだ危険水域にいることに変わりはない。

残留争いに巻き込まれている9チームのうち、北九州と金沢、栃木をのぞいた6チームがシーズン中の監督交代を決断している。松本は柴田監督から名波監督、愛媛は和泉監督から實好監督、相模原は三浦監督から高木監督、大宮は岩瀬監督から霜田監督、群馬は奥野監督から久藤監督、山口は渡邉監督から名塚監督といった具合だ。

ただし、監督を交代して多少の成果は出たものの、劇的な改善ができていないため現在の順位にとどまっているのも事実。28日の第41節では相模原対松本、北九州対栃木、12月5日の最終節では大宮対群馬、愛媛対山口の直接対決も控えていて、いずれにしても予断を許さない状況が続いている。

そして残留争いで、直接対決に加えてもう1つのキャスティングボートを握っているのがJ3リーグの優勝争いだ。現在は熊本が勝点51(26試合)で首位に立ち、これを勝点50の宮崎(27試合)、同49の岩手(26試合)が追っていて、J2に昇格できる2位圏内は4位の富山(26試合で勝点45)まで可能性がある。

ところが熊本と優勝争いを演じている宮崎にはJ2クラブライセンスが交付されていない。このため宮崎が上位2位以内でシーズンをフィニッシュしてもJ2には昇格できないため、J2からの降格チームは4から3に減り、19位のチームは残留することができる。

昨シーズンJFLから昇格し、初のJ3リーグにもかかわらず優勝争いを演じているのは見事と言うほかない。九州で唯一Jクラブのない県が宮崎だったが、J3で存在感を十分に発揮したと言えるだろう。熊本とデッドヒートを繰り広げているが、J2クラブライセンスがないのは返す返すも残念でならない。

J1の関連記事

横浜F・マリノスが、「ファン・サポーターの皆さまへ」として声明を発表した。 今シーズンはスティーブ・ホーランド監督の下でスタートした横浜FM。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)と並行して戦うシーズンとなった中、明治安田J1リーグでは開幕4試合勝利なしとつまづいたスタートとなった。 その後、初白 2025.05.17 22:45 Sat
明治安田J1リーグ第17節の浦和レッズvsFC東京が17日に埼玉スタジアム2002で行われ、3-2でホームの浦和が勝利した。 リーグ戦2試合未勝利となっている4位浦和(勝ち点26)は、ドローで終えた前節のアルビレックス新潟戦からスタメンを4人変更。金子拓郎や松本泰志、長沼洋一、GK牲川歩見に代えて大久保智明、サミ 2025.05.17 18:20 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の湘南ベルマーレvs横浜FCがレモンガススタジアム平塚で行われた。 連敗を「2」でストップさせた湘南と、ミッドウィークに連勝を逃した横浜FCの一戦。湘南は前節と同じ11名をピッチに送り込むことに。中2日での試合となった横浜FCは4名を変更し、伊藤槙人、駒井善成、室井彗佑、櫻川ソロ 2025.05.17 17:30 Sat
17日、明治安田J1リーグ第17節の鹿島アントラーズvs清水エスパルスが県立カシマサッカースタジアムで行われた。 現在6連勝で首位を快走中の鹿島と、3試合勝利がない清水の対戦。鹿島は前節から3名を変更。荒木遼太郎、三竿健斗、レオ・セアラが外れ、ターレス・ブレーネル、知念慶、田川亨介が入った。 対する清水は2 2025.05.17 17:02 Sat
thumb 17日、明治安田J1リーグ第17節でアビスパ福岡と名古屋グランパスがベスト電器スタジアムで対戦した。 一時は首位に立つも6戦未勝利で12位まで転落した福岡。3連敗中と苦しい流れの中、前節からは4名を変更。永石拓海、橋本悠、見木友哉、シャハブ・ザヘディが外れ、村上昌謙、田代雅也、前嶋洋太、紺野和也が入った。 2025.05.17 16:35 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly