セリエAで移籍巡る新たなスキャンダルか? 不透明な62件の移籍を調査へ

2021.10.27 23:48 Wed
Getty Images
セリエAで不当な選手評価額によるトレード移籍などに関する不透明な62件の移籍に関して、イタリアサッカー連盟(FIGC)のジュゼッペ・チネ検察官を中心に大規模な調査が行われるようだ。イタリア『La Repubblica』、『Il Tempo』が報じている。

両メディアによると、FIGC内のプロサッカークラブ監査委員会(COVISOC)は、チネ検察官とFIGCのガブリエレ・グラヴィナ会長に対して詳細な報告書を送り、今回の問題を調査するように要請したという。
今回問題視されているのは、近年議論されている選手トレードによるキャピタルゲイン。不当な評価額によって都合の良い帳簿上の操作が可能で、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)などの処分回避の手段として横行している。

複数の選手が絡むトレードなどでは、各選手の正確な市場価値を把握することが困難な上、クラブ間で合意に至った場合、外部からの介入が困難という事情もあり、一般的に過大評価と言わざるを得ない金額でトレードが行われる事例が頻発している。

そして、COVISOCは今回の報告書で、62件の不透明な移籍を指摘している。
その中で断トツの数字を叩き出しているのが、ユベントスだ。

今回の報告書ではマンチェスター・シティとの間で行ったDFダニーロとDFジョアン・カンセロのトレード、バルセロナと行ったMFアルトゥール・メロとMFミラレム・ピャニッチのトレードを中心に、ユベントスは合計42件の移籍で、総額9000万ユーロを帳簿上では動かしている。だが、実質的に動いた金額は300万ユーロとなっている。

前述の2つの大型トレードでは、ダニーロの評価額が3700万ユーロ、カンセロの評価額が6500万ユーロとされ、ピャニッチの評価額は6080万ユーロ、アルトゥールの評価額が7200万ユーロとされていた。

また、ユベントス同様にやり玉に上がっているのが、ナポリがリールからFWビクター・オシムヘンを獲得した際のオペレーションだ。

ナポリはオシムヘン獲得に総額7125万ユーロを費やしたが、その移籍金の一部としてGKオレスティス・カルネジス、DFクラウディオ・マンツィ、FWチーロ・パルミエリ、FWルイジ・リグオリを譲渡。そして、カルネジスを除きほぼ無名の3選手を含めた、移籍金の総額を2013万ユーロという法外とも言える評価額として設定していた。

ユベントスとナポリ以外ではパルマ、ペスカーラ、サンプドリア、キエーボ・ヴェローナといったクラブの名前が挙がっている。

今回の一件は現在、FIGCの検察庁にあり、まだ正式な手続きを開始していない。だが、将来的に訴訟に発展する可能性は十分にあるようだ。

なお、昨年に確認された同様のスキャンダルでは当時セリエBのチェゼーナとキエーボに勝ち点はく奪処分が科されている。
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