新型コロナ対策に光明、制限解除でJリーグは観客増に挑戦/六川亨の日本サッカーの歩み

2021.10.05 15:00 Tue
©︎J.LEAGUE
先週土曜のJ1リーグは等々力陸上競技場での川崎F対FC東京を取材した。試合は川崎FがワンチャンスをモノにしてFC東京を退け、今シーズン初の6連勝を飾って連覇へ大きく前進した。勝点は6試合を残して大台の81に到達。神戸ら3位以下のチームに逆転優勝の可能性が消滅すると同時に、昨シーズンの年間勝点83も、今シーズンは試合数が4試合増加したため更新は間違いないだろう。

とはいえFC東京も、川崎が中2日の連戦による蓄積疲労があったとしても、前年王者を苦しめた戦いは素晴らしかった。FC東京は、第30節の浦和戦の前半もそうだったが、高萩洋次郎がいると攻撃のクオリティーが格段にアップする。川崎F戦では左SB長友佑都、FWアダイウトン、ボランチの安部柊斗らにより左サイドからの攻撃を格段とブラッシュアップした。

この試合でもう1つ注目したのは、観客が9789人に増えたことと、アウェーのゴール裏1階席にFC東京のサポーター席が設けられたことだった。ご存じの方もいるだろうが、政府は緊急事態宣言とまん延防止措置を9月30日で解除した。そこでJリーグも10月2日の等々力と吹田でのG大阪対札幌戦の2試合は、スタジアムの収容率50%か1万人の少ない方で開催し、チケットは完売だったという。
これは身内話で恐縮だが、等々力ではたぶん2019年以来となる某新聞社のFC東京担当記者と再会した。昨年6月にJリーグは再開したが、新型コロナ対策のため取材記者・カメラマンとも1社1名に限定され、それは今年の9月まで続いていた。

これは日本代表の試合も例外ではない。それまでスポーツ紙は代表戦の取材になると記者4名、カメラマンは最低2名だったのが、どちらも各1名に制限された。そうした規制があるなかでの紙面作りは大変だったと思う。
そして前述の記者は、FC東京の担当のためホームゲームは取材できるので、味の素スタジアムでは頻繁に会っていた。このため等々力で会ってもそれほど久しぶりという感覚はなかったが、愛煙家である彼はハーフタイムに喫煙所の場所を聞いてきた。

等々力のメディアと関係者の喫煙所はスタジアム内5階にあり、密閉された狭い空間でもある。このため昨シーズンのリーグ戦再開以来、“三密"を避けるため喫煙所は閉鎖されたままだった。彼から質問され、それを知らないということは、それだけ長い期間、等々力に来ていないことの裏返しであると感じたものだ。

これは確認していないが、10月に入り政府や自治体の規制が解除されたため、取材も1社1名という“縛り"が緩和され、FC東京担当の彼もアウェーの川崎F戦を取材できたのかもしれない。

そして10月4日には40回目となるJリーグとNPB(日本野球機構)の対策連絡会議と、それを受けてJリーグの実行委員会が開催された。対策連絡会議の詳細は当サイトでも紹介されているので割愛するが、専門家のドクター3氏の「個人的な見解」によると、ワクチン接種が進み、軽症の患者には抗体療法(点滴)や今年中にも厚労省に認可されそうな経口薬(飲み薬)の販売が始まれば、「満員に近い状態で実証実験をしていくべきだろう」(三鴨廣繁ドクター)という前向きな提言を聞いた。

一瞬だが、「元旦の国立での天皇杯決勝は、もしかして満員?」と期待したものの、すぐに今年の天皇杯決勝は12月19日に前倒しして開催されることを思い出した。それでも現時点での朗報に間違いはない。

ようやくここに来て、新型コロナ対策にも光明が差してきたようだ。そして第6波を招かないためにも、サッカー観戦でアルコール類が認められたからといって、自制心を失わないなど、サッカーファン・サポーターは節度ある行動を取ることが大切ではないだろうか。

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