JリーグとNPBが「ワクチン・検査パッケージ」導入で実証検証へ、それでも大切なのは「ここの徹底した感染予防対策」と専門家
2021.10.04 12:48 Mon
JリーグとNPB(日本野球機構)は4日、「第40回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。
9月末をもって一部地域に発出されていた「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」が解除に。コロナ禍でありながらも、徐々に従来の生活を取り戻す動きが進んでいる。
今回の対策連絡会議においては、ウィズコロナ時代に向けた前向きな話が多かったとされ、その中で「ワクチン・検査パッケージ」を利用した観客動員の規制緩和に向け、JリーグとNPBが実証実験を行うための議論がなされた。
第五波と呼ばれた感染者増加の波も急速に収まっている状況。この件に関して賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「いくつか理由があり1つではないですが、ワクチン接種が進んでいるということ。そして、国民の多くの方が感染対策を徹底されて、感染拡大を避けられた」とコメント。「ワクチン接種と共に、感染症対策を徹底していく。自宅含めて色々な場所で対策をすることが重要である」と、まず第一に感染予防対策を徹底することが大きいとの見解を述べた。
今回議論された「ワクチン・検査パッケージ」による緩和について賀来先生は「積極的に実施していこうということです」と語り、「みんなでそのような方向で、次のステップに進むための重要なデータとなる、実証をしていく必要があると議論しました」と、この先のコロナ禍での生活において、有効になるであろう検証を行っていこうという考えだとした。
また、三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「イベントをやる上で、いろいろ大変なことがあるということも知った」と現場での苦労を知ったと語り、「実際に入場するときに確認するシステムが必要で、場所、人員も確保しなければいけない」と実務上の苦労を感じたとした。
この件については舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)もコメント。「差別や不平等が起きないようにした対策がしっかり考えられている」と語り、ワクチン接種の有無での不平等さを排除することが考えられているとし、「競技場の中だけでなく、そのあとの直帰率、別なところの感染リスクを高めないような工夫を責任をもって考えなければいけないと感じた」とし、試合観戦後の対応も重要になるとした。
通常の運営という意味では、やはり目指されるべきは満員のスタジアム。そこに向けた実証検証を行うわけだが、簡単ではないながらも、徐々に周りの環境も整い始めている。
賀来先生は、ワクチン接種の進行度合いがまずは重要だとし、「今ワクチン接種率が60%ぐらい」とし、「ワクチン接種が90%というのはなかなか難しいラインだが、80%以上、90%近くになることが必要」と、さらに全国的なワクチン接種率(2回目)が高まらなければいけないとした。
また「あとは抗体カクテルがかなり有効で、そしてカクテルではない点滴も出てきている」と抗体治療が進んでいるとし、「経口薬が出てきているが、今年中には認可されるはず」とし、飲み薬でも治療が可能になっていくとし、「重症化が少なく、軽症で医療体制を逼迫しないということが重要になる」と、満員にする上での条件を語った。
三鴨先生は「おそらく今シーズンは実証実験を重ねていって、徐々に人数を増やしていって検討していくしかない」と語り、「少なくともスポーツイベントに関しては、来シーズンになると思う」と、早くても通常通りの運営は来シーズンからとの見解を示した。
舘田先生は大事なポイントがあるとし、「ワクチン接種を希望する人が全て打ち終わることが大前提。そして内服の治療薬が出てくる」と、この2つがポイントだとし、「そうなるとかなり見える景色が変わってくる。インフルエンザと同じような対応が取れるようになってくる」とし、「感染症2類から5類に変えられる可能性もある」と語った。
感染症2類は、「感染力と罹患した場合の重篤性等に基づく総合的か観点から見た危険性」で分類されるもの。1〜3類が該当し、2類には新型コロナウイルスの他、結核や鳥インフルエンザなどがある。ちなみに1類はエボラ出血熱やペスト、痘そう(天然痘)など危険度が高いもの、3類にはコレラや腸管出血性大腸菌感染症などがある。
なお4類は「1類~3類感染症以外のもので、主に動物等を介してヒトに感染するもの」とされ、発生数は少ないが狂犬病やデング熱、マラリアなどが有名なところ。5類は「国民や医療関係者への情報提供が必要」なものであり、風しんや梅毒、百日咳などが分類されている。
つまり、治療が可能になることで、危険性が下がっていく可能性は今後あるとした。
今回検討されている「ワクチン・検査パッケージ」に関して村井満チェアマンは「ワクチンを打たれた方が安全であるということ証明するというものではない」とコメント。「安全と思われる方々を、どのように誘導するか、実際に人の動線、運営上の手際をどう改善すべきか、主たる検討項目をスムーズに行えることが重要」とし、「ワクチンの有効性は医学会の観点で、それを我々が実証するものではない」と、あくまでも動員数を増やした際の感染リスクの実証検証だとした。
ヨーロッパやアメリカでもすでに緩和されているが、再び感染者は増えている。しかし、それはワクチンの有効性を否定するものなどではないと舘田先生はコメント。「アメリカやイギリス等々でワクチン接種が先行していた国とされるが、アメリカは70%ぐらいしかない。その中でみんなが緩んで、大騒ぎして、あのようなことを起きている」と、ワクチン接種率が高いとは言えない状況でありながら、マスクなしで大きな声を出し、密になっていることが問題だとした。
日本においていは「その状況を見て、我々がどう対応していくのか。ワクチン接種率も70〜80%にもなると思う」とし、「ワクチン接種した後、した人もしない人も、感染対策をしっかりしていくことが必要」とし、あくまでも感染予防対策をしっかりと気を緩めずに行うことが大前提としてなければいけないとした。
なお応援スタイルなどを緩和することは簡単ではないとし、賀来先生は「いつ頃から解除できるのかは、感染状況、第6波が出てきたり、今のような段階であってもある程度感染が制御されても、再び感染が増えることもある」とコメント。「今年度の色々な大会を考えると、すぐに応援スタイルを変えるなどは難しいと思う」とし、日本全体での感染がしっかりと抑えられるまでは、解除は難しいだろうとした。
9月末をもって一部地域に発出されていた「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」が解除に。コロナ禍でありながらも、徐々に従来の生活を取り戻す動きが進んでいる。
今回の対策連絡会議においては、ウィズコロナ時代に向けた前向きな話が多かったとされ、その中で「ワクチン・検査パッケージ」を利用した観客動員の規制緩和に向け、JリーグとNPBが実証実験を行うための議論がなされた。
今回議論された「ワクチン・検査パッケージ」による緩和について賀来先生は「積極的に実施していこうということです」と語り、「みんなでそのような方向で、次のステップに進むための重要なデータとなる、実証をしていく必要があると議論しました」と、この先のコロナ禍での生活において、有効になるであろう検証を行っていこうという考えだとした。
その中では、「1つはワクチンを受けていない方に対しても、しっかりとフォローしていかなければいけないことが重要であるという話が出た」と語り、「検査に関してもどういう検査をして、精度などを含めて、細かい内容については話が出なかったが、今後検証していく、データをしっかり見ていく、どういう風に行うかを決める」と、詳細をしっかりと詰める必要があるとしながらも、「ワクチンと検査をどう組み合わせて、有効なデータ、感染を起こさないということが話し合われた」と、様々な方法を用いて、実証検証を行っていき、より役立つエビデンスを手にしたいとした。
また、三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「イベントをやる上で、いろいろ大変なことがあるということも知った」と現場での苦労を知ったと語り、「実際に入場するときに確認するシステムが必要で、場所、人員も確保しなければいけない」と実務上の苦労を感じたとした。
この件については舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)もコメント。「差別や不平等が起きないようにした対策がしっかり考えられている」と語り、ワクチン接種の有無での不平等さを排除することが考えられているとし、「競技場の中だけでなく、そのあとの直帰率、別なところの感染リスクを高めないような工夫を責任をもって考えなければいけないと感じた」とし、試合観戦後の対応も重要になるとした。
通常の運営という意味では、やはり目指されるべきは満員のスタジアム。そこに向けた実証検証を行うわけだが、簡単ではないながらも、徐々に周りの環境も整い始めている。
賀来先生は、ワクチン接種の進行度合いがまずは重要だとし、「今ワクチン接種率が60%ぐらい」とし、「ワクチン接種が90%というのはなかなか難しいラインだが、80%以上、90%近くになることが必要」と、さらに全国的なワクチン接種率(2回目)が高まらなければいけないとした。
また「あとは抗体カクテルがかなり有効で、そしてカクテルではない点滴も出てきている」と抗体治療が進んでいるとし、「経口薬が出てきているが、今年中には認可されるはず」とし、飲み薬でも治療が可能になっていくとし、「重症化が少なく、軽症で医療体制を逼迫しないということが重要になる」と、満員にする上での条件を語った。
三鴨先生は「おそらく今シーズンは実証実験を重ねていって、徐々に人数を増やしていって検討していくしかない」と語り、「少なくともスポーツイベントに関しては、来シーズンになると思う」と、早くても通常通りの運営は来シーズンからとの見解を示した。
舘田先生は大事なポイントがあるとし、「ワクチン接種を希望する人が全て打ち終わることが大前提。そして内服の治療薬が出てくる」と、この2つがポイントだとし、「そうなるとかなり見える景色が変わってくる。インフルエンザと同じような対応が取れるようになってくる」とし、「感染症2類から5類に変えられる可能性もある」と語った。
感染症2類は、「感染力と罹患した場合の重篤性等に基づく総合的か観点から見た危険性」で分類されるもの。1〜3類が該当し、2類には新型コロナウイルスの他、結核や鳥インフルエンザなどがある。ちなみに1類はエボラ出血熱やペスト、痘そう(天然痘)など危険度が高いもの、3類にはコレラや腸管出血性大腸菌感染症などがある。
なお4類は「1類~3類感染症以外のもので、主に動物等を介してヒトに感染するもの」とされ、発生数は少ないが狂犬病やデング熱、マラリアなどが有名なところ。5類は「国民や医療関係者への情報提供が必要」なものであり、風しんや梅毒、百日咳などが分類されている。
つまり、治療が可能になることで、危険性が下がっていく可能性は今後あるとした。
今回検討されている「ワクチン・検査パッケージ」に関して村井満チェアマンは「ワクチンを打たれた方が安全であるということ証明するというものではない」とコメント。「安全と思われる方々を、どのように誘導するか、実際に人の動線、運営上の手際をどう改善すべきか、主たる検討項目をスムーズに行えることが重要」とし、「ワクチンの有効性は医学会の観点で、それを我々が実証するものではない」と、あくまでも動員数を増やした際の感染リスクの実証検証だとした。
ヨーロッパやアメリカでもすでに緩和されているが、再び感染者は増えている。しかし、それはワクチンの有効性を否定するものなどではないと舘田先生はコメント。「アメリカやイギリス等々でワクチン接種が先行していた国とされるが、アメリカは70%ぐらいしかない。その中でみんなが緩んで、大騒ぎして、あのようなことを起きている」と、ワクチン接種率が高いとは言えない状況でありながら、マスクなしで大きな声を出し、密になっていることが問題だとした。
日本においていは「その状況を見て、我々がどう対応していくのか。ワクチン接種率も70〜80%にもなると思う」とし、「ワクチン接種した後、した人もしない人も、感染対策をしっかりしていくことが必要」とし、あくまでも感染予防対策をしっかりと気を緩めずに行うことが大前提としてなければいけないとした。
なお応援スタイルなどを緩和することは簡単ではないとし、賀来先生は「いつ頃から解除できるのかは、感染状況、第6波が出てきたり、今のような段階であってもある程度感染が制御されても、再び感染が増えることもある」とコメント。「今年度の色々な大会を考えると、すぐに応援スタイルを変えるなどは難しいと思う」とし、日本全体での感染がしっかりと抑えられるまでは、解除は難しいだろうとした。
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