クラブW杯ってあったの?/六川亨の日本サッカー見聞録
2021.09.10 21:00 Fri
FIFAクラブW杯が今年日本で開催されることを知っているサッカーファンはどれだけいるだろうか?
しかし9日に開催されたJFA(日本サッカー協会)理事会で、「新型コロナの予測が難しい」ことに加え、「有観客で開催できるかどうかも不透明」(須原専務理事)なことから、日本は開催を返上することを決定した。
有観客にすると、世界中から選手と関係者に加えて各チームのファン・サポーターも集まる可能性がある。感染の拡大を防止するためにはそれなりの処置が必要になるものの、有観客にしたとしてもEUROの決勝のように5万~6万の入場者を入れることは日本ではできない。上限を制限するのは当然として、そうなると入場料収入の減少は避けられないだろう。
そしてクラブW杯の開催を返上したことで、天皇杯の日程も正式決定した。すでに準々決勝は10月27日に開催されることは決まっていたが、9日の理事会で準決勝は12月12日、決勝は12月19日に国立競技場で開催されることが決定した。
天皇杯の決勝といえば、永年元旦の風物詩でもあった。かつては明治神宮で初詣を済ませた和服姿の女性が国立競技場のスタンドにはいたものだ。
須原専務理事も「サッカー協会としては(決勝は)1月1日がふさわしいし」と従来通りの開催を希望する。しかし「選手のコンディションに配慮すればリーグと天皇杯のオフを揃えたい。クラブW杯がないならシーズン終了を揃えたい」と“選手ファースト”を考慮しての変更を明かした。
従来、1月の日本のサッカーカレンダーは基本的にオフだった。厳寒だから当然だ。しかし19年は1月にUAEでアジアカップが開催され、翌20年1月はタイで東京五輪の最終予選を兼ねたAFC U-23アジア選手権が開催された。来年1月にアジアの主要大会は予定されていないものの、サッカーカレンダーをアジアに揃える必要は以前からあった。
その意味でもオフを早める今回の決定は賛成である。今シーズンのJ1リーグは20チームでリーグ戦を実施したし、東京五輪・パラリンピックの影響でアウェーの連戦を強いられたチームもある。チームによっては、19年のW杯ラグビー、20年は延期されたものの東京五輪のために、2年連続してアウェーの過密日程を組まれたチームがあった。
それでもチームから不満の声が漏れてこないのが、日本らしいと言えば日本らしい“美徳”でもある。そんな彼らには、是非とも来シーズンの捲土重来を期待したい。
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当初の予定では12月9日から19日にかけて、首都圏を中心に開催される予定で、先シーズンのCLを制したチェルシー、オセアニアからはオークランド・シティ(ニュージーランド)、アフリカからはエジプトのアル・アハリの出場が決まっていた。これに今シーズンのJ1リーグ王者と、川崎F、名古屋、C大阪が勝ち残っているACLの覇者、そして南米と北中米の優勝チームの計7チームが参戦して開催される予定だった。有観客にすると、世界中から選手と関係者に加えて各チームのファン・サポーターも集まる可能性がある。感染の拡大を防止するためにはそれなりの処置が必要になるものの、有観客にしたとしてもEUROの決勝のように5万~6万の入場者を入れることは日本ではできない。上限を制限するのは当然として、そうなると入場料収入の減少は避けられないだろう。
このためFIFAとは開催を見送る方向で協議を重ねてきた結果、JFAは開催の返上を正式に決めFIFAに通達した。今後の代替開催についてはFIFAが検討することになる。
そしてクラブW杯の開催を返上したことで、天皇杯の日程も正式決定した。すでに準々決勝は10月27日に開催されることは決まっていたが、9日の理事会で準決勝は12月12日、決勝は12月19日に国立競技場で開催されることが決定した。
天皇杯の決勝といえば、永年元旦の風物詩でもあった。かつては明治神宮で初詣を済ませた和服姿の女性が国立競技場のスタンドにはいたものだ。
須原専務理事も「サッカー協会としては(決勝は)1月1日がふさわしいし」と従来通りの開催を希望する。しかし「選手のコンディションに配慮すればリーグと天皇杯のオフを揃えたい。クラブW杯がないならシーズン終了を揃えたい」と“選手ファースト”を考慮しての変更を明かした。
従来、1月の日本のサッカーカレンダーは基本的にオフだった。厳寒だから当然だ。しかし19年は1月にUAEでアジアカップが開催され、翌20年1月はタイで東京五輪の最終予選を兼ねたAFC U-23アジア選手権が開催された。来年1月にアジアの主要大会は予定されていないものの、サッカーカレンダーをアジアに揃える必要は以前からあった。
その意味でもオフを早める今回の決定は賛成である。今シーズンのJ1リーグは20チームでリーグ戦を実施したし、東京五輪・パラリンピックの影響でアウェーの連戦を強いられたチームもある。チームによっては、19年のW杯ラグビー、20年は延期されたものの東京五輪のために、2年連続してアウェーの過密日程を組まれたチームがあった。
それでもチームから不満の声が漏れてこないのが、日本らしいと言えば日本らしい“美徳”でもある。そんな彼らには、是非とも来シーズンの捲土重来を期待したい。
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