東京五輪、アメリカ対カナダ戦のPKは疑問/六川亨の日本サッカーの歩み
2021.08.04 21:00 Wed
早いもので五輪の男女サッカーもあと4日間を残すのみとなった。ここらあたり、参加チーム数が少なく過密日程の五輪は2週間ほどで閉幕するのに比べ、1ヶ月近く開催されるW杯との大きな違いだ。
そして後半29分、ペナルティエリア内でのプレーがVARとオンフィールドレビューの結果、ファウルと判定されPKに。これをMFジェシー・フレミングが決めてカナダが逃げ切った。
問題のプレーは、アメリカDFがクリアしようとモーションを起こしているところにカナダの選手が足を出したため、結果としてカナダの選手の足を蹴ってしまった。蹴ったことは事実だが、カナダの選手からすれば「クリアをブロックできればいい」くらいの気持ちだったはずだ。
VARは、ジャッジの公平さを担保するテクノロジーだと思う。しかし最後はオンフィールドレビューによる主審の判断に委ねられる。今回のように、ある事象だけを切り取ればファウルと思うかもしれないが、その前後のプレーも含めて俯瞰すればPKという判断はミスジャッジではないだろうか。
ただし、「ミスジャッジもサッカーのうち」という考え方もある。アメリカは、五輪では96年アトランタ、04年アテネ、08年北京、12年ロンドンで金メダルを獲得。W杯でも15年と19年に連覇するなど"女王"として君臨してきた。それがカナダ戦では1点も取れなかったところに女王の“凋落"を感じずにはいられない。
そしてそれは、初戦でスウェーデンに0-3と完敗した時から始まっていたのかもしれない。44試合続いていた無敗記録が途絶え、グループリーグ最終戦ではオーストラリアと0-0のドローでベスト8進出を決めた。
8月5日の3位決定戦では、そのオーストラリアと銅メダルを争う。過去の戦績ではアメリカがリードしているものの、前回のリオ五輪は両チームともベスト8で敗退と、実力は拮抗している。古豪アメリカが意地をみせるのか。それともオーストラリアが初のメダルを獲得するのか。
五輪は競技数が多いため、日本戦以外の試合をテレビで見られないのが残念でならない。パソコンで、見たい試合を選べたらいいと思っているサッカーファンも多いことだろう。
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そして2日は女子の準決勝が行われ、スウェーデンとカナダはそれぞれオーストラリアとアメリカを1-0で下して決勝戦進出を決めた。スウェーデンは2大会連続の決勝戦で、カナダは初となる(ロンドンとリオは銅メダル)。その準決勝で気になったのがカナダ対アメリカ戦のPKの判定だ。試合は前半30分、ハイクロスを処理した際に右膝を傷めたGKアリッサ・ネイハーが負傷交代を余儀なくされる。問題のプレーは、アメリカDFがクリアしようとモーションを起こしているところにカナダの選手が足を出したため、結果としてカナダの選手の足を蹴ってしまった。蹴ったことは事実だが、カナダの選手からすれば「クリアをブロックできればいい」くらいの気持ちだったはずだ。
これが正当にボールにアタックして、マイボールにできる可能性があるならPKのジャッジは正しいだろう。しかし、カナダの選手はほとんど“死に体"なので、「蹴られ得」のような判定(PK)だった。
VARは、ジャッジの公平さを担保するテクノロジーだと思う。しかし最後はオンフィールドレビューによる主審の判断に委ねられる。今回のように、ある事象だけを切り取ればファウルと思うかもしれないが、その前後のプレーも含めて俯瞰すればPKという判断はミスジャッジではないだろうか。
ただし、「ミスジャッジもサッカーのうち」という考え方もある。アメリカは、五輪では96年アトランタ、04年アテネ、08年北京、12年ロンドンで金メダルを獲得。W杯でも15年と19年に連覇するなど"女王"として君臨してきた。それがカナダ戦では1点も取れなかったところに女王の“凋落"を感じずにはいられない。
そしてそれは、初戦でスウェーデンに0-3と完敗した時から始まっていたのかもしれない。44試合続いていた無敗記録が途絶え、グループリーグ最終戦ではオーストラリアと0-0のドローでベスト8進出を決めた。
8月5日の3位決定戦では、そのオーストラリアと銅メダルを争う。過去の戦績ではアメリカがリードしているものの、前回のリオ五輪は両チームともベスト8で敗退と、実力は拮抗している。古豪アメリカが意地をみせるのか。それともオーストラリアが初のメダルを獲得するのか。
五輪は競技数が多いため、日本戦以外の試合をテレビで見られないのが残念でならない。パソコンで、見たい試合を選べたらいいと思っているサッカーファンも多いことだろう。
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