なでしこが突き付けられた「経験値」と「成長速度」、男女で明暗分かれた東京五輪の日本サッカー/日本代表コラム
2021.08.02 13:45 Mon
◆成長速度の変化
また、その差は経験値だけにとどまらない。強化、成長速度という点では、女子は圧倒的に世界から遅れていることが浮き彫りになった。
各国でプロ化が進んでいる女子サッカー。日本もオリンピック後の9月にWEリーグが開幕し、プロリーグが初めて誕生する。
しかし、世界の強豪国と呼ばれる選手たちはすでにプロ選手ばかり。環境の差は、そのまま成長の差に繋がっていく。
10年前、ドイツ女子ワールドカップでなでしこジャパンが世界一になり、世界を驚かせた。体格面、特にフィジカル面で劣る中、連携やテクニック、戦術的な部分で上回ることに活路を見出し、それを体現したことで世界女王に輝いた。
そこから10年。両者のフィジカル面の差を埋めることは難しい。むしろ、アスリート能力という点では、ヨーロッパやアメリカの選手たちの方が向上した感さえある。準々決勝のスウェーデン戦を見ていても、体格差以上に走力や身体の使い方などは相手の方がはるかに上だった。
そして何より、日本が長けていたはずの戦術面に関しては、それぞれの国々が10年前の日本の優勝を境に最も取り組んできた部分だったと言える。
相手に合わせた戦い方、フィジカルに任せたプレーではなく、自分たちのストロングポイントを出すスタイルに変化が現れ、選手たちもそれをしっかりとピッチ上で表現できるレベルになっていた。
細かくパスを繋ぐポゼッションスタイルと掲げていた日本に対しては、素早いプレスをかけることでうまくビルドアップさせない戦い方を選び、優っていた走力や身体の強さを生かしたプレーで攻め込んだ。
なでしこジャパンもこの10年で成長していないとは言わない。個々のレベルも上がったと言えるだろう。ただ、その成長速度には大きな差が生まれ、もともと優っていた部分の差を埋められ、もともと劣っていた部分の差も広げられたことが現実だろう。結果として、日本の力の無さが出てしまった大会とも言える。
Getty Images
また、その差は経験値だけにとどまらない。強化、成長速度という点では、女子は圧倒的に世界から遅れていることが浮き彫りになった。
各国でプロ化が進んでいる女子サッカー。日本もオリンピック後の9月にWEリーグが開幕し、プロリーグが初めて誕生する。
しかし、世界の強豪国と呼ばれる選手たちはすでにプロ選手ばかり。環境の差は、そのまま成長の差に繋がっていく。
10年前、ドイツ女子ワールドカップでなでしこジャパンが世界一になり、世界を驚かせた。体格面、特にフィジカル面で劣る中、連携やテクニック、戦術的な部分で上回ることに活路を見出し、それを体現したことで世界女王に輝いた。
そこから10年。両者のフィジカル面の差を埋めることは難しい。むしろ、アスリート能力という点では、ヨーロッパやアメリカの選手たちの方が向上した感さえある。準々決勝のスウェーデン戦を見ていても、体格差以上に走力や身体の使い方などは相手の方がはるかに上だった。
そして何より、日本が長けていたはずの戦術面に関しては、それぞれの国々が10年前の日本の優勝を境に最も取り組んできた部分だったと言える。
相手に合わせた戦い方、フィジカルに任せたプレーではなく、自分たちのストロングポイントを出すスタイルに変化が現れ、選手たちもそれをしっかりとピッチ上で表現できるレベルになっていた。
細かくパスを繋ぐポゼッションスタイルと掲げていた日本に対しては、素早いプレスをかけることでうまくビルドアップさせない戦い方を選び、優っていた走力や身体の強さを生かしたプレーで攻め込んだ。
なでしこジャパンもこの10年で成長していないとは言わない。個々のレベルも上がったと言えるだろう。ただ、その成長速度には大きな差が生まれ、もともと優っていた部分の差を埋められ、もともと劣っていた部分の差も広げられたことが現実だろう。結果として、日本の力の無さが出てしまった大会とも言える。
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