なでしこジャパン、田中美南が決勝T進出に導く決勝点! 準々決勝では強豪スウェーデンと対戦《東京オリンピック》

なでしこジャパンは27日、東京オリンピック・グループE最終節でチリ女子代表と対戦し、1-0で勝利した。この結果、3位での決勝トーナメント進出が決まった。

ここまで1分け1敗で窮地に立つなでしこジャパン。グループEではすでにイギリスの突破が決まっており、勝ち点1のなでしこが2位で決勝トーナメントへ進出するには勝利が絶対条件で、かつ同時開催のカナダ代表vsイギリス代表で勝ち点4のカナダが敗れて得失点差で上回る必要がある。また、3位となった場合でも、全グループ3位の上位2チームがベスト8に進めるため、是が非でも3ポイントが欲しいところ。

そんな背水の陣で臨むなでしこジャパンは、前節のイギリス戦からスタメンを5人変更。フォーメーションは菅澤と岩渕が2トップに並ぶ[4-4-2]を採用した。
まずは9分、オーバーラップした清水のクロスからチャンスを演出。ここは相手にクリアされたが、あわやオウンゴールかという場面に。FIFAランキングでは格下となるチリに攻勢を続けるなでしこは、17分に岩渕のパスから杉田に決定機。続く21分にも、今度は杉田から岩渕へのパスでゴールに迫ったが、どちらもGKエンドレルの好守に阻まれてしまった。

今大会、ここまでわずか1得点のみと、攻撃力の乏しいなでしこはペナルティエリア外からも果敢にミドルシュートを狙う。32分に岩渕のバックパスから三浦がダイレクトで狙ったシュートはクロスバーの少し上へ。36分にはボックス右手前から長谷川が右足を振り抜いたが、わずかに左に逸れた。手数とは裏腹にゴールが遠いなでしこは、後半から菅澤を下げて田中を投入。47分に早速その田中がシュートも相手がブロック。直後のCKからのヘディングシュートも枠を外れた。

55分にはさらに林を下げて遠藤をピッチへ送ると59分にビッグチャンス。中央で引きつけた岩渕のラストパスから遠藤がボックス左でフリーに。左足を振り抜いたが、シュートは右にきれていってしまった。

チャンスとゴールの数が比例しないなでしこ。一方で守備ではここまで危険な場面はほとんど見られなかったが、69分にボックス右のアエドの意表を突くオーバーヘッドパスからララにヘディングシュートを許す。これがクロスバーに当たって真下に跳ね返りゴールラインを割ったかに思われたが、判定はノーゴール。肝を冷やす場面に。

しかし、ピンチの後にはチャンスあり。迎えた77分、杉田の縦パスをボックス中央で収めた岩渕のポストプレーから、さらにゴール前に走り込んだ田中が蹴り込んでついに先制。喉から手が出るほど欲しかった得点で、決勝トーナメント進出に大きく近づいた。

その後、85分には中島のシュートがクロスバーを叩いたなでしこ。終盤にかけてはやや苦しい時間帯となったが、虎の子の1点を守り切り1-0で勝利した。同時刻開催のカナダvsイギリスが引き分けに終わったため、イギリスの首位およびカナダの2位が確定。なでしこジャパンは3位ながらも、各グループ3位の中で上位2チームに入り、決勝トーナメント進出が決定した。

なお、30日に行われる準々決勝では、グループGを首位通過したスウェーデン代表と対戦する。

チリ女子代表 0-1 なでしこJAPAN
【なでしこJAPAN】
田中美南(後32)