キッカケは”靴飛ばし”、「神様の指示」と語る81歳のサッカー指導者に起きた変化【#これから私は】

2021.03.18 21:00 Thu
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「当初はサッカーを教えようとしたんですよ。ところがサッカーを教えると皆嫌な顔をするんですよ」「あんまり乗り気でなかったんだけども、たまたま子供たちが喜ぶように“靴飛ばし”をするようになった。そこから変化が出てきてね」


そう語ったのは、宮城県塩竃市で子供たちを指導する小幡忠義氏。塩竃FCというクラブを作り上げた、81歳の指導者だ。

「靴飛ばし」とは、誰もが子供の頃にやったことがあるのではないだろうか。ブランコに乗って勢いをつけてやった人も居るかもしれない。あの「靴飛ばし」だ。

文字通り「ボール」ではなく「靴」を飛ばす練習。当時を思い出せば、靴が前に飛ばず、前上に飛んでしまっていた人も居るのではないだろうか。その原因は、身体の使い方。蹴りのフォームが正しくない可能性が高いのだ。

「一番飛ぶ子が身体の使い方が上手いんですよ」と小幡氏が語るように、この動作はサッカーの基本であるボールを蹴る動作と同じだ。つまり、その動きを自然に体得している子は、サッカーが上達するのも早い。

小幡氏は「日本人選手は決定力がないと言われる中、“サッカーの王様”ペレのシュートモーションから着想を得た」と過去の取材で言っていたが、現代ではバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシのシュートもその理想の形に近いと言えるかもしれない。

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日本代表で見たい!ここまで躍動するJリーガー5名をピックアップ

昨年10月、11月の欧州遠征以来の日本代表の活動が行われる3月。そのメンバーが18日に発表される。 今回は国内での久々の代表戦となること、さらに韓国代表との親善試合、カタール・ワールドカップ予選のモンゴル戦ということもあり、注目が集まる。 一方で、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、海外からの入国者に関して「アスリート・トラック」が適用されるされるが、Jリーガーを招集する可能性は高いだろう。 オール海外組で臨んだ昨年の欧州遠征と同じメンバーを招集することは実質不可能な状況。そこで、今Jリーグでノリに乗っている招集すべき選手をピックアップする。 <span class="paragraph-title">◆中央起用で得点力爆発</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_maeda.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> FW前田大然(23) 所属:横浜F・マリノス 今季成績:J1/5試合6得点 日本代表歴:A代表/2試合 東京オリンピックに臨むU-24日本代表に招集される可能性もある前田。今シーズンから横浜FMに完全移籍すると、開幕からゴールを量産中だ。 昨シーズンは左ウイングが主戦場だったが、今シーズンはセンターフォワードとして起用され、ここまで5試合で6得点。現在は4試合連続ゴール中と、最も勢いに乗っているストライカーだ。 従来からもつ爆発的なスピードを生かした最前線からのプレスで相手のビルドアップを封じ、ちょっとしたミスをゴールにつなげるスタイルを確立。また、ショートカウンターから一気にゴールに迫れ、シュート精度も今シーズンは上げている。 <div id="cws_ad"><script src="//player.daznservices.com/player.js#44a12140e3dda008f998a5a1a9.1tybkqliqmgvi1ndbmyxnzxqc3$videoid=1mrnfz7iuxx9412odltjrua0m4" async></script></div> 2019年のコパ・アメリカで日本代表に初招集された前田。U-24日本代表の活動に参加する可能性もあるが、A代表で見てみたいストライカーだ。 <span class="paragraph-title">◆Jリーグで敵なしのドリブラー</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_mitoma.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> MF三笘薫(23) 所属:川崎フロンターレ 今季成績:J1/6試合1得点 日本代表歴:招集なし 昨シーズン最もインパクトを与えたJリーガー。ルーキー記録となるシーズン13得点は圧巻で、川崎フロンターレのJ1優勝に大きく貢献していた。 今シーズンはここまでまだ1得点に終わっているが、ドリブルの切れ味は健在。昨シーズン同様に相手チームは止める術がなく、チャンスメイクでここまで違いを見せている。 前田と同様にU-24日本代表の活動に招集される可能性が高いが、やはりA代表でのプレーを見たい選手の1人。遅かれ早かれ、間違いなくA代表に名を連ねる1人であり、今回のタイミングで呼ばれることを期待する人は少なくない。 <span class="paragraph-title">◆ゴラッソ2発のダイナモ</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_inagaki.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> MF稲垣祥(29) 所属:名古屋グランパス 今季成績:J1/5試合2得点 日本代表歴:招集なし クラブ史上初となる開幕5連勝を飾った名古屋グランパスで、中盤を支える稲垣も日本代表で見たい1人だ。 ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島と所属したチームでは中盤の守備的なポジションを任され、豊富な運動量で大いにチームを支えてきた。 今シーズンも堅守の名古屋を支える1人。さらに、強烈なミドルシュートで2試合連続ゴールを記録するなど、攻撃面でも頼もしさを見せている。 海外組が名を連ねる中盤でJリーガーが入ることはなかなかないが、稲垣が持つ運動量とカバー範囲の広さ、危険察知能力はピカイチ。日本代表でもそのプレーを見たい1人だ。 <span class="paragraph-title">◆泥臭くもゴールへ向かうファイター</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_hayashi.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> FW林大地(23) 所属:サガン鳥栖 今季成績:J1/5試合3得点 日本代表歴:招集なし 開幕から20クラブ中唯一となる5試合連続無失点を記録しているサガン鳥栖。その鳥栖を牽引するストライカーの林も勢いのある選手だ。 プロ1年目の昨シーズンは31試合に出場し9得点。勢いよくゴールに向かう姿が印象的で、ゴールを奪うことを最優先に考えているスコアラータイプのFWだ。 今シーズンはここまで5試合に出場しすでに3得点を記録。17日に行われた第5節の柏レイソル戦では、カウンターから先制ゴールを奪うと、後半にも落ち着いてネットを揺らし、2得点の活躍を見せた。 抜群のスピードとゴールへ向かう推進力も魅力の1つ。FW岡崎慎司を感じさせるゴールへ向かう姿勢があり、東京五輪世代の1人ではあるがA代表でも見てみたい存在だ。 <span class="paragraph-title">◆久々に現れたパワー系CB</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210318_kikuchi.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©J.LEAGUE<hr></div> DF菊池流帆(24) 所属:ヴィッセル神戸 今季成績:J1/4試合2得点 日本代表歴:招集なし 今シーズンのJ1で最も成長を感じるセンターバックの1人。レノファ山口FCから昨シーズン神戸に加入した菊池は、14試合の出場にとどまっていた。 しかし、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではポジションを掴みアジアの強豪クラブ相手に対等に渡り合うと、今シーズンはレギュラーとしてプレーしている。 ここまで4試合に出場しており、すでに2得点を記録。持ち前の対人能力の強さと、競り合いの強さを存分に発揮し、迫力満点だ。 17日の川崎フロンターレ戦でも、1点ビハインドの後半アディショナルタイムに豪快にヘディングでゴールを奪い、チームに勝ち点1をもたらした。 かつては田中マルクス闘莉王や中澤佑二など空中戦に強く、フィジカルに優れたCBがいたが、久々のタイプだけに期待も高まる。 2021.03.18 12:40 Thu
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今季はCL無得点…過去にチェルシーを敗退に追いやったルイス・スアレスがアトレティコの命運を握る

今週の4試合で今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)のベスト8が決定。後半の4試合も熱戦が予想される中、最も注目を集めるのがチェルシーvsアトレティコ・マドリーの一戦だろう。 1stレグはアトレティコのホーム扱いだったが、ワンダ・メトロポリターノではなく、ルーマニアのブカレストで開催。チェルシーが0-1で勝利していた。 2ndレグは17日に予定されているが、場所はロンドンのスタンフォード・ブリッジ。アトレティコとしては、勝ち抜けのためにはゴールが必要な状況。2点以上奪っての勝利で逆転突破が可能となる。 今シーズンはラ・リーガで首位を快走。2位のレアル・マドリーに勝ち点差「6」をつけている状況で、リーグ優勝も見えている状況だ。 しかし、チェルシー戦は別の大会。その中でもゴールを奪う必要があるとなれば、自ずと期待を懸けられるのがエースのウルグアイ代表FWルイス・スアレスだろう。 ラ・リーガでは今シーズンのここまでで18ゴールを記録しリーグ2位。しかし、CLではここまで5試合に出場しているが、ゴールをまだ決められていない。 2月23日に行われた1stレグもフル出場を果たしていたが、ここでもゴールを決められずにいた。 スアレスはここまでCLで通算65試合に出場し26ゴールを記録。実はそれほど得意としておらず、リーグ戦での得点率よりは大きく下がってしまう。 世界でも有数のストライカーでありながら、今シーズンも結果が出ていないように、あまりCLとの相性は良くない。リーグ戦でゴールを奪っていても取れないという難しさがあるのだろう。 しかし、アトレティコが勝ち上がるためには2ゴールが必要。そのため、スアレスに懸かる期待は否応無しに増していくこととなる。 そのスアレスは、リバプールに在籍していたこともあり、チェルシーとはこれまで10試合対戦経験がある。リバプール時代にはプレミアリーグで6試合、FAカップで1試合対戦。バルセロナ時代にはCLで2試合しか対戦しておらず、アトレティコでの1試合を合わせて10試合だ。 しかし、記録したゴールはプレミアリーグでの2ゴールのみ。チェルシーも決して得意としているわけではない。 それでも、バルセロナ時代に対戦した2017-18シーズンのCLでは、今回と同じラウンド16で対戦。1stレグを1-1のドローで終えていたが、2ndレグはスアレスがゴールこそ挙げなかったものの、2アシストとお膳立て。バルセロナは3-0で勝利し、勝ち抜けを決めていた。 ストライカーでありながら、バルセロナ時代はアシストでも勝利に貢献してきたスアレス。今回の2ndレグでも、ゴールに絡むプレーでチームを救えるのか。今季のCLでの初ゴールにも期待が集まる。 2021.03.15 22:45 Mon
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本当の「地域に根ざしたスポーツクラブ」へ 塩釜から日本サッカー改造を目指し続ける81歳・小幡忠義の想い【#あれから私は】

「向かいの交番の所長が『小幡さんこれ大変なことになったよ』と泥だらけになってやってきた。隣の七ヶ浜の海水浴場とか町が全滅して、『とんでもねえよ。何千人って死人が出るよって』それで俺の店に来てぐったりしているわけですよ」 そう当時を振り返ったのは、塩釜市在住の小幡忠義氏。宮城県の塩釜市生まれ塩釜市育ちで、現在も地元の塩釜市で小学生たちにサッカーを教えている。現在81歳のサッカー指導者だ。 2011年3月11日、東北地方を中心に大きな被害をもたらした東日本大震災から10年。小幡氏は当時の様子を振り返ってくれた。 「俺自身津波がそんなにひどいものなのか分からなかった。次の日にその凄さが分かった」 塩釜市は、仙台市の東に位置する海に面した街。10年前の東日本大震災では最大震度6強を観測し、4メートルの津波が発生。沿岸部の住宅や漁船などが被害に遭い、市民47人が犠牲となった。また、18人が関連死と認定され、最大避難者数は8771人にも及び、大きな被害を受けていた。 小幡氏を語る上で欠かせないのが、「塩釜FCの創設者」というフレーズだ。1964年に「仁井町スポーツ少年団」という名で立ち上げられ、小幡氏の類まれな行動力とリーダーシップのもと、塩釜FCに発展する。 人口わずか5万6千人の塩釜市から、元日本代表の加藤久氏(京都サンガF.C.強化本部長)や、鹿島アントラーズで活躍するMF遠藤康、モンテディオ山形、ガンバ大阪などJリーグで活躍した佐々木勇人氏ら、多くのJリーガーを輩出してきた実績がある。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/obata20210311endo.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©︎CWS Brains,LTD.<hr></div> その小幡氏だが、クラブを持っている中での震災発生。さらに、当時は宮城県サッカー協会の会長を務めていたため、安否確認や対応に追われたという。 「俺たちは何をしていいのか分からないし、いろいろな人が支援に来てくれているし、そこで初めてツイッターを覚えて、情報収集だよね。まず、クラブのメンバーの情報を、安否確認。後はうちの親戚とかいろいろな情報を取りながら、次の手を考えていたんだ」 「その間にいろいろな人たちが集まってきて、作戦練ったりして動いていた。宮城県サッカー協会が県のサッカー場にあったんだけども、サッカー場も被災が凄くて、ひび割れしてたり、そこを(一般に)開くわけにはいかないから、近いから俺のところにみんな集まって来ることになったんだよ」 <span class="paragraph-title">◆「地域に根ざす」 </span> 東北、宮城のサッカー界で知られた存在になっただけでなく、厚い人望や行動力、リーダーシップにより周囲の人に支えられている小幡氏の信念には「地域に根ざす」が存在している。 時は遡り1993年、小幡氏は教え子でもあり、ブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)の初代監督である鈴木武一氏らとともにドイツへと赴く。そこで小幡氏は「素晴らしいスポーツ環境」を目の当たりにし、「人間が変わった」と語るほど大きな影響を受けたという。 「どんな場所でもサッカーコート2面あって、テニスコートあってプールがあってさ。グラウンドの脇にはクラブハウスがあってシャワールームがあって、ミーティングルームがある」 「日本は土のグラウンド1つだけでさ、シャワーどころか泥だらけのまま帰るんだもの」 ドイツと日本はともに第二次世界大戦の敗戦国であるものの、その後のスポーツへの考え方、そしてそこから作られた環境のあまりの違いに愕然としたと当時を振り返る。 「『なんでこんなに作ったの』と聞いたとき、『小幡良く聞けよ。日本とドイツは同じ敗戦国だ。「健全なる精神は健全なる体に宿る」。もっといい考えを生み出すために、健康な体を作ろう。そして将来高齢化社会が来る。そこで医療費に金かけないためにということで、そのスポーツ施策をやった』とね。それ聞いたときに驚きしかなかったよ」 ドイツで大きな感銘を受けた小幡氏は帰国後、スポーツ文化施設の拡充に尽力。国、ひいては地域に根ざしたクラブを目標とするようになり、宮城県を中心にいくつものグラウンドの造設に携わった。多くのJリーガーを輩出してもなお、塩釜FCのスローガンは「地域に根ざしたスポーツクラブ」のままだ。 <span class="paragraph-title">◆塩釜を襲った大地震 </span> こうして、ベガルタ仙台の発足にも携わった小幡氏は、後にベガルタ仙台の役員になるとともに、宮城県サッカー協会会長という地位に就く。そんな中で起きたのが東日本大震災だった。 「地域に根ざしたスポーツクラブ」であった塩釜FCは、震災直後には機能がストップした役所に代わって復興の拠点となる。 「九州から車で来たり、山形の鶴岡から大雪の中ガソリンと食料を持ってきてくれたり、岩手や秋田からも運んできてくれたり、いろいろな思いで、友達のありがたみといういか、助けられてきた」 関わってきた人々に助けられた小幡氏だが、同時に「もの凄い勉強させてもらいましたね。ありがたいとか、いろいろな嫌なこととか。人間の性を見たりさ」と、やや沈痛な面持ちで当時を回想してくれた。 小幡氏は、震災当時、なでしこリーグに所属していた東京電力女子サッカー部マリーゼの引受先探しに奔走した。マリーゼの前身は、1997年に宮城県で設立されたYKK東北女子サッカー部フラッパーズで、2004年にチームを東京電力が引き継いだ過去がある。 2005年からはマリーゼとして活動するも、活動拠点が福島県双葉郡楢葉町および広野町にあるJヴィレッジにあったため、東日本大震災と原発事故を受けて活動が停止した。当時は、MF鮫島彩(現大宮アルディージャVENTUS)やDF長船加奈(現浦和レッズレディース)らなでしこジャパンのメンバーも所属。タレントとして活躍する丸山桂里奈さんも所属していた。 最終的には震災翌年の2012年にベガルタ仙台が新たな移管先となり、ベガルタ仙台レディースに。2021年秋から開幕するWEリーグに参戦するにあたり、マイナビ仙台レディースとして今に至っている。 YKK時代からチームを知る小幡氏は、震災当時はクラブ会員が会費を払うバルセロナのソシオ方式の導入を提案していたという。 「そういうもの使ったら面白いでしょ。面白いと言ったら悪いけど、今がチャンスだと。この女子チームを助けてくれと。みんなでソシオ制度を作って、今でいうクラウドファンディング。例えば年間1万円ずつくらい出してもらってね」 小幡氏は具体的な金額まで考えていたが、その想いは「地域に根ざしたスポーツクラブ」にするため。しかし、小幡氏の発想が先を行き過ぎていたのか、その提案は受け入れられず。その後、小幡氏は自ら公職を降りることとなった。 「どのクラブも地域に根ざしたと言っている。ただ、果たして本当に地域に根ざしているのかと。そこが一番の疑問点だった」 「日本のプロスポーツは社長が金集めに奔走しなければならない。大企業におんぶにだっこだね。だからいつまで経っても本当のクラブはできないんじゃないかと思っている」 <span class="paragraph-title">◆公職を離れ原点へ </span> その後の小幡氏は「地域に根ざしたスポーツクラブ」という原点に戻り、継続して塩釜市で子供たちを教えている。 震災という一大事に小幡氏が最も強く感じたことは、子供たちを「自分で考えられる」ように育てなければならないということ。「指示を待つだけでなく、主体的に考えて行動する人物になってもらいたい」ということだった。 さらに、震災以降、小幡氏はあるポリシーを改めたという。それは保護者との関係性だ。 「今まで私は保護者と一切喋ってこなかったのね。えこひいき的なこともあるから。試合に出られない人もいるじゃないですか。でも、そこから保護者と何を目的にスクールをやるのかというところから話を始めたんですよ」 「問題は、世界が近代化されてAIが発達する時代になる。そうすると機械に使われる人間というのがいる。でも、機械を使うような人間を育てるべき。そのためには、自分で考えて行動できる子供たちを育てないと、いつまで経っても駄目だよね」 そこで、小幡氏が最初に選んだのはやはりサッカーだった。しかし、子供たちが前のめりになるまでは、時間がかかった。 「当初はサッカーを教えようとしたんですよ。ところがサッカーを教えると、みんな嫌な顔をするんですよ。『つま先を固めろ』とか。技術の話ね。でも、あんまり乗り気でなかった」 「そこで、たまたま子供たちが喜ぶように靴飛ばしをするようになった。そこから、俺も含めて変化が出てきてね。一番飛ぶ子が、体の使い方が上手いんですよ。スムーズに動くんだよね」 子供たちから学んだ体の使い方の重要性。小幡氏はその後、体の使い方に着目し、偶然にも“古武術”に出会ってのめり込んでいく。海外の恵まれた体格の選手たちに比べ常々フィジカルが弱いと言われる日本人選手にとっては、“古武術”の体の使い方を覚えることがサッカーの技術にも通じてくる“最適解”になる可能性があると考えているようだ。 こうした様々な出会いや考えの変化。これも震災が1つのきっかけになったと小幡氏は語る。 「こういういろいろなこともできるのもね。震災後に会っていろいろ指導を受けたり、震災を契機に、俺の進むべき道を変えてくれた。震災で亡くなった人たちのためにもそういうことを伝えていきたい。その思いで、今は遊びまわっています」 小幡氏は現在も、塩釜で1年生1人、2年生1人、3年生8人、4年生1人、5年生5人、6年生1人で全部で16人を教えている。規模が大きいとは言えないが、本人は「今が一番楽しい」と断言する。 「地域に根ざしたスポーツクラブ」。その根幹は揺らぐことなく、震災でより確固たるものとなった。小幡氏の目は未来を見据え、自らで体現し続けている。 <div style="text-align:left;" id="cws_ad"><hr>81歳になった小幡氏が、塩釜FC創設者になるまでの半生を綴った一冊『小幡忠義の子供とともに育つそれが私のサッカー』が電子書籍で発売中!<br /><br />指導者・小幡忠義はどのようにして生まれたのか。その精神の根幹に迫る。<br /><br /><div style="text-align:center;" id="cws_ad">Kindle版はコチラ<br /><a href="https://amzn.to/2OpERT3" class=""><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/obatabanner2.jpg" style="max-width: 100%;"></a></div></div> 2021.03.11 21:00 Thu
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追い込まれたバルサの救世主に!? 抜群の才能誇る“韋駄天”、ウスマーヌ・デンベレが覚醒か

長らくその能力に疑いの目を向けられ、時には自らの失態によりその評判を大きく落としていた男が、本来の能力を発揮しつつある。 いよいよ、チャンピオンズリーグ(CL)のラウンド16・2ndレグがスタート。ベスト8を決める大事な一戦が2週にわたって行われる。 その中でも最も注目を集めるカードが、パリ・サンジェルマン(PSG)vsバルセロナの一戦だろう。2月16日に行われた1stレグでは、バルセロナの本拠地であるカンプ・ノウで1-4とPSGが圧勝。アウェイゴールを4つも奪い、3点差をつけての勝利は、ベスト8進出がほぼ決まっていると言われてもおかしくないスコアだ。 バルセロナは、アウェイで3点を奪い、無失点に抑えても勝ち上がれないのだから、ほぼ不可能と見るのが当然だろう。最低でも4ゴールが必要な上、3点差以上をつけなくてはいけないミッション。成功の確率は限りなく低くなる。 しかし、バルセロナは4年前に同じ状況から這い上がっている。2016-17シーズンのラウンド16。1stレグをアウェイで戦ったバルセロナは4-0で敗戦。誰もが不可能だと感じていた中、ホームでの2ndレグでまさかの6ゴール。PSGの反撃を1点に抑え、6-1で勝利してベスト8に進出していた。 今回もそれと同じレベルの難しいミッションとなるが、そのカギを握りそうな男がいる。それが、ウスマーヌ・デンベレだ。 2017年8月、ドルトムントで名を挙げたデンベレは、1億500万ユーロ(約135億円)の移籍金でバルセロナへと加入。5年契約を結び、4億ユーロ(約515億5000万円)の契約解除金を設定した。 その値段からもわかるように大きな期待が寄せられていたデンベレだが、蓋を開ければまさかの不良債権となってしまった。 加入1年目はハムストリングの負傷が長引き、前半戦をほぼ棒にふる始末。公式戦23試合に出場し4ゴール8アシストの数字に終わった。 期待された2年目は出場機会を増やし公式戦42試合で14ゴール8アシストを記録したが、このシーズンもケガで離脱することに。3年目の昨シーズンはさらに悪化。ハムストリングや筋肉系のケガが相次ぎ、公式戦9試合に出場し1ゴールと最悪のシーズンとなり、“終わった選手”としての烙印を押されることもあった。 さらに、ケガ以外にも私生活や食生活の乱れが指摘。遅刻グセなど、悪いことは重なり、信頼を大きく失い、無駄な買い物になってしまったと揶揄されていた。 両足が使えること、そしてスピードやテクニックにも優れ、その才能はピカイチだった。ブラジル代表FWネイマールがPSGへ移籍した穴を埋めるための補強だったが、全くもって計算外。しかし、そのデンベレが真の実力を発揮しつつある。 ロナルド・クーマン監督が就任した今シーズンは、相変わらずハムストリングの負傷で2週間ほど離脱したが、コンスタントに出場機会を得ており、ここまで公式戦32試合に出場し、8ゴール4アシストを記録。最も結果を残した2年目に近い成績を残している。 右ウイングを主戦場に、左ウイングでもプレー。先日のコパ・デル・レイのセビージャ戦ではFWリオネル・メッシと2トップを組むなど、プレーの幅も広げており、リーグ戦のセビージャ戦に続いてゴール。センターフォワードで起用された試合では2試合連続ゴールを記録している。 コンディションも悪くなさそうなデンベレは、4ゴールが必要な今回のPSG戦においては救世主になる可能性もある。母国での試合。バルセロナでやっと本領を発揮しつつあるデンベレが火付け役になり、奇跡の逆転突破となる可能性もあるだろう。 前回の大逆転劇で貢献したDFセルジ・ロベルトがケガで欠場することが確定しており、新たなヒーローが必要なところ。バルサの大ピンチを救い、これまでの負債を一気に返済する姿が見たいものだ。 2021.03.08 22:30 Mon
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物議醸す“ハンド”の判定、曖昧さが生み出す「なぜ?」の連鎖

現在のサッカー界で最もホットな話題。それは“ハンド”の基準だ。 VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が各国のリーグで導入が進み、Jリーグも改めて2021シーズンから明治安田生命J1リーグの全試合でVARが使用されている。 開幕から2節を終え、すでにVARによる判定の変更も出ている。7日に行われた明治安田生命J1リーグ第2節の横浜F・マリノスvsサンフレッチェ広島の一戦でも、VARが適用されたシーンが2つあった。 1つは広島の2点目、東俊希のゴール。ゴール前の混戦を押し込んだ形となり、オフサイドのチェックが入ったのだろう。すぐに試合は再開されなかったが、問題なくゴールが認められた。 もう1つは前半終了間際のプレー。横浜FMのゴール前でハンドが疑われたが、そのまま試合は続行。前半が終了するかと思われたが、VARのチェックが入り、今村義朗主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)を行った。 このシーンでは、DF松原健の“ハンド”が疑われ、そのシーンの映像はスタジアムのビジョンでも流される状況に。主審と同じ映像を見たファンの目にも、松原の手にボールが当たっていることがハッキリと見てとれた。OFRの映像を全員が共有できることは、オープンな判定という意味でプラスと言える。 そのVARだが、Jリーグは新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり1年延期して運用がスタート。一方で、世界では先立って運用されているが、ここに来て様々な問題が起きている。 特に大きな問題が度々生じているのがプレミアリーグだ。 少し前では、マイク・ディーン主審がOFRによって2試合連続で選手を退場処分としたが、いずれも異議申し立てがされると、不当な退場だったとして処分が撤回される状況が起きていた。 VARはあくまでも“サポート”であり、最終的なジャッジは主審が下すものと定義されているが、自分の目で映像をしっかりと確認した上で下した退場処分が、2試合連続で誤審だったとなれば、審判の資質を疑う声が挙がってしまっても致し方ないだろう。 その一方で、多くの試合で物議を醸しているのが“ハンド”だ。サッカーの競技規則などを決める国際サッカー評議会(IFAB)は、2019-20シーズンに向けてハンドの基準を変更。「競技者の手や腕にボールが当たった場合のすべてが反則になるとは限らない」としているが、その当時は手の位置が重要な基準に。「手や腕を用いて体を不自然に大きくした」、「手や腕が肩よりも上にあった」など、不自然な場所にある手に当たった場合は“ハンド”とされていた。 しかし、2020-21シーズンに向けてはこの解釈を変更。予備動作など、人間の動きに対して自然な場合は、位置がどこにあっても“ハンド”にはならないことが決定。しかし、この結果が解釈の違いによって大きく判定の基準がブレることが起こっている。 直近で言えば、6日に行われたプレミアリーグ第27節のバーンリーvsアーセナルの一戦。ニコラ・ペペが浮かせたボールに対し、エリック・ピーテルスの手に完全にボールが触れているが、主審はハンドをとらなかった。 <div id="cws_ad">◆これはノーハンドに<script src="//player.daznservices.com/player.js#44a12140e3dda008f998a5a1a9.1tybkqliqmgvi1ndbmyxnzxqc3$videoid=130knmrnxc28v1kxojdhdk6tt7" async></script></div> 至近距離であり、不可避だったという理由もあるようだが、自然な位置かと言われるとなんとも言えない。しかし、映像を見た主審が“ハンド”ではないと判断したら、それがジャッジとなるのだ。 ミケル・アルテタ監督も「あれがPKじゃないのなら、誰かがこのリーグにおけるPKとは何なのかを説明すべきだ」と、不明確なジャッジに怒りを露わにしている。 少し前では、4日に行われたプレミアリーグ第33節のフルアムvsトッテナムでも問題のシーンがあった。 0-1でトッテナムがリードして迎えた62分、ジョシュ・マジャがゴールを決めたシーンだ。このシーンは、VARの結果ノーゴールの判定に。フルアムが追いついたと思われたが、ハンドをとられた。 このシーンでは、こぼれ球をトッテナムのダビンソン・サンチェスがクリア。そのボールがフルアムのMFマリオ・レミナの左腕に当たった。体の横についていた腕に当たった相手のクリアボールだが、そのこぼれ球をマジャが決めたが、ゴールは取り消されていた。 2月28日のチェルシーvsマンチェスター・ユナイテッドの一戦では、カラム=ハドソン・オドイとメイソン・グリーンウッドが競り合った際の“ハンド”が認められなかった。 試合が1分以上進んだ後にVARのチェックが入り、主審のスチュアート・アトウェル氏がOFRを実施。映像を何度見ても、ハドソン=オドイが手を出してボールに触れているが、どちらの“ハンド”にもならずに試合は再開していた。これに関しては、プレミアリーグでかつて審判を務めたマーク・クラッテンバーグ氏は「明らかなハンド」と誤審を指摘していた。 「不自然な」という曖昧な基準、そして動きに対する「不自然さ」は、主審がどう感じるかで“ハンド”か“ノーハンド”かが決まることになる。 なお、こうした“ハンド”の判定が様々な場所で物議を醸している状況を受け、2021-22シーズンに向けてIFBAは再び規則を変更。その中で、「ゴールを決めるチャンスを得る、チームメイトがゴールを決めた際の偶発的なハンドは、今後は反則とならない」とした。この基準であれば、フルアムのマジョのゴールは認められることとなる。 VARの導入により、オフサイドの明確化、見逃されたファウル、カードの対象者違いなど、明らかなミスはなくなっているが、その逆に曖昧な部分がより曖昧さを増すことにもなっている状況だ。 人間がジャッジするという部分も含めてサッカーだとはいうが、それであれば主審がジャッジを決めた理由を明確にする必要があるのではないだろうか。「なぜ?」がいつまでも残るようでは、VARによる一部ジャッジの正確性が本当の意味でプラスになるとは言えないかもしれない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2021.03.07 22:05 Sun
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