【EL R16プレビュー】ユナイテッドとミランの強豪対決! ダービー控えるノースロンドンの両雄に注目
2021.03.11 19:00 Thu
ヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド16の1stレグが11日に開催される。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、トッテナム、ミランといった優勝候補を中心にラウンド16初戦の見どころを紹介していく。
◆ラウンド16・1stレグ◆
▽3/11(木)
《26:55》
マンチェスター・ユナイテッド vs ミラン
アヤックス vs ヤング・ボーイズ
ディナモ・キエフ vs ビジャレアル
スラビア・プラハ vs レンジャーズ
《29:00》
ローマ vs シャフタール・ドネツク
オリンピアコス vs アーセナル
トッテナム vs ディナモ・ザグレブ
グラナダ vs モルデ
★ユナイテッドとミランの優勝候補対決初戦!

今ラウンド屈指の好カードとなったのは、世界屈指の名門クラブであるマンチェスター・ユナイテッドとミランの優勝候補対決。
チャンピオンズリーグ(CL)の3位敗退組としてラウンド32からの参戦となったユナイテッドは、前ラウンドでレアル・ソシエダと対戦。下馬評では拮抗した戦いが予想された中、スールシャール率いるチームは中立地トリノでの初戦をMFブルーノ・フェルナンデスの2ゴールを含め、大量4つのアウェイゴールを奪って4-0の圧勝。ホームでの2ndレグは相手のPK失敗などに助けられた面はあったものの、0-0のドローで終えて危なげなく突破を決めた。
さらに、直近のプレミアリーグでは公式戦21連勝中だった絶好調のマンチェスター・シティとのダービーをB・フェルナンデスのPK弾、DFショーのゴールによって2-0の完勝。リーグ2位の座を維持している。FWラッシュフォードの負傷離脱は懸念材料も、直近の公式戦4試合連続クリーンシート中と守備面の安定は際立っており、今回の一戦においても堅守速攻をベースに手堅い試合運びで先勝を狙う。
また、セリエAでは2位に付けているものの、ここ最近は取りこぼしが目立ち宿敵インテルに6ポイント差を付けられている。今回の一戦に向けては古巣初対戦が期待されたFWイブラヒモビッチ、DFテオ・エルナンデス、FWレビッチら主力5人がケガの影響で招集外に。とりわけ、センターフォワードはFWレオンのバックアップに初招集の20歳FWトニンが入る厳しい状況だ。それだけに、敵地での初戦では守備に重きを置いた戦い方を選択せざるを得ない状況だ。
なお、両者はこれまで欧州の舞台で通算10度対戦しており、5勝5敗の全くの五分だ。直近の対戦となった2009-10シーズンのCLではユナイテッドが2連勝でベスト8進出を決めている。
★ダービー控えるノースロンドンの両雄

ナポリやレスター・シティの想定外の敗退により、前述の2チームと共に優勝候補に挙がるのが、アーセナルとトッテナムのノースロンドン勢。その2チームは今週末のプレミアリーグでダービーを控える中、それぞれオリンピアコス、ディナモ・ザグレブという欧州カップ戦常連チームと対戦する。
今大会無敗を継続するアーセナルは前ラウンドでベンフィカとの強豪対決に臨んだ。中立地ローマでの初戦をFWサカのアウェイゴールによって1-1のドローで終えた中、同じく中立地ギリシャでの開催となったホーム扱いの2ndレグでは1-1のイーブンで迎えた後半にMFセバージョスのミスから痛恨のアウェイゴール献上。それでも、DFティアニー、FWオーバメヤンのゴールによって劇的な逆転突破を飾った。
今週末にダービーを控える中、奇しくもベンフィカを破ったスタディオ・ヨルギオス・カライスカキスに帰還となるアーセナルは、ある程度ターンオーバーを行いたいところだが、オリンピアコスは昨シーズンのラウンド32で敗れた因縁の相手だけに全力での戦いが求められるところだ。
一方、トッテナムは前ラウンドでヴォルフスベルガーと対戦。オーストリアの強豪相手に初戦を4-0、2ndレグを4-1と地力の差を見せつける余裕の突破となった。この2試合を通じてはFWベイル、MFデレ・アリ、FWカルロス・ヴィニシウスとリーグ戦で出番が少ない控え選手が好アピールを見せ、その活躍によってリーグ戦で出番を得る好循環となっている。
ヴォルフスベルガーに続き比較的与しやすいクロアチア王者との一戦では当初1stレグを敵地で戦う予定だった中、セキュリティー上の問題によって同一都市(ロンドン)での同日開催を認めないというUEFAの規則に従い、初戦をホームで戦うことに。これによって2ndレグをホームで戦うアドバンテージを失うも、週末のダービーを考慮すれば、長距離移動なしで戦うアドバンテージを手にしたと言える。とはいえ、決して油断できない相手だけにこの初戦できっちり勝ち切って敵地での2ndレグにアドバンテージを持って臨みたい。
★ローマは2ラウンド連続の指揮官古巣対決

その他の強豪チームではローマを率いるフォンセカ監督にとって2ラウンド連続の古巣対決となるローマとシャフタールの一戦に注目したい。
ローマは前ラウンドでポルトガル人指揮官の古巣であるブラガと対戦し、FWジェコとFWマジョラルの2試合連続ゴールなどによって初戦を2-0、第2戦を3-1といずれも快勝で飾った。
そして、昨季は王者セビージャに敗れたラウンド16の舞台で、指揮官の古巣であり昨季ELベスト4のシャフタールと対戦する。なお、両者は2017-18シーズンのCLラウンド16でも対戦しており、その時は2戦合計2-2もローマがアウェイゴール数の差で勝ちあがりを決めている。両チームには当時を知る選手も残っており、白熱の攻防が期待される。
その他のカードではセビージャ時代にEL3連覇の実績を持つエメリ監督率いるビジャレアルと、ディナモ・キエフの一戦。ジェラード監督の下、圧巻の強さでスコットランドリーグを制したレンジャーズと、前ラウンドでレスター相手に番狂わせを演じたスラビア・プラハのアウトサイダー同士の一戦にも注目が集まるところだ。
◆ラウンド16・1stレグ◆
▽3/11(木)
《26:55》
マンチェスター・ユナイテッド vs ミラン
アヤックス vs ヤング・ボーイズ
ディナモ・キエフ vs ビジャレアル
スラビア・プラハ vs レンジャーズ
《29:00》
ローマ vs シャフタール・ドネツク
オリンピアコス vs アーセナル
トッテナム vs ディナモ・ザグレブ
グラナダ vs モルデ
★ユナイテッドとミランの優勝候補対決初戦!

Getty Images
今ラウンド屈指の好カードとなったのは、世界屈指の名門クラブであるマンチェスター・ユナイテッドとミランの優勝候補対決。
さらに、直近のプレミアリーグでは公式戦21連勝中だった絶好調のマンチェスター・シティとのダービーをB・フェルナンデスのPK弾、DFショーのゴールによって2-0の完勝。リーグ2位の座を維持している。FWラッシュフォードの負傷離脱は懸念材料も、直近の公式戦4試合連続クリーンシート中と守備面の安定は際立っており、今回の一戦においても堅守速攻をベースに手堅い試合運びで先勝を狙う。
対してグループステージから参戦しているミランは、前ラウンドでツルヴェナ・ズヴェズダと対戦。格下相手に危なげなく突破を決めるかに思われたが、2試合を通じで大苦戦。敵地での初戦では1点リードで相手に退場者が出たにも関わらず、ラストプレーで追いつかれて2-2のドローで終えると、ホームでの2ndレグでも後半半ばに退場者を出した相手に勝ち切れず、1-1のドロー。2戦合計3-3もアウェイゴール数の差で上回り、薄氷の突破となった。
また、セリエAでは2位に付けているものの、ここ最近は取りこぼしが目立ち宿敵インテルに6ポイント差を付けられている。今回の一戦に向けては古巣初対戦が期待されたFWイブラヒモビッチ、DFテオ・エルナンデス、FWレビッチら主力5人がケガの影響で招集外に。とりわけ、センターフォワードはFWレオンのバックアップに初招集の20歳FWトニンが入る厳しい状況だ。それだけに、敵地での初戦では守備に重きを置いた戦い方を選択せざるを得ない状況だ。
なお、両者はこれまで欧州の舞台で通算10度対戦しており、5勝5敗の全くの五分だ。直近の対戦となった2009-10シーズンのCLではユナイテッドが2連勝でベスト8進出を決めている。
★ダービー控えるノースロンドンの両雄

Getty Images
ナポリやレスター・シティの想定外の敗退により、前述の2チームと共に優勝候補に挙がるのが、アーセナルとトッテナムのノースロンドン勢。その2チームは今週末のプレミアリーグでダービーを控える中、それぞれオリンピアコス、ディナモ・ザグレブという欧州カップ戦常連チームと対戦する。
今大会無敗を継続するアーセナルは前ラウンドでベンフィカとの強豪対決に臨んだ。中立地ローマでの初戦をFWサカのアウェイゴールによって1-1のドローで終えた中、同じく中立地ギリシャでの開催となったホーム扱いの2ndレグでは1-1のイーブンで迎えた後半にMFセバージョスのミスから痛恨のアウェイゴール献上。それでも、DFティアニー、FWオーバメヤンのゴールによって劇的な逆転突破を飾った。
今週末にダービーを控える中、奇しくもベンフィカを破ったスタディオ・ヨルギオス・カライスカキスに帰還となるアーセナルは、ある程度ターンオーバーを行いたいところだが、オリンピアコスは昨シーズンのラウンド32で敗れた因縁の相手だけに全力での戦いが求められるところだ。
一方、トッテナムは前ラウンドでヴォルフスベルガーと対戦。オーストリアの強豪相手に初戦を4-0、2ndレグを4-1と地力の差を見せつける余裕の突破となった。この2試合を通じてはFWベイル、MFデレ・アリ、FWカルロス・ヴィニシウスとリーグ戦で出番が少ない控え選手が好アピールを見せ、その活躍によってリーグ戦で出番を得る好循環となっている。
ヴォルフスベルガーに続き比較的与しやすいクロアチア王者との一戦では当初1stレグを敵地で戦う予定だった中、セキュリティー上の問題によって同一都市(ロンドン)での同日開催を認めないというUEFAの規則に従い、初戦をホームで戦うことに。これによって2ndレグをホームで戦うアドバンテージを失うも、週末のダービーを考慮すれば、長距離移動なしで戦うアドバンテージを手にしたと言える。とはいえ、決して油断できない相手だけにこの初戦できっちり勝ち切って敵地での2ndレグにアドバンテージを持って臨みたい。
★ローマは2ラウンド連続の指揮官古巣対決

Getty Images
その他の強豪チームではローマを率いるフォンセカ監督にとって2ラウンド連続の古巣対決となるローマとシャフタールの一戦に注目したい。
ローマは前ラウンドでポルトガル人指揮官の古巣であるブラガと対戦し、FWジェコとFWマジョラルの2試合連続ゴールなどによって初戦を2-0、第2戦を3-1といずれも快勝で飾った。
そして、昨季は王者セビージャに敗れたラウンド16の舞台で、指揮官の古巣であり昨季ELベスト4のシャフタールと対戦する。なお、両者は2017-18シーズンのCLラウンド16でも対戦しており、その時は2戦合計2-2もローマがアウェイゴール数の差で勝ちあがりを決めている。両チームには当時を知る選手も残っており、白熱の攻防が期待される。
その他のカードではセビージャ時代にEL3連覇の実績を持つエメリ監督率いるビジャレアルと、ディナモ・キエフの一戦。ジェラード監督の下、圧巻の強さでスコットランドリーグを制したレンジャーズと、前ラウンドでレスター相手に番狂わせを演じたスラビア・プラハのアウトサイダー同士の一戦にも注目が集まるところだ。
マンチェスター・ユナイテッドの関連記事
UEFAヨーロッパリーグの関連記事
|
マンチェスター・ユナイテッドの人気記事ランキング
1
「ワカバヤシだ!」ユナイテッドGKの“帽子姿”に世界中のサポーターから反応
マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表GKディーン・ヘンダーソンのプレースタイルが話題になっている。 ユナイテッドは18日、プレミアリーグ第32節でバーンリーとホームで対戦。ヘンダーソンはリーグ戦6試合連続先発出場を果たした。 オフサイドにより取り消しとなったものの、開始20秒過ぎに不用意な飛び出しからネットを揺らされたヘンダーソンは、日光が気になったのか、後半からは赤地にクラブのエンブレムが描かれた“帽子”を着用。イングランドで帽子をかぶるGKはほとんどおらず、その珍しい姿は大きな話題を呼んだ。 ヘンダーソンはシェフィールド・ユナイテッド時代にも帽子をかぶってゴールマウスを守ったことがあるが、アメリカ『Bleacher Report』が帽子姿を公開すると、「似合ってないけど可愛い」「帽子をかぶるGKは減った」などの意見が寄せられた。 中でも、「ワカバヤシだ!」「ワカバヤシ・ヘンドー」など、漫画『キャプテン翼』に登場する、帽子がトレードマークのGK若林源三になぞらえる声が多く、そのことに驚く日本人のファンの声もあった。 ヘンダーソンは50分に左CKの場面で相手DFジェームズ・タルコウスキにゴールを許したものの、ユナイテッドは後半だけで3ゴールを記録。リーグ5連勝を達成している。 <span class="paragraph-title">【画像】若林源三を彷彿とさせる“帽子姿”のヘンダーソン</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Dean Henderson brought out the cap for the second half <a href="https://t.co/yQrtMpjOPY">pic.twitter.com/yQrtMpjOPY</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1383822300311478273?ref_src=twsrc%5Etfw">April 18, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.04.19 20:30 Mon2
中盤補強も目指すユナイテッド、コパ・アメリカで活躍のコロンビア代表MFリオスに注目…約35億円オファー準備か
マンチェスター・ユナイテッドがパウメイラスのコロンビア代表MFリチャード・リオス(24)の獲得に動き出しているようだ。 オランダ代表FWジョシュア・ザークツィー(23)やU-23フランス代表DFレニー・ヨロ(18)を確保するなど、着々と補強を進めているユナイテッド。中盤の選手との契約も目指し、パリ・サンジェルマン(PSG)のウルグアイ代表MFマヌエル・ウガルテ(23)が新戦力候補筆頭となっている。 一方、退団へ向かう可能性がある選手も複数。ブラジル代表MFカゼミロ(32)の移籍が取り沙汰されているほか、スコットランド代表MFスコット・マクトミネイ(27)にはフルアムやトッテナム、ガラタサライなどからの関心が浮上。また、フィオレンティーナからレンタルしていたモロッコ代表MFソフィアン・アムラバト(27)に関しては、2000万ユーロ(約34億2000万円)の買取オプションの行使を見送ることとなった。 ウガルテの獲得だけでは選手層に不安が生じることも考えられるなか、移籍市場に精通するジャーナリストのルディ・ガレッティ氏によると、ユナイテッドはリオスにアプローチ。パウメイラスへの1700万ポンド(約34億5000万円)のオファーも準備しているという。 リオスは2023月10月にコロンビア代表デビューを飾ったばかりのセントラルミッドフィルダー。準優勝に終わったコパ・アメリカ2024では、グループステージから決勝までの6試合全てで先発し、攻守にわたって存在感を発揮した。 一躍その名を世界に広めたMFは、ミランのリストにも加わっているとのこと。しかし、リオスと2026年12月までの契約を交わすパウメイラスは、今夏の売却の意思がないようだ。 2024.07.22 18:42 Mon3
“ジャンピングチョップ事件”いまだ和解なし、ファン・ニステルローイが宿敵との騒動を振り返る
▽現役時代にマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイ氏が、宿敵との騒動を振り返った。イギリス『インデペンデント』が伝えた。 ▽事件は約13年前のオールド・トラフォード、マンチェスター・ユナイテッドvsアーセナルで起こった。当時のプレミアリーグは、ユナイテッドとアーセナルの2強時代。MFロイ・キーン、MFパトリック・ヴィエラという闘将に率いられていた両者の直接対決は、常に意地と意地がぶつかり合う激闘だった。 ▽そして試合では、0-0で迎えたアディショナルタイムにFWディエゴ・フォルランがボックス内でDFマーティン・キーオンに倒されてPKを獲得。しかし、このPKキッカーを務めた名手ファン・ニステルローイは、シュートをバーに当ててしまった。 ▽そして、試合は0-0のまま終了。宿敵の絶対的エースがPKを失敗したことにより勝ち点を獲得してテンションが上がったアーセナルの選手たちは、試合終了の笛とともにファン・ニステルローイを囲んで挑発。試合中も激しくやりあっていたキーオンは、ファン・ニステルローイに“ジャンピングチョップ”を敢行した。 ▽オックスフォード大学での講義にゲストとして参加したファン・ニステルローイ氏は、「キーオンに街でたまたま会ったら、どのように振舞うのか?」と尋ねられると、冗談交じりに「彼は再び私の上に飛んでくるだろう(笑)。時代を生きていくには、クレバーじゃないといけないと思ったよ」と語り、会場の笑いを誘った。 ▽一方、この事件があった2003-04シーズンにプレミアリーグ無敗優勝を経験したキーオン氏は先月、当時について以下のように振り返っていた。 「おそらく、私は過剰な反応を見せてしまった。ルート・ファン・ニステルローイは、ブラックリスト入りする信用できない敵だった。彼はトッププレーヤーであり、ファイターだったが、どんな手を使ってでも相手を打ちのめそうとするような選手だった」 2016.02.08 20:42 Mon4
今季は5名が新加入、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向に英紙が注目「今後も続く可能性が高い」
現在は9人、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向を英紙が注目「今後も続く可能性が高い」 イングランドのFA女子スーパーリーグ(FAWSL)には、現在9人の日本人選手が所属。アジア人プレーヤーが増加傾向にある理由を、イギリス『BBC』が探った。 マンチェスター・シティのMF長谷川唯を筆頭に、ウェストハムにはDF清水梨紗とMF林穂之香に加え、今季からはFW植木理子も在籍。リバプールではMF長野風花が主軸を担っている。 オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)得点王の実績が評価され、マンチェスター・ユナイテッドにはMF宮澤ひなたが加入。チェルシーにはローンバックでFW浜野まいかが復帰し、今冬にはレスター・シティへ宝田沙織と籾木結花が籍を移した。 なでしこジャパンが2011年ドイツ女子W杯で優勝、2012年にロンドン・オリンピックで銀メダルを獲得した直後にも、2013年にチェルシーへ永里優季(現:ヒューストン・ダッシュ/アメリカ)が、2014年にアーセナルへ大野忍(スペランツァ大阪監督)や近賀ゆかり(サンフレッチェ広島レジーナ)が加入と、イングランドでのプレーを選択する日本人が続いたが、現在は当時とは異なる風向きで、勢いも加速している。 WSLで頭角を現した最初のアジア人選手と言えば、チェルシーで6度のリーグ優勝を達成した韓国女子代表MFチ・ソヨン(2014-2022年5月)をおいて他にないが、『BBC』では、続く存在として長谷川を挙げ、増加傾向にある日本人選手を特集。スカウティングへの投資、テレビによる世界的な女子サッカー中継の増加、移籍市場での競争の激化など、いくつかの要因を挙げた。 「映像が得られるという点で、スカウティングリソースは劇的に増加した。我々には2人の素晴らしいアナリストもいて、間違いのない選手を特定するのに役立っている」と、宝田と籾木を獲得したレスターのウィリー・カーク監督の言葉を引用。ウェストハムのレハネ・スキナー監督は、国際大会を通じて植木の才能を買っていたと話す。 また、イングランド内における女子サッカーの地位が高まったことによる、待遇の変化にも注目。給与の向上や移籍市場の変化により、WSLが選手にとってより魅力的なものになったと伝えている。 各チームの監督ともに、日本人選手の良さに「規律や戦術理解度、技術の高さ」などを挙げる。『BBC』は「これらの要因により、アジア系の才能ある人材がイギリスに流入することになり、最近到着した選手たちの成功を考えると、この傾向は今後も続く可能性が高い」と結んでいるが、まさしくその通りになるだろう。 最後に、各指揮官によるコメントを掲載。日本人選手、特に自チーム所属の選手を大いに評価している点がユニークだ。 「(WSLでプレーする)日本人選手はどんどん増えてくるだろうし、その理由も分かるだろう。非常に規律があり、聞く耳を持っている。強度も高く、ゲームの理解度もとても高い。もちろん、個々の能力は異なる。(長谷川)唯は非常に知的でゲームの読み方は誰にも負けないだろうし、信じられないほどの才能があると思う」(マンチェスター・シティ/ガレス・テイラー監督) 「風花は試合を読む力が高く、本当に素晴らしいサッカー選手だ。彼女たちは戦術面において非常にクレバーで、技術的にもとても優れている。後方から組み立てるチームの多いWSLの現状において、"日本ブランド"は我々にとって助けになる」(リバプール/マット・ビアード監督) 「日本人選手が増えた理由は明白です。戦術的に聡明で、技術的にも才能のある選手を望まない人はいないでしょう?彼女たちは私たちのチームに大きな価値をもたらしてくれました」(ウェストハム/レハネ・スキナー監督) 「必ずしもアジアの選手を探していたわけではなく、トップクラスのナンバー6を探していたら宝田を見つけたんだ。半年ほど注視して、夏に獲得しようとしたが、リンシェーピングとの合意に至らなかったから、(それなら満了後にと)事前契約を行った。チャンピオンズリーグのアーセナル戦は素晴らしかった」 「宝田選手をさらに見ていたら、籾木の良さにも気付いて、これは良い機会だと思ったんだ。2人とも素晴らしい才能のある選手だよ」(レスター・シティ/ウィリー・カーク監督) 2024.02.12 21:57 Mon5