Jリーグは33億円超の黒字も「コスト圧縮をした結果」、赤字決算、債務超過のクラブも

2021.03.08 18:50 Mon
©超ワールドサッカー
Jリーグは8日に社員総会を実施。2020年度(令和2年度)の決算を承認した。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて大幅に収入が激減する中、Jリーグは一般企業における当期純利益に当たる当期経常増減額が33億5800万円だったと報告。黒字となった。

しかし、この黒字は大幅な収入増によるものではなく、新型コロナウイルスの影響で収入が不透明になることから、リーグの投資活動を凍結するなどの大幅なコスト削減を実施した結果となった。
なお、この黒字部分に関しては、2021年、2022年とコロナ禍が続くことを想定し、「クラブ支援」、「コロナ対策」、「リーグ価値の維持・向上」施策に当てるとしている。

また、経常費用に関しては予算対比で40億円減少。経常収益に関してはスポンサーからの追加協賛やスポーツ振興助成金などにより、予算対比で6.4億円増加し、当初赤字を見込んでいた予算から黒字に転換したという。
Jリーグの青影宜典氏は「この黒字を読み違えないでいただきたい」と念を押し、「お客様を呼び込むことができたから大幅な黒字を達成できたというわけではない」と好調だったわけではないとコメントした。

また、クラブの経営状態に関しては問題も発生。「クラブの決算では、多くのクラブが赤字決算で、債務超過に陥ってしまうクラブもある」とコメント。苦しい状態には変わりないことを強調していた。

村井満チェアマンもこの決算についてコメント。「ちょうど1年前にサバイバルモードという宣言をして、徹底的にコスト削減に踏み切ろうという話をした。結果的に40億円のコスト減となったが、聖域なき全ての予算を圧縮し、生き残るためにさまざまな対応をしてきた結果」とコスト削減によるものであると語り、「Jリーグの価値が上がって、魅力的になって収入増をしたのではなく、必要な投資はしながらコスト圧縮をした結果であり、成長による利益ではない。厳粛に受け止めているというのが正直なところ」とした。

また、「当時は試合開催が止まっていたが、現時点でお客様をお迎えできている。私も各節スタジアムに足を運んでいるが、お客様の顔を見ていると、サッカーがあってよかったなと感じており、楽しまれている顔を見られているのが何よりの収穫。サステナブルな運営のために予算を使っていきたい」とし、苦しい状況ながらも、1年前から状況が大きく変わっていっていることに安堵の表情を浮かべていた。

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