Jリーグは来季よりユニの背番号を統一/六川亨の日本サッカーの歩み

2020.09.15 21:50 Tue
©︎J.LEAGUE
ステイホームの続く毎日だが、久しぶりに慌ただしい一日だった。10時に某週刊誌に内田篤人のロールモデルコーチ就任についてコメントを求められた。11時からは、明日J1リーグの試合を控えるJクラブの監督のweb会見に続いて、若手2選手の会見取材を終了する。13時30分からは、今年のルヴァン杯の準決勝から取材の申請方法が変更されるので、その詳細に関してレクチャーを受けた。これまでもJリーグの取材はネットから申請していたものの、そのシステムも導入して10年が過ぎた。このため来シーズンからリニューアルされるので、たまたま今年のルヴァン杯は勝ち残っているのが首都圏の4チーム(川崎F、FC東京、横浜M、柏)のため、首都圏のメディアを対象に説明会が開催されたのだった。

その取材中にJFA(日本サッカー協会)からメールが届き、15時から急きょ森保一監督の会見を実施するというアナウンスがあった。先週は反町技術委員長が、10月に日本代表がオランダ遠征を行い、カメルーンとコートジボワールと対戦することを発表したばかり。それを受けての森保監督の会見だった。
そして締めは17時からの、Jリーグ定例実行委員会後の記者会見だ。さすがに1日4本のリモート会見になると肩も凝ってきた。

そうした様々なトピックスの中で「やっと」と思ったのが、Jリーグのユニホームの背番号のデザインとカラーの変更および統一だ。
どのようなコンセプトのもと、どういうデザインとカラーに変更されたのかは、当サイトでも詳しく紹介しているのでそちらをご覧いただきたい。

Jリーグのユニホームの色やデザインに関しては、遙か昔、Jリーグが誕生する前に一度統一されたことがあった。それまでのJSL(日本サッカーリーグ)時代は、例えば三菱(後の浦和)はプーマ(リーベルマン社)、ヤンマー(後のC大阪)ならアディダス(デサント社)と言った具合に(アシックスを採用しているチームももちろんあった)、各チームがそれぞれメーカーと個別に契約していた。

しかしJリーグの誕生にあたり、サッカー界では後発だったミズノ社が、J1全10チームのユニホームを一括してデザインから作製まで請け負い、なおかつJリーグに年間2億円の協賛金を支払うというオファーを出した。契約は3年間なので、計6億円になる。

当時、プーマ、アディダス、アシックスの3社は年度ごとに輪番で日本代表のオフィシャル・サプライヤーを務めていたが、年間の協賛金は1千500万円ほど。3社が束になってもミズノの提示した億という金額には届かなかった(日本代表のオフィシャル・サプライヤーは前述の3社の輪番で98―99シーズンまで続いたものの、ナイキ社の出現により99年に崩れた)。

カラーに関しても、それまでは会社のカラーをユニホームに採用しているチームが多かった。しかし、それだとレッドとブルーのチームばかりになってしまう。そこでJリーグは重ならないように、「静岡の名産はみかんなんだから、清水はオレンジでどうですか」と提案したり、「紫は高貴な色なんですよ」と広島を説得したりして10チームの色分けを半ば強引に実施した。

このチームカラーに関しては、もはや各クラブの伝統になりつつあるようだ。

そして当時のユニホームはデザイン優先だったから、背中の背番号はかなり見にくかった。鹿島の背番号は流線的なデザインだったため「3」と「5」が判別しにくかったし、加えて当時のJリーグの背番号はプレミアリーグを真似て、個人の固定番号制(97年に変更)ではなく、スタメンは1番から11番までと決まっていた。

当然、ユニホームに個人名は入っていないし、鹿島の「10」番はジーコだけでなく、彼が不在の時は石井(正忠。元鹿島監督)が着けるなど、試合によってバラバラだった。

その後は各チームとも紆余曲折を経て現在に至っているが、それでも年度によってデザインをリニューアルした際は、背番号がかなり見にくいチームもあった。似たような色で背番号がユニホームに溶け込んでいたり、縦縞のため部分的に色が飛んでいたりして、逆光になったらほとんど判読不能なチームもあった。

新デザインとカラーでは、縁取りをしつつ、それでも見づらい場合は色の違うゼッケンのようなもの(業界用語で「ざぶとん」と言うそうだ)を下に敷いて視認性を高めることもあるという。これなら縦縞のユニホームでも見やすくなるだろう。

テレビからパソコン、タブレット、スマホとJリーグの視聴環境も時代の変化に合わせて多様化している。そうした動きに連動する今回の改革案。Jリーグはコロナ禍でも歩みを止めないという一例と言えるだろう。

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