【ラ・リーガ・シーズンプレビュー】継続路線の王者マドリーが大本命! 大混乱バルサは劇薬クーマンが吉と出るか凶と出るか
2020.09.12 15:00 Sat
2020-21シーズンのラ・リーガが9月12日(土)に開幕を迎える。昨シーズンは新型コロナウイルスによる異例の長期中断を経て、再開後に独走したレアル・マドリーが3年ぶりの覇権奪還。迎えた新シーズンも昨季王者がタイトルレースをけん引する見込みだ。
◆継続路線で連覇に向け揺らぎなし~レアル・マドリー~
優勝候補の筆頭は連覇を狙う王者マドリーだ。昨季は序盤戦こそ主力のコンディション不良によって出遅れたものの、主将DFセルヒオ・ラモス、エースFWベンゼマ、守護神クルトワの圧巻の勝負強さ、序盤、中盤を支えた若手の台頭、終盤のベテランの復活とチームとしての総合力が光り、3シーズンぶりにリーグ優勝を果たした。
連覇を狙う新シーズンに向けては、積極補強を図った前年と異なり、ここまで主力クラスの新戦力補強がゼロ。コロナ禍で緊縮財政を強いられていることは間違いないが、ペレス会長、ジダン監督らの現有戦力への信頼、自信の表れとも取れる。
昨季、ほぼフル稼働だったMFカゼミロ、セルヒオ・ラモス、ベンゼマの代役不在は懸念材料も、DFミリトン、DFメンディ、MFバルベルデ、FWロドリゴ、FWヴィニシウスら若手の台頭により、各ポジションで質の高いターンオーバーが可能だ。これに適材適所の用兵が光るフランス人指揮官の采配が加われば、今季も安定した戦いが期待できる。
ライバルチームが昨季同様の勝ち点ペースを継続する場合、連覇の可能性は非常に高いと言えるが、前述の替えの利かない主力の長期離脱や有事に備え、来月初旬の移籍市場閉幕までに数人の新戦力の獲得は必要か。そのためには、MFベイルやFWヨビッチら一部余剰人員の整理を進めていきたい。また、昨季の目玉補強ながら期待外れに終わったMFアザールに関しては、再びウエイトオーバーでのシーズンインという報道も出ており、“第二のベイル”化が懸念されるところだ。
2年ぶりの覇権奪還を目指すバルセロナだが、新シーズンに向けては前途多難な状況だ。バルベルデ、セティエンの2人の指揮官の下で戦った昨季は12シーズンぶりの無冠となる、近年で最悪のシーズンとなった。シーズンを通じた負傷者の多さに加え、チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦での屈辱的な大敗で露呈したように絶対的エースFWメッシへの依存が顕著な現スタイルの限界は明白だ。
そういった状況を踏まえ、クラブは新指揮官にクラブレジェンドであり、オランダ代表復権の礎を築いたクーマン新監督を招へい。だが、過去にバレンシアやエバートンなどで選手サイドと確執を繰り返した“劇薬”は就任直後にFWスアレスやMFラキティッチら一部主力に構想外を、メッシに対して特権はく奪を言い渡し物議を醸した。これにより、以前からバルトメウ会長以下クラブ首脳に不信感を募らせていたエースは今夏の退団希望を明言。最終的に超高額の契約解除金、メッシのクラブ愛を利用したクラブのゴネ得で事態は収拾されたものの、内部崩壊寸前と言わざるを得ない。
ほぼぶっつけ本番でのシーズンインということもあり、クーマン監督の起用法、スアレスやMFビダルらの去就、MFピャニッチら新戦力の扱いなど、未知数な部分が多いが、エースのモチベーションの問題を含め、現時点では昨季以上に厳しいシーズンを送る可能性も否定できない。
◆継続路線も副官ブルゴス退団の影響は?~アトレティコ・マドリー~
昨季3位のアトレティコは王者マドリー同様にここまで継続路線を築く。FWグリーズマンやDFゴディンら黄金時代の主力が去り、新星FWフェリックスら多くの新戦力を迎え入れ、心機一転を図った昨季はシーズン後半に盛り返して最低限の3位フィニッシュを成し遂げたが、得点力不足や勝負弱さを感じさせる1年となった。
新シーズンに向けては懸念されたMFサウールやGKオブラク、DFヒメネスなど主力の流出阻止に成功しているが、深刻な財政難によって、ここまでの目立った補強はMFカラスコを完全移籍で買い取ったのみだ。もちろん、加入2年目のフェリックスやMFマルコス・ジョレンテに大きな伸びしろが期待できるが、盤石のマドリーに比べると、やや停滞感が漂う継続路線と言えるだろう。そのため、要改善の攻撃に関しては新たなアタッカーの獲得が急務と言える。
また、チームのオーガナイズの部分で大きな懸念材料となっているのが、長年シメオネ監督の相棒を務めてきた副官ブルゴスの退団だ。これまで熱くなりやすい闘将の手綱をうまく握ってコントロールしつつ、戦術・人心掌握の部分でも多大な貢献を果たした名脇役は監督として独り立ちするために昨季限りでクラブを離れた。後任候補として元主将のガビがコーチングスタッフに入閣したが、経験不足は否めない。
◆3強に食い込むのは?~セビージャ、ビジャレアル、レアル・ソシエダ~
今季も飛び抜けた戦力、実績を持つ前述の3強が優勝争いをリードしていくが、その争いに絡むことが期待されているのは、セビージャ、ビジャレアル、レアル・ソシエダの3チームだ。
昨季、ロペテギ監督の下でラ・リーガ4位フィニッシュに加え、ヨーロッパリーグ(EL)制覇を成し遂げる充実の1年を過ごしたセビージャ。新シーズンに向けては重鎮MFバネガ、DFレギロンと躍進を支えた2選手がチームを離れたものの、MFラキティッチの帰還、リーグ屈指の若手MFオスカル・ロドリゲスをすでに確保し、主力の流出阻止にも成功している。また、敏腕SDモンチ氏が昨季同様に市場閉幕までに“掘り出し物”の獲得に動くはずだ。そのため、バルセロナやアトレティコの状態次第では王者と優勝を争う可能性は十分にありそうだ。
MF久保建英の加入で日本でも俄然注目が集まるビジャレアルは、昨季5位躍進の立役者となったカジェハ監督に代わって、今季から百戦錬磨のスペイン人指揮官、エメリ監督を招へい。さらに、MFカソルラとMFブルーノという重鎮が旅立った中、久保やバレンシアから主将MFパレホ、MFコクランと実力者を迎え入れ、ELとの二足の草鞋に耐えうるスカッドを構築している。
また、昨季はリーグ再開後の失速により、CL出場権獲得を逃がすも、魅力的なアタッキングフットボールで前半戦の主役となったソシエダでは、マドリーにレンタルバックしたMFウーデゴールの後釜に、マンチェスター・シティで多くのタイトル獲得に貢献したMFダビド・シルバを獲得。FWオヤルサバル、FWイサク、MFメリノといった若手逸材との融合に大きな期待感が高まる。
その他では智将マヌエル・ペジェグリーニ監督を招へいし、GKブラーボやDFモントーヤらを迎え入れた新生ベティス、エースFWロドリゴやパレホ、FWフェラン・トーレスら主力の大量流出が続き、ハビ・グラシア監督の立て直しの手腕が求められる混迷のバレンシアにも注目したい。
◆久保に更なる飛躍の予感、岡崎がプリメーラ初参戦~日本人選手~
開幕時点で今季のプリメーラでプレーする日本人選手は、ビジャレアルのMF久保建英と、エイバルのMF乾貴士、ウエスカのFW岡崎慎司の3選手だ。
その3人の中でも、とりわけ注目を集めるのが久保だ。昨夏、マドリーに加入した久保は昇格組のマジョルカに即レンタル。チームは19位で降格の憂き目に遭うも、久保自身は35試合に出場し4ゴール5アシストとプリメーラデビューシーズンで確かな存在感を示した。特に、リーグ再開後は持ち味のテクニック、戦術眼に強さとスピードが加わり、切れ味鋭い仕掛け、視野の広さとキック精度を生かした高精度のチャンスメークで、異次元のパフォーマンスを披露。
その活躍により、今夏には国内外の約30クラブがレンタル先として名乗りを挙げた中、昨季5位のビジャレアルを新天地に選択した。プレシーズンでは[4-2-3-1]のトップ下、右ウイングを主戦場に好パフォーマンスを披露しており、マジョルカ時代に比べて周囲のレベルが大きく上がった中で更なる飛躍の予感が漂う。
また、プリメーラ初挑戦となる岡崎のパフォーマンスにも大きな注目が集まる。シュツットガルト、マインツ、レスター・シティ、マラガ(加入も選手登録許可されず)を経て、昨夏にセグンダのウエスカに加入した34歳のベテランFWは、リーグ戦37試合に出場しチーム最多の12ゴールを挙げる、さすがの活躍でウエスカのセグンダ優勝に大きく貢献。自らの力で夢のプリメーラへの道を切り開いた。全体のレベルが大きく上がるプリメーラでの戦いは厳しいものになると思われるが、持ち味の泥臭さと確かな得点感覚でチームを残留に導く働きを期待したい。
共に心機一転のシーズンに臨む久保、岡崎と異なり、エイバル復帰2年目の乾は、背番号を「14」に変更した以外、落ち着いた形でのシーズンインとなる。昨季は29試合2ゴール4アシストと数字上での貢献は限定的だっただけに、MFオレジャナが旅立って再構築を図るアタッキングユニットの中でより数字にこだわったプレーが求められるところだ。
◆継続路線で連覇に向け揺らぎなし~レアル・マドリー~
Getty Images
優勝候補の筆頭は連覇を狙う王者マドリーだ。昨季は序盤戦こそ主力のコンディション不良によって出遅れたものの、主将DFセルヒオ・ラモス、エースFWベンゼマ、守護神クルトワの圧巻の勝負強さ、序盤、中盤を支えた若手の台頭、終盤のベテランの復活とチームとしての総合力が光り、3シーズンぶりにリーグ優勝を果たした。
連覇を狙う新シーズンに向けては、積極補強を図った前年と異なり、ここまで主力クラスの新戦力補強がゼロ。コロナ禍で緊縮財政を強いられていることは間違いないが、ペレス会長、ジダン監督らの現有戦力への信頼、自信の表れとも取れる。
ライバルチームが昨季同様の勝ち点ペースを継続する場合、連覇の可能性は非常に高いと言えるが、前述の替えの利かない主力の長期離脱や有事に備え、来月初旬の移籍市場閉幕までに数人の新戦力の獲得は必要か。そのためには、MFベイルやFWヨビッチら一部余剰人員の整理を進めていきたい。また、昨季の目玉補強ながら期待外れに終わったMFアザールに関しては、再びウエイトオーバーでのシーズンインという報道も出ており、“第二のベイル”化が懸念されるところだ。
◆劇薬クーマン招へいもメッシ退団希望など内部崩壊の危機~バルセロナ~
Getty Images
2年ぶりの覇権奪還を目指すバルセロナだが、新シーズンに向けては前途多難な状況だ。バルベルデ、セティエンの2人の指揮官の下で戦った昨季は12シーズンぶりの無冠となる、近年で最悪のシーズンとなった。シーズンを通じた負傷者の多さに加え、チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦での屈辱的な大敗で露呈したように絶対的エースFWメッシへの依存が顕著な現スタイルの限界は明白だ。
そういった状況を踏まえ、クラブは新指揮官にクラブレジェンドであり、オランダ代表復権の礎を築いたクーマン新監督を招へい。だが、過去にバレンシアやエバートンなどで選手サイドと確執を繰り返した“劇薬”は就任直後にFWスアレスやMFラキティッチら一部主力に構想外を、メッシに対して特権はく奪を言い渡し物議を醸した。これにより、以前からバルトメウ会長以下クラブ首脳に不信感を募らせていたエースは今夏の退団希望を明言。最終的に超高額の契約解除金、メッシのクラブ愛を利用したクラブのゴネ得で事態は収拾されたものの、内部崩壊寸前と言わざるを得ない。
ほぼぶっつけ本番でのシーズンインということもあり、クーマン監督の起用法、スアレスやMFビダルらの去就、MFピャニッチら新戦力の扱いなど、未知数な部分が多いが、エースのモチベーションの問題を含め、現時点では昨季以上に厳しいシーズンを送る可能性も否定できない。
◆継続路線も副官ブルゴス退団の影響は?~アトレティコ・マドリー~
Getty Images
昨季3位のアトレティコは王者マドリー同様にここまで継続路線を築く。FWグリーズマンやDFゴディンら黄金時代の主力が去り、新星FWフェリックスら多くの新戦力を迎え入れ、心機一転を図った昨季はシーズン後半に盛り返して最低限の3位フィニッシュを成し遂げたが、得点力不足や勝負弱さを感じさせる1年となった。
新シーズンに向けては懸念されたMFサウールやGKオブラク、DFヒメネスなど主力の流出阻止に成功しているが、深刻な財政難によって、ここまでの目立った補強はMFカラスコを完全移籍で買い取ったのみだ。もちろん、加入2年目のフェリックスやMFマルコス・ジョレンテに大きな伸びしろが期待できるが、盤石のマドリーに比べると、やや停滞感が漂う継続路線と言えるだろう。そのため、要改善の攻撃に関しては新たなアタッカーの獲得が急務と言える。
また、チームのオーガナイズの部分で大きな懸念材料となっているのが、長年シメオネ監督の相棒を務めてきた副官ブルゴスの退団だ。これまで熱くなりやすい闘将の手綱をうまく握ってコントロールしつつ、戦術・人心掌握の部分でも多大な貢献を果たした名脇役は監督として独り立ちするために昨季限りでクラブを離れた。後任候補として元主将のガビがコーチングスタッフに入閣したが、経験不足は否めない。
◆3強に食い込むのは?~セビージャ、ビジャレアル、レアル・ソシエダ~
Getty Images
今季も飛び抜けた戦力、実績を持つ前述の3強が優勝争いをリードしていくが、その争いに絡むことが期待されているのは、セビージャ、ビジャレアル、レアル・ソシエダの3チームだ。
昨季、ロペテギ監督の下でラ・リーガ4位フィニッシュに加え、ヨーロッパリーグ(EL)制覇を成し遂げる充実の1年を過ごしたセビージャ。新シーズンに向けては重鎮MFバネガ、DFレギロンと躍進を支えた2選手がチームを離れたものの、MFラキティッチの帰還、リーグ屈指の若手MFオスカル・ロドリゲスをすでに確保し、主力の流出阻止にも成功している。また、敏腕SDモンチ氏が昨季同様に市場閉幕までに“掘り出し物”の獲得に動くはずだ。そのため、バルセロナやアトレティコの状態次第では王者と優勝を争う可能性は十分にありそうだ。
MF久保建英の加入で日本でも俄然注目が集まるビジャレアルは、昨季5位躍進の立役者となったカジェハ監督に代わって、今季から百戦錬磨のスペイン人指揮官、エメリ監督を招へい。さらに、MFカソルラとMFブルーノという重鎮が旅立った中、久保やバレンシアから主将MFパレホ、MFコクランと実力者を迎え入れ、ELとの二足の草鞋に耐えうるスカッドを構築している。
また、昨季はリーグ再開後の失速により、CL出場権獲得を逃がすも、魅力的なアタッキングフットボールで前半戦の主役となったソシエダでは、マドリーにレンタルバックしたMFウーデゴールの後釜に、マンチェスター・シティで多くのタイトル獲得に貢献したMFダビド・シルバを獲得。FWオヤルサバル、FWイサク、MFメリノといった若手逸材との融合に大きな期待感が高まる。
その他では智将マヌエル・ペジェグリーニ監督を招へいし、GKブラーボやDFモントーヤらを迎え入れた新生ベティス、エースFWロドリゴやパレホ、FWフェラン・トーレスら主力の大量流出が続き、ハビ・グラシア監督の立て直しの手腕が求められる混迷のバレンシアにも注目したい。
◆久保に更なる飛躍の予感、岡崎がプリメーラ初参戦~日本人選手~
Getty Images
開幕時点で今季のプリメーラでプレーする日本人選手は、ビジャレアルのMF久保建英と、エイバルのMF乾貴士、ウエスカのFW岡崎慎司の3選手だ。
その3人の中でも、とりわけ注目を集めるのが久保だ。昨夏、マドリーに加入した久保は昇格組のマジョルカに即レンタル。チームは19位で降格の憂き目に遭うも、久保自身は35試合に出場し4ゴール5アシストとプリメーラデビューシーズンで確かな存在感を示した。特に、リーグ再開後は持ち味のテクニック、戦術眼に強さとスピードが加わり、切れ味鋭い仕掛け、視野の広さとキック精度を生かした高精度のチャンスメークで、異次元のパフォーマンスを披露。
その活躍により、今夏には国内外の約30クラブがレンタル先として名乗りを挙げた中、昨季5位のビジャレアルを新天地に選択した。プレシーズンでは[4-2-3-1]のトップ下、右ウイングを主戦場に好パフォーマンスを披露しており、マジョルカ時代に比べて周囲のレベルが大きく上がった中で更なる飛躍の予感が漂う。
また、プリメーラ初挑戦となる岡崎のパフォーマンスにも大きな注目が集まる。シュツットガルト、マインツ、レスター・シティ、マラガ(加入も選手登録許可されず)を経て、昨夏にセグンダのウエスカに加入した34歳のベテランFWは、リーグ戦37試合に出場しチーム最多の12ゴールを挙げる、さすがの活躍でウエスカのセグンダ優勝に大きく貢献。自らの力で夢のプリメーラへの道を切り開いた。全体のレベルが大きく上がるプリメーラでの戦いは厳しいものになると思われるが、持ち味の泥臭さと確かな得点感覚でチームを残留に導く働きを期待したい。
共に心機一転のシーズンに臨む久保、岡崎と異なり、エイバル復帰2年目の乾は、背番号を「14」に変更した以外、落ち着いた形でのシーズンインとなる。昨季は29試合2ゴール4アシストと数字上での貢献は限定的だっただけに、MFオレジャナが旅立って再構築を図るアタッキングユニットの中でより数字にこだわったプレーが求められるところだ。
レアル・マドリーの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
レアル・マドリーの人気記事ランキング
1
圧巻バルセロナが衝撃マニータで2戦連続クラシコ大勝! フリック新体制で初タイトル【スーペル・コパ】
スーペル・コパ・デ・エスパーニャ決勝、レアル・マドリーvsバルセロナが12日にサウジアラビアのキング・アブドゥッラー・スポーツ・シティで行われ、2-5で圧勝したバルセロナが2シーズンぶり最多15度目の優勝を果たした。 マジョルカとの準決勝を後半の3ゴールによって快勝し、大会連覇に王手をかけたマドリー。今季のラ・リーガ前回対戦で大敗を喫した宿敵にリベンジを期して臨んだファイナルでは準決勝と全く同じスタメンを採用した。 一方、アスレティック・ビルバオを2-0で退けたバルセロナは2025年を連勝でスタート。昨年末のリーグ戦での不振をひとまず払しょくした。その勢いに乗ってエル・ブランコ相手の連勝を狙った大一番ではこちらもアスレティック戦と同じメンバーで臨み、シュチェスニーが引き続き起用された。 タイトルを懸けたエル・クラシコということもあり、様子見の入りも予想されたが、立ち上がりからオープンな攻防が繰り広げられていく。 キックオフ直後から押し込んだバルセロナはヤマルのカットインシュート、ゴール前でのハフィーニャの叩きつけるヘディングシュートでいきなり決定機を創出。だが、ここはGKクルトワの見事な連続セーブに阻まれた。 すると、直後の5分にはマドリーの高速カウンターが発動。相手CKを撥ね返した流れでヴィニシウスがカサドからボール奪取。すかさず右で浮いたムバッペに縦パスを通すと、そのまま快足を飛ばしてボックス付近まで運ぶ。ヴィニシウスのクロスのランニングと重なりながらも、うまく外側へ運んで右足のシュートをゴール左へ突き刺した。 0-4で惨敗したラ・リーガのクラシコで戦犯と批判を浴びたフランス代表FWの圧巻の個人技によってエル・ブランコが早々に先制した今回の伝統の一戦。しかし、失点後もハフィーニャが右ポストを掠めるシュートで反撃姿勢を示すと、こちらも圧倒的な個人技でスコアをタイに戻す。 22分、右サイドで浮いたクンデからの縦パスをレヴァンドフスキがうまく右のスペースへ流すと、これに抜け出したヤマルが絶妙なコース取りでボックス中央まで切り込んでニア下へ左足の丁寧なグラウンダーシュートを流し込んだ。 1-1のイーブンに戻った直後には筋肉系のトラブルか、イニゴ・マルティネスがピッチに座り込んでしまい、アラウホがスクランブル投入される。少し嫌な流れが漂うが、畳みかける攻めでこれを払拭してみせた。 36分、ボックス内でルーズボールに頭から飛び込んだガビに対して、足を出してクリアを試みたカマヴィンガの足裏が太もも付近に直撃。オンフィールド・レビューの末にPKが与えられる。これをキッカーのレヴァンドフスキがゴール右へ突き刺した。 前半のうちに試合を引っくり返したバルセロナは39分、再びハーフウェイライン付近の右サイドで浮いたクンデがゴール前のスペースへ絶妙なロングクロスを入れると、これに反応したハフィーニャがフリーで走り込んでゴール左隅へヘディングシュートを流し込んだ。 その後もバルセロナペースで進んだ前半アディショナルタイムのラストプレーではエル・ブランコのお株を奪う圧巻の高速カウンターが発動。 マドリーの左CKの場面でショートコーナーからロドリゴが不用意にバックパスしたところをヤマルがカット。ボールを引き取ったハフィーニャがボックス付近まで運んだ後、後方からサポートに入ったバルデに短く繋ぐと、ブラウグラナの背番号3がゴール右隅へ左足のシュートを流し込んだ。 前半だけで前回対戦と同じ4ゴールを奪ったバルセロナのワンサイドゲームとなったクラシコ。3点を追うマドリーはカードトラブルの可能性があったカマヴィンガを下げてセバージョスをハーフタイム明けに投入した。 後半もオープンな立ち上がりの中、両者の明暗が分かれる。47分、ボックス左のライン際でヴィニシウスが上げたクロスをファーでフリーのロドリゴが右足で合わすが、これは左ポストを掠めて痛恨の決定機逸に。 すると、直後の48分には再びバルセロナがロングカウンターを発動すると、カサドのスルーパスで完全に背後へ抜け出したハフィーニャが巧みな切り返しでチュアメニを外してボックス内に持ち込んで左足シュートをゴール右隅に流し込み、自身のドブレーテとともにチームとしてマニータを達成した。 出ばなをくじかれたマドリーだが、腹をくくって前に出ると、思わぬ展開に。うまくハイラインの背後を取ったムバッペがエリア外に飛び出したGKシュチェスニーに足をかけられて倒されると、オンフィールド・レビューの末に決定機阻止でのレッドカードが掲示される。 数的不利を背負ったバルセロナがガビ、ヤマルを削ってGKペーニャとともにダニ・オルモを投入するも、マドリーはこのファウルで得たFKをキッカーのロドリゴがゴール右隅へ突き刺し、反撃の狼煙を上げる1点を挙げた。 数的優位を得て残り30分で3点差を追いつくべくアンチェロッティ監督は64分のモドリッチ投入を皮切りに、フラン・ガルシア、ブラヒム・ディアスの同時投入で前がかっていく。 ただ、2失点目以降は集中した守備を取り戻したバルセロナに対して、交代選手がなかなか良さを出せず、徐々に攻撃がトーンダウンしていくマドリー。後半終盤はブロックの前でボールを動かすにとどまるフラストレーションの溜まる状況が続いた。後半アディショナルタイムにはムバッペが見事な個人技でゴールに迫るも、ここはGKペーニャのビッグセーブに阻まれて万事休す。 この結果、前回対戦に続く2試合連続のクラシコ大勝となったバルセロナがフリック新体制での初タイトルを獲得。敗れたマドリーは今季7冠の夢が潰えることに。 レアル・マドリー 2-5 バルセロナ 【レアル・マドリー】 キリアン・ムバッペ(前5) ロドリゴ・ゴエス(後15) 【バルセロナ】 ラミン・ヤマル(前22) ロベルト・レヴァンドフスキ(前36[PK]) ハフィーニャ(前39、後3) アレハンドロ・バルデ(前55) <span class="paragraph-title">【動画】スーペル・コパでゴラッソの応酬</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">圧巻のカウンター炸裂<br>キレキレのエンバペが<br>ジッダを沸かす<br><br>スーペルコパ決勝<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#レアル・マドリー</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#バルセロナ</a><br><br><a href="https://t.co/QVaHndy0Tg">https://t.co/QVaHndy0Tg</a> <a href="https://t.co/fNUNNMMUyx">pic.twitter.com/fNUNNMMUyx</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1878520283726057894?ref_src=twsrc%5Etfw">January 12, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">FINALの舞台でも<br>違いを見せる17歳<br>ヤマルの鮮やかなゴールで<br>バルサが追いつく<br><br>スーペルコパ決勝<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#レアル・マドリー</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#バルセロナ</a><br><br><a href="https://t.co/QVaHndy0Tg">https://t.co/QVaHndy0Tg</a> <a href="https://t.co/I4MPlX4scy">pic.twitter.com/I4MPlX4scy</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1878524494169657370?ref_src=twsrc%5Etfw">January 12, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">クンデの正確無比なクロスに<br>ラフィーニャが頭で合わせる<br>バルサの前線3人がスコアラーに<br><br>スーペルコパ決勝<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#レアル・マドリー</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#バルセロナ</a><br><br><a href="https://t.co/QVaHndy0Tg">https://t.co/QVaHndy0Tg</a> <a href="https://t.co/dDjz3PiqIx">pic.twitter.com/dDjz3PiqIx</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1878528528754618798?ref_src=twsrc%5Etfw">January 12, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">シュチェスニ退場直後に<br>ロドリゴのFKが炸裂<br>数的優位となった<br>マドリーが反撃開始<br><br>スーペルコパ決勝<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#レアル・マドリー</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#バルセロナ</a><br><br><a href="https://t.co/QVaHndy0Tg">https://t.co/QVaHndy0Tg</a> <a href="https://t.co/ffyhXcDark">pic.twitter.com/ffyhXcDark</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1878540693188341957?ref_src=twsrc%5Etfw">January 12, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.13 06:08 Mon2
試合終了後の乱闘にアンチェロッティ監督が苦言「意味がない、不必要だった」、チュアメニとベリンガムは問題なし
レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が9日に行われ、3-0で勝利したスーペル・コパ準決勝マジョルカ戦を振り返った。 マドリーは序盤から優勢に試合を進めた中、63分にMFジュード・ベリンガムのゴールで均衡を破り、追加タイムに2点を加えて勝利した。試合終了後には両軍が入り乱れる乱闘があったが、アンチェロッティ監督は苦言を呈している。 「両チームにとって不要なものだった。意味がない、不必要だ。試合は既に終わっていた。とはいえ誰も責めることはない。マジョルカの選手もうちの選手もだ。選手たちは少し熱くなっていた。私はマフェオを落ち着かせようとピッチに出たが、結局は何も起こらなかった」 また、脳震とうの可能性を考慮し大事を取って52分に交代したMFオーレリアン・チュアメニと、試合終盤にハムストリングをさすっていたMFジュード・ベリンガムについては以下のように述べ、スーペル・コパ決勝バルセロナ戦出場に問題はないようだ。 「チュアメニは大丈夫だ。医師は彼のプレーを止めさせることを望んだ。ベリンガムは暑さによって大きなダメージを受けたが、休めば元気になるだろう」 2025.01.10 08:30 Fri3
ヴィニシウスとやり合っていたマフェオにチュアメニは辟易「いつも彼と問題を抱える」
レアル・マドリーのフランス代表MFオーレリアン・チュアメニが9日に行われ、3-0で勝利したスーペル・コパ準決勝マジョルカ戦を振り返った。 センターバックで出場したチュアメニは52分にCKの守備の際、相手選手の頭部と接触し、脳震とうの可能性を考慮してそのまま交代となっていた。 ベンチでは笑顔も見られていたため大事には至っていない様子だったが、「医師は深刻な状態になる可能性があるから交代するのが最善だと言っていた」と無事を報告。 一方で試合中、FWヴィニシウス・ジュニオールとやり合い続け、試合終了後に乱闘の原因となったマジョルカDFパブロ・マフェオに苦言を呈した。 「いつも彼と問題を抱える。どの試合でもだ。怒ってはいるが、重要なのは試合に勝つこと。相手の挑発に乗ることは彼の望む通りになってしまう」 2025.01.10 09:00 Fri4
名手ファン・デル・ファールトの長男ダミアンがアヤックスと長期契約…世代別オランダ代表に名を連ねる18歳
アヤックスがラファエル・ファン・デル・ファールト氏の長男と長期契約を結んだ。 絶大なタレント性でサッカーファンを魅了した左足の名手、元オランダ代表MFファン・デル・ファールト氏。アヤックスやハンブルガーSV、レアル・マドリー、トッテナム等で活躍した。 その長男は、元日本代表FW高原直泰氏とともにプレーしたハンブルガー時代に生まれた、ダミアン・ファン・デル・ファールト(18)。 少年時代は父親の移籍に伴い、ドイツ、デンマーク等で生活し、2023年にアヤックスのU-18チームへ入団。昨夏U-19チームに昇格し、世代別のオランダ代表にも名を連ねている。 父の古巣でもあるアヤックスとはU-19昇格と同時に新契約を締結も、7日、新たに2029年6月までの契約延長にサイン。近い将来のトップチーム昇格が念頭にあるのは間違いないだろう。 アヤックスのフットボール・ダイレクター(FD)を務めるマリジン・ボイカー氏いわく、ダミアンは父ラファエルと同じく攻撃的MFで、より守備にも協力的な現代型のフットボーラー。 「彼との契約延長を嬉しく思う。ダイナミックな攻撃的MFで、ボックス内への侵入も多い。何より優れたキック精度とテクニックがあり、エネルギッシュなプレッシングも魅力的だ」 「次のステップはヨング・アヤックス(オランダ2部/セカンドチーム)に上がること。今後数年間でさらなる成長があると確信しているよ」 <span class="paragraph-title">【写真/2枚目】ファン・デル・ファールト親子</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="hu" dir="ltr">It’s a ‘Van der Vaart’ thing <br><br>Damián 2029 </p>— AFC Ajax (@AFCAjax) <a href="https://twitter.com/AFCAjax/status/1876698684404207889?ref_src=twsrc%5Etfw">January 7, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.08 14:20 Wed5