Jクラブの戦いはこれから/六川亨の日本サッカー見聞録

2020.06.18 22:15 Thu
Getty Images
JFA(日本サッカー協会)は18日に定例理事会を開催し、第100回天皇杯の参加チームを50から52に増やし、準々決勝の開催を追加することを決定した。これは、J1勢2チームが準決勝から出場することは決まっていたものの、J2勢とJ3勢には門戸が閉ざされていたため新たに参加を承認したものだ。
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過去にはJ2リーグのチームが天皇杯で優勝したこともあるだけに、当然の措置と言える。今年の天皇杯は「変更は今回限り」(須原清貴JFA専務理事)と特例措置のため、思わぬ波乱があるかもしれない。ヤマ場となるのはJ1勢2チームが出場する準決勝で、ここでもしもJ1チームが敗れるようであれば決勝戦でも“ジャイアントキリング”があるかもしれない。さてJリーグは、22日の専門家チームとNPBとの合同対策連絡会議後、23日の臨時理事会で、火曜のコラムで紹介した3項目が承認されれば、後は19日のPCR検査と27日のJ2、J3リーグの再開・開幕を待つのみとなった。
そこで次の主役はJ1~J3の各クラブに移る。移動手段とホテルの確保はこれまでと大きな変化はないため、それほど心配する必要はないだろう。メディア対応としては、リモートマッチの間はカメラマン16名、記者25名と制限し、受付場所の変更やワーキングルームの使用禁止、試合後の監督と選手の会見・インタビューはwebで行うことなどが決定している。試合当日は多少の混乱はあるかもしれないが、取材者数が限られているためそれほど心配する必要はないだろう。

個人的に気になっているのは、7月10日以降のファン・サポーターを入れての準備状況だ。最大5000人もしくは50%で、アウェーのファン・サポーターは入場できないものの、まずはどのように「密」を避けるため席の配置を決めるのか。これが決まらないとチケットも販売できないだろう。
まだファン・サポーターを入れての試合は先のため、J1~J3クラブのチケット情報にアクセスすることはできない(なぜか27日の山形対栃木戦はリモートマッチなのに「チケットを買う」というボタンがあるが、クリックすると「ページが見つかりません」と表示される)。

そこで気になるのがチケットの販売方法だ。数が限られているため「プラチナチケット」となることは間違いない。このためインターネットで申し込み、抽選ということになるだろう。では、一般販売とシーズンチケットの購入者をどのように選別するのか。一般販売分とシーズンチケットのそれぞれのカテゴリーで抽選を実施することになるのだろうか。

FC東京と浦和はシーズンチケットの購入者に対し払い戻しを実施したためフラットだ。それでも払い戻しをせずに寄付をしたファン・サポーターに抽選で優先権がないとしたら、新たな不満が出るとも限らない。

チケッティング担当者はきっと頭を痛めていることだろう。そして彼ら以上に大変だと思うのが運営担当だ。席割りに始まり、試合当日は「密」を避けるため待機列の間隔をどのように保ち、彼らの導線をどう確保するか。さらに入場時のチェックもあるだけに、クラブスタッフだけでは人手が足りないだろう。

派遣会社のアルバイトを使うにしても、これまでとは勝手が違うだけに、綿密な打ち合わせと予行演習、そして彼らの安全確保も必要だ。そうした試行錯誤を重ねて27日を迎えるわけだが、明日開幕するプロ野球にそれらのヒントが隠されているかもしれない。というわけで、明日のプロ野球の開幕を密かに楽しみにしている。


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