Jリーグ再開の日程が決定/六川亨の日本サッカーの歩み
2020.06.16 21:45 Tue
6月15日の月曜はJ1〜J3リーグの全日程が発表され、夕方には日本トップリーグ連携機構が「無観客試合」の新名称を公募した結果「リモートマッチ」に決定したことを発表した。そして16日はJリーグの第9回臨時実行委員会が午前10時から開催され、午後からは村井チェアマンらがwebでの会見に臨んだ。
そしてルヴァン杯は大会方式を変更し、グループステージで1回戦総当たりのリーグ戦後、ACL出場の4チームを加えた8チームで決勝トーナメントを行う。グループステージの残り2試合は8月5日と12日に、準々決勝は9月2日、準決勝は10月7日、そして決勝は11月7日に行うことが決定した。
8月から11月にかけてのJ1で、水曜日の“予備日"は7日しかない。台風などで延期した試合のための予備日ではあるが、ここにACLが飛び込んで来る可能性もある。しかしこの日数では現行方式でACLの残り試合を消化するのは不可能に近い。例え大会方式を変更したとしても、ACLに出場している横浜FM、FC東京、神戸の3チームはルヴァン杯を並行して戦う可能性も出てくる。
リモートマッチ(略称リモマ)に関しては多くを説明する必要はないだろう。9000以上の応募中、「リモートマッチ」は100件近くあったそうだ。その他で最終候補に残ったのは「ステイホームマッチ」、「キズナマッチ」、ラグビーW杯から「ワンハートマッチ」などだ。この名称はJリーグだけでなく、トップリーグ機構に加盟する他の団体球技12リーグでも統一して使う予定でいる。
そして16日の臨時実行委員会では次の3点が話し合われたが、最終決定は来週23日の理事会の承認を得てからとなる。その3点とは(1)試合開催の可否判断をどうするか。(2)コロナ対策用の拠出金を捻出するために賞金のあり方の見直し。(3)PCR検査の手順について、である。
まず簡単な方から説明すると、(2)は優勝賞金や個人賞の賞金総額8億円の50%、4億円を拠出金の原資にすることで合意した。それに伴い各チームに分配される強化理念分配金は秋まで議論すると持ち越しにした。合わせて2021年シーズン後の昇降格も意見交換しながら秋までに決めることになった。
(3)のPCR検査は2週間に1回、金曜日に実施し、翌週の月曜には結果が判明するため、陽性反応の場合は水曜の試合から適用される。ただし「確定ではないのでドクターと相談して、保健所の指示に従う」(藤村特命担当部長)と含みを持たせている。
検査は綿棒2本を口に2分間含んで唾液を採取。選手とスタッフを含め1クラブ60人が検査対象で、トータル1回で3000人以上が検査を受けることになる。現在はコロナ検査センターならびに検査ラボと交渉中で、Jリーグは情報管理の役割を担うことになる。
最後に(1)の試合開催の可否判断だ。現状では37・5度以上発熱した選手はエントリー不可で、GKも含めて14名以上、ピッチ上に7名以上なら試合は成立する予定だ(事前の体温チェックとPCR検査をクリアする必要あり)。
もしも試合2日前に14名をエントリーできない場合はJリーグと協議の結果、開催の可能性を探るものの、最終的には「チェアマン判断」となる。同じようにレフェリーは3名で試合開催可能となるが、3名以下の場合も試合開催の可否は「チェアマン判断」になるし、不測の事態による試合の延期・中止にしても最終的に「チェアマン判断」で決定する。
一見するとチェアマンの権限が増大したように見えるかもしれないが、いずれも極めて重要な判断となるだけに、1個人に集約した方がいい。「船頭多くして船山に上る」ではないが、即断即決が求められるため「チェアマン判断」以外に解決策はないだろう。
思えば2月、村井チェアマンの英断によりJリーグの延期は決まった。今シーズンの舵取り役として、これほどの適任者はいない。複雑な胸中だろうが、いまは無事にリーグ戦が再開・開幕することを楽しみにしているに違いない。
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まず日程だが、J1〜J3とも7月中はそれぞれ東西のグループに分かれて近隣との対戦で大幅な移動を制限した(とはいえJ1リーグの東は札幌と湘南が同じグループ)。全国的な移動が解禁になるのは8月に入ってからで、新型コロナウイルスの感染が拡大しなければJ1は第4節の7月11日から観客を入れの試合となる。日程を改めて見ると、7月4日の再開後は12月29日の第34節まで毎週末に試合が開催され、さらに7〜9月と11月は1週間に2試合が組まれている超ハードスケジュールだ。これまでJ1勢はリーグ戦とルヴァン杯、ACLなどでターンオーバー制を採用したチームもあるが、選手層の厚いチームはリーグ戦でターンオーバー制を採用するかもしれない。8月から11月にかけてのJ1で、水曜日の“予備日"は7日しかない。台風などで延期した試合のための予備日ではあるが、ここにACLが飛び込んで来る可能性もある。しかしこの日数では現行方式でACLの残り試合を消化するのは不可能に近い。例え大会方式を変更したとしても、ACLに出場している横浜FM、FC東京、神戸の3チームはルヴァン杯を並行して戦う可能性も出てくる。
中国と韓国には新型コロナウイルスの第2波が訪れる可能性があり、さらに中東は感染が拡大している最中だ。いまだリーグ戦を再開できていない国もあるだけに、AFC(アジアサッカー連盟)は今シーズンのACLを、例えテレビマネーが入らないとしても中止する勇気を持つべきである。
リモートマッチ(略称リモマ)に関しては多くを説明する必要はないだろう。9000以上の応募中、「リモートマッチ」は100件近くあったそうだ。その他で最終候補に残ったのは「ステイホームマッチ」、「キズナマッチ」、ラグビーW杯から「ワンハートマッチ」などだ。この名称はJリーグだけでなく、トップリーグ機構に加盟する他の団体球技12リーグでも統一して使う予定でいる。
そして16日の臨時実行委員会では次の3点が話し合われたが、最終決定は来週23日の理事会の承認を得てからとなる。その3点とは(1)試合開催の可否判断をどうするか。(2)コロナ対策用の拠出金を捻出するために賞金のあり方の見直し。(3)PCR検査の手順について、である。
まず簡単な方から説明すると、(2)は優勝賞金や個人賞の賞金総額8億円の50%、4億円を拠出金の原資にすることで合意した。それに伴い各チームに分配される強化理念分配金は秋まで議論すると持ち越しにした。合わせて2021年シーズン後の昇降格も意見交換しながら秋までに決めることになった。
(3)のPCR検査は2週間に1回、金曜日に実施し、翌週の月曜には結果が判明するため、陽性反応の場合は水曜の試合から適用される。ただし「確定ではないのでドクターと相談して、保健所の指示に従う」(藤村特命担当部長)と含みを持たせている。
検査は綿棒2本を口に2分間含んで唾液を採取。選手とスタッフを含め1クラブ60人が検査対象で、トータル1回で3000人以上が検査を受けることになる。現在はコロナ検査センターならびに検査ラボと交渉中で、Jリーグは情報管理の役割を担うことになる。
最後に(1)の試合開催の可否判断だ。現状では37・5度以上発熱した選手はエントリー不可で、GKも含めて14名以上、ピッチ上に7名以上なら試合は成立する予定だ(事前の体温チェックとPCR検査をクリアする必要あり)。
もしも試合2日前に14名をエントリーできない場合はJリーグと協議の結果、開催の可能性を探るものの、最終的には「チェアマン判断」となる。同じようにレフェリーは3名で試合開催可能となるが、3名以下の場合も試合開催の可否は「チェアマン判断」になるし、不測の事態による試合の延期・中止にしても最終的に「チェアマン判断」で決定する。
一見するとチェアマンの権限が増大したように見えるかもしれないが、いずれも極めて重要な判断となるだけに、1個人に集約した方がいい。「船頭多くして船山に上る」ではないが、即断即決が求められるため「チェアマン判断」以外に解決策はないだろう。
思えば2月、村井チェアマンの英断によりJリーグの延期は決まった。今シーズンの舵取り役として、これほどの適任者はいない。複雑な胸中だろうが、いまは無事にリーグ戦が再開・開幕することを楽しみにしているに違いない。
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